2009.03.19 (Thu)
闇サイト殺人事件:磯谷利恵さん拉致殺害事件の名古屋地裁判決

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磯谷利恵さん殺害事件について思うこと
磯谷利恵さん拉致殺害事件初公判
磯谷利恵さん拉致殺害事件その後:明日、論告求刑
磯谷利恵さん(当時31)が07年に拉致、殺害された「闇サイト殺人事件」で名古屋地裁の判決が18日に出た。「無慈悲かつ残虐」として、強盗殺人罪などに問われた3被告のうち、元新聞セールススタッフ神田司(38)と無職堀慶末(33)の2被告に死刑、無職川岸健治被告(42)に無期懲役を言い渡した。通常、複数の殺害じゃないと被告に死刑が適用されることはないと聞いていたが、今回の判決は1人の殺害で複数の被告に死刑判決が言い渡された。こういった例は、20年ぶりという。遺族の方が必死で.32万名分の署名を集めた成果がでているのかもしれない。
ただ、最愛の1人娘を奪われた母富美子さんにとっては、3人の被告のうち、川岸被告が極刑を逃れたことに納得できず、涙で訴えていた。控訴するつもりだという。
2009.01.19 (Mon)
磯谷利恵さん拉致殺害事件その後:明日、論告求刑

磯谷利恵さんのお母様が最近書かれたメッセージ(磯谷利恵さんのホームページより)。
皆様のご協力によりH21/1/14日現在で署名していただいた方は315,294名 になりました。
平成20年3月26日に、三人の極刑を求める約11万名様分の陳情書を、名古屋地検に提出いたしました。平成19年10月23日の約15万名様分の提出に続き、2回目の提出となります。全国、海外のご賛同頂いた皆様有難うございます。
この事件を風化させないよう、30万名様以上の署名を目標に、活動を続けてまいりましたが、平成20年12月18日にその目標を達成することができました。ご協力に心より感謝し御礼申し上げます。
署名活動は平成20年12月末迄ということでやってまいりましたが、御手元にお持ちの方は、年が明けても受け付けますので、お送り願えればと思います。
利恵の受けた恐怖や苦痛、そして無念を考えると絶対に許せません。人を殺める事を何とも思わない計画的な犯罪の凶悪凶暴性、利恵殺害当日に、次の犯行を実行予定だった三人の再犯の可能性、既に模倣犯も出ている等の社会的影響からいっても極刑しか考えられません。
終身刑のない日本では、無期懲役では犯人達はまた社会に戻ってきます。同じ悲劇を繰り返すことは、絶対に避けなければなりません。
一日も早く川岸、堀、神田三人の極刑を勝ち取ることができるよう、今私にできることを精一杯やっていこうと思いますので、今後ともご支援ご協力宜しくお願いいたします。
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2007.10.04 (Thu)
磯谷利恵さん殺害事件について思うこと
そうこうするうちに、『きっこのブログ』「あたしは絶対に許さない!」で磯谷利恵さんが3人の男に殺された事件を知った。『きっこのブログ』では、磯谷さんのお母様からのメッセージが紹介されており、そのお母様の作られた「磯谷利恵さんのHP」などを読んでみると、利恵さんのいたいけな笑顔の写真も載っているし、とにかく心の底から犯人を憎むお母様の気持ちが痛いほどよくわかる内容だった。
利恵さんのHPの「陳情書書式」をクリックすると、3人の殺人容疑者の名前が出てくる。
川岸健治(40)、神田司(36)、堀慶末(32)の3人だ。
下記の東京新聞の記事(キャッシュ)によると今回の殺害は、神田が中心となって行われたらしく、計画的犯行で、事前に凶器や手錠、睡眠薬のようなものまで用意していたそうだ。川岸容疑者が命乞いをする利恵さんの声が頭から離れずに自主したらしいが、神田に言わせると川岸は利恵さんに性的暴行を加えようとしていたそうで、死刑を免れるために自首をしたと見られている。
女性拉致殺害 命ごい無視し強打 川岸容疑者『忘れられず自首』
2007年8月27日 東京新聞夕刊
名古屋市千種区の会社員磯谷(いそがい)利恵さん(31)が殺害され、遺体が岐阜県瑞浪市の山林に捨てられた強盗殺人・死体遺棄事件で、死体遺棄容疑で逮捕された三容疑者は、磯谷さんが拉致されている最中、「殺さないでください」と懇願したのを無視し、ハンマーのような凶器で頭をめった打ちにしたことが、愛知県警捜査一課と千種署の捜査本部の調べで分かった。
県警本部に自ら電話し、犯行を打ち明けた本籍同県津島市、無職川岸健治容疑者(40)は「女性の声が頭から離れなかった」と、磯谷さんの必死の懇願を自首した理由の一つに挙げている。
捜査本部によると、磯谷さんは二十四日深夜、自宅近くで車で連れ去られた後、二十五日午前零時ごろ、愛知県愛西市内の駐車場に止めた車内で、頭を殴られ殺された。
三容疑者の供述などから、車内では川岸容疑者が運転。同県豊明市、朝日新聞セールススタッフ神田司容疑者(36)と名古屋市東区、無職堀慶末(よしとも)容疑者(32)が後部座席で磯谷さんを挟んで座っていた。
このうち神田容疑者が中心となって磯谷さんに包丁を突きつけて脅し、約七万円と複数のキャッシュカードを奪ったとみられる。車内で二人の男にはさまれ、身動きのとれない磯谷さんは恐怖で終始、命ごいをしていたという。
しかし、殺害現場では、磯谷さんの懇願を無視し、やはり神田容疑者が中心となり、頭をハンマーのような凶器で執拗(しつよう)に殴り、殺害したとみられる。
神田容疑者は凶器や手錠、睡眠薬のようなものを事前に用意。最初から女性から金を奪った後は殺害して、遺体を捨てるつもりだったらしい。川岸容疑者は神田容疑者のこうした用意周到で残虐な態度に、驚いた様子だったという。
犯行を県警に打ち明けた川岸容疑者は「自分の車の中で、殺人が起きたことが耐えられない」などと話したほか、「女性の声が頭から離れない」とも供述。磯谷さんが、自分たちに必死に助けを求めてきたのをかわいそうに思ったことを、自首の理由の一つに挙げているという。
捜査本部は二十七日、三容疑者を送検した。
普通に道を歩いていただけで拉致され、お金を盗まれた上に殺されるとは、日本も物騒な世の中になったものだ。職業を見てみると、神田が新聞拡張員であとの二人は無職ということだ。惨殺された上に犯人が見つからずに誰を憎んでいいのかわからない事件も数ある中、この事件では犯人が自首しただけましな方だとは思うが、自首をした川岸健治容疑者に殺害前に利恵さんを殺そうとする神田容疑者を止める良識がなかったことが悔やまれる。
社会格差が広がると、貧しいものが富めるものをねたみ、恨んで、暴力が横行するようになるというのは、ずっと前から言っていることだが、今回の強盗殺人事件も会社帰りの利恵さん(犯人から見れば、一定の職を持ち、リッチに見えた)を妬んで無職や一定の職を持たない貧しい3人が行った犯罪で、自民党の小泉政権や安倍政権が広げた格差がこういった残虐行為をもたらしたと言ってもいいすぎではないだろう。このまま格差が広がれば、こういった残酷な事件はますます多くなるとみている。
こんな残虐な事件でもその背景となる社会のあり方にその責任を見出せる限り、私は死刑には反対だが、今回の殺人犯たちに極刑を科す陳情書に10万名以上の署名が集まったということを考慮すると、今の日本の環境の下で死刑廃止を訴えるのはなかなか難しいのではないかという結論に至る。
諸外国では死刑廃止への動きが高まっているが、日本の場合は、まだまだ準備ができていないのだと思う。私は、大都市などでの人口過密から生まれる人間関係の複雑さがある限り、国民のストレスのレベルがかなり高いため、いろいろな残虐な事件が起こりやすいのではないかと考える。
例えば、北米では赤信号でも右折(日本の右ハンドルの場合は左折)できるのだが、それは人口密度が低く、道路も広くて視界が広いことや、ドライバーが歩行者を尊重する気持ちが強いこと、生活の中で人々が走る習慣がないので人が突然飛び出したりすることはめったにないということなどが赤信号でも右折できるという交通規則が容認されている大きな理由だと思う。しかし、人口密度が高く、生活がせわしない日本の大都市などで、赤信号でも左折できるようにした場合、かなりの数の人身事故が予測される。又、日本のドライバーで歩行者を尊重しながら走っているドライバーはどのくらいいるだろうか。北米で信号のない道を渡ろうとするとほとんどの車は止まってくれるが、日本では信号のない道を渡ろうとしても、止まってくれる車はほとんどいないような気がする。
つまり、道路の環境やドライバーの心構えが全く違った場所で同じ交通規則を適用するのは難しいのだ。
それと同じように、外国で死刑廃止する国が増えているからと言って、それをそのまま日本に適用できるかというと、やはり、環境や宗教や国民性の違いなどからかなりの困難が予想されるのではないかと思う。
「他人の過ちを許すことによって、神に自分の過ちを許してもらう」という精神構造は日本人はキリスト教信者以外持ち合わせていないのではないだろうか。日本では「やられたら、やり返す」という信条がより一般的だと思う。又、カナダなどでは特に「他人を尊重する気持ち」を持つことの大切さが学校教育で毎日のように強調されているが、日本の競争社会の中では他人をいかに蹴落とすかといった教育はされても、他人を尊重するような教育はされていないのではないか。もし、この3容疑者に他人を尊重する気持ちがあったら、今回の強盗殺人事件は起こらなかったであろうとも思う。
これは蛇足になるが、人口過密によるストレスを解消するには、地方での生活が豊かにできるように、政府や大企業が各県に分散したり、農家への援助を増やしたり、東京だけに職が密集するのではなく、地方にも広がるようにするしかないと思う。地方では、土地や家の値段も低いため、大きなマイホームも簡単に買えるし、そのローンも職がある限り安心して払える。
こうして暮らしが豊かになった国民一人一人に心の余裕ができれば、他人を尊重する気持ちも高まり、死刑制度を廃止する準備ができるのではないかと思うのである。逆に、人々の生活が不安定で物騒な今の日本で死刑制度をなくしたら、人々はいつ犯罪に遭うか毎日不安な日々を過ごすことになるだろう。
過去に書いた関連記事:
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*この記事は
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