2010.02.01 (Mon)
木嶋佳苗と石川知裕議員の捜査を比較:これが「法の下の平等」か?

連続不審死、女を殺人容疑で再逮捕
(TBSのYouTube動画)
写真:日テレNEWS25 殺人容疑で35歳女再逮捕 埼玉男性不審死
このTBSのニュースによると、「今回の捜査は、木嶋容疑者が殺害に関与したとする「直接的な証拠」集めが困難で、また木嶋容疑者本人が否認する中、木嶋容疑者以外に殺害することはできなかったという「状況証拠」を積み重ねる手法がとられた」ため、7回もの逮捕を繰り返す異例の展開となったとされている。又、ある捜査幹部は捜査の正当性を強調する一方で「やはり、証拠の積み重ねには慎重になった」と述べている。
今回の事件のニュースで報道された内容を見れば、誰が見たって木嶋容疑者が6人の男性を殺害したのは明らかであった。それにもかかわらず、逮捕にいたるまでにもたついていた原因を証拠の積み重ねに慎重になったと言い訳するとは、あまりにも国民を馬鹿にしている。
一方の小沢幹事長の政治資金問題でいきなり逮捕された石川知裕議員の場合は、どうだろうか。これまでブログで述べてきたように、誰が見ても逮捕される理由は全くないのに、特捜部でも証拠も揃っていないのに、いきなり逮捕である。
面白いことに、この二つの事件には共通点がたくさんある。二人とも北海道出身である。年齢も35歳と36歳で似ている。又、どちらも中川昭一と関係している。しかし、明確な相違点は、木嶋の祖父は中川の支持者であったが、石川議員は北海道11区の総選挙で中川氏を約2万9千票差で破った男である。
この2つの事件の捜査内容を比べるだけでも、特捜部がいかに自民党関係者に甘く、そのライバルの民主党関係者には厳しいかということがわかる。特捜部の捜査方法が東京地検特捜部総長の樋渡利秋が唱える「法の下の平等」からは、程遠いものであることを国民は思い知ったことであろう。
この2つの事件を追ってこなかった方には、木嶋佳苗と石川知裕議員の捜査や報道の様子が比較できるので、下記の過去ログをぜひお読みいただけたらと思う。
■木嶋佳苗に関する過去ログ
■石川知裕議員逮捕に関する過去ログ
Tags : 木嶋佳苗 |
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状況証拠 |
2010.01.20 (Wed)
小沢幹事長は地検の任意聴取に応じるべきではない

写真:小沢氏、任意聴取に「応じる」と回答(日テレNEWS24 - 01月20日)より
小沢幹事長が任意聴取に「応じる」と回答したことがよほど嬉しかったのか、アンチ・オザワ団報道部は、狂喜の叫びを上げながら記事を書いている。それも、奥様の小沢和子氏にも事情聴取を要請したという。はっきり言って私は小沢幹事長や奥様の小沢和子氏が任意聴取に応じることには反対だ。
先日も紹介させていただいた『永田町異聞』検察「魔法の杖」に踊る司法記者クラブにも書かれている通り、検察が小沢幹事長を聴取する目的は小沢幹事長に「金権政治家」の派手なレッテルを貼るためだ。つまり、政治資金法違反の疑いで聴取を受けたということになれば、それだけで、イメージが悪くなる。
又、これは私の勝手な想像だけど、鈴木宗男氏が斡旋収賄罪の容疑で事情聴取を受けた3日後に逮捕されたように、検察にとって喉から手がでるほど欲しい獲物である小沢幹事長を取調べの最中、又はその後にいきなり逮捕するというシナリオなども出来上がっているのかもしれない。常識では考えられないことだが、なにしろ、国会が始まる直前に小沢幹事長の元秘書3人を一度に逮捕したくらいだから、自分たちが権力の中枢にいると勘違いしている検察なら、それこそ何でもできるだろう。
昨日の植草さんのブログ、「悪徳ペンタゴンが小沢一郎氏を攻撃し続ける訳」に書かれていたように、「悪徳ペンタゴン」は自分たちが死に至る前に小沢幹事長の政治生命を終わらせたいと考えている。小沢幹事長は検察の任意聴取に応じるなど一瞬のスキも見せるべきではない。
又、自民党とズブズブの関係である検察のもう一つの目的は、次期参院選で民主党に単独過半数の獲得を許さないことである。そのため、世界で中国の温家宝首相や米オバマ大統領の次に注目されるリーダーとして位置づけられ、参院選に多大な影響を与える小沢幹事長をくだらない事件に巻き込んで、小沢幹事長が選挙対策に集中するのを妨害することに全力を注いでいる。国民は何年も前の小沢幹事長の政治資金法違反なんて、訂正されればそれで済むことだと思っているのに、国民の意思とはうらはらに、税金を使って全国のテレビや新聞で3人もの秘書が逮捕されたことを大げさに報道し、無駄な捜査を進めている検察は大いに批判されるべきである。これこそ税金の無駄遣いではないか。
みなさまもおなじみ、法務の専門的知識を持ったESQさんが、小沢問題に関する考察 - 検察の捜査方法への疑問というエントリーで、検察の捜査方法への疑問を呈している。
ESQさんによると、検察側は小沢幹事長を「斡旋収賄罪」という実質犯で起訴したいところだが、それができないため、しょうがなく「政治規制法違反」という形式犯で起訴せざるを得ないだろうという。さらにESQさんは続ける。
しかし、「ある行為を罰することが不可能だから、起訴可能な別の軽微な犯罪の方で、悪質性という理由でその分も非難しよう」という姿勢が検察官にあるとすれば、それは過剰な必罰主義であり、そこには冤罪を生み出す体質があると言っても過言ではありません。
私は、一連の捜査手法は、こうした理由から妥当性を欠き、自白偏重型の「密室司法」、「人質司法」という実態と相まって、捜査機関の捜査権限の行使に強い疑念を感じているるわけです。
まさにその通りだと思う。現在検事総長でいらっしゃる樋渡利秋(ひわたりとしあき)氏は、「平成21年「法の日」記者会見における検事総長あいさつ」の中で、「法の日」にちなんで,下記のように述べている。
ところで,本日の「法の日」は,法の下ではいかなる者も平等であるという,憲法の基本理念である「法の支配」があまねく社会に浸透することを目的として定められたものと理解しておりますが,この「法の支配」の概念は,古くイギリスにおいて,統治者による恣意的な支配を排斥し,被統治者の権利・自由を保障することを目的として確立されたものです。そして,今日においては,その意義はより深まり,国民が統治の主体として自由で公正な社会の構築に参画するという民主主義の発展に不可欠な理念とされ,また,グローバル化の進む国際社会の平和と繁栄を実現するためにも欠くべからざるものになっています。
しかし、現在検察が行っている不公正な逮捕劇を見れば、この樋渡利秋検事総長の言葉がとても虚しく聞こえてくるのである。
何日か前の記事に読者の方から管理人だけが読めるコメントをいただいた。その中で最高検察庁あてのメールフォームのリンクを教えていただいたので、その紹介と、筆不精の私だけど、お返事でも書いてみようと思う(笑)。
最高検察庁のメールフォーム
美爾依さま 初めてコメントいたしますが、いつも楽しく、参考になるブログありがとうございます。
私は、特別民主党の支持者というわけではありませんが、今回の地検特捜部のやり方は、あまりにもおかしいと思います。
マスコミの報道にも、もううんざりです。
昨日の晩のNHKのニュースの見出しは、小沢氏の「土地購入事件」というタイトルで、土地買ったら事件なのかよ!と突っ込みを入れたくなりました。
今回、美爾依さまが、東京検察庁のメールフォームをアップしてくださいましたが、私は、昨日web上で、たまたま見つけた、最高検察庁あてのメールフォームに、樋渡利秋検事総長あてに、抗議文を送ってみました。
https://www.kensatsu.go.jp/kensatsumail/feedback.php?id=001
こちらのURLも参考にしていただければ幸いです。
今日、せっかくだから、佐久間達哉特捜部長あてにも、抗議文を送ってみようと思います。
これからも、美爾依さまのブログ楽しみにしてます。
匿名さま、最高検察庁のメールフォームと今回の報道に関するご感想ありがとうございました。
同じように国民のほとんどが地検はおかしいと思っていると思います。
ただ、この樋渡利秋検事総長にメールを送っても都合の悪いメールはもみ消されておしまいってことにならないでしょうか。西松建設の献金問題の最中に書かれたエントリー、『神は慈愛なり』検察トップ樋渡利秋検事総長と佐久間達哉は国民から追求されよ!を読んだら本当にそんなふうに思ってしまいました。でも、もちろん、本人に抗議することは必要だと思いますので、私もぜひ、最高検察庁宛てに「小沢幹事長の逮捕だけは許さぬぞ!(実弾マーク)」と抗議メールしてみようと思います(笑)。