2009.10.10 (Sat)
オバマ大統領がノーベル平和賞受賞に戸惑い
日本のメディアでは米国のオバマ大統領がノーベル平和賞をもらったことを祝福している記事が多いが、ノーベル平和賞を贈られた本人は多少戸惑っているようだ。それは、確かにオバマは世界の平和に向けて日夜努力を惜しまずに働きかけているけれども、まだ何の結果も出ていないからだ。核廃絶を訴えてはいるが、まだその成果が出ていない。共和党支持者からは、「何かのジョークでは?」という声まで聞こえてくる。
このところ、経済問題や環境問題に加え、国民の健康保険改革や同性愛好者団体からの期待と反感の両方で難しい判断を迫られているオバマ政権だが、その上、ノーベル平和賞を受賞した為、核廃絶への世界中からの期待と反感にさらされることになるだろう。
この受賞で、過去にノーベル平和賞を受賞したマーティン・ルーサー・キング・ジュニア、ネルソン・マンデラ、マザー・テレサと一緒に名前を連ねることになったオバマだが、彼自身は今回の受賞をどのように捉えているのだろうか。
オバマ自身、「まだ何も達成していないので、自分はノーベル平和賞を受賞するに値しない。」と謙遜しているようだが、今回の受賞に戸惑いを感じながらも、「これから平和を実現させるための賞として受け取りたい。」、「正義と尊厳のために闘っている全ての人とこの賞を分かち合いたい。」と語っている。
オバマは、ノーベル平和賞に候補者として名前が挙がっていることさえも知らなかったという。朝6時に受賞の知らせを伝える電話で目を覚ました。誰もがそんなふうに目を覚ましたいとは望まない。そして、時間がたつにつれて、多くの共和党支持者やワシントンのオバマの反対勢力の意見は戸惑いから皮肉へと変わっていった。
保守派の週刊誌の編集者であるウィリアム・クリストル氏は、いつもなら、パロディ・ページには彼が一生懸命考えたスパイスの効いたジョークを載せるそうだが、今週は、オバマがノーベル平和賞を受賞したニュースをそのまま載せるだけで、他のどんなパロディよりも辛らつなジョークとなるとして、「仕事を楽にしてくれてありがとう。」と、ノーベル平和賞委員会に感謝を述べている。さすがはパロディの編集者だけあって皮肉たっぷりだ。
一方のオバマは、下の動画を見てもわかるとおり、今回のノーベル平和賞にただただ驚いている様子で、喜びのトーンとはかけ離れた、困惑の様子が色濃く出ている受賞会見だった。
しかしながら、これまでも、市民に直接語りかけるオバマ流演説で、米共和党と民主党の距離を近づけ、黒人の歴史を塗り替え、人種や宗教や同性愛者に対する偏見を失くすように訴えて世界中から注目を浴びたオバマが、核廃絶や世界平和の実現に影響を与えることは間違いないだろう。
参考記事:
Reactions Similar Only in Their Intensity
Washington Post Staff Writer
Saturday, October 10, 2009
さっそく、本日MLで配信されたJMMの『from 911/USAレポート』に、オバマのノーベル平和賞について冷泉彰彦氏が参考になる記事を書かれていたので、転載させていただきたい。
このところ、経済問題や環境問題に加え、国民の健康保険改革や同性愛好者団体からの期待と反感の両方で難しい判断を迫られているオバマ政権だが、その上、ノーベル平和賞を受賞した為、核廃絶への世界中からの期待と反感にさらされることになるだろう。
この受賞で、過去にノーベル平和賞を受賞したマーティン・ルーサー・キング・ジュニア、ネルソン・マンデラ、マザー・テレサと一緒に名前を連ねることになったオバマだが、彼自身は今回の受賞をどのように捉えているのだろうか。
オバマ自身、「まだ何も達成していないので、自分はノーベル平和賞を受賞するに値しない。」と謙遜しているようだが、今回の受賞に戸惑いを感じながらも、「これから平和を実現させるための賞として受け取りたい。」、「正義と尊厳のために闘っている全ての人とこの賞を分かち合いたい。」と語っている。
オバマは、ノーベル平和賞に候補者として名前が挙がっていることさえも知らなかったという。朝6時に受賞の知らせを伝える電話で目を覚ました。誰もがそんなふうに目を覚ましたいとは望まない。そして、時間がたつにつれて、多くの共和党支持者やワシントンのオバマの反対勢力の意見は戸惑いから皮肉へと変わっていった。
保守派の週刊誌の編集者であるウィリアム・クリストル氏は、いつもなら、パロディ・ページには彼が一生懸命考えたスパイスの効いたジョークを載せるそうだが、今週は、オバマがノーベル平和賞を受賞したニュースをそのまま載せるだけで、他のどんなパロディよりも辛らつなジョークとなるとして、「仕事を楽にしてくれてありがとう。」と、ノーベル平和賞委員会に感謝を述べている。さすがはパロディの編集者だけあって皮肉たっぷりだ。
一方のオバマは、下の動画を見てもわかるとおり、今回のノーベル平和賞にただただ驚いている様子で、喜びのトーンとはかけ離れた、困惑の様子が色濃く出ている受賞会見だった。
しかしながら、これまでも、市民に直接語りかけるオバマ流演説で、米共和党と民主党の距離を近づけ、黒人の歴史を塗り替え、人種や宗教や同性愛者に対する偏見を失くすように訴えて世界中から注目を浴びたオバマが、核廃絶や世界平和の実現に影響を与えることは間違いないだろう。
参考記事:
Reactions Similar Only in Their Intensity
Washington Post Staff Writer
Saturday, October 10, 2009
さっそく、本日MLで配信されたJMMの『from 911/USAレポート』に、オバマのノーベル平和賞について冷泉彰彦氏が参考になる記事を書かれていたので、転載させていただきたい。
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2009.09.06 (Sun)
増山麗奈と行く!!「非戦と反貧困のロスジェネ・ツアー」
『市民社会フォーラムブログ』から増山麗奈と行く!!「非戦と反貧困のロスジェネ・ツアー」のお知らせです。日頃から核廃絶、格差社会、貧困問題などに関心のある方はぜひご参加ください。
以下転送転載歓迎!
=========================
■□■市民社会フォーラム■□■
増山麗奈と行く!!
「非戦と反貧困のロスジェネ・ツアー」
9/19~23@神戸・京都・大阪・名古屋・広島・福岡
■開催趣旨
1990年代からの「就職超氷河期」に社会に送り出された、20代後半から30代の「ロストジェネレーション」(奪われた世代)は、格差と貧困や雇用不安を拡大させる「構造改革」の中、「自己責任」を負わされています。また、昨年の「秋葉原事件」に象徴されるように、ロスジェネ世代には閉塞感が蔓延し、マスメディアではネガティブな描かれ方がされています。
しかし他方で、格差社会に立ち向かい、より良き社会を実現するために労働生存運動、反戦平和運動、環境運動、芸術活動などで、ロスジェネ世代のアクティビストが全国各地で活躍されています。
今回のツアーでは、『ロスジェネ』編集委員・「桃色ゲリラ」の増山麗奈さんをコーディネーターに、西日本6カ所(名古屋・大阪・神戸・京都・広島・福岡)で、それぞれの地元で様々な分野で活動されているロスジェネ世代のリーダーをお招きして、トークと交流を行います。

以下転送転載歓迎!
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増山麗奈と行く!!
「非戦と反貧困のロスジェネ・ツアー」
9/19~23@神戸・京都・大阪・名古屋・広島・福岡
■開催趣旨
1990年代からの「就職超氷河期」に社会に送り出された、20代後半から30代の「ロストジェネレーション」(奪われた世代)は、格差と貧困や雇用不安を拡大させる「構造改革」の中、「自己責任」を負わされています。また、昨年の「秋葉原事件」に象徴されるように、ロスジェネ世代には閉塞感が蔓延し、マスメディアではネガティブな描かれ方がされています。
しかし他方で、格差社会に立ち向かい、より良き社会を実現するために労働生存運動、反戦平和運動、環境運動、芸術活動などで、ロスジェネ世代のアクティビストが全国各地で活躍されています。
今回のツアーでは、『ロスジェネ』編集委員・「桃色ゲリラ」の増山麗奈さんをコーディネーターに、西日本6カ所(名古屋・大阪・神戸・京都・広島・福岡)で、それぞれの地元で様々な分野で活動されているロスジェネ世代のリーダーをお招きして、トークと交流を行います。

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