2020.04.24 (Fri)
岡江久美子さん、コロナウィルスで死去:人口呼吸器論争
この6日間に米ニューヨークのメイモナイズ・メディカル・センターで多くの新型コロナウイルスの患者を診てきたキャメロン・カイル=サイダル医師によると、コロナウィルス患者に人口呼吸器を使うのは、気管挿管による人工呼吸器の高圧が逆に肺に損傷を与える恐れがあると主張している。肺炎の患者には人工呼吸器は効果があるかもしれないが、コロナウィルスの患者は、高山病に最もよく似ているウイルス誘発性疾患のように見えると言う。だから、肺炎に対する通常の治療は効果がないと言っている。しかし、彼はこう主張したせいで、ICU担当からはずされてしまったそうだ。しかし、このように訴える医師は彼一人ではない。
米救急医学アカデミーのデービッド・ファーシー会長はメディアに気管挿管による人工呼吸器を無差別に使用することに対して警鐘を鳴らしています。ファーシー会長は気管挿管を劇的に減らす一方で、経鼻カニューレやマスクを通した酸素吸入で治療しているそうです。
独ゲッティンゲン医科大学のルチアーノ・ガッティノーニ氏も米呼吸器・救急医学雑誌の編集者に気管挿管による人工呼吸器の使用は患者の肺を傷つける恐れがあると指摘する書簡を送りました。
集中治療に関する調査・研究を担当する英団体ICNARCによると、気管挿管した患者98人のうち生還したのは33人。新型コロナウイルスのエピセンター(発生源)である中国湖北省武漢市からの報告では気管挿管した患者22人のうち生還したのはわずか3人でした。
気管挿管したワシントンの患者18人のうちまだ生存しているのは9人で、このうち気管挿管しなくても十分に呼吸できるまでに回復したのはたった6人でした。ニューヨークでも気管挿管された患者の8割が死亡したと報じられています。
では、どうしたらいいのか。
気管挿管が必要なほど重症・重篤化する前に血中酸素濃度の低下を把握し、速やかに酸素吸入を行う必要があるとか。ボリス・ジョンソン英首相は気管挿管前の酸素吸入で一命をとりとめたそうだ。もし、ICUに入って気管挿管による人口呼吸器を使っていたら、今頃は、亡くなられていたかもしれない。
英大衆紙デーリー・メールによると、新型コロナウイルスの患者は「幸せな」酸素欠乏症と呼ばれる状態の時は不快感もなく正常に活動しており、その後、突然悪化することがあるそうだ。極端な話、笑顔を浮かべた1分後に急速に死に向かっていることもあるとか。ウイルス自体もどんどん変化し続け、感染したら、次の瞬間に何が起こるかわからないという恐ろしさ。目に見えないだけに用心に用心を重ねる必要があるようだ。
キャメロン・カイル=サイダル医師の警告(英語)
参考資料:
新型コロナで人工呼吸器論争「高山病によく似たウイルス性疾患のよう」
木村正人 | 在英国際ジャーナリスト4/19(日) 12:00
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200419-00174094/
発熱後に容体が急変しICUへ(FNN Primeより)
https://www.fnn.jp/articles/-/35680
4月23日朝、新型コロナウイルスの肺炎により、女優でタレントの岡江久美子さんが亡くなっていたことがわかった。63歳だった。
所属事務所の発表によると、岡江さんは4月3日に発熱。自宅で療養していたが、6日の朝に容体が急変し、都内の大学病院に緊急入院した。
すぐにICUで人工呼吸器を装着。その後、PCR検査を行い陽性と判明したという。
懸命な治療が続いたが、23日朝に息を引き取ったということだ。
岡江さんは2019年末に初期の乳がんの手術を受け、1月末から2月半ばまで放射線治療を行っていた。免疫力が低下していたのが、重症化の原因ではないかとみられている。
もちろん、免疫力が低下していたのもその一因であろうが、志村けんさん同様、人工呼吸器の使用が患者を死に追いやった可能性は高いと思う。
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