2010.01.27 (Wed)
検察リーク:証拠つかんだ『週刊朝日』と否定する政府
「検察によるリークは違法行為」というエントリーでも紹介したが、今回の小沢幹事長の政治資金規正法問題をめぐる大手メディアの報道は、検察側のリークによるものがほとんどであることは正常な頭脳を持った人なら誰もが疑う余地もないだろう。
それなのに、読売新聞では、政府が捜査情報のリークはなかったという答弁書を決定したことを伝えている。「政府が決定した」としても、政府の誰が決定したのかとか、この答弁書が決定された経過などの詳細な説明もなく、答弁書を決定したという事実だけを伝える、幼稚園児でも書けるほどの短い文章である。海外報道の読者の知的欲求を満たす記事とはかけ離れた文章で、これで大手メディアとして扱われているのかと思うと、日本のメディアの質がかに低いかをあらためて思い知らされる。
「捜査情報漏えいない」政府が答弁書
(読売新聞 - 01月27日 00:12)
これを読んで、検察リークはなかったと信じる人はまずいないだろう。
一方、すでに多くのブロガーに引用されている『日々坦々』の「週刊朝日、検察リーク認める!!」というエントリーを読んで知ったのだが、『週刊朝日』は、検察官のリークを認める発言を公表している。『日々坦々』が記事を一部引用されているので、記事の内容はそちらを読んでいただきたい。
『週刊朝日』によると、現在、小沢幹事長の政治資金規正法問題の捜査の指揮をしているのは、巷で言われている佐久間達哉特捜部長ではなく、大鶴基成検察官であるという。
彼のウィキペディアの情報によると、大鶴基成検察官は大分県佐伯市出身。ラ・サール中学校・高等学校卒業後、東京大学法学部に進学。卒業後、高校時代から検事になることを夢みていた大鶴氏は、念願の東京地検の検事に任官した。1981年に福岡地検、1983年に大阪地検、1985年に釧路地検と地方のドサ周りを経て、1992年4月にやっとあこがれの東京地検特捜部へ異動。交通部長を経て、2005年春には特捜部長に就任。その後、函館地検検事正、最高検察庁検事に就任している。
主な担当事件には、ゼネコン汚職事件、第一勧業銀行総会屋事件、日歯連闇献金事件、ライブドア事件などがある。
大鶴基成検察官の捜査手法はかなり強引で思い込みが激しいらしく、大鶴氏と一緒にゼネコン汚職事件で特捜検事として働いた元同僚は、「あらかじめ決められたストーリーに沿って『こういう供述を取って来い』と命じられると必ずやり遂げる男だった」そうだ。大鶴氏の元上司だった高検検事長経験者によっても、自分の内面の弱さを隠すために権力を笠に着て取り調べ、事件を自分の作ったストーリー通りに捏造してしまうという大鶴の捜査手法を何度もたしなめられたとか。
そのせいか、ゼネコン汚職事件の梶山静六ルートでは、見込み捜査による大チョンボを犯してしまった。当時、自民党幹事長だった梶山氏にゼネコンの元幹部から現金が渡されたという調書がとられたが、実際には梶山氏には現金は渡っておらず、ゼネコンの元幹部が個人的に着服していただけであった。大鶴基成検察官の取調室からはいつもすごい怒鳴り声が漏れており、あまりにも荒っぽかった捜査に当時の同僚は、大鶴は手柄を焦っていたのではないかと証言している。
大鶴氏は日歯連闇献金事件では後ろめたいことがありそうな人物を重要証人に仕立てて、狙った獲物を撃つという捜査手法を使ったことがあり、ライブドア事件でも宮内亮治をライブドア元社長の堀江貴文を有罪にするための証人にし、見返りとして宮内の横領疑惑を不問にしたのではないかといわれている。
恐らく、小沢幹事長や3人の元秘書が否定している水谷建設から受けたとったとされる裏金献金もすべて大鶴氏がでっちあげた作り話に違いない。まず、水谷の元社長は、この裏金をホテルの喫茶店で元秘書らに渡したと証言しているが、そんな目立つところで、受け取るわけがない。もし、受け取るとしたら、自分の事務所に招いてそこで誰もいない個室で受け取るに違いない。まして、東京新聞が伝えるような第三者がそこにいたとはとても信じられないことだ。もし、本当にホテルの喫茶店で渡されたとしたら、その渡された時間に喫茶店で勤務していた従業員の証言が出てくるはずだ。それが全くでてこない。多分、上述の梶山静六ルートのように、鹿島建設からの裏金を水谷建設の元社長が個人的に着服したというのが事実ではないだろうか。
さらに、時事通信は本日の記事で水谷の経理担当者が元社長に『小沢事務所に持って行く』と言われ、04年10月と05年4月ごろに、それぞれ現金5000万円を用意して渡したと証言していると報道しているが、だから何?というのが私の感想だ。いくら経理担当者が金を元社長に渡したと証言しても、その金が小沢側に渡った証拠がない限り、裏金が小沢側に渡ったという証拠にはなりえないからだ。この記事では、石川知裕議員がまるでその裏金を陸山会の口座に入金してその資金で土地を購入したかのごとく、意図的に読者を誤解させるように書かれており、あまりにもひどい記事だと思う。
このように、自分の出世や手柄だけのために、ありもしない妄想にとらわれ、強引な捜査を進める者が、世界で第3番目に影響の高いリーダーとされる小沢一郎幹事長を担当するのはいかがなものだろうか。まさに郷原氏が強調しているように、このような捜査がまかり通れば、政治資金規正法の罰則適用についてのハードルは大幅に下がって、検察はその気になればどのような政治家でも処罰できるということになってしまう。国民によって選ばれた政治家をこのような窮地に陥れることは、検察の権限が国会よりも上だという検主主義であり、完全に民主主義を否定していることにつながる。
これでも日本が正常な民主主義国家と呼べるだろうか。
それなのに、読売新聞では、政府が捜査情報のリークはなかったという答弁書を決定したことを伝えている。「政府が決定した」としても、政府の誰が決定したのかとか、この答弁書が決定された経過などの詳細な説明もなく、答弁書を決定したという事実だけを伝える、幼稚園児でも書けるほどの短い文章である。海外報道の読者の知的欲求を満たす記事とはかけ離れた文章で、これで大手メディアとして扱われているのかと思うと、日本のメディアの質がかに低いかをあらためて思い知らされる。
「捜査情報漏えいない」政府が答弁書
(読売新聞 - 01月27日 00:12)
政府は26日の閣議で、小沢民主党幹事長の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件に関する報道について、「社会の耳目をひく事案については、報道機関が関係各方面に広く深く独自の取材活動を行っていると思われ、捜査情報の漏えいがあったとは考えていない」とする答弁書を決定した。
新党大地の鈴木宗男衆院外務委員長が質問主意書で、「検察当局からのリークがあったのではないか」などとただしたのに答えた。
これを読んで、検察リークはなかったと信じる人はまずいないだろう。
一方、すでに多くのブロガーに引用されている『日々坦々』の「週刊朝日、検察リーク認める!!」というエントリーを読んで知ったのだが、『週刊朝日』は、検察官のリークを認める発言を公表している。『日々坦々』が記事を一部引用されているので、記事の内容はそちらを読んでいただきたい。
『週刊朝日』によると、現在、小沢幹事長の政治資金規正法問題の捜査の指揮をしているのは、巷で言われている佐久間達哉特捜部長ではなく、大鶴基成検察官であるという。
彼のウィキペディアの情報によると、大鶴基成検察官は大分県佐伯市出身。ラ・サール中学校・高等学校卒業後、東京大学法学部に進学。卒業後、高校時代から検事になることを夢みていた大鶴氏は、念願の東京地検の検事に任官した。1981年に福岡地検、1983年に大阪地検、1985年に釧路地検と地方のドサ周りを経て、1992年4月にやっとあこがれの東京地検特捜部へ異動。交通部長を経て、2005年春には特捜部長に就任。その後、函館地検検事正、最高検察庁検事に就任している。
主な担当事件には、ゼネコン汚職事件、第一勧業銀行総会屋事件、日歯連闇献金事件、ライブドア事件などがある。
大鶴基成検察官の捜査手法はかなり強引で思い込みが激しいらしく、大鶴氏と一緒にゼネコン汚職事件で特捜検事として働いた元同僚は、「あらかじめ決められたストーリーに沿って『こういう供述を取って来い』と命じられると必ずやり遂げる男だった」そうだ。大鶴氏の元上司だった高検検事長経験者によっても、自分の内面の弱さを隠すために権力を笠に着て取り調べ、事件を自分の作ったストーリー通りに捏造してしまうという大鶴の捜査手法を何度もたしなめられたとか。
そのせいか、ゼネコン汚職事件の梶山静六ルートでは、見込み捜査による大チョンボを犯してしまった。当時、自民党幹事長だった梶山氏にゼネコンの元幹部から現金が渡されたという調書がとられたが、実際には梶山氏には現金は渡っておらず、ゼネコンの元幹部が個人的に着服していただけであった。大鶴基成検察官の取調室からはいつもすごい怒鳴り声が漏れており、あまりにも荒っぽかった捜査に当時の同僚は、大鶴は手柄を焦っていたのではないかと証言している。
大鶴氏は日歯連闇献金事件では後ろめたいことがありそうな人物を重要証人に仕立てて、狙った獲物を撃つという捜査手法を使ったことがあり、ライブドア事件でも宮内亮治をライブドア元社長の堀江貴文を有罪にするための証人にし、見返りとして宮内の横領疑惑を不問にしたのではないかといわれている。
恐らく、小沢幹事長や3人の元秘書が否定している水谷建設から受けたとったとされる裏金献金もすべて大鶴氏がでっちあげた作り話に違いない。まず、水谷の元社長は、この裏金をホテルの喫茶店で元秘書らに渡したと証言しているが、そんな目立つところで、受け取るわけがない。もし、受け取るとしたら、自分の事務所に招いてそこで誰もいない個室で受け取るに違いない。まして、東京新聞が伝えるような第三者がそこにいたとはとても信じられないことだ。もし、本当にホテルの喫茶店で渡されたとしたら、その渡された時間に喫茶店で勤務していた従業員の証言が出てくるはずだ。それが全くでてこない。多分、上述の梶山静六ルートのように、鹿島建設からの裏金を水谷建設の元社長が個人的に着服したというのが事実ではないだろうか。
さらに、時事通信は本日の記事で水谷の経理担当者が元社長に『小沢事務所に持って行く』と言われ、04年10月と05年4月ごろに、それぞれ現金5000万円を用意して渡したと証言していると報道しているが、だから何?というのが私の感想だ。いくら経理担当者が金を元社長に渡したと証言しても、その金が小沢側に渡った証拠がない限り、裏金が小沢側に渡ったという証拠にはなりえないからだ。この記事では、石川知裕議員がまるでその裏金を陸山会の口座に入金してその資金で土地を購入したかのごとく、意図的に読者を誤解させるように書かれており、あまりにもひどい記事だと思う。
このように、自分の出世や手柄だけのために、ありもしない妄想にとらわれ、強引な捜査を進める者が、世界で第3番目に影響の高いリーダーとされる小沢一郎幹事長を担当するのはいかがなものだろうか。まさに郷原氏が強調しているように、このような捜査がまかり通れば、政治資金規正法の罰則適用についてのハードルは大幅に下がって、検察はその気になればどのような政治家でも処罰できるということになってしまう。国民によって選ばれた政治家をこのような窮地に陥れることは、検察の権限が国会よりも上だという検主主義であり、完全に民主主義を否定していることにつながる。
これでも日本が正常な民主主義国家と呼べるだろうか。
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