2011.12.22 (Thu)
「家政婦のミタ」最終回視聴率40・0%を記録
時事ドットコムによると、ビデオリサーチ調べで、「家政婦のミタ」は、電話回線を通じた調査を始めた1977年9月26日以降、時代劇などを除く一般劇の中で歴代3位(関東地区)となった。1位は83年のTBS系「積木くずし 親と子の200日戦争」最終回(45.3%)、2位は2000年の同「ビューティフルライフ」最終回(41.3%)。1980年の日テレ系「熱中時代」の最終回が40.0%で同率3位。
又、最終回が始まる一時間前には、スペシャル番組「さよなら『家政婦のミタ』特別版」が放送され、平均視聴率は、28・7%だったとか。
一方、12月18日に最終回を迎えたキムタク主演の『南極大陸』の最終回の平均視聴率は、22.0%、瞬間最高視聴率25.5%(関東地区)だったという。「家政婦のミタ」と比較すると約半分の数字に、TBSは、ショックを隠せないのではないか。南極の地を生き抜いたタロ・ジロとキムタク演じる地質学者の倉持が再開するクライマックスシーンだったにもかかわらず、この数字というのは、キムタク神話も地に落ちたということか。
現実では、日本で原発事故が起こっても、沈黙を守り、小さい子供がいるにもかかわらず、何の行動もおこさないキムタクに、視聴者が失望したというのも関係するだろう。そんなちっぽけな男がヒーローを演じても、シラけるだけだ。これが、原発事故が起きてから、「原発反対」を表明したばかりに、仕事を失った山本太郎が主役だったら、視聴率はいっきに「家政婦のミタ」を追い抜いたにちがいない。
松嶋菜々子が演じた笑わず、無表情なロボットのようなスーパー家政婦のインパクトは強かったが、それ以外の役者もなかなかよかった。松島の演技とは正反対の明るく軽い家政婦紹介所・所長の白川由美のほがらかな役もよかったし、三田が世話になる一家の主人役の長谷川博己のとぼけたダメ亭主ぶりもよかったし、その長女役の忽那汐里の演技も光っていた。長男役の中川大志君や次女役の本田望結ちゃんもかわいかった。
そして、「家政婦のミタ」のテーマソング「やさしくなりたい」を歌っていたのが、例の反原発ソング「ずっとウソだった♪」を歌って話題になった斉藤和義氏だったのだ。これで、「家政婦のミタ」の視聴率が高かった理由が見えてきた。
蛇足だが、長谷川博己は、秋に公開された映画『セカンドバージン』で、深田恭子の夫役、鈴木京香の愛人役としてセクシーな役どころをこなしている。
映画『セカンドバージン』予告編
2010年に放送されるや、スキャンダラスな不倫愛が大きな話題を呼んだのテレビドラマを映画化。ドラマでは描かれなかった衝撃の真実に焦点を当て、マレーシアの首都クアラルンプールを舞台に、より濃密で大胆な三角関係が展開する。テレビドラマ版の演出を手掛けた黒崎博監督がメガホンを取り、大石静が引き続き脚本を担当。主演の鈴木京香をはじめ、長谷川博己、深田恭子ら主要キャストが織り成す、狂おしくも切ない大人の恋愛模様を楽しめる。
公式サイト:http://www.secondvirgin.jp/pc/
配給:松竹
(C) 2011映画「セカンドバージン」製作委員会
これまでのストーリーは、「『家政婦のミタ』と『南極大陸』の視聴率に見る原発事故の影響」というエントリーでアップしたので見ていただきたい。今日は、重要な場面をまとめた『さよなら「家政婦のミタ」特別版』と『家政婦のミタ11回 最終回』の動画へのリンクを紹介しよう。
Tags : 松嶋菜々子 |
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2011.12.14 (Wed)
『家政婦のミタ』と『南極大陸』の視聴率に見る原発事故の影響
朝日によれば、11月30日に放送された『家政婦のミタ』第8話は、今年のドラマで最高の視聴率29.6%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録したという。そして、そのキャラクターがどのようにしてつくられたのかを、脚本の遊川和彦(56)や日本テレビの大平太プロデューサー(46)にインタビューしている。
笑わぬ菜々子、役者魂ミタ 「家政婦のミタ」視聴率29.6%に
確かに父親の不倫が原因で母親が自殺して後に残された阿須田家の子供たちは、福島第一原発事故で家族がばらばらになり、放射線被曝の不安と悲しみのどん底にいる福島の子供たちの気持ちを反映しており、テレビ評論家の丸山タケシ氏は、それが、「夢も希望もない、いまの家族を取り巻くグレーな世界観のリアルさと相まって、高視聴率につながっている」と語っている。
一方のキムタクが主人公の『南極大陸』は、TBS開局60周年大型企画で、1本約1億円をかけて製作されたにもかかわらず、視聴率も第1話は、20%近くまであがったが、その後は、右肩下がりで、現在は、10%台を急降下中だという。
いまから56年前の話である上に、日本の戦後という時代を終わらせるために南極探検に行くという夢もぼやけているし、現実離れしている。放射能被曝に悩んでいる日本国民にとって、国家予算を5億円もかけて行われる南極探検などどうでもいいことなのだ。又、キムタクの演技があいかわらずワンパターンなのに加え、ドラマの中で、「これからは、南極探検よりも原子力開発だ。」というせりふも、原発事故で被害を負った国民の心を逆なでする。
原子力村に支配されているテレビの人気がなくなり、お笑い番組が次々と消えてなくなる中、3000万円の製作費をかけて地味につくられた『家政婦のミタ』の各ストーリーのテーマは、今の日本人が同感でき、ついつい現実のつらさを忘れさせるほど、はまってしまう。原発事故後という時代に生きる人々の心の闇を繊細に反映しているからだ。
そして、何よりも、「家政婦のミタ」のテーマソングを歌っていたのが、例の反原発ソング「ずっとウソだった♪」を歌っていた斉藤和義氏だったのだ。
PV 「斉藤和義/やさしくなりたい」 by markun0816
『やまとなでしこ』が放送されたときは、バブル後とはいえ、まだ日本経済も潤っていたときであり、人々も浮かれていた。だから、そのときはそのときであのようなドラマの人気が高かった。
これからは、テレビ・ドラマも世の中の動きに合わせて、視聴者の気持ちを繊細に読み取れるドラマだけが生き残れるのだろう。
海外に住んでいて『家政婦のミタ』をまだ見ていない方や、見逃してしまった部分がある方へ、時間のあるときにぜひ全編見られますように。ただし、見始めると、はまるので、要注意。
Tags : 家政婦のミタ |
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