2011.06.18 (Sat)
原発を再開する前に国民投票を!

このところ、アレルギーで喉が痛くて、鼻水がとまらなくて、さんざんだった。ファミリー・ドクターにサンプルとして無料でいただいた「Allegra(アレグラ)」というバイアグラのアレルギー版のような名前のクスリを飲み続けたら、今日はだいぶ楽になってきた。福島の小学生の中にも鼻血を出す子供が増えたと聞いたけど、私も先日鼻をかんだら、血が混じっていたのでギョッとした。
目のかゆみは、アレルギー用の目薬を1日2回差し続けたら、かゆみは収まってきた。目のかゆみはネットでパソコンを長い間見続けるとますますかゆみが増すように思われたので、ブログもしばらく書けなかった。私にとっては、人生で初めてのアレルギーが、原発事故と関係しているのかどうかわからない。でも、事故発生から3ヶ月間もの長い間なので、福島第一原発からダダ漏れした放射能が、日本からすると地球の裏側にあるカナダ東部まで到達してもおかしくないだろう。
クスリのおかげでアレルギーが収まったので、やっと大好きなワインも飲めるようになった。飲みすぎるとクスリが効かなくなるので、ほどほどにしないといけないのだろうけど・・・・。


そうこうするうちに、日本の福島第一原発からの放射線漏れの状況は刻一刻と悪化している。けれども、一般の日本人たちは、事の深刻さに気付いていないのか、気付かないふりをしているのか知らないけれども、これまでと変わらぬ暮らしを送っている。もっとも、政府が原発の稼動を続けるために、福島第一原発での事故を過小評価しているので、政府の言うことを疑うことを知らない日本人が政府の嘘を鵜呑みにして信じてしまうのは、当然だろう。
カナダ人の友人らに日本政府が嘘をついて、国民を安心させ、原発の稼動を続けようとしていると話すと、それは、日本だけの話ではなく、どこの国でも政府は、自分たちに都合の悪いことは隠す傾向にあるものだという答えが返ってくる。しかし、日本は世界でも唯一の被爆国だ。真実を隠して被害を増大させるよりも、過去の体験を生かし、真実を国民に伝えて安全を確保しながら、国民を避難させ、被害を最小限に抑えるのが、日本国民が期待している政府ではないか。
民主主義国家のイタリアでは、日本の原発事故を受け、国民投票をしたところ、原発凍結賛成が94%に達した。原発再開を模索していたあの独裁者のベルルスコーニ首相でさえも、原発の新設や再稼働を当面断念する意向を述べた。一方の被爆国の日本では、福島第一原発事故でこれだけの被害を受けているにもかかわらず、今日、海江田経済産業大臣が運転再開のめどが立っていない定期検査中の原発について、地元の自治体に原発の運転再開を認めるよう要請するという。
現在、メディアによるアンケートでは、国民の約8割が原発の増設や再開に反対しているにもかかわらず、その国民の声を無視して、再稼動させようというのである。いまだに原発事故で避難された約2万人の人々が避難所で暮らしているというのに、彼らの感情を逆なでするかのように、また、第二の被災者を生み出す可能性のある原発の運転を再開しようとしているのである。日本でも、原発の運転を再開する前に、イタリアのように正式な国民投票をするべきだ。それが民主主義国家というものであろう。

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小出裕章 |
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