2011.03.19 (Sat)
東京電力の小森常務がワニの涙を見せる
それも、今回謝罪したのは、東京電力の小森明生常務で、最高責任者ではない。その上、小森常務は、悲痛な面持ちで、記者の質問にもあいまいに答え、最後には泣き出してその場を足早に去ったという。。国民が最も知りたいことを何も説明せずに、泣いてごまかし、その場を逃げるとは、大の大人がすることか。
このことは、海外のメディアでもすでに伝えられていて、小森常務の涙がワニの涙であることはとっくに見破られ、下のようにパロディ画まで作られる始末。ワニの涙というのは、嘘なきという意味で、西洋ではワニは獲物を油断させるために、涙を流して感情を表すという言い伝えがある。下のパロディ画像の左側上から2番目にも、カエルっぽいワニのキャラクターが書かれている。

写真:Crying TEPCO chief joins Cavalcade of Sad Guys
"boingboing" Xeni Jardin at 11:20 AM Friday, Mar 18, 2011
(和訳)
日本北部にある福島原発をここまで大きなトラブルに巻き込んだ当事者である東京電力の小森常務が、今日の記者会見の最後に泣き崩れた。また、記者会見で、小森氏は、今回の放射線漏れが、周辺の人々を負傷や死に至らせ、発電所にも大きなダメージを与えるほど深刻なものであったことを明かした。
小森氏の涙を本物の悲しみの証しと見るものもいるだろうし、Twitterを通して怒りを隠せない日本人もいるであろう。論理からすれば、東京電力には事故の大きな責任がある。大惨事に発展してから謝罪するのは、遅すぎる。状況は日々悪化し、危機はいまだに解決できていない。小森氏は、原子炉の安全を確保するまで涙を見せるべきではなかった。なによりも、ウィキリークスのおかげで、東京電力がこれまでも過去に虚偽を行い、利益だけを追求し、安全性を脅かしてきた会社であるということがわかった。
私も小森氏の涙は「ワニの涙」、つまり嘘の涙だったと思う。もし、本当の涙を流すだけの国民に対する同情心があったなら、もっと早く謝罪するべきであったし、会社の利益を庇うために国民にあやふやな態度を見せるのではなく、インタビューでも今回の事故の原因が何だったのか、現状はどうなっているのか、そして今後はどうなるのかなど、はっきりと伝えただろう。
それにしても、本来なら、東京電力の清水正孝社長が謝罪するべきなのに、姿さえ現さず、誠意が全く感じられないと思ったのは私だけではないだろう。周辺の住民のことは全く考えず、コストカットのために、古くなった危険性の高い原子炉をそのまま使い続け、最悪の場合は、日本だけではなく、全世界の人々の生命を脅かす結果になるかもしれない。
今回の事故は、自然災害が招いたと言っても、菅政権と連携して、国民を欺き続けた東京電力は、福島第一原発の原子炉を全基廃炉とするのは当然であり、東電という虚偽とでっちあげで塗り固められた会社もつぶさねばならない。

The moment nuclear plant chief WEPT as Japanese finally admit that
radiation leak is serious enough to kill people
Mailonline By DAVID DERBYSHIRE
Last updated at 11:27 PM on 18th March 2011
この小森氏の会見を見て、福島第一原発から漏れる放射線がいかに危険なものであるかを感知した人も多いと思う。

写真:"DailyMail" Dangerous work: officials wearing protective clothing
and respirators head towards the Fukushima nuclear plant
危険な仕事:防護服と人工呼吸器ヘッドをつけて福島原子力工場へ向かう自衛官
原子炉の冷却作業では、なるべく多くの自衛官を動員して、短時間で任務を交代し、被曝の確立が低くて済むようにして欲しい。この福島第一原発と日本国民の命運は、彼らにかかっているのだから。
2011.03.17 (Thu)
次の24時間から48時間で日本の明暗が決まる
それにしても、戦時中ではないのに、日本では、どうして、こんなに食物や水が不足しているのだろうか。報道によれば、支援物資は全国から続々と届けられているということだけど、輸送車両の燃料不足のため、避難所まですぐに届かないということだ。本当だろうか。なぜ、燃料が不足しなくてはならないのか。ガソリンやトラック用の燃料軽油が不足していたら、輸入できないのだろうか。
食品だっていくら個人が買い占めたといっても、限度があるだろう。戦時中の闇市のように、誰かがどこかに食料品を確保し、あとで高値で売りさばこうとしているのだろうか。想像しすぎだといいけど。とにかく、日本政府は国民に説明責任があるのに、何も説明しないので、国民は混乱している。実際に食品がスーパーなどから消えているのに、何の説明もなしに、買占めするなとか、落ち着いてくれとか言われても、国民をますますパニックに陥れるだけだ。
震災で、精神的にも肉体的にも疲労困憊している日本の読者の方々に、より疲労感や心配を増殖させるようなことはなるべく書きたいないのはやまやまだけど、今日も原発について書かねばならない。
福島第一原発の状況がかなり悪化しているようだ。米ABCニュースでは、ホワイトハウスが、「何十年もの間、瀕死の状態となる」可能性のある日本に対して準備があると報道している。
U.S. Concerned Japan Facing Situation That Could Be 'Deadly For Decades': ABC News
The Huffington Post Cara Parks First Posted: 03/16/11 05:16 PM Updated: 03/16/11 05:16 PM
(和訳)
米当局によると、米国では、避難地区をより広げるよう強要するべきであり、次の24時間から48時間がとても重要になると信じられている。
今がどれほど危険な状態か、説明するのが難しいとその匿名の当局者は語った。
巨大な地震が最初に核施設に損害を与えた時から、日本の核危機は強まった。水曜日に、ホワイトハウスは福島核施設から50マイル(80キロ)内にいるアメリカ人に避難するように勧告した。そして、放射線濃度が「急上昇」したため、施設従業員は一時的に避難するように強制された。
避難によって生じた困難は、メルトダウンの可能性を「拡大した」ことだった。
「彼らは従業員を避難させるべきではありません。-そして、原子炉を冷却するために従業員を原子炉に戻す必要があります。なぜなら、この職務は、決死隊として自らの命をかける任務であるという認識を持たなくではならないからです。」と、ABCニュースは、匿名の米政府当局者の発言を伝えている。
米原子力規制委員会(NRC)の委員長が、福島原子力工場の中の原子炉の一基では、使用済み燃料プールに水が一滴もないことを指摘したが、日本当局はこれを否定した。APは、「NRCのグレゴリー・ジャッコウ会長の言うことが正しいならば、これは燃料棒がより熱くなって、最終的にメルトダウンするのを止める手段が何もなくなったことを意味するだろう。」と伝え、ホワイトハウスのジェイ・カーニー報道官は、日本の状況を「さらに悪化しており、動きは急速に進むであろう。」と水曜日に伝えた。
最近、ウィキリークスは、日本政府が数年前に原子炉のデザインについて警告されたにもかかわらず、何もしなかったことを発表した。
3号機が空焚き状態になってから、どのくらいたったのだろうか。昨日のエントリーでも書いたように、原子炉に水がない状態が三日も続けば燃料棒は完全にメルトダウンし、超高温の金属の固まりとなった燃料棒は炉心を突き抜け、炉心外に落下する。その後、この灼熱の炉心が水蒸気と反応すると、臨海反応が起こり、プルトニウムを含む核燃料は中性子爆弾に変わる。
この中性子爆弾は凄まじい量の中性子を放射し、周囲数十キロを被曝させることになる。これを恐れて、米政府は米国人を80キロ圏外に避難させたのだと思われる。
今日、明日の冷却作業がうまくいくかいかないかで、日本の運命が変わるだろう。大惨事から日本を救うことができるよう、機動隊や自衛隊の健闘を祈る。
Live TV : Ustream
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