2006.07.09 (Sun)
このテポドン騒動の日韓の温度差は何なのさ?

【ミサイル発射】日本は準戦時下ムード (朝鮮日報 2006/07/09 11:41)なのに対し、日本よりもずっと近くにテポドンが落下したと言われている韓国人は完全に冷めているらしい。「驚かない韓国人」に世界が驚いた(朝鮮日報 2006/07/09 11:35)によると、韓国では夏休みの旅行客増加し、株式市場にも変化がないそうだ。
こうした楽観ムードは一般市民の間でも見られた。7日午後、ソウル市江南区三成洞のコエックス・モールで会った女子大生のキム某さん(20)は「すぐ戦争に発展するようなことじゃないでしょう。北朝鮮のミサイル発射に対して韓国が鈍感だというけれど、それは米国の視点に立った見方だと思う」と話した。また大学生のチョ某さん(19)は「韓国にとって北朝鮮のミサイルが、必ずしも脅威でないとは言い切れないけれど、だからといって国じゅうが心配するような状況ではないのでは」と話した。江南駅で会った学生(大学3年生)は「北朝鮮が今回のミサイルを何発発射したか」と質問したところ、「3発だ」と答えた。
ソウル市内の主な大学のホームページの掲示板では、ミサイル発射に関する書き込みを探すのが難しいほどだ。ネイバーなどのポータルサイトでも、北朝鮮のミサイルはそれほど大きな話題になっておらず、「まさか戦争にはならないでしょう」という反応が少なくない。海外在住のあるネチズンは、ネイバーの掲示板に「本当に異常だ。ここカナダではありとあらゆるニュースでミサイルについて大きく取り上げているのに、韓国ではこんなにも落ち着いているなんて…大統領までノーコメントというのは本当に異常だ」と書き込んだ。
やはり、首相がブッシュのポチ2のカナダでもメディアは、北朝鮮を非難していたが、日本に比べたら、それほど大きく取り上げられているというほどではない。
テポドン発射に対して、日韓国民の反応の違いはどこから生まれるのか?その違いは真の北朝鮮を知っているかどうかに隠されているのではないだろうか。日本では、北朝鮮は不気味で貧しくて、金正日による独裁政治が行われている国というくらいしか知らないが、韓国ではとなりの国だけに軍事力や国民の姿など北朝鮮の事情をもう少し詳しく知っているはずだ。
日本のメディアでは北朝鮮についてほとんど悪いことしか語られることがない。日本国民はもっと北朝鮮の真の姿や歴史を知らなくてはならない。松直伽の北朝鮮旅行記(2003年12月3日~12月6日)では、北朝鮮の貴重な写真を数多く見ることができ、松氏が実際に北朝鮮を旅行して感じた北朝鮮の人々の姿がありのままに伝えられている。私もこれを読んで北朝鮮に対するイメージが少し変わった。これまでは金正日にマインドコントロールされた貧しい人々が住むとっても暗い陰湿な国のイメージがあったのだが、写真を見ながらこの旅行記を読んで、北朝鮮が思ったよりはまともな国に思えてきた。特にこの旅行記の序章に書かれている日本の北朝鮮侵略、アメリカの朝鮮戦争、拉致問題、経済制裁、小泉の靖国参拝、安倍が拉致問題を政治に利用していること等は興味深かった。さっそく松氏に応援のメールを送ってみた。みなさまも是非、読んで感じたことを松氏にメールしていただければと思う。
最後に、森田実氏の読者の声を集めた「声」特集にとても共感のもてる投書があったので、ここに紹介する。
2006.7.7(その2) 森田実の言わねばならぬ[204]
「声」特集――言論の自由が日本を救う
「不幸というものは、耐える力が弱いと見てとると、そこに重くのしかかる」(シェークスピア)
【3】AHさんの意見「なぜ小沢代表と胡錦濤主席の会談の翌日にテポドンは発射されたのか」(7月6日)
《今回の北朝鮮のテポドン発射について疑問に思うのは、なぜ小沢民主党代表が中国の胡錦濤主席との会談の翌朝未明に行ったかということです。本来なら、翌日のテレビのニュースは小沢さんと胡錦濤主席の会談が大きく取り上げられるはずです。税金でアメリカに観光旅行に行き、プレスリーの物まねをして世界の物笑いになった小泉の、稚拙なだけでなく、3兆円以上の軍事費負担、米国産牛肉輸入再開、医療制度改革など、国益を大きく損ねる売国奴外交との違いが明らかとなり、政権交代の必要性が改めて急務であることが示されるはずでした。
5年間も総理大臣の座にいながら中国と首脳会談のできなかった小泉と、互いに国益を踏まえ、相手を尊重しあう大人の外交を行っている小沢代表との、政治家としての決定的な能力の差が明らかになるはずであり、小学生以下のレベルの思考回路しかもたない愚か者と、その愚か者と同レベルのポスト小泉がいかに日本の指導者として不適切であるかが白日のもとにさらされるはずでした。
もし北朝鮮が本当に日米を恫喝する意味でテポドンを発射する意図があるなら、なぜ小泉とブッシュが米国で共同声明を出したときに発射しなかったのでしょうか。小沢さんの訪朝に合わせて発射したかのような今回の北朝鮮の行動によってだれが一番得をするかといえば、迎撃ミサイルを日本に売りつけことのできるアメリカと、テレビに露出する機会が増え、総裁選の宣伝になる安倍晋三です。
以前、民主党と自由党の合流のとき、このニュースのインパクトを弱めるために、自民党は道路公団の藤井総裁の辞任をぶつけてくるという姑息な手を使いました。今回も、水面下でつながっているとされる(統一教会の合同結婚式に安倍が祝電を送ったことが明らかになっています)北朝鮮の協力を得て、中国との関係改善のために日中首脳会談を行った民主党の存在感が強まることを怖れたアメリカと官邸主導の「自作自演」による情報操作ではないか、との疑念が捨てきれません。》
今回のテポドン騒動で一番恩恵を受けたのはなんと言っても安倍とアメリカだろうというのは、すでにあちこちのブログで語られているが、逆に最も迷惑を被ったのは、民主党代表の小沢氏ではないだろうか。小沢氏訪中のニュースはその影響を受けてほとんど報道されなかったとか。自分に都合のいい情報だけ流して、都合の悪い情報は抹殺するといった情報操作を自由自在にするような奴を次期総理の座につけたら、国民の言論の自由は今以上に奪われ、国民は完全にマインドコントロールされることになる。日本は民主国家であり、言論の自由は常に保障されなければならない。
Tags : 北朝鮮 |
ミサイル |
テポドン |
安倍晋三 |
小泉首相 |
森田実 |
小沢一郎 |
アメリカ |
2006.07.07 (Fri)
安倍が「言論の自由」を破壊する
2006.7.5(その2)
森田実の言わねばならぬ[198]
安倍晋三氏を支持し、「安倍首相」を待望している愚かなる大新聞社の編集者、記者に問う――君たちは安倍晋三官房長官を次の自民党総裁にし、内閣総理大臣にしようとして、世論を安倍支持の方向へ巧みに誘導しているが、本当に日本国民にとって「安倍首相」がよいと考えているのか。それとも、今の政治権力と安倍首相を求める内外の勢力に脅されたり、買収されたりして、安倍首相づくりを推進しているのか。諸君はあまりにも愚かである。
「人間は、何を滑稽だと思うかによって、何よりもよくその性格を示す」(ゲーテ)
大新聞社の編集者、記者の諸君、君たちも読んでいると思うが、『選択』という情報誌がある。『選択』06年7月号の「交差点」(59ページ)下段の「裏通り」の一文を読んだ人は多いだろう。これを読んでもなお、諸君は安倍首相を実現するために働くのか。
『選択』は書店では販売されていない。このため、本ホームページの読者には読んでいない人のほうが多いだろう。その方々のために、以下、「選択」より大切な部分を引用する。
《記事への告訴や抗議が絶えないのは小誌の定めですが、今も次期首相最有力の安倍晋三氏から執拗な訴訟攻勢をかけられています。前編集長時代の六つの記事に対して名誉毀損で訴えてきたのが始まり。損害賠償金として五千万円を支払うとともに、すべての全国紙に謝罪広告を掲載せよと要求してきたのです。裁判官による調停に対しても極めて強硬で、判決まで持ち込まれました(今四月)。内容は、(1)五十万円を支払え、(2)その余の請求はいずれも棄却する――というもの。
当方はこれで手仕まいするつもりでいました。ところが、原告側からこれを不服として控訴してきたのです。それでいま第二回戦をやっているのですが、この裁判の過程で強く感じたことは、安倍氏側のメディアに対する挑戦的、高圧的な姿勢です。全国紙での謝罪を本気でやらせようというのですから尋常ではありません。最近の安倍氏関連記事に対する抗議文も「まだ懲りないのか」といわんばかりの脅迫まがいです。
故竹下登氏はとくに首相在職中、週刊誌から金権などで波状攻撃を受けたものですが、七通とかの訴状を用意して断固告訴を迫った側近に対し、「権力者というものはそういうことをすべきではない」と一蹴したと伝えられています。統治者たる者のひとつの見識。なんたる違いか。(Y)》
「言論の自由」は民主主義の社会において最も大切なものの一つである。政治権力者が、独裁的な考えに立って「言論の自由」を封殺しようとすれば、民主政治は成り立たない。
政治権力者が、独裁政治を求めるのか、民主政治をめざすのか――その境は、言論の自由を認めるのか否かにある。
安倍晋三氏はどちらか。 『選択』の記事を読むと、安倍晋三氏が、「言論の自由」の擁護者ではなく、「言論の自由」の破壊者であり、激しい独裁政治志向の持ち主であることがわかる。
大新聞社の編集者、記者のほとんどは「安倍支持」である。大新聞の記者たちは、安倍氏を首相にしようとしていろいろ画策している。だが、それで本当にいいのか。安倍氏を首相にした瞬間、日本の言論の自由が殺されてしまうおそれ大である。ジャーナリズムは、安倍氏の真の姿を知らせる努力をすべきではないのか。
安倍が裏でこんなことをしているから、道理で統一協会の件もあまりメディアで騒がれなかったわけだね。でも、ブログは政府と癒着することはないので、言いたいことはどんどん書いていいと思う。ただ、『反戦な家づくり』が名誉毀損の警告を受けたように、「言論の自由」を奪おうとする波は、ブログの世界にも押し寄せてきているのも事実だ。『反戦な家づくり』に関しては、相手が悪かっただけかもしれないが、なるべく個人を誹謗・中傷するときは、自分の意見を言うのではなく、本、雑誌、2ちゃんねるなどネットからの引用文を使うようにしようね(笑)。