2008.06.07 (Sat)
日本の格差社会の行き着くところ:プレカリアートとロハス

Michael Cさんという知り合いの方が、最近の「新ニッポン人」と呼ばれる20代の若者がお金を使わないということを紹介した番組があったことを知らせてくださって、その感想を書いていただいたので紹介したい。私達が20代の頃は車や洋服やバッグを買ったり、旅行に行ったりするために一生懸命働いたものだけど、時代は変わったなと思った。老後のことなんか全く心配していなかったし、単に能天気だっただけかもね(笑)。
あまり地上波は見ない私ですが、こんな番組があったので思わず見てみました(動画が自動再生されるので注意)。
http://www.tv-tokyo.co.jp/snj/
この番組自体は、
http://www.j-cast.com/2008/03/07017535.html
の内容をそのままテレビ番組化したものですが、酒も飲まず海外旅行にも行かず休日はテレビ三昧(かネット三昧)、ましてやクルマには興味を示さず、ひたすら将来の不安に備えて貯金に励む現在の20代の様子が紹介されていました(私も日本国内にいるときはそんなものだが、それは国外でいろいろお金を使う必要があるため)。
団塊の世代のみならず、若い頃にバブルの美味しい汁を多少なりとも味わったバブル世代(現在40代)は、現代の20代に対して「元気がない」だの「かわいそう」だのの感想を持っているようですが、現代の20代はとにかく将来が不安で不安でしょうがないからとにかくできるだけ貯金して不慮の事態に備えようという考えのようです。
個人的には若者を不安にさせてしまった日本政府の失策のツケがここで出てきているような気がしますが、同時に「日本経済のためだ、お前らクルマを買え!」とコンシューマリズムを煽る司会の久米宏(正確には彼が代表している年長世代: 彼は1944年生まれなので団塊の世代ではない)にも違和感を感じる私の立場としては、非常に複雑なものです。
また、この番組では株取引で200億円以上の資産を形成した人が紹介されていましたが、200億円以上持っている割には非常に質素な生活で(海外旅行にも行かず自家用車も持っていない)、正直なところ「そんなにお金を持ってどうするの?」と思ってしまいました。ホリエモンは逮捕される前は毎晩牛飲馬食(+女とやりたい放題?)という生活で、それはそれで嫌なライフスタイルではありましたが、昼食のインスタントやきそば+夕食を立ち食いうどんという1日2食で済ますストイックな億万長者を見たときの違和感はなんともいえないものがあります
私を含めてこの世代には、成金的なお金の使い方を嫌うところがあるのは確かですが、生存に最低限必要なこと以外には極力お金を使わず、ひたすら将来への貯蓄に励む若者に、日本という国そのものの矛盾を感じたのは私だけではないと思います。

今回日本に帰ったときに感じたのも、日本人ってみんな暗い表情になったなってこと。以前はもっとみんな明るく笑っていたのに、このところ、経済状況が悪いせいか生活も楽ではない人が増えたから、笑っている場合じゃないって感じだよね。このままでは、日本の消費の流通が滞って日本経済はますます悪化するのではないかと心配になってくる。それにしても、これだけガソリン代が上がってくると車なんて乗る人いなくなって当然だろうね。けれども、「新ニッポン人」の問題点は、将来が不安でほとんどのことに興味をもてなくなっているという点だろうね。若者をそんな不安に陥れた日本政府は、経済政策の失敗に対して大きな責任を負うべきだと思う。
ちょうど団塊の世代の子供たち(20代後半~30台前半)がこの「新ニッポン人」に当たるわけだけど、別名「ロストジェネレーション」(失われた世代)とも呼ばれている。
『関係性』「『プレカリアート』社会への怒り」 経済格差
によると、「プレカリアート」と言う言葉も存在するそうで、「プレカリアート(英precariat、仏précariat、伊precariato)とは、「不安定な」(英precarious、伊precario)という形容詞に由来する語句で、新自由主義経済下の不安定な雇用・労働状況における非正規雇用者および失業者を総称する言葉」だそうだ。
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又、『関係性』の「『ロハス』ということ」という記事で初めてしったんだけど、「プレカリアート」と対極にある人たちがいて、その人たちの間では、ロハスな生活(Lifestyles of Health and Sustainability=健康と持続性の生活スタイル)というのが流行っているんだって。
参考資料:
LOHAS (Wikipedia)
LOHAS STYLE (NPOローハスクラブ)
前述の『関係性』の「『ロハス』ということ」には、典型的なロハス層に属する一家族の生活が書かれているんだけど、これがまた、今のこの時代に「アリエナイザ~!」って叫びたくなっちゃうほど、ゆったり暮らしちゃってるんだよね、これが。
まず、ロハス層は縦軸に「積極性」を横軸に「社会性」のマトリックスを作り、9つの層に分かれているそうだ。
「積極性」も「社会性」も最も高い「自立層」が13.8%、平均年齢が41.9歳、年収745万円。
最低ランクの「依存層」が14.7%、平均年齢が38.0歳、年収605万円。
この年収が夫婦揃ってのものなのか、どちらか一方だけのものなのかわからないけど、もし個人の年収だったら、最低ランクでも年収605万円っていったら、このロハス人というのは、それこそ富裕層に位置するんだろうね。
で、笑っちゃうのが、ご主人の仕事。
夫はデザイン事務所を運営しています。オフィスは自転車で15分ぐらいの海のすぐ近くです。事務所で働く仲間たちは、仕事中でも良い波が来るとサーフィンに行っていいことにしているそうです。まるで米国のアウトドアウエアメーカーの『バタゴニア』みたいですね。
仕事中でも良い波が来るとサーフィンに行っていいだなんて、日本でこんな事務所あるのかな~。

とにかく、今回日本に帰ったときも、対照的な場所で対照的な人を見たんだよね。一人は多分、40代くらいだと思うけど、赤坂で、全身をヴィトンの服からバッグや靴で固めていた人で、もう1人は70歳くらいのおばあさんなんだけど、電車の中で恥ずかしそうにバッグで隠しながらおにぎりを食べていた人。きっと食事をゆっくりする暇もないほど、掛け持ちで働いているんだろうなって思った。富裕層はものすごくリッチっていう雰囲気が伝わってきたんだけど、貧困層は悲しいかな、とても貧しそうだった。以前はこんな光景をみることはなかったんだけどね。
ここまで日本経済が落ち込み、格差が広がっている中、政府は国民を犠牲にしてまでも外国勢力の利得を優先しているという。そういえば、ロハスも米国で生まれたビジネスだよね。
植草一秀の『知られざる真実』
2003年株価暴落の深層(1)-危機対応の日米較差-(5月31日)より
りそな銀行処理の裏側に巨大な闇が隠されている。その闇に光を当てることが、どれだけのリスクを伴うものであるのかを私は実感している。しかし、この問題にふたをしてはならないと思う。巨大な不正が行われた可能性も高い。より深刻な問題は、日本国民の幸福を追求すべき日本政府が日本国民を犠牲にして外国勢力の幸福を追求している疑いが存在することだ。
![]() | 知られざる真実―勾留地にて― (2007/08) 植草 一秀 商品詳細を見る |
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