2012.05.17 (Thu)
無知と無責任コンビが大飯原発を再稼動しようとしている
さて、下の動画を見ていただければおわかりの通り、大飯原発再稼動はすでにおおい町議会によって容認された。マスコミでもすでに再稼動ありきの報道がされている。大飯原発が国民の意思を無視して再稼動されようとしている。
20120516「再稼動容認」のあきれた舞台裏 おおい町議会
市民社会フォーラムのMLを通して、大飯原発の再稼動に向けて、技術的な評価を行っている「福井県原子力安全専門委員」に宛てて、弁護士の方が抗議の手紙を送られた。その内容が賛同できるものだったので、ここに紹介させていただきたい。
IK原発重要情報(129) [2012年5月17日]
私たちは、原発についての情報と脱原発の国民投票をめざす市民運動についての情報を発信しています。よろしく、お願いいたします。(この情報を重複して受け取られた方は、失礼をお許しください。転送・転載は自由です。)
弁護士 市川守弘、弁護士 河内謙策
連絡先 [1月1日より新住所です。御注意ください。]
〒170-0005 東京都豊島区南大塚3丁目4番4-203号
河内謙策法律事務所内(電話03-6914-3844、FAX03-6914-3884)
Email: kenkawauchi@nifty.com
脱原発の国民投票をめざす会
http://2010ken.la.coocan.jp/datsu-genpatsu/index.html
――――――――――――――――――
福井県原子力安全専門委員への手紙
私(河内)は、福井県原子力安全専門委員会の委員12名に対し、昨日、以下のような手紙を郵便で送りました。私の悪癖で長い悪文ですが、福井県原子力安全専門委員へ何か訴えようと考えている人の参考になれば幸いです。
なお、原子力安全専門委員会については、以下のサイトを参考にされればよいと思います。
http://www.atom.pref.fukui.jp/senmon/index.html
…………………………………………………
福井県原子力安全専門委員会 委員各位 殿
平成24年5月16日
弁護士 河内謙策
私は、東京で弁護士をしている河内謙策と申します。
私は、新聞等で、大飯原発3号機、4号機の再稼動に関連して、貴委員会が、大飯原発3号機、4号機の安全性につき、技術的な評価・検討を行っておられるということを知りました。
私は、技術的な問題についての専門的知識を十分持っている訳ではありませんが、以下の点から考えて、貴委員会が現在の時点で、大飯原発3号機、4号機が安全であると確認・宣言することには反対の意見を持っております。
貴委員会の検討の一助としていただければ幸いです。
1 今回の福島第一原発の事故を通じて、技術的な専門家に対する世間の信頼が地におちました。それは「原子力ムラ」という言葉が端的に示していると思います。世の中の人は、技術的な専門家が、その専門性を放棄して権力者やマスコミに迎合するのではないかと疑っているのです。したがって、技術的な専門家が信頼を回復する道は、権力や政治やマスコミに迎合することなく、自分の専門家としての見識に基づき発言・行動することを積み重ねること以外ないと考えます。
また、今回の再稼動問題は、野田総理らの言動を見ても分かるとおり、専門家の意見を無視し、いたずらに「政治家の責任」を振り回しており、ここに今回の再稼動問題の混乱の原因の一端が存在します。
したがって、貴委員会が意見をまとめられるにあたっては、いかなる政治的雑音も無視し、専門家としての識見にもとづき、十分慎重の上に慎重を重ねて見解をまとめられることを、まず要望させていただきたいと思います。
2 私は、原子力について素人ではありますが、私のような素人からみても、以下のとおり、不可解な点・不合理な点が存在します。そして、この不可解な点・不合理な点からみるならば、現時点において、大飯原発が安全であると評価することはできないと判断いたします。
①今回の福島第一原発の事故の原因の究明作業は、現在、進行中です。それなのに、その結果を待たずに大飯原発の安全性を確認することができるはずがありません。これは小学生でも分かる道理です。とくに問題なのは、今回の事故の原因をもっぱら津波だけに帰しているストレステストは、原因が地震にもあることが判明すれば、その論理的正当性を失うということです。これも小学生に分かる話しです。そして、いま今回の事故と地震との関係についての田中三彦氏らの新たな知見が出てきているのです。
②ご存知のように天正地震による津波の評価については、関西電力が一度まとめたものの、不十分であると保安院に評価されて、もう一度やり直すことになっています。保安院が本年5月8日の貴委員会に提出した「4月25日の県原子力安全専門委員会における委員からの質問に対する回答」(資料№1-4)2頁 においても「これまでの調査結果によれば天正地震による津波は大規模なものではなかったと考えるが関西電力による今後の調査結果を確認する」と述べられています。誰が考えても、この調査結果が、大飯原発の安全性の評価に関係することは明らかです。それなのに、調査の結果を待たないで安全を宣言することは、あきらかに不合理と判断いたします。
③周辺斜面の安全性が、保安院によってさえ確認されていません。関西電力が本年5月8日の貴委員会に提出した「県原子力安全専門委員からの質問に対する回答」(資料№2) においても、「耐震バックチェックにより基準値震動Ssに対して、周辺斜面の安定性について評価し、問題ないことを確認している」と述べられているだけです。つまり、問題ないことを確認したのは関西電力だけだということです。それなのに、保安院も確認せず、原子力安全委員会も確認しないものを、どうして貴委員会が安全と確認できるのでしょうか。
④原発設置反対小浜市民の会や美浜の会らの貴委員会に対する4月11日付「要望書」等で明らかなように、活断層のいわゆる3連動の場合に、制御棒の挿入時間が2.2秒以内に収まるという明快な説明が関西電力からなされず、保安院すらもそれ以内におさまることを確認・審査していません。これは本当に大問題だと思います。炉心溶融に直結するこのような問題を貴委員会が見すごすようなことがあれば、貴委員会は本当に原子力技術の専門家で構成されている委員会なのか、という資格すら疑われることになるでしょう。
以上、私見を述べさせていただきました。誤りがあれば御寛容いただきたいと思います。
なお、私の連絡先は、下記のとおりです。
東京都豊島区南大塚3-4-4-203号 河内謙策法律事務所
(TEL03-6914-3844、FAX03-6914-3884)
弁護士 河内謙策
以上
無知と無責任コンビが原発再稼働
Tags : 大飯原発 |
再稼動 |
福井県原子力安全専門委員会 |
保安院 |
原子力安全委員会 |
ストレステスト(耐性検査) |
2011.06.27 (Mon)
ヅラ西山がロシア・トゥデイのインタビューで原子力発電の維持を宣言
こんな奴が日本政府の原子力官僚(経済産業省大臣官房審議官審議官)の中で2番目に高い地位にいると紹介されていることは、日本人の恥を晒しているようなものだ。
'No Japan without nuclear energy' 核エネルギーなしの日本はありえない
まずは、今の福島第一原発事故の状況をきかれると、「改善している」と顔色一つ変えずに大嘘をかます。1号基から3号基までの原子炉では、すでにメルトスルーが起こっているにもかかわらず、水を注水して冷やしているので、原子炉の状況は落ち着いており、放射線量は1日ごとに減少していると答えるしまつ。
実際には、格納容器の底には穴があき、いくら水を入れても駄々漏れ状態が続いている。福島周辺地域ではかなり濃度の高い放射性物質がみつかり、さらに福島から遠く離れた静岡などの地域でも緑茶などの農作物から高濃度のセシウムなどの放射性物質が検出されている。
福島第一原子力発電所にたまっている汚染水に関しても、ヅラ西山は、高濃度の放射能汚染水の浄化処理施設で除染装置の最後の試験段階であると述べているが、この6月20日に公開されたこのインタビューは、除染装置のポンプが故障し、停止した18日以前に行われたのだろうか。みなさまもご存知の通り、福島第一原発の浄化処理施設ではトラブルが続いており、本格稼働した5時間後の18日未明、放射能の計測値が異常に上がって停止した。
年間の子供に対する許容年間被曝量が20ミリシーベルトというのは、国際的な基準の20倍であり、高すぎないかという質問には、緊急事態に適応できる範囲であると言い切っている。原発事故の原因を予測できない津波のせいにしてみたり、政府の対応でまずかった点について、国民が納得できるように上手く説明できなかった点といってみたり、どれもこれも単なる言い訳にすぎず、自分たちの過ちを認めようとしない本当に見苦しいインタビューだった。
このインタビューを見て、日本政府は、世界中からあきれられるに違いない。子供に年間20ミリシーベルトの被曝を許す国がどこにあるのか。子供たちはただちに福島からなるべく遠いところに強制移動させるべきだ。
東北沖の巨大津波は過去にもあり、今回の事故は十分予測できるものであった。それにもかかわらず、費用削減のための怠慢で津波対策を怠っていたにすぎない。福島原発事故は、自然災害ではなく人災であるというのが一般的な見方だ。
さらに、放射線量の公表に関しては、政府がスピーディの情報を意図的に隠匿していたのではないか。原発事故情報に関しては、一般の国民の方が、ヅラ西山よりもよっぽど詳しいのだ。
そして、最後のきわめつけは、これだけの大惨事を起こした日本の原発の将来について聞かれると、30%の電力の供給を原発にたよっているので、原発は維持せざるを得ないと断言しているところ。
今、国内では、たったの30%しか原発に依存していないので、自然エネルギーへの移行の声が国民の間では高くなっているにもかかわらず、それには全く触れず、こうして政府や自分意見だけを坦々と下手な英語で述べるヅラ西山の稚拙さにはあきれるばかりだ。一刻も早く、この破廉恥原子力高官を辞任させなければ、日本は救われない。
Tags : 西山英彦 |
不倫 |
経済産業省大臣官房審議官審議官 |
保安院 |
子供 |
年間許容被曝量 |
20ミリシーベルト |
2011.06.24 (Fri)
西山英彦審議官が不倫を謝罪
【原発】西山審議官を厳重注意 不倫報道で(11/06/24)
上のYouTubeはANNニュースが伝える2011年6月23日の原子力安全・保安院会見の様子だが、週刊誌で報道された不倫問題について、西山英彦審議官は、こういう記事が出ること自体、「私の至らなさであり、深く反省し、身を正して参りたい」と謝罪している。事実関係については、「個人的なことでもあるのでコメントしない」としている。
西山氏はまた、この問題で海江田万里経産相から厳重な注意を受けたことを明らかにした。そのうえで、「被災者の方のお気持ちなども踏まえて、事故の収束およびそれに関連する情報提供のために職務に当たりたい」と強調した。
2011.04.27 (Wed)
京大原子炉実験所の”異端児”たちvs原子力村
今日は期末試験の日だった。来週の木曜日までに採点を終わらせねばならない。今年の期末試験は去年よりも1ページ増えて9ページにしたので、生徒40人分、全部で360ページを採点する。ちょっと気が重い。でも、生徒が私が教えた日本語を8ヶ月でどこまで理解したかということがわかるので、それはそれで、興味深くもある。
さて今日は、原発の危険性を訴えてきた研究者たちが、原発推進派らで構成される原子力村によって虐げられてきた日本の実情を報告したいと思う。メディアなどは「原子力ムラ」と「ムラ」をカタカナで書いているようだが、そうすると、原子力の「力(リョク)」がカタカナの「カ」と読めて、「原子かむら」と読み違えそうなので、このブログでは「ムラ」は漢字で書く。
下の動画は、原発の危険性を私たちにわかりやすく教えてくださっている今話題の京都大学の小出裕章(こいで ひろあき)教授を初め、今中哲二教授ら異端児と呼ばれる研究者たちが、京大原子炉実験所で2年前にその様子を撮影されたものだ。原子力開発が生み出す負の側面を伝えるために日夜研究に励まれている。
なぜ警告を続けるのか~京大原子炉実験所・”異端”の研究者たち~
彼らは、出世コースからはずされ、30年間助教(昔は助手と呼ばれていた)のまま。助教では、研究費も限られているだろう。しかし、決してくじけることなく、人類を放射能汚染から救うという強い使命感を持っているせいか、とても明るく前向きだ。「京都大学は国立大学で、文科省の管轄なので、原子力開発を促進する国の方針と逆のことをしている私たちは疎まれて当然だろう。」と屈託のない笑顔で語る小出教授には、金儲けよりも人類の安全のために活動する神がかり的なスケールの大きさを感じた。小出教授らにとっては、出世や金儲けなどどうでもよく、それよりも放射能汚染から人類を救うことが最も大切なのだ。
一方の原子力村はどうか。狭い人脈社会の中で、自分たちの私欲を満たすために、国民に「原子力は安全だ」と思い込ませ、洗脳するために嘘の発言や報道を続けてきた。そして、それに反抗する者が現れると、決定的に排除してきた。下の「愛川欽也パックインジャーナル」では、関西電力が、小出教授を出演させた番組のスポンサーを降りて、局に圧力をかけたという話が語られているが、それが事実だとしたら、日本には言論の自由もないことになる。
YAMACHANの@飛騨MAVERICK新聞が、4月23日に放映された愛川欽也パックインジャーナル「原発事故工程表は大丈夫か」をアップして下さった。
さらに、本来は、原発の安全規制をするために原発を監視する立場の保安院と原子力安全委員会も「原子力村」の構成員のメンバーであるため、監視するどころか、原子力村の利益を守ろうという意識が強い。そのため、事故の隠滅を図ったり、放射線量を低く見積もったりするのに手を貸している。保安院に至っては、原発を推進する経産省に所属するという構造的問題を抱えているにもかかわらず、誰も疑問を抱かずに放置してきた。
今の保安院は、「保安院全員アホ」と小学生から笑われるほど原発について無知な人が多い。全員クビにして、経産省から分離し、小出教授ら原発の危険を訴えてきた研究者に後を継がせるべきだ。
原発が日常の生活に大きな影響を与えることを知った今、国民の一人ひとりが原発の廃止を訴えるために行動しなければならない。小出教授らの活動を支援したり、反原発デモに参加するのもよし、ブログで反対を訴えたり、政府にメールで苦情を伝えるのもいいだろう。いつまでも静観していたら、原子力村の支配からは逃れられない。
Tags : 小出裕章 |
今中哲二 |
京大原子炉実験所 |
原子力ムラ |
保安院 |
原子力安全委員会 |
東京電力福島第1原発 |