2011.01.16 (Sun)
小沢一郎を離党させ、与謝野馨を入閣させる菅直人の矛盾

写真:『毎日新聞』小沢氏:離党勧告の動きけん制 政倫審、24日前は拒否より
小沢一郎氏が1月16日(日)フジテレビ新報道2001(朝7時半~)に生出演し、衆院政治倫理審査会(政倫審)に関して24日召集の通常国会前の出席を拒否する考えを示した。そのときのインタビューの様子を産経が報じている。
【新報道2001詳報】小沢一郎民主党元代表「絶対正義は勝つ。お天道様が見てる」
(産経 2011.1.16 18:25)
小沢氏が衆院政治倫理審査会への出席に首をふらないのは、小沢氏にやましいところがあるからではない。現在の菅直人首相をトップとする民主党執行部が小沢氏の国会招致を実現しようとしていることについて、高橋昌之氏がその理由をいくつかあげている。
その第一の理由は、「小沢氏を政治的に抹殺しよう」、あるいは「小沢氏に厳しい態度をとることで内閣支持率を上げよう」という不純な動機を小沢氏が見抜いているからであるとしている。
【高橋昌之のとっておき】小沢氏が政倫審出席に応じない理由より
実際、現在の党執行部は、小沢氏に批判的な、いわゆる「反小沢グループ」が中心を占めています。党幹部からは「小沢氏を衆院政治倫理審査会、さらには証人喚問に引きずり出せば、政治的にイメージダウンさせることができ、さらに偽証罪に問えれば、小沢氏を政治的に抹殺できる」との声も聞こえてきます。
つまり、対立状態にある小沢氏を政治的に抹殺してしまえば、自分たちのグループが民主党内をおさえて、政権を自由に動かせるという「政治的思惑」があるわけです。現在の党執行部の全員が、そう考えているわけではないでしょうが、一部にそういう思惑があるのは間違いありません。
そうした「政治的思惑」がある以上、小沢氏が国会招致に応じれば、党執行部の一部にある「小沢潰(つぶ)し」の術中にはまって、民主党内の権力闘争に敗れることになります。小沢氏は何も権力が欲しくて闘争をしているわけではなく、自分が中心とならなければ民主党政権をきちんと運営していけないと考えています。それだけにこの権力闘争に敗れるわけにはいきません。だから、小沢氏は出席に応じないのだと、私は思います。
その第2の理由として高橋氏は、衆院政治倫理審査会を申し立てる際に、審査の申し立てをするには25人の委員のうち3分の1以上が必要であり、その申し立てには、「小沢氏が行為規範等の規定に著しく違反していることを明らかにした文書」を提出しなければならないのだが、小沢氏が行為規範等の規定に著しく違反しているという具体的な事実を、文書で示すことができるかどうかと疑問を呈している。万一、党執行部が申立書をでっち上げた場合は、小沢氏は「申立書に瑕疵(かし)がある」と主張して、出席を拒否することができる。
と高橋氏は述べているが、『フジテレビ新報道2001』のインタビューを見ると、これはまさに小沢氏の気持ちを代弁したものであろう。一般の国民の方々からしてみると、「小沢氏はやましいところがないのであれば、堂々と国会に出てきて説明すればいいじゃないか」ということになるかもしれません。しかし、小沢氏にとっては、政倫審出席問題が先に述べたような「権力闘争の手段」に使われている以上、それに応じるわけにはいかないということなのです。
その上、「クリーン」な政治を連呼する菅内閣が内閣改造で、真っ黒な人物を入閣させたとなれば、小沢氏だって何がなんでも政倫審出席を拒否しようと思うだろう。
『きっこのブログ』「内閣改造」という最後の悪あがき
菅にしたって、あれほど小沢一郎のことを叩きまくってて、新年の挨拶でまで小沢バッシングを繰り広げて、「クリーン」「クリーン」「クリーン」「クリーン」って、まるでレレレのおじさんみたいに「クリーン」って言葉を連呼してたのに、よりによって「政治とカネ」の問題で真っ黒な与謝野なんかを連れてくるなんて、言ってることとやってることが正反対じゃん。与謝野って言えば、「みんなの党」の渡辺喜美とおんなじで、先物取引会社「エイチ・エス・フューチャーズ」(当時のオリエント貿易)などのグループ会社から、5530万円もの莫大な企業献金を受けてたことでもオナジミだ。そして、与謝野の場合は、ダミーの政治団体「政経政策研究会」を利用して、その献金を自分の政治資金管理団体「駿山会」へと迂回させてフトコロに入れてたんだよね。
ま、ここまでは、政治資金規正法の網の目をくぐった方式で、自民党の議員なら9割がやってることだから目をつぶるとしても、与謝野の場合は、この莫大な献金の見返りとして、寄付者の所得税の一部が控除される団体として、この「政経政策研究会」を推薦してたんだよね。つまり、自分に献金をした者だけが特別に減税されるっていうシステムを作ったんだから呆れ返る。そして、当時のNHKの「日曜討論」で、共産党の小池晃議員が「迂回献金の全面禁止」を訴えたら、必死になって「何から何まで法律で縛る必要はない。迂回献金については政治家ひとりひとりの良識に任せるべきだ」って反論したんだよ。だから、与謝野の「良識」では、「政治家が特定の企業から迂回献金を受け取り、その相手に見返りを与えること」は正しいことなワケだ。まさに「カネの亡者」だね。
一方では、今の民主党を与党にした最大の実力者でもある真っ白な小沢氏を失脚させるために、むやみやたらと『政治とカネ』の問題を持ち出して離党させようとし、もう一方では民主党を潰すためにやっきとなっていた真っ黒な人物を入閣させるという菅直人の矛盾化した脳内構造を頭蓋骨を開けてじっくりと見てみたいものだ。
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