2009.06.09 (Tue)
全盲の辻井伸行さんが第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで優勝

写真:時事通信
昨日からネット界でちょっとした話題を巻き起こしているkimeraさんのブログで知ったんだけど、辻井伸行さん(20)という、生まれたときから全盲のピアニストが、中国出身のHaochen Zhangと共に、米テキサス州フォートワースで開催された第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンペティションで優勝した。
その辻井伸行さんのピアノがこれまた感動的で、聞いているうちに涙があふれてくるような名演。
下のリストのカンパネラは辻井さんが予選で弾いたもの。
Lisztの La Campanellaを第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンペティションで弾く辻井さん
私も一応、4歳の頃からピアノを習っていて、それなりにピアノ曲は詳しいけれども、リストの「ラ・カンパネラ」でこれほどまでに感動したのは初めてだった。ちなみに私の手は小さすぎて指が届かないからこの曲の楽譜は持っているけれども、最初の出だしでギブアップした覚えがある。世界広しと言えども、この曲をここまで感情移入して感動的に弾ける人は数少ないと思う。
産婦人科医の父と、元フリーアナウンサーの母の間に生まれた辻井さんは、2歳の時から母親のいつ子さん(49)の歌に合わせ、おもちゃのピアノを弾き、優れた音楽的才能を発揮していたそうだ。
4歳から本格的に始めたピアノのレッスンでは、点字の楽譜を使うこともあったが、多くの曲は耳で聴いてすべて覚えていったとか。目が見えない分、辻井さんの聴力はかなり優れていて、どんなに複雑な音でも一度聴いたら忘れないという。耳で聴いただけでここまで演奏できるなんてすごいよね。でも、耳で覚えてここまで弾けるようになるには、楽譜を見て弾くのとは比べ物にならないほど、多くの時間が必要だっただろう。
辻井伸行さんが弾くピアノを聴いていると、これまでの彼の苦労や辛かったであろう練習の日々が浮かんできて、思わず涙が出てきちゃったんだけど、それと同時に彼が奏でるピュアなピアノの音に全盲であっても必死で生きてきた彼の清らかな思いが心の奥深く響いてそれが涙腺を緩めてしまったのもあるかもしれない。でも、彼はピアノを弾いていて辛い思いはしたことないっていうから、根っからピアノが好きで練習してきたのだと思う。
彼のこれまでの練習の成果を100%このコンクールで発揮できて、本人をずっと支援されてきたご家族の方々もさぞ嬉しいことだろうと思う。
辻井さん、ご家族のみなさま、本当におめでとうございました♪

写真:ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール公式サイト
左より、第2位のYeol Eum Son(韓国)、第1位:辻井伸行(日本)、Haochen Zhang(中国)
Tags : 辻井伸行 |
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