2008.04.15 (Tue)
『きっこのブログ』より「靖国」無料上映会のお知らせ

稲田朋美や有村治子の映画『靖国』への圧力が批判され、かえって逆効果となり、彼らのトーンはかなり落ちて来た。そうすると、今度はこの映画の舞台となった靖国神社が李纓(リ・イン)監督や配給のアルゴ・ピクチャーズなどに対して映像の削除を求める通知を送ったことが判明。又、登場する刀匠、刈谷氏(90)が高知県在住であることから、高知市の映画館では、上映が延期されるそうだ。
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靖国神社が映像の削除を求めた原因というのが、映画の撮影許可手続きが守られていないだけではなく、その内容についても事実を誤認させるような映像が含まれているからということだが、靖国神社のウェブサイトを読んでも、なぜ、誰でも勝手に入れる公共の場所で撮影許可が必要なのかとか、どの部分が事実を誤認させるような映像なのかということには詳しく触れられていないので、あまり説得力がない。
いまでこそ、「境内での撮影、取材について」というページがあるけれども、この映画が撮影され始めた10年前にこういった断り書きがあったと考えるのは難しい。
靖国神社がこの映画を上映させたくないのなら、法的手段に出るべきだろう。ドキュメンタリー映画を撮るのにいちいち許可を取っていたら、映画なんて作れないと思うが、この映画が違法に撮影されたものだという証拠と、どの部分が内容に事実を誤認させるような映像なのか、法廷ではっきりと示して欲しい。
そうすれば、法廷で靖国神社の意味の確認から始まって、昭和天皇の戦争責任の是非まで発展する可能性もあるのだし。これをきっかけに、日本ではタブーとされている靖国神社が造られた本来の目的や天皇の戦争責任についての議論が活発になるといいと思う。
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私は、今回の一連の右翼政治家、右翼団体、靖国神社による映画上映の圧力の根底にあるのは、靖国神社の実態を知った国民が天皇の戦争責任を追究するのを避けるための動きだと見ている。戦争を企てたというと反感を買うかもしれないが、少なくとも戦争を始めることを承認した裕仁天皇はすでに亡くなられており、天皇の戦争責任を追究したところで、突然、今の天皇制度が廃止されるわけでもないのに、実に時代錯誤な動きだと思う。
こういった不快な動きがある中で、嬉しいニュースもある。『きっこのブログ』で知ったんだけど映画「靖国」の無料試写会とシンポジウムが行われることになったそうだ。日時や場所は下記の通り。
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日時:4月23日(水)11時半から16時まで
スケジュール
11:30 開場
12:00 映画上映
14:30 シンポジウム(高橋哲哉氏もパネリストとして出演)
16:00 終了
コーディネーター
田場暁生氏(弁護士)
パネリスト
吉川正文氏(映画「靖国 YASUKUNI」配給宣伝担当者)
高橋哲哉氏(東京大学大学院教授)
内田雅敏氏(弁護士。「立川テント村」事件弁護人)
場所:弁護士会館 2F「クレオ」千代田区霞が関 1-1-3
定員:200名(4月17日までに往復ハガキで申し込み・抽選制)
主催:日本弁護士連合会・東京弁護士会・第一東京弁護士会・第二東京弁護士会
問合せ: TEL 03-3581-2205 東京弁護士会人権課
会場の地図などより詳しい情報は、こちらの告知(PDFファイル)を。
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関連ニュース:
日弁連が「靖国」試写会=23日、一般向けに-東京(時事通信 2008/04/14)
靖国神社が李監督らに削除要請=映画「靖国 YASUKUNI」(時事通信 2008/04/12)
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