2011.07.16 (Sat)
菅総理のなんちゃって脱・原発宣言
しかし、実際は、ストレステストの実施も具体的な内容が明らかになる前に消えた。福島第一原発事故の現状に対しても、事態はますます悪化しているのにもかかわらず、収束に向けた動きも進んでいるなどと現状を偽って伝え、これまでの不手際を全て不安院のせいにして自分は何も悪いことはしていないという言い訳で国民を欺くための噴飯会見だった。
記者会見の質疑応答を最後まで見てみると、現在運転調整中の原発については、最終的には菅総理を含む4人の大臣で政治的に判断した上での再稼動をほのめかしている。原発を再稼動するかどうかは、国民の意見によって決定するものであり、首相を含めたアホな4人の大臣によって決められることではない。これは、まさしく脱・原発宣言を装った原発推進発言である。第一、脱・原発宣言にしては時期やその方法など具体的な内容は何一つ示されず、あまりにも現実性に欠ける。
おまけに、国民は菅氏の脱・原発宣言が政府と内閣の統一見解だとばかり思っていたら、翌日には、個人的な見解と一転して弱腰になってしまった。「信念」のしの字も持ち合わせていない男である。
耳障りのいいことばかり並べて国民を騙そうとしても、多くの国民は詐欺菅に騙されるほど馬鹿ではない。国民のヒーロー的存在である小出裕章教授もその嘘を全て暴いている。
2011-07-13 小出裕章・たね蒔きジャーナル7月13日
『晴天とら日和』「政治の世界は困ったものだ」by・小出裕章氏。で、ただいま「空き菅直人」のストレステスト中です。ご静粛にお願い致します。|ω・)ジーッ!!より
今日は夕方行われた菅総理の会見の中での発言について、ずっと聞いていたが、いろいろと「え?本当にそうなの?」と思うところがあったので、是非小出先生に伺いたい。まず、菅さんは、今の福島第一原発事故の状況について説明をしている時に、こんなふうに言った。「ステップ1はほぼ予定通りの日程で進んできている」
これは本当か?
(小出氏)(苦笑)とんでもない。
(アナ)やはりとんでもない話ですか?ステップ1というのは、何を目指していたのか?
(小出氏)安定的な冷却ではなかったでしょうか?
(アナ)そうですよね。安定的に冷却が出来ている状態を作るということ。ほぼ予定通りの日程で進んできているなんてことはとんでもないと。菅さんは、こうも言った。「冷却についても、小さいトラブルはあるが、大筋動き出していて、原子炉に対する安定的な汚染水を出さない冷却が可能になるなど、ステップ1が進んできている。」
まず、小さいトラブルがあるけど、大筋動き出している冷却システムという話、これは本当か?
(小出氏)私は菅総理は根本的に間違えていると思う。東電がこのシステムを始めに作った時は、原子炉の炉心系部分には半分まで水があるという前提でロードマップを作った。つまり、炉心はまだ圧力容器にちゃんと残っている。だから水さえ循環すれば、安定的な冷却ができる。そのために、冷温停止という言葉を私は使った。ところが、5月12日になって、実は炉心は全部溶けていたと言い出した。もうロードマップの前提自身が全くずれてしまっている。冷温停止なんているテクニカルタームはもう使えない状態になってしまっている。だから、安定的冷却もへったくれもないという状態になっている。
(アナ)冷却したかった、するべきものが、もうそこにはないという、この大前提を今も認めない状態の話だということですね。
(小出氏)私にはそう聞こえる。
(アナ)汚染水をださない冷却が可能になるというふうに、今日の会見であったが、どういう意味か?
(小出氏)私から見れば呆れた話。既に12万トンもの汚染水がコンクリートの構造物に溜まっていて、それが毎日漏れてしまっている、そういう状況。汚水の浄化設備が動いた動かないで大騒ぎをしているが、そんなことほとんど本質的に関係がないこと。
(アナ)大前提がもう違っているということですね。そして、更にこういう発言もあった。
「ステップ2を前倒しにすることで、これまで住んでいた地域の皆さんに元の場所に戻ってもらえるのかどうなのか、どこの地域の方が帰ってもらえるのかどうかということを、次第に具体化できる」 つまり、福島のみなさんにできるだけ帰ってもらえるような策をとるという意味だと思うが、これは、現実的か?
(小出氏)私ももちろん帰ってもらいたいと思うが、既に生じてしまっている汚染に関しては何の手の打ちようがないんので、ロードマップが出来ようが出来まいが、そんなことは何の関係もない。
(後略)
これまでもさんざん騙されてきた日本人で、詐欺菅によるなんちゃって脱・原発宣言を本気で信じる人などほとんどいないだろう。人の弱みにつけこんで延命を図ろうとする菅直人には、ほとほとあきれかえるばかりである。