2008.11.18 (Tue)
「麻生の神話」崩れる

『kimera25』の「タロー違い、「岡本画伯」と「口先タロー」。倒閣あるのみ! 」
で知った岡本太郎の『明日の神話』。原爆で逃げ惑う人々を描いたものだそうだ。

右図:17日の『東京新聞』「GDP年率0.4%減 7年ぶり 連続マイナス成長 7-9月期」より
テレビでは、今回のリセッションは、ITバブルが崩壊した2001年以来だということだ。
右のグラフで、7-9期が、4-6期よりも回復しているのは、7月に北京オリンピックがあってテレビの需要が増えたことや猛暑効果でエアコンがよく売れたことによって、個人消費が二期ぶりに0・3%増に転じたからだそうだが、解散から逃れるために「政局よりも景気対策」と言いつつ、第二次補正予算案を先送りし、国民が納得できるような効果的な景気対策はいくら待っても出て来ない麻生政権がこのまま続いたら、4-6期どころではなくて、不況に突入するのは間違いないだろう。
18日の東京新聞朝刊『景気回復』見えぬ首相 サミットの高揚感に冷水 でも触れられているが、このリセッションのニュースは、緊急首脳サミットで「経済の麻生」の存在感を示したというその高揚感を一気に吹き飛ばすかのニュースだった。
河村建夫官房長官は十七日の記者会見で、今回のサミットについて「歴史に残る方向付けができた。今の金融危機を救おうという機運が盛り上がってきたことは意義がある。首相も目いっぱい、存在感を示した」と胸を張った。
首相周辺は、「内閣支持率も上がるのではないか」と政権浮揚への期待感をにじませた。
しかし、帰国した首相が直面したのは、景気後退局面に入った日本経済の姿だった。河村氏は、GDP二期連続マイナスに「景気の先行きは、さらに厳しくなる。そのリスクに留意をしなければならない」と指摘した。
首相は内需拡大による景気回復に全力を挙げる構えだが、実現は容易ではない。政府は八月末に事業規模一一・七兆円の経済対策、十月末には事業規模二六・九兆円の追加経済対策を決定しているが、いずれも景気浮揚効果は不透明だ。
追加経済対策に盛り込まれた定額給付金の所得制限や、道路特定財源の一般財源化に伴う地方への一兆円移譲などをめぐって政府・与党内が混乱。財源となる二〇〇八年度第二次補正予算案は、国会提出のメドさえ立っていない。
首相は就任当初、「日本経済は全治三年」と訴えたが、衆院解散・総選挙を当面見送った今、いよいよ経済対策の具体的な成果を問われる。「経済の麻生」に残された時間は、そう多くない。
「首相周辺は、「内閣支持率も上がるのではないか」と政権浮揚への期待感をにじませた。」という部分に特が笑えた。リセッションへの対策もなにもないのに、政権交代内閣支持率が上がるわけないだろう。しかし、笑っている場合でないのは、麻生が海外でいい顔するために、10兆円もの血税を国会の審議も通さずにIMFに融資したということだ。とても正気の沙汰とは思えない。
IMFへの融資については、植草一秀の『知られざる真実』の「憲法違反の外国為替資金特別会計」や「成果乏しい20ヵ国金融危機サミット」でも厳しく批判されている。
麻生政権が外貨準備から10兆円の資金をIMFに拠出する方針を決めたことが報道された。外貨準備は麻生首相のポケットマネーではない。理念も哲学もない定額給付金支給も外貨準備の流用も、国民の貴重な財政資金を私有物と勘違いしているとしか思えない。
(「憲法違反の外国為替資金特別会計」より)
さらに、植草氏の「政局優先の麻生政権とNHK偏向報道を糺(ただ)す」というエントリーを読んで驚いたのだが、太郎と一郎会談の様子がNHKによって偏向報道されてしまったようだ。
10月30日に追加景気対策を決定した際に麻生首相は記者会見で、国民の経済対策について、「ポイントは、スピード、迅速にという意味です」と明言したにもかかわらず、補正予算を先送りする構えを見せたのに矛盾を感じた小沢一郎代表が、太郎と一郎会談で、それでは全く国民のための景気対策にはならずおかしいと疑問を呈し、補正予算案を今年中に国会に提出するように求めたことが、NHKによって、まるで民主党が政局優先の行動をとっているかのような偏向報道にされてしまったようだ。しかも、小沢代表のコメントは紹介せずに、麻生太郎のコメントだけを紹介したとか。植草氏がおっしゃられている通り、NHKは、「日本偏向協会」に名前を変えるべきだ。
共産、社民両党などからは、民主党が参院で突然、新テロ法案などの採決に応じないことになったという姿勢に対して批判がでているようだが、特に麻生のような優柔不断で言っていることとやっていることに矛盾が見られる政局では、ときには臨機応変な対応が必要となってくると思う。
それにしても、フジの調査以外では、麻生内閣の支持率も20%台まで下がっているとか。ここまで国民の前で言ったことが次々に覆されるとは、さすがにかつての熱狂的な麻生支持者も想像していなかったのではないか。2ちゃんねる生まれで、渋谷の豪邸に住む「麻生の神話」が、岡本太郎の「明日の神話」が渋谷駅に飾られると同時に崩れ去っていく。そればかりでなく、「明日の神話」に描かれた原爆から逃げ惑う人が、まるで解散から逃げ回っている麻生太郎そのもののようにも見えてくるから皮肉なものだ。
今日もランキングの応援宜しくお願いします。

にほんブログ村 政治ブログ 現在 1 位
『自エンド - トラックバック・ピープル』
http://member.blogpeople.net/tback/09077
ブログ村トラコミュ『自エンド』
『民主党 - トラックバック・ピープル』
http://member.blogpeople.net/tback/09160
にトラックバックしています。
衆院選で東京8区(杉並)から出馬予定の保坂展人氏を応援しています。

【政権交代】を目指すブログリスト
Tags : リセッション |
連続マイナス成長 |
小沢一郎 |
麻生太郎 |
明日の神話 |
IMF |
10兆円 |
融資 |