2006.12.11 (Mon)
藤田東吾氏からの安倍政権についてのメール

みにさま
おはよう御座います。
僕は、安倍さんは可哀想だと思っています。しかし、総理ですし、男ですし、可哀想だとはいえませんが・・
本人は、小泉後を引き継ぐことを躊躇したのです。僕は、慶応の島田先生の塾に入っていたので、安倍さんとそういうことについて話したことがあります。真面目な方で、ある意味、世間を知らなかったといえる結末になりそうですね。父上が、総理直前で無念にも倒れたという話を小泉から聞き、成れる時に総理になれ、と言われてなったのです。
安倍総理にはお子さんがいません。ばからこそ、父上の無念を、自分の代で晴らそうと考えたとしても、それは男気だと僕は思います。
ただ、あまりにも、小泉の後はひどかった。僕は、竹中平蔵さんに、小泉後に首相になるのは竹中氏しかいないのではないかと話したことがあります。世間ではいろいろ言われますが、竹中さんは、とてもクールで、小泉政権の本当の中枢を司りました。飯島秘書官が、政治的には魑魅魍魎でした。
小泉政権で果した郵政改革は、実質的に、竹中平蔵氏の功績です。郵政改革は、法案が審議可決されましたが、その施行は4年後目標です。これも、当初、10年が目標でした。僕は、同友会の郵政改革委員会にも入っていたので、10年もかけたら、全く骨抜きの結末になってしまうから、一刻も早い施行を行うべきだと言う話も竹中大臣にしました。有識者の方々も同じように言っていました。
郵政改革は、まだ施行されていないのです。僕は、この耐震偽装事件が生じて以降、郵政改革の展開は知りませんが、この改革は本物にする必要があると思っています。
そして、次の王手が、社会保険庁改革なのです。この流れは、僕が逮捕される以前は共通のコンセンサスでした。教育基本法や共謀罪が議論されていますが、国の財政を引っ張るリーダー達は、社会保険庁の問題をまず解決しなければなりません。
竹中平蔵氏は、とても見識のある方です。本当に優秀な方ですよ。僕は直接にお話させていただいたので、良く存じ上げています。
日本の政治には、大きな淀みがあります。
竹中氏は、ある意味、あれだけの功績を果しながらも、世間では散々に言われました。「やってられない」と思ったとしても仕方ないです。
僕は、徒に、自民党政権が悪いとは一言も言っていません。
多くの日本人は、すぐにヒステリックになって、「自民党」だとか「安倍政権」だとか「小泉純一郎」だとか「靖国」だとか「郵政改革」だとか「共謀罪」だとか「教育基本法」だとか「少子化」だとか「いじめ」だとか・・・、その言葉の真相を見つめようとも洞察しようともしないで、表面的な象徴的な言葉に簡単に踊らされて、決め付けてしまいます。
僕は、そうした国民性が変わらなければいけないと思います。
多くの世界中の人と仕事をしてきましたから、国際比較の中でも、日本人の品格や情緒観の素晴らしさは認識しています。ただ、残念なことは、単一民族がゆえに生じた、勘違いした「同一性」です。
僕は、今の時代だからこそ、多様性を受け容れるような新たな価値観をもっと多くの国民が心の中に醸成するチャンスではないかと考えています。
話が長くなってしまいましたが、以上の文責は僕にあります。転載してくださって構いません。僕も、しばらくしたら、mixiにUpします。
藤田東吾
このメールに対する私の返事。
藤田東吾さま、
人それぞれ違った思想を持っているので、藤田さまの考えについて、私がとやかく言っても始まらないのですが、私としては、今日いただいたメールはとても意外でございました。
まず、安倍晋三が総理になることを躊躇したとのことですが、本当でしょうか。私としては、躊躇するくらいだったら、総理になんてならないでいただきたかったです。確かに父親である安倍晋太郎氏がもう少しというところで、総理になれずに他界されてしまったことは、お気の毒でしたが、自民党内に、安倍晋太郎が岸信介の息子(正確には娘婿)であるということで、その頃は国民から大反対されるという良識があったのだと思います。安倍晋三が総理になったのは、確かに父親の無念を晴らすためということもあったかもしれませんが、祖父を心から尊敬し、あこがれていたからだという方が正しいのではないでしょうか。又、首相になることを小泉に強く薦められたというのは、真実でしょうが、自分でも心底総理になりたかったのだと思います。
それにしても、耐震偽装の件で、安倍総理にあそこまで無視されても、まだ彼をかばっていらっしゃるようなので驚きました。そして、小泉純一郎は嫌いでも竹中平蔵を高く評価しているというところも。竹中氏は、単に米国の経済政策を社会文化や国民の構成が全く異なる日本に適用させようとしたのが失敗だったと思います。時代錯誤もはなはだしい「聖域なき構造改革」で竹中氏は表面上は小さな政府を目指して、いろいろな改悪に手をつけましたが、どれも中途半端に終わり、結局、得をしたのは、大企業だけで、国民の給与は減少し、正社員になれないパートタイマーやニートも増加して、格差社会を拡大する結果に終わってしまいました。最近では、いくら働いても貧しいままであるワーキングプア層が社会問題になっています。又、郵政民営化、道路公団の民営化、独立行政法人の統廃合され、その穴埋めとして患者の医療費負担が増大され、さらに、首都圏と地方の格差もますます広がってしまいました。それでも、竹中平蔵氏を高く評価されるのだとしたら、もう少し、今世の中で何が起こっているのかを目を凝らして見てみる必要があると思います。
郵政改革に関しては、中途半端な形で小泉が辞任したため、今後安倍がどう対処するのか目が離せませんが、これまたいろいろな問題が議論されていますし、自民党の復党問題も槍玉にあがっていることを考えると、複雑な思いがぬぐいきれません。
そして、今日いただいたメールで一番違和感を感じたのは下記の文章です。
僕は、徒に、自民党政権が悪いとは一言も言っていません。
多くの日本人は、すぐにヒステリックになって、「自民党」だとか「安倍政権」だとか「小泉純一郎」だとか「靖国」だとか「郵政改革」だとか「共謀罪」だとか「教育基本法」だとか「少子化」だとか「いじめ」だとか・・・、その言葉の真相を見つめようとも洞察しようともしないで、表面的な象徴的な言葉に簡単に踊らされて、決め付けてしまいます。
僕は、そうした国民性が変わらなければいけないと思います。
耐震偽装問題をもたらしたのは、政府と企業の癒着を増幅させた規制緩和などの一連の「改革」を実行した自民党ではないのですか。
私達が「自民党」「安倍政権」「小泉純一郎」「靖国」「郵政改革」「共謀罪」「教育基本法」「少子化」などに反対しているのは、ただ理由もなくヒステリックになっているわけではありません。日本人はもともとあまり批判をしないような教育を受けてきたのはご存知のことと思いますが、その日本人がヒステリックになるほど、今の政治は狂っているということです。そして、『安倍晋三 - トラックバック・ピープル』にTBされた記事を最初から全て読んでいただければおわかりだと思いますが、私達がこれらのことに反対しているのには明確な理由があるからです。政府には憲法を改悪する前に、国民が納得のいくように説明する義務があると思います。それを怠って、まるで独裁国家の北朝鮮のように国民の意志を無視し、何でも政府の都合のいいように決定してしまっているから、私達は反対しているのです。
「言葉の真相を見つめようとも洞察しようともしないで、表面的な象徴的な言葉に簡単に踊らされて、決め付けてしまっている」のは、藤田氏の方ではないでしょうか。
国民は政府案をそのまま受け入れるのではなく、おかしいと思ったものは、これからもどんどん批判していくように変わらなくてはなりません。まだまだ政府のいうなりになっている国民がどれだけ多いことか。とても嘆かわしいことだと思います。
私達はとても違う意見を持っているようですが、こうして議論を交わすうちに、お互いにものごとについてもっと深く考え、問題解決ができるようになっていくのだと思います。今日は厳しいことを書いてしまいましたが、これからも、権力に立ち向かって戦っていらっしゃる藤田氏を支援する気持ちは変わりません。
これからも、いろいろと議論していきましょう。
美爾依
参考資料:
『RIETI 独立行政法人 経済産業研究所』「郵政改革の論点」

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