2008.10.08 (Wed)
オバマvsマケイン第2回大統領候補討論会の勝敗は?
2nd Presidential Debate 10/7 McCain Vs Obama Part 1
第一回大統領候補討論会は、オバマもマケインも引き分けのように見えた。支持率もオバマが微妙にリードしていたが、それほど目立った差はなかった。しかし、その後、民主党に有利な風が吹き始めた。まずは、米国は経済危機に見舞われた。これまでの共和党政権が行って来た経済政策のツケが回ったためと考える国民は多かった。その上、経済危機に対して、マケインは、有効な解決法を打ち出すことができず、あたふたとしているところに、副大統領候補のサラ・ペイリンがインタビューでマヌケな答えを連発し、マケインの副大統領にサラ・ペイリンを選んだ任命責任が問われる事となった。そして、10月2日の副大統領討論会では、サラ・ペイリンがジョー・バイデンに負け、オバマとマケインの支持率の差はますます開くばかりだ。
オバマ氏、マケイン氏とのリード広げる 世論調査 (CNN.co.jp 10月7日)
テネシー州ナッシュビル(CNN) 米大統領選の民主党候補のバラク・オバマ上院議員の支持率が、共和党候補のジョン・マケイン上院議員とのリードを広げていることが、CNN/オピニオン・リサーチ社による最新の世論調査で6日分かった。
調査は3─5日、有権者1006人を対象に電話で行われた(誤差±3.5%)。その結果、オバマ氏の支持率は53%、マケイン氏の支持率は45%。オバマ氏のリードは8%と、9月中旬の前回調査の4%から倍増した。
また、ギャラップ社やホットラインによる世論調査結果との平均では、オバマ氏が49%、マケイン氏が43%で、差は6%となった。
CNN調査によると、現職ブッシュ大統領の支持率は24%。ニクソン大統領の辞任直前(1974年)と並んだうえ、トルーマン大統領が持つ歴代最低記録(52年2月)と2%差まで落ち込んだ。
また、マケイン氏の政策がブッシュ大統領と同じとの意見は56%と、前回調査の50%から上昇。一方、オバマ氏に金融危機への対応能力があるとの回答は68%を占め、マケイン氏を18%、ブッシュ大統領を42%それぞれ上回った。
さらに、共和党の副大統領候補であるサラ・ペイリン・アラスカ州知事への厳しい見方は40%と、約1カ月前の27%、8月下旬の21%から急増。これもオバマ氏の支持率を押し上げたとみられている。専門家は、万が一必要性が出てきた場合、ペイリン氏が大統領代行を務めるのは難しいと考える米国民が大多数だと指摘した。
来月の本選でオバマ氏の勝利を予想している有権者は、10人中6人を占めた。
マケインがそんな状態を打破できるかどうかがかかった今日の第2回目の大統領討論会は、テネシー州ナッシュビルのベルモント大で開かれた。
両候補は会場やインターネットからの質問に応じるタウンホール・ミーティング(市民集会)方式で、90分間にわたり論戦を交わした。司会はNBCテレビのトム・ブロコウ氏が務めた。
だが、討論後の世論調査によれば、オバマがマケインに勝利したとする投票の方が多く、
この討論会でマケインが、支持率を回復させることは難しいだろう。
"The huffington post" Presidential Debate: Video, Highlights, Analysis(英語和訳)
11:04 - Nico Pitney: CBS 世論調査: オバマがディベートで勝利
第一回大統領討論会や副大統領対決のように、より多くの無党派有権者は、民主党候補者が討論会で勝利したと言う。(正確な数字はより多くの回答者が調査に答えたとき、変わる可能性あり。)
バラック・オバマが勝利 39%
ジョン・マケインが勝利 27%
引き分け 35%
討論前には、54%の無党派層の有権者は、経済についてオバマが正しい判断を下すだろうと思い、討論後は、68%に上がった。一方、討論前は、経済についてマケインが正しい判断を下すだろうと思った41%の票は、討論後、49%とわずかだけ上がった。
討論前は、オバマは有権者の要求や問題を理解しているとしていた60%の票は、討論後は80%と、20%も大幅に上がった。一方、討論前は、マケインが有権者の要求や問題を理解しているとしていた35%の票は、討論後も46%と11%しか上がらなかった。
テレビを見ていても、オバマは自信に満ちあふれているように見えたが、マケインはちょっぴり自信がなさそうに見えた。討論も、オバマは細かく、具体的に質問に答えていたのに対して、マケインは具体性に欠けていた。
11月4日(日本時間では5日)の一般投票を前に、最後の第三回大統領候補者討論会は10月15日にニューヨーク州で開催される。
討論の要点は、『CNN.co.jp』の「米大統領選で候補者討論会、市民集会方式で激しい応酬」(2008.10.08)がわかりやすい。
それにしても、第一回目の討論会では、オバマと目を合わせなかったマケインだが、今回は、オバマをアイツ、英語では、"that one"と呼んだことが話題になり、リベラル系のテレビ局では、その場面が何度も放映され、コメンテーターたちがマケインを罵っていた。通常英語で、"that one"と呼ぶときは、その人を責めることが多い。例えば、親戚の子供が集まった時、お母さんが台所で割れたお皿を発見し、「誰が割ったの?」と聞くと、誰かが犯人を指さしながら、「あいつ。"that one"」と言ったりする。普通は子供や犯罪者以外はめったに「人」に使ったりせず、「どれが欲しい?」と聞かれて「あれ。"that one"」と「物」を指す時に使うことが多い。
こういった下品な言葉を公の大統領討論会で使うマケインは礼儀が全くなっていない、もしくは、オバマに対して前回同様、見下した態度をとっていると言われてもしょうがないだろう。マケインが白人でオバマが白人と黒人の混血であることもあり、こういった言葉が人種差別としてとらわれる可能性が高いことをマケインは考慮するべきだった。マケインのこういった態度も支持率を下げる結果となってしまったようだ。
McCain Calls Obama "That One"
『ROOM to the WORLD.(Culture Essay)』の「Game is Almost Over.(オバマ、マケイン、第二回・ディベート)」が第2回大統領候補討論会について詳しくレポートしてくれている。
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2008.10.03 (Fri)
サラ・ペイリンvsジョー・バイデン討論会(YouTube)

討論のトレーニングコーチ「サラ、がんばれ。
プーチンがアラスカに彼の頭を突っ込んでくるという、
あのかっこいいせりふを忘れるなよ。」
カナダ東部の時間、Eastern Timeで9時から待ちに待ったサラ・ペイリン対ジョー・バイデンの討論会があった。これまでのメディアによるインタビューでペイリンの知識不足が露呈し、そのさまがあまりにもひどいので、共和党の中から、ペイリンは副大統領候補の座を辞退すべきという意見も出た。
ペイリンは、今日の討論会に向けて、マケインの牧場で、必死で合宿トレーニングをしたようだ。一方、バイデンも今日の討論会に向けて、自宅でトレーニングしたそうだ。

ペイリン候補、手痛い知識不足 牧場で「緊急合宿」(10月2日 朝日新聞)
今回の副大統領候補によるディベートでは、合宿トレーニングの成果が見られ、ペイリンは、これまでになくシャープに対応していたが、オバマやマケインの政策について間違った認識も目立ちバイデンによく訂正されていた。これまでのインタビューで見せたような鈍い反応もなくペイリンにしては、よくやっていたが、彼女の口から出てくる言葉のほとんどが原稿の丸暗記という印象はぬぐえなかった。その原稿に書かれていることが質問されたときは、しっかりと答えていたが、それ以外の質問には、答えずに、話を変えたり、サラの得意とするあいまいで具体性に欠ける答弁が目立った。こういった点も含み、35年の議員経験があり、外交以外にも経済、安全保障などの幅広い分野で専門的な知識を持ったバイデンにかかっては勝ち目はなかったようだ。

下のサイト(英語)では、ディベートがどのように進行したのか、そしてそのハイライトが見られる。
VP Debate Tonight: Biden-Palin Time Info, Video, Highlights
ディベートの要旨は、日本語のニュースでは、『CNN.co.jp』が一番よくまとまっていたので、動画を交えながら、転載する。
米大統領選の副大統領候補が討論会 経済、外交などで論戦
2008.10.03 Web posted at: 13:16 JST Updated - CNN
(CNN) 米大統領選の共和党副大統領候補サラ・ペイリン・アラスカ州知事と、民主党副大統領候補ジョゼフ・バイデン上院議員による討論会が2日(日本時間3日午前)、米ミズーリ州セントルイスのワシントン大で開催された。両候補は終始穏やかな態度を保ちながらも、経済、外交などをテーマに論戦を繰り広げた。
大統領選に向けた副大統領候補同士の討論会は、今回が最初で最後。司会は米公共放送(PBS)のグエン・アイフル氏が務めた。同氏の紹介でステージに登場したペイリン、バイデン両氏は握手を交わし、「ジョーと呼んでもいい?」と声をかけたペイリン氏にバイデン氏が笑顔で答える、和やかな幕開けとなった。
討論のテーマとして、アイフル氏はまず金融危機問題を提示した。バイデン氏は、問題の根本原因は8年間にわたるブッシュ政権の失政にあるとして、経済政策の変革を主張。民主党大統領候補のオバマ上院議員は危機の引き金となったサブプライムローンの危険性を「2年前から警告していた」のに対し、共和党候補のマケイン上院議員は「規制緩和を主張するばかりで、状況を全く把握していなかった」と批判した。これに対しペイリン氏は、マケイン氏が選挙戦を一時中止して危機への対応に奔走したことを強調した。
Biden / Palin Debate Part 1 - Biden: Bush Has Worst Economic Policies Ever
Biden / Palin Debate Part 2 - Palin: Economy Is Hurting
10/02/08 Biden - Palin Debate - 3
「経済状況が変化したことによって、守れなくなる公約は」との問いには、バイデン氏が減税などを挙げる一方、ペイリン氏は「5週間前に副大統領候補になったばかりなので」、取り立てていうほどの公約はないと答えた。同氏はこの後、アラスカ州知事としての経験を基にエネルギー政策論を展開し、外国へのエネルギー依存から脱却する必要があると強く訴えた。
10/02/08 Biden - Palin Debate - 4
気候変動についての質問を受けると、ペイリン氏は「原因としては人間の活動だけでなく、地球のサイクルも考えられる」との立場を示す一方、「(温室効果ガスの)排出量は抑える必要がある」と言明。バイデン氏は「人間の活動が原因であることは明らかだ」と言い切り、「マケイン氏は石油を掘れというばかりで、代替エネルギーの研究推進に反対してきた」と攻撃した。
10/02/08 Biden - Palin Debate - 5
イラク戦争、核拡散、中東和平などの外交問題では、バイデン氏が豊富な経験を背景にブッシュ政権の政策や、それを支持してきたマケイン氏の立場を批判したが、ペイリン氏は「過去の失敗ばかり挙げず、未来に目を向けましょう」と、笑顔でかわした。
Biden / Palin Debate Part 7 - Biden on Troop Funding
ペイリン氏は、同性愛者の権利をめぐる議論で「親族や親しい友人にもさまざまな立場の人がいる」と述べ、教育改革を語る際に「私の祖母も父も教員で――」と語るなど、身近な人々を引き合いに出して、庶民的なイメージを強調。一方、バイデン氏は数字などのデータを挙げながら、終始落ち着いた態度で議論を展開した。ただ、ペイリン氏が「普通の家庭の母親」であることを強調したのに続き、「私も妻を失って1人で子どもを育てた経験があり、子育ての苦労はよく分かる」と、一瞬声を詰まらせる場面もあった。
Biden / Palin Debate Part 8 - Biden On Losing A Loved One
バイデン氏もペイリン氏も、批判のほこ先はもっぱら相手と組む大統領候補に向け、互いを直接攻撃する発言はほとんどみられなかった。今回の討論会をめぐっては、マケイン氏の「失言癖」やペイリン氏の「知識不足」を懸念する声もあったが、両氏とも大きな失態を演じることなく本番を乗り切り、有権者からも「予想よりよくやった」との評価を受けているようだ。
このディベート、見かけは、どちらもよくやったように見えるんだけど、それもバイデンの紳士的な態度のおかげでペイリンが追い込まれることもなく、ディベートが無事済んだからだと思う。ペイリンは、司会者のグエン・アイフルによる質問に答えず、違う話をする場面も見られ、その上、ブッシュとマケインの政策の違いを述べることもできなかったこともあり、副大統領になる準備はまだまだできていないように見えた。マケインの演説を聴いていると、ブッシュが国民に人気がないことから、自分はブッシュとは違うということをよく述べているのだが、今日のディベートでは、バイデンがブッシュの悪事を批判しても、ペイリンはその批判に対して論理的な反撃ができなかった。ブッシュもマケインも同じという印象を視聴者に与えてしまったことは、共和党にとって大きな打撃となるだろう。
評価としては、ほとんどのメディアがジョー・バイデンが勝利したと報じている。
世論調査:どちらが勝者?
米CBS バイデン 46%、ペイリン21% 引き分け33%
CNNテレビ バイデン51%、ペイリン36%
「勝利するまで戦争を続けなければならない」というペイリンに対して、「戦争を終える」ときっぱりと断言したバイデン氏に勝利の女神は微笑んだようだ。
おまけ:少し前に、ペイリンの娘パイパーちゃんがトリグ君の髪を手のひらに唾をつけて整える動画を紹介した。これは、トリグ君のかわりにマケインの頭をなでるパロディ動画だが、マケインの表情以上に「パイパーちゃんをワシントンをぶっ壊す私のパートナー」と紹介しているせりふがかなり笑える。
McCain & Piper
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2008.09.28 (Sun)
オバマ対マケイン討論会1は、引き分けか

No Clear Winner in US Presidential Debate
カナダ時間の昨夜、オバマvsマケインの第一回討論会がミシシッピであった。テーマは、「外交と安全保障」だったが、今世界中を襲っている米国発の「金融危機」。冷泉彰彦氏によれば、通常、大統領選の討論では、現在進行形の課題を争点にすることはできるだけ避けるというルールがあるそうだけど、今回は「金融危機」という無視できない問題が投票日にまであと1ヶ月ちょっとというタイミングで起こってしまった為、討論会でも、金融危機に40分ほど時間を割いかざるを得なかったということだ。
1 of 11 - Obama / McCain Presidential Debate from Mississippi - 9/26/08
結果は、明確にどちらが勝ったということはなく、普段からオバマとマケインが語っている政策の内容に終始したというのが大方の評価だが、CNNのようにオバマが勝利したと伝えているメディアもある。しかし、よく読んでみると、調査対象者は、民主党支持者の方が多かったということなので、当然の結果と言えよう。
オバマ氏「勝利」が51%、米大統領候補の初のテレビ討論会
ミシシッピ州オックスフォード(CNN) 米大統領選候補の共和党マケイン、民主党オバマ両上院議員が26日に初めて実施したテレビ討論会で、番組を視聴した米国民の51%がオバマ氏が「勝利」したとみなし、マケイン氏に軍配を上げたのは38%だったことが討論会後の全米世論調査で判明した。
討論の内容だが、冷泉彰彦氏が、毎週土曜日に配信される『JMM』メルマガで速報として雑感をうまくまとめて書かれていらっしゃったので、その部分を転載させていただきたい。
(1)金融危機に関してマケインは「共和党が合意を阻害したこと」「自分も含めた規制緩和路線が問題になっていること」などマイナス要因には一切言及せず、ボクシングで言えば「クリンチ」に終始。一方のオバマは民主党の既定路線、つまり「公的資金注入が万人を救済するが、危機の再発を防ぐため必要な規制を導入」という方針からブレずに堂々たる姿勢を維持した。また、具体的になりすぎる発言はオバマは巧妙に避け、冒頭記したような「政策のフリーハンド」を守り通したとも言える。
(2)オバマとしては、この金融危機問題に関してマケインを追い詰めることをしなかった。準備不足だったのか、最終合意に達していない現状では慎重にならざるをえなかったのか、性格的に攻めきれなかったのかは分からない。だが、一気に攻めきるチャンスを逃したのは事実。マケインが「公的資金注入」に賛成なのか反対なのかを追及することもしなかった。
(3)金融危機問題に関しての議論が、財政の話にすり替わり、減税問題、福祉などの「平時の議論」にすり替わっていた。その結果、危機に対する大統領候補の姿勢として「大所高所からの世界観」は分からずじまい。その平時の議論は、全くこれまでの両陣営の主張と寸分変わらず。
(4)オバマの冷静な姿勢、攻撃のかわし方、論点の絞り方などはかなり好感を持って受け止められたのではないか。一方のマケインも、ボイコット騒ぎのドタバタの直後にしては「いつものマケイン」だった。ディベートの全体としては、多少の非難の応酬はあったものの紳士的で、内容的にも情報量があり、両者の相違も良く分かり、過去二回の「ブッシュ=ゴア」や「ブッシュ=ケリー」の討論と比較すると、質は良かった。
(5)ほぼ失言がゼロだったオバマと比較して、マケインは何点か「不規則発言」があった。「危機に際して歳出の凍結をやる」とか「私は米軍による拷問は一切許さない」あるいは「軍事費の使途が不透明、徹底的にメスを入れる」というような発言は、やはり唐突な印象を与える。「マーベリック(一匹狼)」的なキャラクターを売り込もうとしているのかもしれないが、ブッシュ=チェイニーとの根深い確執も感じさせ、それが今回の「700ビリオン注入」におけるブッシュと共和党議員団の分裂という文脈の中で、マケインの共和党内での位置付けが見えないという印象も与えた。
(6)マケインは「オバマの理解は間違っている」と何度も強調し、オバマは「それは違う」とすぐに応酬。その一方で、オバマは「その点ではマケインの見解に同意」するという発言が何回かあった。この応酬は、得点、失点という以前に相互の「キャラ」を印象づける効果の方が大きかったのではないか。
(7)対ロシア政策は二人とも差はない。オバマはイラク戦争は失政で、その代わりにアフガンに増派すべきという見解を変えていない。マケインは名誉あるイラクでの勝利をということで、これも従来通り。イラン、北朝鮮も特に新しい議論はなし。ただ、軍事外交をメインテーマにした部分で「引き分け」という結果は、マケインには苦しいのではないか。
次回の討論は、「ペイリン対バイデン」の1回だけの副大統領候補討論が、来週の10月2日にセットされています。金融危機の中、大統領選という来年以降の政局と、現在進行形のホワイトハウスと議会の綱引きがダブルで走る歴史的な日々が続きます。
下記のCNNニュース(英語)では、アフガニスタン、イラク、イラン、ロシア、中国、貿易、外交について、二人の政策の違いが簡単にわかるように箇条書きで書かれている。
Obama vs. McCain on Foreign Policy: Get the Facts
朝日にも二人の違いがわかりやすい表があったので、それを転載する。

決定打なしの討論会 マケイン氏痛手か 米大統領選(朝日新聞9月28日)
この討論も金融危機の影響でキャンセルされる可能性もあったそうだが、それは何とか回避できたようだ。それにしても、オバマはもう少しマケインを追いつめてもよかったのではないかと思う。ヒラリーだったら、もっとうまく立ち回っていただろう。
あと、今日のメディアで話題になっていたのが、今回の討論でのマケインのオバマを見下した態度だった。例えば、一番上の写真を見てもわかるように、マケインは討論で、終始オバマと目を合わせようとはしなかった。そして、マケインの話し方も、オバマは何も知らないと心の底で思っているのが誰にでもわかるような横柄な口調だった。いくらマケインが「外交と安全保障」について経験と知識を持っているからといって、あそこまでアグレッシブにオバマに対応しなくてもいいのではないかと誰もが思っただろう。それに対して、オバマはとても冷静に対処していた。
大統領選挙前の「オバマ対マケイン」の討論会はあと3回あるが、その前に、10月2日に予定されている「ペイリン対バイデン」の副大統領候補討論が、今からとても楽しみだ。巷では、ペイリンは外交についてあまりにも無知なので、インタビューでもほとんどメディアによる質疑応答はさせないそう。どんな結果になることか。
以前から病状が危ぶまれていたポール・ニューマンが9月26日、癌で亡くなった。83歳だった。
Paul Newman Dies
ポール・ニューマンの映画の中で一番好きな映画、『ザ・スティング』。
THE STING trailer
とても痛快な映画で、何度も見てしまった記憶がある。
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