2009.09.04 (Fri)
自民党の金権政治の歴史、今なお続く

植草さんが元気な姿で一日も早く帰還されますよう満月に願いを込めて。
昨日の『世田谷通信』が自民党の運動員が続々と逮捕されたことを伝えている。
読売新聞によると、具体的には、
◇衆院選熊本1区に立候補して落選した自民党前職、木原稔(40)氏派の運動員
◇衆院選愛知13区に立候補して敗れ、比例東海ブロックで復活当選した自民党の大村秀章氏(49)の選挙運動員
◇衆院選福岡7区で当選した自民党の古賀誠氏(69)の支援者
◇衆院選京都5区の有権者に金を渡し、同選挙区で当選した自民党の谷垣禎一氏選対幹部の弟
◇衆院選京都2区で当選した民主党の前原誠司氏への投票や票の取りまとめを依頼した投票管理者
となっている。なぜか、公職選挙法違反の具体的なニュースを伝えるのは読売のみで、他のメディアは情報を得ていないのかほとんどが何も伝えていない。さすが読売と警察の癒着が強いだけある。
そもそも自民党は金にものを言わせて政治権力を掌握する「金権政治」で有名だが、自民党の中でも田中角栄の金の使い方は半端じゃなかったと言われている。それでも、日本の当時の政治家にとって、金をばら撒いて権力を手に入れようとしたのは普通だった。
田中角栄が金権政治を行っていたにもかかわらず、いまだに尊敬されているのは、その時代のニーズに合った政治を行っていたからだろう。例えば、「日本列島改造論」。当時の日本は戦後の悲惨な状態で、道路らしい道路もなく、橋やトンネルや線路や新幹線などの建設が必要だった。それを次から次へと実現して、東京と地方の格差をなくし、日本を復興させたのが、田中角栄だった。
自民党の政策が人気がないのは、そんな昔の政策を現在もそのまま続けているからだ。経済危機に国民の生活が悪化していることなどおかまいなしに、すでに世界でも最も整備されていると評価されているにもかかわらず、いまだに道路や橋などを作り続け、大企業や官僚ばかりにお金が流れるようにしているからだ。そんなこともわからないKY自滅党はすでに崩壊が進んでいるが、そのうち消滅するだろう。田中角栄のように頭脳明晰で、人心の掌握術を心得た人物をどこかからか探し出して、総裁にしない限り滅亡の一途をたどるだけだ。
その田中角栄の人心の掌握術を受け継いでいるのが小沢一郎次期幹事長であり、自公政権に最も恐れられていた男だ。しまいには、国策捜査によって秘書が逮捕され、メディアに異常にバッシングされて党代表の辞任に至ったが、その裏には、小沢におびえる与党の陰謀があった。
メディアもいまだに記者クラブが存在するのか、野党に成り下がった自公から圧力がかかってきて、あることないことを書きたて、徹底的に小沢一郎叩きを続けている。
田中角栄(ウィキペディア)
高等教育を受けていないという学歴で首相まで上り詰めたことから「今太閤」と呼ばれる一方、「コンピュータ付きブルドーザー」と形容される知識量・実行力や、巧みな官僚操縦術を見せつけるなど、党人政治家と官僚政治家の長所を併せ持った稀有な存在であった。首相在任中には、中華人民共和国との間の日中国交正常化や日中記者交換協定、金大中事件、第一次オイルショックなどの政治課題に対応。日本列島改造論で一世を風靡したが、後にその政策が狂乱物価を招いたことや、金脈問題への批判によって首相を辞職。さらにアメリカの航空機製造大手のロッキード社による全日空への航空機売込みに絡む収賄事件である「ロッキード事件」で逮捕され自民党を離党した。
首相退任後やロッキード事件による逮捕後も最大派閥となった田中派(木曜クラブ)を背景に政局に対する発言力を保ち続け、「(目白の)闇将軍」の異名を執った。
道路法の全面改正や、道路・港湾・空港などの整備を行う各々の特別会計法や日本列島改造論によるグリーンピアなど、衆議院議員として100本を超える議員立法を成立させ、戦後の日本の社会基盤整備に後年功罪と言われる大きな影響を残した。また、社会基盤整備を直接担当する建設省や運輸省、大臣として着任していた通商産業省や郵政省などに強い影響力を持ち、政治家による官僚統制の象徴、族議員の嚆矢となった。
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