2008.10.21 (Tue)
橋下が「朝日新聞」を「狙い撃ち」で「どうにもとまらない」(YouTube 動画あり)
植草一秀の『知られざる真実』の「正鵠を射た橋下大阪府知事批判」では、エントリーを紹介していただいた上に、共感を表明して下さった。
「カナダde日本語」の美爾依さんが、橋下徹大阪府知事が朝日新聞社説に激怒する橋下知事の知的レベルについて、的確な記事を掲載された。橋下知事は時代のあだ花であるのだと思う。小泉元首相流のパフォーマンスで有権者を惑わす劇場型政治が席巻した余熱が、大阪府民の判断を歪めてしまったのだろう。橋下知事は、新自由主義、市場原理主義の余韻のなかで誕生した知事であるが、時代の転換とともに姿を消してゆくことになるのだろう。
植草氏は今回の橋下の発言だけでなくて、これまでの橋下の問題ある言動を列挙し、それに対する批判もまとめてくださっているので、特に橋下を擁護する人たちに再考を促す為にも読んでいただきたい。
その後、あきれることに、橋下大阪府知事は、さらに「朝日新聞」への「悪口」をエスカレートさせ、他にも彼を批判している新聞はたくさんあるのに、「朝日新聞」一社を「狙い撃ち」。「朝日新聞」バッシングが「どうにもとまらない」ようだ。
朝日に「事実誤認したならすぐ廃業しろ」とほざく橋下
橋下知事、2日続けてブチ切れ!朝日新聞に「廃業しろ」「事実誤認やりゃ全員首切れ」 (スポーツ報知 10月21日)
橋下の新たな暴言:
「論説委員か、何様か知らないけど、狭い部屋でワーワーしゃべりながら『この表題でも付けておこうかな』っていうぐらいな意気込みでやってるなら、まったく愚かな言論機関だと。すぐさま廃業した方がいいんじゃないですか」
橋下の暴言を受けた朝日新聞大阪本社広報部の「(知事の)責任を厳しく指摘したもの。記念行事での当社に関する発言については理解いたしかねる」という反応を指して、
「理解いたしかねるって、偉っそうに」「素直に『ちょっと言い過ぎた』くらい言えばいいのに」
「人間誤ることもある。朝日は今まで事実誤認したことないのか。そんな完ぺきな人間ばっかりなんですかね、朝日は」
「朝日が弁護士資格返上しろって言うなら、これから事実誤認とかやりゃすぐ廃業しろと。全員首切れと。もっと言うなら戦争責任だってある。いますぐ廃業しろって」
「一番敬意を表さなきゃいけない人たち(自衛隊員)に対して、反対に、一番愚かな対象として朝日新聞は最適だったのかなと」
「朝日新聞は権力に悪口を言っていればいい、と思っていることがよく分かった」
「朝日みたいな新聞社は早くなくなってもらった方が世の中のため」
いやはや、大阪府知事という公人の立場でありながら、府民の中には、長年朝日新聞を購読している人や朝日新聞で働く人もいるという認識が全く欠けていることにあきれかえる。そんな人々が今回の橋下の朝日バッシングを聞いたら、どう思うだろうか。橋下は石原や中山前国交相、小泉などと同じ「ファシズム」体質をあらわにしており、昨日のエントリーにも書いた通り、日本の民主主義と逆行するかなり危険な人物である。この件について、植草氏が前述した記事の中で的確に言い得ていたので、その部分を転載したい。
民主主義のなかでの知事は独裁者ではない。知事の権能に基づいて、すべての府民の人権を尊重し、ルールに基づいて行政を執行する役割を担っているだけにすぎない。小泉元首相も首相が独裁者であると錯覚していたきらいがある。自民党という「民主主義」を掲げた政党であるにもかかわらず、「郵政民営化」に賛成しない議員を追放し、刺客を放つ手法は、反対意見の存在すら認めない、独裁者がとる行動だった。
メディアへの監視を強め、言論空間から反対意見を抹殺する「ファッショ」的な体質が、日本社会を息苦しいものに変質させた。橋下知事は小泉元首相をモデルとしているのか、その言動は権力を笠に着る高圧的なもので、他者に対する心配りを欠いている。
橋下知事の言動がこれまでメディアを賑わしてきた。メディアが社会の木鐸として、中立公正の立場から、橋下知事を批評すれば、誤りが是正されることも期待できる。しかし、政治権力に迎合するメディアは、橋下知事に対する当然の批判を抑制してきた。メディアの偏向が橋下知事の不適切な行動を助長してきた面も否めない。そのメディアの姿勢にようやく変化の兆しが見られ始めている。
大阪府民は府民自身の選択とはいえ、時代のあだ花と言える、人権意識の欠落した、傍若無人知事に、残り3年以上も府政を委ねるのだから、大変気の毒だと思う。
果たして、知的レベルも低く、府民に対する思いやりにも欠ける激情型府知事の橋下は、あと3年も持つのだろうか。これからの彼の言動に注目し、国民もメディアと一緒に彼の暴言などを批判し、必要ならば、弁護士の資格だけでなく、府知事の資格(笑)を返上していただきたいと思う。
山本リンダ - どうにもとまらない (1972)
注:このエントリーは、学会員タレントの宣伝を意図したものではありません(笑)。
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2008.10.20 (Mon)
朝日の社説「弁護士資格を返上しては」に激怒する橋下の知的レベル
まず、19日に兵庫県伊丹市の陸上自衛隊伊丹駐屯地であった記念行事に参加した時、祝辞の中で
「人の悪口ばかり言う朝日新聞のような大人が増えれば、日本は駄目になる」
と述べ、その後視察した同府島本町のウイスキー蒸留所で、報道陣に対し、朝日新聞3日付朝刊の社説「弁護士資格を返上しては」への批判だったと説明した上で、
「一線を越えたからかい半分の批判であり、たいへんな怒りを感じている」
と不快感をあらわにしたそうだ。

左写真:敗訴を受け、深々と頭を下げる橋本知事=大阪府中央区の大阪府庁で2008年10月2日午前11時11分、平川哲也撮影 (毎日新聞10月2日より)
橋下を激怒させた10月3日付けの朝日新聞の社説の全文を読んでみたいと思って、Asahi.comで探したんだけど、過去の社説を読むには、有料会員にならねばならないとのこと。そこで、ネット検索したら見つかった。
橋下TV発言―弁護士資格を返上しては(朝日新聞社説 10月3日)
歯切れのよさで人気のある橋下徹・大阪府知事のタレント弁護士時代の発言に、「弁護士失格」といわんばかりの厳しい判決が言い渡された。
山口県光市の母子殺害事件をめぐり、橋下氏は昨春、民放のテレビ番組で、少年だった被告の弁護団を批判し、「弁護団を許せないと思うんだったら懲戒請求をかけてもらいたい」と視聴者に呼びかけた。
その発言をきっかけに大量の懲戒請求を受けた弁護団が損害賠償を求めた裁判で、広島地裁は橋下氏に総額800万円の支払いを命じた。判決で「少数派の基本的人権を保護する弁護士の使命や職責を正しく理解していない」とまで言われたのだから、橋下氏は深く恥じなければならない。
この事件では、少年は一、二審で起訴事実を認め、無期懲役の判決を受けた。だが、差し戻しの控訴審で殺意や強姦(ごうかん)目的を否認した。
少年の新たな主張について、橋下氏は大阪の読売テレビ制作の番組で、弁護団が組み立てたとしか考えられないと批判した。弁護団の懲戒を弁護士会に請求するよう呼びかけ、「一斉にかけてくださったら弁護士会も処分出さないわけにはいかない」と続けた。
こうした橋下氏の発言について、広島地裁は次のように判断した。刑事事件で被告が主張を変えることはしばしばある。その主張を弁護団が創作したかどうかは、橋下氏が弁護士であれば速断を避けるべきだった。発言は根拠がなく、名誉棄損にあたる――。きわめて常識的な判断だ。
そもそも橋下氏は、みずから携わってきた弁護士の責任をわかっていないのではないか。弁護士は被告の利益や権利を守るのが仕事である。弁護団の方針が世間の常識にそぐわず、気に入らないからといって、懲戒請求をしようとあおるのは、弁護士のやることではない。
光市の事件では、殺意の否認に転じた被告・弁護団を一方的に非難するテレビ報道などが相次いだ。そうした番組作りについて、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は公正性の原則からはずれるとして、厳しく批判した。
偏った番組作りをした放送局が許されないのは当然だが、法律の専門家として出演した橋下氏の責任はさらに重い。問題の発言をきっかけに、ネット上で弁護団への懲戒請求の動きが広がり、懲戒請求は全国で計8千件を超える異常な事態になった。
橋下氏は判決後、弁護団に謝罪する一方で、控訴する意向を示した。判決を真剣に受け止めるならば、控訴をしないだけでなく、弁護士の資格を返上してはどうか。謝罪が形ばかりのものとみられれば、知事としての資質にも疑問が投げかけられるだろう。
橋下の暴言に対し、朝日新聞大阪本社広報部では、
10月3日付の当社の社説は、山口県光市の母子殺害事件を巡る橋下徹知事のタレント弁護士時代のテレビ発言について、橋下氏敗訴を言い渡した判決を論じた上で、橋下氏の責任を厳しく指摘したものです。陸上自衛隊記念行事での当社に関する発言については理解いたしかねます。
と困惑している。
みなさま、どうでしょう。この社説が悪口やからかい半分の批判に思える?悪口どころか、最初に「歯切れのよさで人気のある橋下徹」って褒めてるじゃん。その後は、事実に沿って書かれているだけでしょう。どこが悪口なのか、からかい半分なのか、さっぱりわからないんだけど。これは、どう読んでも、橋下がこれまでやってきたことをきちんとまじめに批判した文だよね。
正論の新聞社説までコントロールしようとする橋下は、大阪知事という権力を手に入れた自分の優位性を誇示し、相手を萎縮させて、言論の自由をさまたげようとしているとしか思えない。英語で言えば、れっきとしたパワーハラスメントだ。こういう人物が権力を手に入れることは非常に危険なことだ。これまでにも多くの問題を起こして来た橋下の本質を見抜けずに彼を大阪府知事にするために支援した自公政権や、彼に一票を投じた大阪府民は、多いに恥じるべきだ。
それにしても、謝罪したかと思ったら、今度は他の公の場で、持論を繰り返すって、ちょっと前に衆院選に出馬するとかしないとか迷走したモンスター中山前国交相にそっくりじゃない?橋下もこれまで数多くの失言をしてきたわけだけど、それにもめげずにこのザマじゃね。中山と同じ運命をたどらなければいいけど・・・・。口は禍いの元だよね。
関連動画:
橋下知事が謝罪
関連記事:三浦和義氏に対する意見は、全く違うけど、橋下氏に対する意見はほぼ一致するブログを紹介。秋原葉月さま、TBとコメントありがとうございました♪
『Afternoon Cafe』
橋下氏、自衛隊記念行事で自分を批判した朝日を批判 (10月20日)
追記・橋下氏の賠償命令の判決文を読んで (10月4日)
弁護士のくせに悪口と批判の違いがわからない橋下の知的レベルの低さを広めるためにもランキングの応援宜しくお願いします。

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