2012.02.24 (Fri)
本村洋氏の再婚で崩れたヒーロー像
最愛の妻と生まれたばかりの子供を同時に亡くすという耐え難い体験をした本村氏なので、その分、だれよりも幸せになって欲しいという気持ちはあったが、まさか、こんなに早く再婚しているとは、拍子抜けしてしまった。これまでの彼の言動からすると、生涯を独身ですごし、妻と娘の思い出と暮らす男というイメージがあったからだ。つまり、それは、マスコミによって作られた彼のイメージであって、真の本村さんとは、ずれていたということだろう。
マスコミは、元少年の容疑者の立場を悪く見せるため、元少年をどうしようもない悪者に、そして、本村さんをまるでドラマのヒーローのように扱ってきた。しかし、実際は、ヒーローでもなんでもなく、普通の男だったというわけだ。そして、そんなマスコミが作った本村さんのイメージが、世間や裁判官の同情を呼び、この少年を死刑へと導いてしまったのだ。
ご本人も下の動画でおっしゃられている通り、一人で生きていくのがとてもつらくなって精神的にまいっていたというのはわかるし、彼が再婚して幸せになるのも賛成だ。しかし、それなら、その幸せを自分だけのものにするのではなく、元少年にも分けてあげて欲しい。本村さんに人の心があるのなら、元少年を全否定せず、更生の可能性を信じて、生きて罪を補えるよう、裁判所に今から懇願して欲しい。そうすれば、元少年も死刑は避けられると思う。
これまではおしゃれな眼鏡がチャームポイントだった本村さんはレーシック手術を受けて、眼鏡無用となったようだ。しかし、はっきり言って、彼の目はあまり魅力的とは言えず、個人的には眼鏡をかけた本村さんの方が知的に見えて素敵だと思う。その他、本村さんにはいろいろと驚くような噂がたくさんある。
例えば、今の妻との間にすでに5歳と3歳の子供がいるとか、事件後、高級車を購入したとか、頻繁にソープに通っていたとか・・・・。「カナダからのラブレター」じゃなくて、「天国からのラブレター」という本を出版したり、それが映画化されたそうだから、それらの収入で贅沢しているのであって、まさか、保険金で贅沢しているわけではないだろうし、これらの噂が果たして本当なのかはわからないが、もし、本当だとしたら、本村さんのイメージは完全に失墜してしまう。そして、何よりも彼の本を読んで、又この映画を見て泣いた人たちを幻滅させることになるのではないか。
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2012.02.20 (Mon)
光市母子殺害事件:元少年の死刑確定は放射能汚染に不安を抱く母子に対するガス抜き
私の考えは、上記のエントリーを書いたときと全く変わっていない。自分の性欲を満たすために、母親と生後間もない9ヶ月の赤ちゃんを殺害したのは確かに恐ろしいことだが、以下の3つの理由で、この元少年に死刑が相当だとは思えない。
まずは、当時少年が、18歳と1ヶ月ということから、少年法が適用されれないのはおかしいと思うのが一つ。死刑を選択するかどうかは、これまでは、最高裁が83年の永山則夫下死刑囚に対する判決で判示した「永山基準」に照らして判断されてきた。犯行時18歳未満であった少年の量刑については、「死刑をもって処断すべき時は無期刑を科す」と規定し、法的には18歳以上から死刑を科すことが可能になる。少年の実際の年齢は18歳と1ヶ月だったが、後ほど詳しく触れるが、精神障がいで精神年齢は、5.6歳ということだったため、当然、物事のよしあしもわからないような状況だったことを考慮しなくてはならない。
又、18歳を成熟した大人と見るというのは、昔だったら許されるかもしれないが、今の18歳を見ると、時代と共に判断力や責任感が一般的に低下してきているような気がする。今の日本では、死刑を科す年齢を19歳まで引き上げる必要があるように思われる。さらに、精神障がいを患っている場合は、精神年齢を実齢とするべきである。
「永山基準」の考察すべき事項として(1)犯行の罪質(2)動喫3)態様、特に殺害の手段方法の執拗(しつよう)性・残虐性(4)結果の重大性、特に殺害された被害者の数(5)遺族の被害感情(6)社会的影響(7)犯行時の年齢(8)前科(9)犯行後の情状があげられている。元少年の弁護団は、法医鑑定書と裁判官が認定したことに大きな差があると述べており、まだ事件の真実は解明されていない状況だ。これらのことからも、又、少年法51条1項によれば、18歳未満の少年には死刑を科すことができないと定めていることからも、精神年齢が18歳未満であった元少年の死刑は回避されるべきであったと思う。
2つ目は、前述のエントリーにも書いたが、元少年の育った環境も考慮すべきであるということだ。元少年は、幼少時から父による虐待を受けてきた。父の虐待はひどいもので、殴る蹴るはもちろん、逆さまにされて頭から水風呂に沈めるなどの暴力もあったという。その上、母親からは、「あなたと結婚して子供を作りたい。」などと言われ、近親相姦の関係だったという。つまり、父親からは暴力的な虐待を受け、母親からは性的虐待を受けて育ったのだ。その母親も元少年が中学のときに首吊り自殺をしてしまったのだ。少年が絞首刑になって喜んでいる人たちは、そんな元少年がどのような精神状態で、毎日を暮らしていたか想像もできないに違いない。
3つ目は、もっとも重要なことだが、元少年が精神障害を患っていたことだ。精神鑑定をした野田正彰関西学院大学教授)と、加藤幸雄氏(日本福祉大学教授)氏によると、被告の精神年齢はかなり低く、5.6歳程度だと言う。ちょうど、少年が1歳くらいの時に父親から暴行され、頭部を強打したのが原因で発生した脳器質的脆弱性の可能性もあったらしい。元少年が勾留されている広島拘置所でも、統合失調症の治療に使う向精神薬が長期間多量投与されていたことなどの証拠もあり、少年は間違いなく精神障害者である。日本が順守するとしている国際的な基準は、精神障害がある死刑囚の刑を執行しないよう求めている。しかし、日本では、精神障がいがあるないにかかわらず、死刑を執行しているので、実際、アムネスティから目をつけられているのだ。
元少年が犯行に至る過程で、被害者に強く抵抗されたとき、自分が両親から受けた過去の凄まじい虐待の数々がフラッシュバックしたにちがいない。父親が母親を強姦し、自分の頭部を強打したこと。母親に性的虐待を受けたことなどが。幼児を虐待する人の約85%が自分も小さいときに虐待を受けた被害者だという。元少年の被告が被害者や被害児の殺人にいたったのも、両親への怒りや憎しみがそのまま目の前の親子に向けられてしまった結果に違いない。
元少年の手紙には殺害時の心境が書かれていた。被害児の遺体を押入れに入れたのは、元少年にとって押し入れはドラえもんがいる場所であり、そのドラえもんが何とかしてくれるのではないか、という思いからやったことであり、その後、元少年が被害者の死姦行為に及んだのは、小説「魔界転生」にインスピレーションをを受けて、被害者を、さらには被害者に投影された最愛の実母を蘇らせたいという衝動に突き動かされてのことだった。
元少年を誹謗中傷する人たちの中には、死刑を免れるためにわざとおかしなことを書いたと批判する人がいるが、元少年は、幼少期から虐待を受けて、発達レベルも5.6歳程度だったわけだから、上記のような子供じみたことを本気で思っていたに違いない。
主に上に述べた3つの理由から、元少年が死刑という極刑に値するという最高裁の判決には、はなはだ疑問が残る。だからこそ、今日、メディアがこぞってこの元少年の実名を明かし、死刑は免れないものであるかのように主張するのを読んで、おぞましい気分になったのだ。今回の判決は、まるで、放射能汚染によって危険に晒され、不安を煽られている日本中の母子たちから批判を浴びる政府や電力会社によるガス抜きのように思えたからだ。つまり、「御覧なさい。日本の司法は母子の味方ですよ。」と言うために、元少年を死刑にしたのではないかと、ついつい考えてしまう。
原発事故は、政府や電力会社の危機管理がずさんだったことから起きた人災だったが、被害を最小限に抑えることもできた。しかし、当時の菅内閣は、事故が起きてからも安全神話をつらぬいていた。まずは、原発を地震国家である狭い日本に54基も作った原子力村のメンバー全員と、国民から情報を隠匿し、嘘の情報を流した政府や政治家を一人残らず極刑に処するべきだ。これだけ多くの国民を不安に陥れた原発事故の責任者も罰せられない司法に、精神障害の少年に死刑を言い渡す権利はない。いったい、日本の司法はどこまで腐りきっているのか。
【安田好弘】#1 【光市母子殺害事件】法医鑑定書
2010.10.10 (Sun)
『朝日』の天声人語の訂正版

photo: Ball's Fall Thanksgiving Festivalより
年に一度のクラフト・ショーが私の住む小さな村で開催されるため、会場に近い場所にあるワイナリーに足を運ぶ人も多く、又、それとは別に、今週末は、私の働くワイナリーでは、クランベリー・アイスワインが初リリースされた記念にクランベリー・ワイン・フェスティバルも同時開催しているため、昨日から、ものすごい人でごった返し、疲れきっている。だから、昨日はブログをお休みしてしまった。
今日は、広末涼子がキャンドル・ジュンと再婚したというびっくりニュースがあったので、そのことについて私の意見を書こうと思ったのだが、それは明日にして、多くの方から反応があったので、しつこいかもしれないが、もう一度、『朝日』の「天声人語」について書くことにした。
『朝日』の「天声人語」による小沢批判は言語道断というエントリーを書いた後、あまりにムカついたので、朝日の「お問い合わせフォーム」に上の記事へのリンクとその天声人語がいかに駄文であるかを伝え、紙面上で小沢一郎氏に謝罪するように要求しておいた。
天声人語の筆者は、2007年4月から担当している福島伸二、冨永格の2人の論説委員だそうなので、このどちらかが書いた記事であることは間違いない。いずれにせよ、実に偏向的で幼稚な思想を持ち、基本的人権や推定無罪などの法律を理解できない知能の低い人物である。新聞社の論説委員としては、不適切であり、朝日は、論説委員の交代をして小沢氏に詫びるべきであろう。
ブログ『Cozy Life』のCozyさんが、ナント!この「天声人語」の訂正版を書いてくださったので、紹介したい。
天声人語の訂正版、書いてみました
天声人語 (Cozy訂正版)
起訴される小沢一郎氏は「これは権力闘争だ」と。小沢氏の起訴を決めた検察審査会とは、素人集団である。この起訴に対して、なぜ小沢氏は権力闘争という表現をつかったのか。検察審査会のメンバーは取り調べについては、素人。なぜか執念深く小沢氏を追い詰めようとしている。何者かの息がかかった集団ではないかとの疑惑がある。なぜ、検察がシロだと言っているのに、平均31歳の若年素人が小沢氏を有罪と結論づけることができるのか。
▼これまで検察の度重なる事情聴取において、こころよく対応し、丁寧に事情を説明してきたとされる小沢氏であり、また、検察には充分すぎるだけの取り調べ時間があった。入念な捜査の上で不起訴、すなわちシロとなっているのだ。 これ以上の説明はあるまい。
▼一般公務員は起訴されたら休職となる。郵便不正事件で不当逮捕された村木厚子さんの場合、5カ月も自由を奪われ、復職までの1年3カ月を無駄にした。小沢氏は、立法という究極の公務に携わる人物である。同じような不当起訴があって、休職などになってしまったら、これは一大事である。ましてや素人がその方向性を決めるなど、本来言語道断、再検証が必要である。
▼昨日の各紙社説は、朝日と産経が議員辞職を求めたほか、毎日が「自ら身を引け」、日経が「最低でも離党を」、読売も「政治責任は重い」と氏に辛い。今回の素人による強引な起訴に疑問を投げかけている紙面はなく、小沢氏の責任追及の論調ばかりであり、その報道の不自然な統一感に疑問を感じる。
▼思えば、民主党の代表と首相になりそこねたのは、アメリカとその配下にある政治家たち、官僚たち、また、マスコミにとって幸いだった。仙谷は更迭をまぬがれ、記者クラブ廃止も遠のき、官僚の利権構造も保守できるし、また近隣国との対立構図も鮮明にできれば軍産事業にも利がある。
▼村木厚子さんを証拠捏造してまで不当起訴した東京地検であったが、小沢氏を起訴することはできなかった。しかし、今回、特定の組織から息がかかったと思われる素人集団を巧みに利用して起訴にこぎつけた。まさに小沢氏が言うように「権力闘争」だ。正確に表現すれば小沢氏が権力闘争を仕掛けられ、集中砲火を浴びている状況と書くのが適切な表現かもしれない。仕掛けているのは誰だ。
これなら、中立な立場で書かれた文章であるということがわかり、朝日の天声人語にふさわしい内容と納得できる。朝日の論説委員は、Cozyさんの文章を見習うべきである。
『朝日』の社説評論家のかっちさん(笑)もこの朝日の天声人語について、厳しい指摘をされている。
『かっちの言い分』小沢氏の検察審査会の不当性と、小沢さんはネットに出て闘え
天声人語についてではないけれども、今度は、大阪府警の刑事事件捜査で恫喝取調べの実態が暴露されたYouTubeを植草さんが紹介されていたので、そのYouTubeをなるべく多くの方に広めたいと思う。
植草一秀の『知られざる真実』警察=国家やくざの日常風景・全面可視化が不可欠
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