2010.01.28 (Thu)
特捜部の敗北、民意の勝利:小沢幹事長への再聴取見送りへ
昨日のエントリーでも紹介した『週刊朝日』の検察からのリークがあったという検察官の証言を紹介した記事を執筆された上杉隆氏が、『ダイヤモンド・オン・ライン』で、その記事へ大きな反響が編集部や彼のTwitterに届いていることを伝えている。その中で特に見逃せなかったのが、記者クラブメディアに読者から検察のリークに関する抗議が殺到しているということだ。
「検察という国家権力にすり寄る記者クラブメディアの醜悪」より抜粋
一方で、既存の記者クラブメディアには抗議が殺到しているという。だが、これまでと同じように記者クラブメディアは自らに不利な情報を一切報じようとしない。そのために抗議の内容は明らかになっていないが、各社の幹部に取材した。
「今回は、これまでの抗議とは量も質も違っている。『小沢が悪い、検察が悪い』ではなくて、検察のリーク報道に対して、『本当なのか、説明しろ、騙してきたのか』という例のない類のものばかりだ。正直、手をつけられない」(朝日新聞政治部記者)
「視聴者センターへの抗議の電話本数については把握していないが、相当寄せられているというのは確かだ。その8割程度は検察とその報道に対する苦情だそうだ」(NHK報道局幹部)
これまでは政治に無関心だった国民も小泉政権でよほど懲りたのだろう。国民主権政治を目指して、自分たちがリーク報道に対してどう感じているのかなどの意見をはっきりとメディアに伝えていると聞いて嬉しくなった。さすがに、ここまで抗議が多くなると、記者クラブから特捜部へ、「ちょっとまずいことになってますよ、旦那。」という連絡がいったのかどうかは不明だけど、特捜部が勝手に予定していた小沢幹事長への再聴取も世論を反映してか、見送りになったようだ。国会前に秘書を3人も逮捕しておいて、今更、政治的影響を考慮するもなにもないと思うが・・・・。
小沢氏の再聴取、見送りへ 特捜部、政治的影響も考慮
2010/01/27 22:38 【共同通信】
小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる収支報告書虚偽記入事件で、東京地検特捜部は27日までに、小沢氏に対する2回目の事情聴取を見送る方針を固めたもようだ。
特捜部は23日に約4時間半にわたり小沢氏を聴取。一定の説明を受けた上で「被疑者調書」2通を作成し、当初の目的は果たしたと判断した。
聴取に再度踏み切った場合、政治的影響が一層大きくなることへの懸念も考慮したとみられる。
ただ、元私設秘書の衆院議員石川知裕容疑者(36)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=らの供述次第で、小沢氏の聴取を再度検討する可能性もある。
小沢氏は聴取後の会見で「収支報告書の記載について全く把握していなかった。相談されたり、報告を受けたこともない」と事件への関与を否定。
焦点となっている2004年の土地購入の際に陸山会に貸し付けた4億円について「事務所に保管していた個人の資金」とした上で「不正な裏金は一切受け取っていない」と、水谷建設(三重県桑名市)などゼネコンからの裏献金報道も全面否定していた。
小泉の言葉を借りれば、「まさか、こんなに早く特捜が敗北するとはね~」というところだろうか。
一方、特捜部を批判する側の上杉氏には特読者からの反響とは裏腹に、捜部から圧力がかかっているようで、仕事も干されてきていると語っている。社会部の検察担当の元記者らからも、「お前、本当、冗談抜きでまずいぞ。仮に電車に乗っていて何もしていなくても痴漢として逮捕されるぞ。」と言われたエピソードを紹介している(下のYouTube動画1/2の5:00あたり)。私には、植草氏の事件を暗示しているかのように聞こえたが、警察はやろうと思えば何でもできるということは上杉氏も認めている。
上杉隆が語る「検察リークと記者クラブ」2/2
上杉氏も上のインタビューで検察の取調べの実態について書かれているが、『反戦な家づくり』や『世に噛む日日』も検察の拷問のような取調べについて具体的な時間数に触れて警告を与えている。
この資料は、魚住昭氏のウェブマガジン『魚の目』から引用したもので、このサイトには、石川議員の弁護人である安田好弘弁護士が「弁護士業の現場から」と題したブログが記載されており、そこに弁護側が作成した書類が公表されている。
小沢一郎・民主党幹事長にからむ政治資金規正法違反事件で同党の石川知裕衆院議員ら3人が逮捕されました。以下に掲げる文書は石川議員の弁護人になった安田好弘弁護士らが法務・検察や裁判所にあてて出したもので、初めて公開されるものです。捜査進行中の事件で弁護側が作成した書類が公表されるケースはあまり ありません。小沢事件の本質を考えるうえで参考になると思いますので、もしご興味があれば、お読みください。(編集者注)
このサイトによると、もうすでに、安田弁護士は、取調べの全面可視化や取調べの時間短縮、弁護士との接見機会の確保、さらには、勾留裁判への準抗告申立書などの申し入れを千葉景法務大臣や特捜部に提出済みだ。それでも、今のところ、特捜部からは全て無視され続けている状態らしい。千葉景法務大臣はいったい何をしているのだろう。