2007.09.21 (Fri)
光市母子殺人事件:本村洋氏の気持ちはわからぬではないが・・・
「万死に値、命で償いを」=遺族が陳述、うつむく被告-光市母子殺害・広島高裁(時事通信)
1999年4月に起きた山口県光市の母子殺害事件で、殺人などの罪に問われ、最高裁が一、二審の無期懲役判決を破棄した当時18歳の少年だった被告(26)の差し戻し控訴審第10回公判は20日午後も、広島高裁(楢崎康英裁判長)で続き、会社員本村洋さん(31)ら遺族が法廷で意見陳述した。
本村さんは5年9カ月ぶりにこの裁判で証言に立ち、差し戻し前の二審で陳述した内容を振り返りながら、「君の犯した罪は万死に値する。命をもって罪を償わなければならない」と強い口調で被告に語り掛けた。
殺意や乱暴目的を否認している点にも触れ、「君が心の底から真実を話しているように思えない。だから、謝罪の言葉を述べようとも信じられない」と傍聴してきた感想を明かした。
被告はジャケット姿でうつむいて耳を傾け、陳述後に深く一礼したが、本村さんは被告と終始目を合わせなかった。
被告の手紙にも目を通そうとせず、被告がどれだけ反省しているかわかるはずもないと思う。本村氏や殺された弥生さんの母親の態度は被告人に対してあまりにも過激だと思うが、自分の家族が殺されたことのない私がその態度を批判するつもりはない。自分の愛した妻や娘が殺され、屍姦されたのだから被告に対する憎しみは私などには計り知れないものがあるのだろう。
しかし、これまでの事件の経緯を読んだ私の感想からすると、この被告は精神障がい者だと思う。この被告の精神鑑定をした野田正彰関西学院大学教授)と、加藤幸雄氏(日本福祉大学教授)氏によると、被告の精神年齢はかなり低く、5.6歳程度だと言う。
野田氏は被告が精神病ではないと否定しているが、「ドラえもんが何とかしてくれると思い、遺体を押し入れに入れた」とか、「精子で生き返らすため死姦した」などの数多くの奇怪な発言から考えても、私にしてみれば、精神年齢がこれだけ低いというのは精神異常者ではないかと思うのである。この被告の精神年齢がこれだけ低いのも、1歳くらいの時に頭部を強打したのが原因で発生した脳器質的脆弱性の可能性もあるとのことだ。日常茶飯事に父親から暴行を受けていたとのことなので、きっと父親から暴力を受けたときの傷だろう。
この被告を死刑にするのが妥当であるという意見が大多数を占める世論の中で、もしこの少年が精神異常者の場合は死刑になることはないという理由からか、野田氏らの被告の育った環境などを考慮しての精神鑑定を真っ向から否定する人々もいる。
短気で暴力的な態度や暴言で有名な宮崎哲弥がその一人だ。見る人を不快にさせるその容貌でよくテレビに出られるよなというのが私の感想だが、彼の言っていることも馬鹿丸出しで精神科医でもないのに野田氏の精神鑑定になんくせをつけている。もちろん、野田氏も反論しているが、この二人の論争については、『mouseの落書きボード』の「野田・宮崎論争について思うこと」がよくまとめられていて読みやすい。
メディアでも、最近はこの被告の家庭環境などがとりあげられるようになり、これまで私達が知らなかった部分を読んで、被告に対する感情も変わる人も出てくるのではないかと思う。
父親に日常的に暴力をふるわれる母親をかばううちに、母親との間にとても密接な関係が生まれ、二人は近親相姦的やりとりをしていたという記事が『週刊ポスト』にあった。
<独占スクープ>
精神鑑定医があえて明かした360分問答
光市母子殺害少年
「父の暴行、求められた母子相姦」
遺族感情は? 死刑とは? 弁護士とは? 偏向報道とは?
――この問題提起をあなたはどう考える
父親の暴力に怯える母親と少年Aは、いつしか被害者同士の共生関係を築き、近親相姦的なやりとりを繰り返すようになっていた。そして、その母親の自殺を目撃した体験が、本村弥生さんと夕夏ちゃんを殺めた際にフラッシュバックして――。少年Aの精神鑑定の内容は余りにも衝撃的だ。なぜ今、あえてこの鑑定内容を公開するのか、その理由を含めて、精神科医・野田正彰氏がすべてを明かした。
日本でもそうかもしれないが、北米でも幼児虐待などが社会の大きな問題となっている。幼児を虐待する人の約85%が自分も小さいときに虐待を受けた被害者だという。これは私の推論だが、この光市母子殺人事件でも、被告が弥生さんや夕夏ちゃんの殺人にいたったのも、父親が自分と母親にしてきたことをそのまま弥生さんや夕夏ちゃんにやってしまったのではないだろうか。それとも、父親が再婚した継母や生まれてきた赤ん坊への憎しみを抑え切れず、それを弥生さんや夕夏ちゃんにぶつけてしまったのか。子供の頃から父親に常に虐待を受けてきた被告が父親を恨むばかりに父親を困らせようとしてやった可能性もある。
こういった被告の精神鑑定結果や家庭の事情などの背景を考慮すると、やはり、被告を死刑にするべきではないと思うし、この事件に関して、もしどうしても死刑にしなければならない人がいるとすれば、それは、被告の母親を自殺に追いやったり、被告をここまで追い詰めた被告の父親ではないかと思うのである。
文中で触れなかった参考記事:
『Sankeiweb』【コラム・断 野田正彰】宮崎哲弥氏に反論する
『A Tree at ease』「宮崎哲弥さん--無内容なキレ芸人?」
『元検弁護士のつぶやき』「今枝仁弁護士のコメントの転載(さらに追加あり)」
追記:
『現役雑誌記者によるブログ日記!by オフイス・マツナガ』の「呼吸の違いが、新鮮だということ」という記事の中で紹介されました。
本日もランキングの応援よろしくお願いします。

政治ランキング2位
総合27位

社会・経済、動画・フラッシュ、海外生活1~3位
総合9位

BlogPeopleランキング
「ニュース・一般 / 政治」部門5位
*この記事は『安倍晋三 - トラックバック・ピープル』
http://member.blogpeople.net/tback/06610
と『自民党 - トラックバック・ピープル』
http://member.blogpeople.net/tback/09077
にトラックバックしています。