2011.09.15 (Thu)
横浜市民の敏速な行動が下水汚泥の焼却灰海洋投棄を凍結させた
放射性廃棄物の内容は、市内で最も高い放射能が検出されている(最高で6,468ベクレル/kg)下水汚泥の焼却灰だそうだ。その焼却灰は、海水面を埋め立て、新たな「ふ頭」用地を作りだす目的で使われるところだった。
本牧で放射性廃棄物が埋め立て埠頭に使われたら、地下水や海水への放射性物質の流れ出しを起こし、人体への影響は避けられないだろう。特に、日本で2番目に人口の多い神奈川県の横浜市内には人口が集中しているので、地下水を通して多くの人々が被曝する可能性がある。
また、すぐとなりには、湘南の海がある。茅ヶ崎海岸では、夏は多くの人々が県外から海水浴に来てにぎわったり、由比ガ浜、逗子、葉山、油壺などでは、サーフィン、ヨット、ウィンドサーフィンなどのマリンスポーツを楽しむ。そのような日本でも有数な観光地として知られる海洋に近い場所で放射性物質を流出させるなど、とても悪い冗談としか思えない。それどころか神奈川県一帯を「死の町」にするための犯罪行為と呼べよう。このような犯罪的な決断を市民への相談もなしにした市長をはじめとした市の役員は即刻クビにするべきだ。
さて、ほとんどの市民はこの処分について知らなかったが、前日にこの埋立の発表に驚いた100人の市民が、翌日の14日、横浜市長室前につめかけて抗議文を提出した。下の動画は、その後に開かれた記者会見の模様を見ることができる。ツイッターでこの事を知った俳優の山本太郎さんも急遽駆けつけ、勇気ある発言をして下さった。
とにかく横浜市民は、放射性廃棄物が焼却されたことも知らず、何も知らないうちに美しい港、横浜が「死の町」になるというとんでもないことが起こるところだったのだ。
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詳しくは、井上さくら議員のブログ、『井上さくらのトキタマ日記』の下記の記事をご参考まで。
「全国初!放射性廃棄物を海面投棄する「南本牧処分場」への下水汚泥焼却灰処分、キケンがいっぱい。」
「下水汚泥の焼却灰、南本牧への海面埋立は「凍結」=声と行動は力になる」
市民が声をあげて、市の失政を軌道修正できたというのは、すばらしいことだ。山本太郎さんも語られていたように、今回の横浜市民の活動が原動力となり、全国でも同じように国民主権政治の連鎖反応が広まるよう祈っている。しかし、井上議員もブログで書いていらっしゃるように、これで全てが解決したわけではない。
今回の「凍結」はあくまで中止ではありませんし、上記のような都合によるすり替えも横行するでしょうから、これからが大事です。
貯まり続ける焼却灰をどうするかについても、技術や知恵を探し出し、絞り出し、結集しなければなりません。
当面の保管についても、作業に従事する職員や周辺地域に極力影響を及ぼさないよう、今の仮置きから堅固な保管方法へ変える必要があります。
こうした保管や除染、処理に関する技術を、研究機関、大学、企業や技術者から広く公募し提案してもらう事業を横浜をあげて行なってはどうでしょうか。
福島はもちろんですが、これから全国で同じ問題が続発します。
国にも対応を求めなければなりませんが、大きくはなくてもすばらしい技術を持った会社も横浜にはたくさんあります。
その知恵と技術、それを発掘する事こそ全国に先駆けて行ないたいものです。
市長は、今回のことで今のままではダメだという事をはっきり認識されたでしょうか。
何事もない時ならいざ知らず、311の大震災と原発事故、そしてその後に拡大する放射能災害のまっただ中では、市民によって選ばれ直接責任を負っている市長と、私たち議員がこれまでと違う決断をしなければならないのだと思います。
井上議員のような政治家が増えてくれればと思う。勉強不足で、井上議員について初めて知ったので井上議員について調べてみた。