2008.07.13 (Sun)
洞爺湖サミットでの福田総理の評価

洞爺湖ウィンザーホテルの正面
7月10日の「トロント大学のジョン・カートンによる洞爺湖サミットの評価について」というエントリーを書いた時には見つからなかったG8サミットについての評価が11日になって更新され、評価も見つかった。コメント欄でお知らせくださったみなさま、ありがとうございました。
John Kirton: A Summit of Steady Success: The Performance of the 2008 G8" (Updated July 11, 2008)
の中の
A Summit of Substantial Success:The Performance of the 2008 G8
John Kirton, Director, G8 Research Group, University of Toronto (July 11, 2008)
という論文の37ページにGBの結果(G8Results)という項目があり、42ページまでG8の評価が書かれている。
訳:
G8 結果
2008年洞爺湖G8サミットは実質的な成功を収めた。Robert Putnam と Nicholas Bayneによって開発された基準によると、B+か78%の成績に値した。サミットの中心議題であった「気候変動」においては著しい成功を手に入れ、そして開発とアフリカ、食の安全、責任能力とジンバブエ問題、さまざまな問題における管理能力では大きな前進を果たした。しかし、世界経済を統治するという点においては失敗であった。
又、43ページ以降は参考文献や資料となり、77ページにゴミ売りが使ったG8の評価が一目でわかる表(Appendix O: 2008 G8 Summit Grades)がある。Previous Peak(緑で表示)というのは、過去に行われたサミットでの最高点。過去にサミットが何年にどの国で行われたのかを見るのは主要国首脳会議(ウィキペディア)が詳しい。
Appendix O: 2008 G8 Summit Grades
John Kirton, July 9, 2008
Hokkaido Previous Peak
Overall B+ (78%) A (1978)
Climate change and environment A A+ (1979)
Major Economies Meeting B
World economy and energy C– A (1975, 1978, 1979)
Development and Africa A– A (2005)
Food security B+
Political issues B–
Zimbabwe A–
Counterterrorism C+
Reform B+
Prime Minister Fukuda as chair A (85%)
Graded by John Kirton according to the Putnam-Bayne framework, with added emphasis on declared presidency priorities and the core democratic mission of the G8.

2002年にカナダでサミットが行われたときも、ジャン・クレチエンが呼びかけたアフリカに援助することに参加国の首脳が全員一致で同意した例を出して、福田も地球温暖化問題で京都議定書に代わる枠組みを提示し、それに対してG8首脳全員が前向きな姿勢を示したことを評価しているところはまさに甘すぎると言っていいだろう。カナダでサミットが行われたときは、結局サミットではアフリカを援助することに各国の首脳が同意したものの、実際援助は行われなかったという結果となったことからも、今回も前向きな姿勢は見せても、実際に京都議定書に代わる枠組みが守られるかとなると難しいものがあるのではないだろうか。
トロント大学のG8研究グループのスポンサーのページを見てみると、米国や日本政府(Foundation for Advanced Studies on International Development)がついていることから、きっと日本に不利になるようなことは書かなかったのだろう。
最後に、主要国首脳会議を読んだら、日本でサミットが開催される年のジンクスが書かれていたので紹介しよう。
日本で開催される年は、必ず衆議院が解散、総選挙が行われている(1979年東京の大平正芳・1986年東京の中曽根康弘・1993年東京の宮沢喜一・2000年沖縄の森喜朗)。 総選挙が行われる理由として「国際的に注目を浴び、イメージが上昇したところで与党は選挙をやりたいと考えるから」や「サミットの準備がある中で政治的混乱をきたすことが出来ない」などが挙げられる。

(時事通信 6月13日)
これを読んで今年もやはり衆議院が解散されるのではないかとの思いを強めたのだが、時事通信のこれまでの内閣支持率の推移を見ると、サミット後、果たして福田首相のイメージが上昇することになるかどうかは疑問であり、サミット後に支持率が低下することも十分考えられる。今年はこのジンクスを破ることにならなければいいが・・・・。
その他の参考記事:
内閣支持横ばい26% サミット、半数評価せず(神戸新聞News7月12日)
共同通信社が主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)閉幕を受け11、12両日に実施した全国電話世論調査で、福田内閣の支持率は26・8%と、前回6月調査の25・0%にほぼ並ぶ横ばいとなった。不支持率は6・7ポイント減の53・5%。福田康夫首相のサミット議長としての指導力を「評価しない」が51・4%で「評価する」の30・3%を大きく上回った。
支持する政権の枠組みは「民主党中心」が4・9ポイント増の45・3%、「自民党中心」が3・9ポイント減の31・2%。4回連続で民主党中心が上回り、その差は前回の5・3ポイントから14・1ポイントに拡大した。
政党別支持率は、自民党と民主党がともに28・6%で、自民党が0・5ポイント減らし、民主党は5・0ポイント増やした。
北朝鮮に対する経済制裁の一部解除方針に「賛成」は24・2%にとどまり、「反対」が61・9%に及んだ。サミットで地球温暖化対策が「前進したと思う」は37・2%、「前進したとは思わない」は56・2%だった。
経済界、洞爺湖サミットで談話 「指導力に敬意」「成果乏しい」(日経新聞 7月9日)
「2050年半減」盛らず 主要排出国の首脳宣言、ポスト京都へ試練(日経新聞 7月9日)
主役と舞台(読売新聞 7月2日)
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