2008.11.30 (Sun)
雇用問題:麻生のお粗末な緊急雇用対策

今日は、ヒッチコックの"The Birds"で見たような異常な数の鳥の集団の写真を少し前に撮ったので、その写真をアップしながら記事を書こうと思う。
なぜこんなにたくさんの鳥が集まったかと言うと、今年の夏は雨が多かったため、葡萄に含まれる糖分が少なくて、収穫の条件となる規定の糖分に達するまで例年よりも長く葡萄が茎にぶら下がっていたので、食料が不足する冬になる前に鳥たちは葡萄の実を食べあさりに来たみたいだ。
今日、ちょっと気になるニュースがあった。どれも国家公務員や雇用に関するニュースだ。

先週、元厚生事務次官が殺害されて犯人が捕まったばかりだが、今度は、東大を卒業した25歳の若者が文科省幹部殺害予告をして捕まった。
ブログで文科省幹部殺害予告=脅迫容疑で東大卒男逮捕-警視庁
インターネット上で自ら開設するブログに、文部科学省幹部の殺害予告を書き込んだとして、警視庁捜査1課などは29日、脅迫容疑で、東京都文京区本駒込、無職前田記宏容疑者(25)を逮捕した。
同容疑者は東大を卒業しており、容疑を認め、「自分一人でやった」と供述。元厚生次官宅連続襲撃事件後に書き込んでおり、同課は悪質とみて調べている。
同容疑者は「理想を持って勉強してきたが、教科書の内容と違う現実があると知り、日本の教育を主宰している文科省に対し、詐欺をされたとの感情が高まり、結果的にやってしまった」と話しているという。(2008/11/29-18:22)
前田記宏容疑者は、東大を卒業しても就職先がなかったという。東大卒業して芸能人になる人もいるけど、それは、特殊で、一般的に、東大は、国家公務員への登龍門と言われている通り、東大に行く人は、国家公務員になりたい人が多いだろう。私が知っている霞ヶ関の国家公務員もほとんどが東大卒だ。東大は、日本でも最も権威のある大学であり、狭き門として有名だが、もちろん中には、え?この人が東大卒?と疑いたくなる人もいる。
しかし、今回、東大卒の前田記宏容疑者が自分のブログに文部科学省幹部のネット殺害予告を書き込んだのは、「教科書の内容と違う現実があると知り、日本の教育を主宰している文科省に対し、詐欺をされたとの感情が高まった」ためと言っている。
これは私の想像だけど、ここまでに至る過程に、これまで自分は一生懸命勉強してきたのに、就職もできなかったのに対し、漢字もろくに読めない麻生太郎が総理になれたという現実に打ちのめされたことや、文部科学省の職員になるために国家公務員試験を受けて受からなかったという過去があるのかもしれない。
けれども、それ以上に、前田記宏容疑者は、教科書の内容と違う現実があると知ったことが今回の殺害予告の書き込みのきっかけとなったわけだから、できれば、どの教科書のどんな内容のことを言っているのかをみんなの前で発表してもらえたらと思う。確かに、文部省が許可する歴史教科書の内容には、事実と異なる部分があり、いまだにいろいろ騒がれているということもあるし・・・・。もし、今回の前田容疑者の書き込みが歴史の教科書のことを意味するのであれば、この事件が歴史の真実と虚偽のギャップを少しでも埋める発端となればと思う。

ちなみに、『公務員数の国際比較(2005)』から転載した下のグラフを見ると、日本の公務員の数は、世界でも非常に少ないことがわかる。サイトの説明にもある通り、男性の職員数はほとんど同じなのに対して、女性の職員数に大きな差があり、それが各国の公務員数の違いとなっているようだ。
特に石油産業が国の経営を支えるサウジアラビアでは、石油関連企業の公務員が多く、それも男性公務員が極端に多い。千人あたりの公務員数でみると、男性公務員は55人もいるのに対し、女性公務員は0.8人と、千人に1人の割合しかいない。これは、日本も似たようなもので、女性公務員は、千人に3.8人しかいないということになっている。普通の企業だともっと女性の職員数は多いだろうが、他国に比べて女性の公務員が異常に少ないということは、日本政府が男性に有利、女性には不利な雇用を率先して行っていることがわかる。

財政的には大きな国家でも、人材的には小さな国家である日本は、人材的にも大きな国家になるべきである。もっと国家公務員の数を増やせば、失業率も減るし、少ない国家公務員に厚い恩恵を与えるよりも、多くの国家公務員に少しずつ恩恵を与えれば、日本の経済も少しはましになるだろう。ところが、政府は、すでに雇われている国家公務員の残業代は上限を倍に増やすことはしても、国家公務員の数を増やそうという考えは全くないようだ。
超勤上限、月60時間に=国家公務員、実態踏まえ指針見直し-人事院
人事院は、東京・霞が関の中央官庁に勤務する国家公務員が連日深夜に及ぶ超過勤務を強いられている現状を踏まえ、これまで「月30時間」としていた超勤の上限指針を見直す方針を固めた。実態を考慮して上限を倍の「月60時間、年間720時間」とし、各省庁の意見も聞いて今年度中に通知する方針だ。
中央官庁では、特に国会での与野党議員の質問内容把握や閣僚の答弁づくり、予算編成作業などで深夜に及ぶ勤務が常態化。繁忙期には超勤時間が月200時間を超えることも珍しくない。このため、タクシーでの帰宅が続き、一部職員がなじみの運転手から缶ビールなどの提供を受けていた「居酒屋タクシー」問題も発覚した。
そこで人事院は、超勤の上限を勤務実態に合わせて引き上げる必要があると判断。一方で、過労死のリスクは超勤時間が「月100時間以上」で一気に高まると一般的に言われていることから、超勤の上限を「月60時間」に設定する方向で検討している。
安倍政権のときに、一般企業に務める会社員には、「ホワイト・カラー・エグゼンプション」という法案で残業しても残業代を払わなくてもいいようにしようとしたにもかかわらず、公務員の残業代は上限を引き上げようっていうんだから、とんでもないことだ。
又、上のニュースのように「居酒屋タクシー」問題を仕事が忙しいせいにするのは、筋違いというものだ。それほど忙しいのなら、なぜ、もっと人員を増やさないのか。巷は、失業者であふれかえっているというのに、数少ない公務員という特定の人々だけに恩恵を与えるのは、おかしい。こういったところから格差は広がるのだ。

さらに、狂っていると思ったのは、麻生が週内に緊急雇用対策として、財界に賃上げ要請するらしいという話だ。
政府・与党、週内に緊急雇用対策…首相が財界に賃上げ要請へ(読売 11月30日)
麻生は、給与収入の増加による内需拡大が狙いだというが、正気だろうか。この不景気に賃上げを要請したら、企業側は、非正規職員だけでなく、正規職員までも解雇せざるをえない状況に追い込まれる。そのため、雇用を控えるようになり、失業者はますます増えるだろう。こんな簡単なことも考えられない脳死状態のアル中の麻生には、政権を担うのは無理だ。緊急雇用対策で賃上げとなると、一瞬聞こえはいいが、実は、雇用を制限するとんでもない対策だ。まあ、麻生のことだから、何の具体策もなく、又給付金のように流れちゃうんだろうから、心配の必要はないのかもしれないけどね。
賃上げは突然するものではない。長い間着実に少しずつ上げないと、企業にとってかなりの負担になるばかりか、雇用者側にとっても就職できる機会が減るので、百害あって一利なしだ。失業者が増加している今、すでに雇用されている人の賃金を上げるより、一人でも多くの失業者が職を得られるように公務員の職を増やすなり、雇用機会を広げることが政府に求められているのだろうが。今の自公政権がこのまま続けば、失業者はますます増え、日本経済も悪化するばかりだろう。国民はいまこそ立ち上がって自公に解散総選挙を迫るべきだ。
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『保坂展人のどこどこ日記』「派遣・非正規3万人が失職」と厚労省に更なる調査要求
今日は、福島みずほタンのブログで紹介されていた映画、「トウキョウソナタ」のトレーラーを紹介する。日本では、今年の9月に公開され、カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で、審査員特別賞を受賞した作品で、監督は、黒沢清、 出演者は、小泉今日子、香川照之、 他。
トウキョウソナタ TOKYO SONATA Trailer
ストーリーは、2階建てのマイホームに住んでいる父、母、大学生の息子と小学生の息子の4人家族のどこにでもありそうでなさそうな物語。ある日、父親がリストラされるが、家族には、そのことをどうしても言えず、毎日、会社に行くふりをして出かける。総務課長だった父親が、ハローワークに面接に行って、若い面接官に軽くあしらわれたり、スーパーの掃除夫として働く姿には、現代の中年サラリーマンの悲哀を感じさせる。大学生の息子は米軍に志願したり、小学生の息子は父親に内緒でピアノを習ったり、母親が子供に離婚をすすめられるなど、今の社会で話題になっている問題がてんこもりの話題作だ。
国民のことは全く頭になく、次々に官僚や経団連に有利な政策しか打ち出せない麻生は今すぐ辞任せよと思ったら、今日もランキングの応援宜しくお願いします。

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