2012.07.02 (Mon)
関西電力が原発のない日々に終止符
ロシア・トゥデイ(RT)が大飯原発が再稼動したことについて記事にしていたので、紹介しよう。
和訳:
日本に原発がない状態が続いた約2ヶ月後、関西電力が原子炉を再稼動させた。その動きは、去年の3月以来、原子力発電に反対する何十万という人々を日本中で抗議させることになった。
福井県にある大飯原子力発電所は、日本政府が5月に安全上の懸念から日本の最後の原発を停止させて以降、最初に再開させた原子力発電所となった。
再稼動は、何度も厳しい交渉を重ねた上で決定された。地元の自治体が、大飯原発を再開する前に関西電力から追加の保障を要求したのに対し、政府は、経済の安定のため、大飯原発を早急に起動させる必要があると主張した。
日曜日には、何百人という活動家たちが抗議のために大飯原発の入り口の前に集結した。警察は原発の門から抗議者たちを押し戻すという措置を取った。
野田佳彦首相の政権が6月16日に大飯原発の再稼動を決定してから、日本では原発の再稼動に反対する抗議者の輪が広がっている。
つづく
2012.06.17 (Sun)
BBCが野田総理が民意に反して大飯原発を再稼動させたことを報道
【BBC】Japan PM Noda orders nuclear reactors back online
和訳:
日本の野田総理が原発再稼動を命じる
6月16日 BBC
日本は、2つの原子炉を再稼動させることを発表した。去年の福島の原発事故の危機を受けて全ての原発を停止させて以来、初の再稼動となる。
当局によれば、福井県の中央に位置する大飯原発は、3週間以内に再稼動するという。
野田首相は、夏に電力不足になるという理由で再稼動への支持を促した。
しかし、国民の間には、広範な原発反対の意見が根強く残る。
巨大な地震と津波によって起こった福島第一原発のメルトダウンの後、日本の50基の原子炉は定期点検のために停止した。
「国民生活を安定させる」
野田総理は、再稼動決定を承認した西川一誠福井県知事に会った後、枝野経産業大臣、細野原発事故担当大臣、藤村官房長官と階段して正式に再稼動を決定したことを表明した。
AFPによれば、野田氏は、「大飯原発が位置する自治体からの承認を受けて4大臣が再稼動の決断を下した。」と語ったそうだ。
西川知事は、レポーターに「国民生活と産業を安定させる」ために同意したと伝えた。西川氏は、政府の安全基準が保証されたので、承認したという。
しかし、野田氏はいまだに国会議員や国民からの強い反対に直面していると大阪BBCのオイ・マリコは伝える。
時事通信の最新の世論調査によれば、48%の国民は、福井の原子炉を再稼動することに反対しているそうだ。
原発は、日本の電力の三分の一を供給していた。
政府は停電を避ける為、各家庭や企業に15%の節電を呼びかけていた。
BBCのこのニュースは真実を伝えていない。再稼動に反対する人は、48%の2倍近くいるはずだ。もっとも、時事通信の世論調査を元にした数字なので、この数字が信用できないことは日本人ならすぐにわかるだろう。
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2012.06.12 (Tue)
野田首相大飯原発再稼動宣言への反論
『内田樹の研究室』が述べているように、一国の総理大臣が、従属関係にある特定の国や、企業のために国民を犠牲にしてまでも、日本の原発を再稼動すると宣言したことは、企業のトップとしての発言ならまだしも、国家を司る首相の発言としては、不適切であったと誰もが思ったであろう。もし、この地震活動期に本当に大飯原発が再稼動することになれば、野田総理は、日本を滅亡に導いた一国の主として、日本史上に汚点を残すだろう。
10日には、福井県原子力安全専門委員会(委員長、中川英之・福井大名誉教授)が、政府が決定した安全性に関する判断基準を妥当とし、3、4号機の安全対策を十分とする結論で合意した。この報告書が11日午後に西川一誠知事に提出され、知事は、大飯町の時岡忍町長と県議会の意見を参考に再稼働同意の決断を下した。これを受けて、首相と関係3閣僚が16日にも会合を開いて再稼働を決定する。
原発マネーに依存しなければやっていけない福井県が、政府の安全性に関するでたらめな判断基準を妥当と判断して再稼動を決定したことは遺憾である。津波対策や地震対策も未完成、そして、ヴェントもない大飯原発の安全性など確認できるはずがない。
『脱原発弁護団全国連絡会』は、「安全性が確認されないまま再稼働に突き進むことは、次なる破局的事故を招きかねず、市民生活を破滅の淵に晒すものである。」として、再稼動の判断を撤回するように求めている。
菅直人が首相だったときに打ち立てた民主党の脱原発方針は、この野田佳彦の再稼動宣言で、原発推進へと変わってしまった。全国の原発を再稼動させることは、すでに菅直人が首相を辞任した時に決まっており、その後、いくら国民が反対しても再稼動ありきの出来レースだったので、結局、大飯原発を出発点として、ドミノ式に全国の原発が再稼動することになるだろう。
20120610 大飯再稼動を首相表明 どうなる... by PMG5
大多数の国民の反対を押し切って大飯原発を再稼動させるだけではなく、すでに40年を過ぎた美浜原発まで稼動させようとしているとは、狂気の沙汰だ。日本政府の暴走をなんとか止めなくてはならない。
2012.06.09 (Sat)
野田総理、米国のためなのに国民生活を守るために再稼動と詭弁
6.8 原発再稼働許すな!首相官邸前抗議行動
野田総理は、まだ福島第一原発事故が収束していないのに、早い時期にいきなり収束宣言をした。今度は、福島の放射能汚染地域では毎日被曝し続ける子供達を避難させることもできず、福島第一原発事故の原因の解明も終わっていないのに、約8割の国民が反対する中、大飯原発再起動宣言をぬけぬけとやってくれた。
いくら思考停止中で、全て官僚のいうなりでも、もし、野田総理に人の心があったなら、国民を絶望のどん底に突き落とすような大飯原発再稼動宣言などできなかっただろう。
突っ込みどころ満載のメタボドジョウの再稼動宣言は、多くのブロガーや国民によってブログやTwitterなどでその矛盾を指摘されている。新聞では唯一、『東京新聞』が、「確証なき安全宣言」「裏打ちなく責任連発 詭弁並べ原発必要性」などと大見出しで批判している。私なりに矛盾を感じたところを書き出してみよう。
まずは、一番矛盾を感じたのが、国民生活を守るために再稼動させるというところ。その意味するところは2つあって、「第1の意味は、次代を担う子どもたちのためにも、福島のような事故は決して起こさないということであります。」って言っても、原発は人間の手で100%コントロールできないものだってこと知らないのかな?現在も毎日被曝している福島の子供も全員避難させられないくせに、子供をダシに使うなと言いたい。
又、いくら、野田が事故は決して起こさないと言っても、原発事故というのはさまざまな要因で起こってしまうものであり、事故を起こさないと宣言することはどんな人間にもできないことなのだ。それに、国会事故調査委員会の解明も終わってないのに、よく言うよ。
「福島を襲ったような地震・津波が起こっても、事故を防止できる対策と体制は整っています。これまでに得られた知見を最大限に生かし、もし万が一すべての電源が失われるような事態においても、炉心損傷に至らないことが確認をされています。」
この部分も多いに問題あり。小出先生が聞いたら、きっと笑い飛ばされるだろう。まず、地震対策も何もしないで、津波の防波堤も完成されていない。福島を襲ったと同等の地震がきたら、一巻の終わりだ。おまけに大飯原発原子炉直下には断層(破砕帯)が走っており、それが動いて地表がずれると、安全上重要な設備を損傷させる恐れがあるというのだ。当然この説は保安院が翌日に否定したが、いまさら保安院の言うことを信じろというほうが無理だ。野田はこの点について言及するのを避けていた。
国民生活を守ることの第2の意味は、「計画停電や電力料金の大幅な高騰といった日常生活への悪影響をできるだけ避けるということであります。」と、停電や電力料金の値上げを挙げて、国民に脅しをかけている。しかし、関西電力も認めているとおり、夏場でも電気は足りているし、使い済み燃料の保管費用や事故が起きたときの被災者への保障などを含めれば、化石燃料の方が原発を稼動させるよりもずっと安く済むのだ。
野田は、「豊かで人間らしい暮らしを送るために、安価で安定した電気の存在は欠かせません。これまで、全体の約3割の電力供給を担ってきた原子力発電を今、止めてしまっては、あるいは止めたままであっては、日本の社会は立ち行きません。」と言ったが、これは大嘘だ。電気代はすでに福島第一原発事故で大幅に値上げされることになっているし、又つぎに事故が起こればさらなる値上げを強いられるだろう。豊かで人間らしい生活なんて原発を稼動させている間は無理なのだ。
「政府は原発再稼動よりも自然エネルギー導入に力を入れよ」というエントリーでも書いたように、日本は、化石燃料からあと一歩進んでドイツのように、太陽光発電をすばやく取り組むべきである。ドイツは、太陽光発電3ヶ月導入で原発10基分相当の電気を供給できたのだから、ドイツよりも太陽光が豊富な日本だったら、太陽光発電やその他の自然エネルギー発電で54基の原発を賄えるだろう。
しかし、怠惰で完全に原子力村に支配されている日本政府は、ドイツのように素早く動けない。おまけにアメリカの属国の日本は、原発を止めてしまうと、アメリカ様への貢物がなくなってしまうので、なんとしても原発を維持したいのだ。日本の原発事業者が濃縮ウランを調達する場合、7割以上を米国から調達しなければならないのだ。米国以外からの濃縮ウランを調達する場合、30%を上限とする制約が課されている。
野田はこのあとすぐに米国に飛び、再稼動のご褒美として、何億円かのキックバックを直接もらうのではないか。
野田が「国民生活を守るために原発を再起動させる」と言ったこととは裏腹に、日本政府は、米国や原子力村の利益やその恩恵を受けている人だけを守るために、日本国民の生活を卑しめようとしている。万一事故が起きれば、自分たちはいつでも海外に逃げられるが、一般の国民はそうはいかないのだ。
政治家は選挙で落選させることができるが、その政治家を操る官僚は国民の力ではクビにできない。今の米国と原子力村に支配されきった官僚の総取り替えを望みたいが、それには時間がかかるだろう。やはり、次の選挙で日本に原発を54基も作った自民党とそれを止められなかった民主党を落として、霞ヶ関改革を本当に実行できる政党の政治家を選ぶこと(もし、そんな政治家が本当にいれば)。原発を止めるために私たちにできることはそのくらいしかない。
『OurPlanet-tv』野田首相の再稼動宣言に4000人が抗議
投稿者: ourplanet 投稿日時: 金, 06/08/2012 - 16:35
野田佳彦首相は8日、首相官邸で記者会見を開き、関西電力大飯原発3・4号機について、「国民生活を守る責務がある。再起動すべき」と明言した。
野田首相が、記者会見を行う午後6時には、大飯原発再稼動に反対する市民が次々と官邸前にかけつけて、約4000人(主催者発表)が集まり、「再稼動するな!」と抗議行動を行った。
野田首相は、会見で「国民の生活を守るために、大飯発電所3、4号機を再起動すべきというのが私の判断であります。夏場限定の再稼働では、国民の生活は守れません。」と、再稼動は夏季限定ではない考えを示した。
会見が終了すると、官邸前の抗議は大きくなり「絶対にゆるさない」と抗議の声があがった。
首相官邸前での抗議行動の参加は2回目という大和田亜紀さんは、「再稼動ありきで、原発以外で電気を得ることを考えていない。全く納得できない」と訴え、多くの人の反対の声に耳を傾けていないと批判した。
鎌倉からかけつけたという奥野節子さん(67歳)は、野田首相の再稼動宣言について、「責任という言葉を使うならば、まずは福島の人たちを誠実に対処してもらいたい。高い線量で暮らさざる得ないように追い込まれている」と東京電力福島原発事故被害に対しての政府の対応を批判し、まだ解決していないと訴えた。
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2012.06.03 (Sun)
大飯原発再稼動反対の市民3000人が官邸前で抗議
「再稼働反対」~官邸前に市民2700人
OPTVstaff さんが 2012/06/02 に公開
政府が来週にも、関西電力大飯原発(福井県おおい町)3、4号機の再稼働を決定しようとしていることに対し、市民ら2700人が首相官邸前で抗議行動を行った。また大阪市の関西電力本店前でも抗議行動が行われた。
官邸前の抗議行動を呼びかけたのは、反原発首都圏連合。午後6時から仕事帰りを終えた人が続々と集まり、思い思いのプラカードを持ち寄って「再稼働反対」と訴えた。
脱原発・東電株主運動の木村結さんは、「大飯原発にはベント機能がない。(PWR=加圧水型で)大きいから爆発しないと考えているとしたら甘すぎる。私たちはもう騙されない」と大飯原発の安全性が不十分であると訴えた。
大飯原発は、ベント機能がないほか、重要免震棟がないなど、シビアアクシデントの対策が不十分だとの声が強い。20年以上、反原発運動に取り組んできた市民団体「たんぽぽ舎」の柳田真さんは、「関西連合の判断にはがっかりした。関西電力は、電力供給の問題ではなく、経営の問題、つまり儲けの問題と言っている。ただ、多くの人が集まっているので、抗議の声が広がることを期待したい」と語った。
福井県の福井市中央公園では、6月3日(日)13時から緊急の集会「いまなぜ再稼働?福井でつながろう」が開催される予定だ。
官邸前原発再稼動抗議行動はいくつかのメディアは来ていたそうだが、ほとんど報道されずじまいだった。NHKなどは、取材にも来なかったそうで、あきれるばかりだ。
必死で大飯原発再稼動に反対を訴える人々の気持ちがなんとか野田総理に届いて欲しいが、いまのところ、野田総理は、大飯原発再稼動に対して何のコメントも発表していない。将来のこどもたちのために抗議を行う市民を無視し、再稼動を行おうとしているのか。
今日は、「原発」都民投票の実現をめざずパレードが行われるそうだ。くわしくは、こちらのチラシをご覧下さい。
日 時:2012年6月3日(日)13:00集合 雨天決行
場 所:新宿中央公園 水の広場
東京都新宿区西新宿二丁目11番
コース:新宿中央公園水の広場スタート
甲州街道~JR駅ビル(ルミネ)で左折
京王デパート前のヨドバシカメラ~スバルビル都庁
新宿中央公園運動場解散
参加できない方も、メールでメッセージを送ると、サウンドカー内のDJがメッセージを読んでくださるそうですので、伝えたいメッセージを parade414@livedoor.com までメールしましょう。
原発稼働是非の住民投票 都に32万人の署名提出 by gataro-clone
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放射能 |
官邸前行動 |
6.03原発YES/NOパレード@都庁 |
2012.05.31 (Thu)
大飯原発再稼動、橋下大阪市長も容認へ
「事実上容認する」と明言 大飯再稼働で橋下市長(12/05/31)
何が何でも大飯原発の再稼動を推し進めたい政府は、関西広域連合から大筋で理解を得られたとする報道をメディアにさせたが、大阪府の松井一郎知事によれば、関西電力大飯原発の再稼働に関し、「関西広域連合を再稼働のアリバイ作りに使われた思いだ。僕は容認したのでも理解したのでもなく、(再稼働までの)プロセスが不十分だと言い続けている」と語り、不快感を滲ませた。
民意を無視したまま、強引に原発再稼動を進めようとしている野田政権と原子力村の罪の深さは計り知れないものがある。日本人の宝である子供たちから明るい未来を奪い、原発事故被害者への保障もままならぬうちに、電気料金を上げ、来年の東電社員の給与を増額するという。さらに、事故の究明も半ばで、関西電力の管轄である大飯原発を再稼動。あきれて、開いた口がふさがらないとは、まさに今の日本政府、東電、関電、原子力村のことを言うのだ。吐き気をもよおすような日本の現状に唖然とするばかりだ。
2012.05.17 (Thu)
無知と無責任コンビが大飯原発を再稼動しようとしている
さて、下の動画を見ていただければおわかりの通り、大飯原発再稼動はすでにおおい町議会によって容認された。マスコミでもすでに再稼動ありきの報道がされている。大飯原発が国民の意思を無視して再稼動されようとしている。
20120516「再稼動容認」のあきれた舞台裏 おおい町議会
市民社会フォーラムのMLを通して、大飯原発の再稼動に向けて、技術的な評価を行っている「福井県原子力安全専門委員」に宛てて、弁護士の方が抗議の手紙を送られた。その内容が賛同できるものだったので、ここに紹介させていただきたい。
IK原発重要情報(129) [2012年5月17日]
私たちは、原発についての情報と脱原発の国民投票をめざす市民運動についての情報を発信しています。よろしく、お願いいたします。(この情報を重複して受け取られた方は、失礼をお許しください。転送・転載は自由です。)
弁護士 市川守弘、弁護士 河内謙策
連絡先 [1月1日より新住所です。御注意ください。]
〒170-0005 東京都豊島区南大塚3丁目4番4-203号
河内謙策法律事務所内(電話03-6914-3844、FAX03-6914-3884)
Email: kenkawauchi@nifty.com
脱原発の国民投票をめざす会
http://2010ken.la.coocan.jp/datsu-genpatsu/index.html
――――――――――――――――――
福井県原子力安全専門委員への手紙
私(河内)は、福井県原子力安全専門委員会の委員12名に対し、昨日、以下のような手紙を郵便で送りました。私の悪癖で長い悪文ですが、福井県原子力安全専門委員へ何か訴えようと考えている人の参考になれば幸いです。
なお、原子力安全専門委員会については、以下のサイトを参考にされればよいと思います。
http://www.atom.pref.fukui.jp/senmon/index.html
…………………………………………………
福井県原子力安全専門委員会 委員各位 殿
平成24年5月16日
弁護士 河内謙策
私は、東京で弁護士をしている河内謙策と申します。
私は、新聞等で、大飯原発3号機、4号機の再稼動に関連して、貴委員会が、大飯原発3号機、4号機の安全性につき、技術的な評価・検討を行っておられるということを知りました。
私は、技術的な問題についての専門的知識を十分持っている訳ではありませんが、以下の点から考えて、貴委員会が現在の時点で、大飯原発3号機、4号機が安全であると確認・宣言することには反対の意見を持っております。
貴委員会の検討の一助としていただければ幸いです。
1 今回の福島第一原発の事故を通じて、技術的な専門家に対する世間の信頼が地におちました。それは「原子力ムラ」という言葉が端的に示していると思います。世の中の人は、技術的な専門家が、その専門性を放棄して権力者やマスコミに迎合するのではないかと疑っているのです。したがって、技術的な専門家が信頼を回復する道は、権力や政治やマスコミに迎合することなく、自分の専門家としての見識に基づき発言・行動することを積み重ねること以外ないと考えます。
また、今回の再稼動問題は、野田総理らの言動を見ても分かるとおり、専門家の意見を無視し、いたずらに「政治家の責任」を振り回しており、ここに今回の再稼動問題の混乱の原因の一端が存在します。
したがって、貴委員会が意見をまとめられるにあたっては、いかなる政治的雑音も無視し、専門家としての識見にもとづき、十分慎重の上に慎重を重ねて見解をまとめられることを、まず要望させていただきたいと思います。
2 私は、原子力について素人ではありますが、私のような素人からみても、以下のとおり、不可解な点・不合理な点が存在します。そして、この不可解な点・不合理な点からみるならば、現時点において、大飯原発が安全であると評価することはできないと判断いたします。
①今回の福島第一原発の事故の原因の究明作業は、現在、進行中です。それなのに、その結果を待たずに大飯原発の安全性を確認することができるはずがありません。これは小学生でも分かる道理です。とくに問題なのは、今回の事故の原因をもっぱら津波だけに帰しているストレステストは、原因が地震にもあることが判明すれば、その論理的正当性を失うということです。これも小学生に分かる話しです。そして、いま今回の事故と地震との関係についての田中三彦氏らの新たな知見が出てきているのです。
②ご存知のように天正地震による津波の評価については、関西電力が一度まとめたものの、不十分であると保安院に評価されて、もう一度やり直すことになっています。保安院が本年5月8日の貴委員会に提出した「4月25日の県原子力安全専門委員会における委員からの質問に対する回答」(資料№1-4)2頁 においても「これまでの調査結果によれば天正地震による津波は大規模なものではなかったと考えるが関西電力による今後の調査結果を確認する」と述べられています。誰が考えても、この調査結果が、大飯原発の安全性の評価に関係することは明らかです。それなのに、調査の結果を待たないで安全を宣言することは、あきらかに不合理と判断いたします。
③周辺斜面の安全性が、保安院によってさえ確認されていません。関西電力が本年5月8日の貴委員会に提出した「県原子力安全専門委員からの質問に対する回答」(資料№2) においても、「耐震バックチェックにより基準値震動Ssに対して、周辺斜面の安定性について評価し、問題ないことを確認している」と述べられているだけです。つまり、問題ないことを確認したのは関西電力だけだということです。それなのに、保安院も確認せず、原子力安全委員会も確認しないものを、どうして貴委員会が安全と確認できるのでしょうか。
④原発設置反対小浜市民の会や美浜の会らの貴委員会に対する4月11日付「要望書」等で明らかなように、活断層のいわゆる3連動の場合に、制御棒の挿入時間が2.2秒以内に収まるという明快な説明が関西電力からなされず、保安院すらもそれ以内におさまることを確認・審査していません。これは本当に大問題だと思います。炉心溶融に直結するこのような問題を貴委員会が見すごすようなことがあれば、貴委員会は本当に原子力技術の専門家で構成されている委員会なのか、という資格すら疑われることになるでしょう。
以上、私見を述べさせていただきました。誤りがあれば御寛容いただきたいと思います。
なお、私の連絡先は、下記のとおりです。
東京都豊島区南大塚3-4-4-203号 河内謙策法律事務所
(TEL03-6914-3844、FAX03-6914-3884)
弁護士 河内謙策
以上
無知と無責任コンビが原発再稼働
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2012.04.19 (Thu)
原発再稼動反対派の小出裕章氏と推進派の澤田哲生氏の討論
再稼動に賛成する人の言い分に、電気が足りなくなるからという理由があるが、原発がこのまま動かなくても電気は十分足りているのだ。高度成長時代に突入する前は、日本では原子力発電によって作られた電気など存在しなかった。現在でも化石燃料だけで全国の電気を十分賄えるのだ。推進派は、原発を再稼動させたいから、電気が足りなくなるなどとたわけた寝言を言っているに違いないと誰もが思っているだろう。
20120418 [1/2]たね蒔き「原発再稼動すべきか?反原発派vs推進派の討論」
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賛成 |
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2012.04.14 (Sat)
大飯原発再稼動で野田政権の官僚依存がいっそう明らかに
ウォール・ストリート・ジャーナルに関西電力の大飯原子力発電所3、4号機の再稼働について読者の意見を聞く投票を1週間行なった結果が載っていたが、13日午後1時半現在で、投票数1万2000票を超えており、これまでウォール・ストリート・ジャーナルが行った投票で最高の投票率だったそうで、この問題に対する国民の関心の高さが伺われる。
大飯原発再稼動についてのアンケート結果:
賛成 7%
反対 92%
どちらでもない 1%
寄せられたコメント400通以上は、ほとんどが反対意見であったという。それでも、民意を無視して再稼動を決めた理由は何だったのか。
ロイターによると、再稼働の必要性ありと判断した最大の根拠として政府が示したのは、原発ゼロの場合、関電管内の電力供給が需要に対してどれだけ不足するかというデータだそうで、9日と13日に首相官邸内の会見場で配布された関電からの報告を元に資源エネルギー庁が発表したところによると、一昨年夏並の猛暑だった場合は18.4%(9日時点提示では19.6%)、1割の節電要請を呼びかけた昨年夏並の暑さだったら5.5%(同7.6%)のそれぞれ供給不足になるということだ。
ただ、これはエアコン需要が急増する日中の時間帯での数値で、この時間の需要を減らして他の時間帯に誘導するなどの工夫をすればこうした危機を回避できるそうだ。又、企業などの節電分を電力会社が買い取るネガワットなど節電を「供給力」として活用することによって需給ギャップを乗り越えることも可能だそうだ。
国のエネルギー政策議論に参加する飯田哲也・環境エネルギー政策研究所(ISEP)所長は、再稼働が必要との野田政権の判断について、「(政府や国会の)事故調査委員会の結果も出ていない、(原子力)規制庁が立ち上がっていないし、どんな規制庁になるか分かっていないし、地元の安全対策も出来ていない。安全性以前に政治的な手続きがあまりに破廉恥だ」と批判。こうした状況に陥ったことについて飯田氏は「民主党は政治主導といいながら政治主導のやり方を全くしなかった。原子力村や経産省の古い考えを持った人に取り囲まれ、官僚の全体の枠組み、考え方に染まってしまう」と分析しているが、まさにその通りだと思う。
又、菅直人前首相のもとで内閣官房参与として原発事故の対応に当たった田坂広志氏は、2月に行われた講演で原発の再稼働の条件について「政府が国民に信頼されていること」を挙げたそうが、今の政府が国民に信頼されているとはとうてい思えない。福島第一原発の収束宣言といい、今回のあまりに拙速な大飯原発の再稼動の決断といい、野田政権への国民の信頼がゼロに近いのは、誰もが感じていることだろう。
官僚や野田政権の閣僚には、いまやらなければならないので4号機を補強するべきで、がれきをばらまいたり、大飯原発を再稼動をやっている場合ではないと官邸前で再稼動反対を訴える市民の声をもう一度聞いて欲しい。そして、大飯原発は、再稼動どころか廃炉にするべきであることに早く気づいてほしい。
3 首相官邸前 揺れ動く大飯原発再稼動に抗議