2012.03.18 (Sun)
メルトダウン5日間の真実
テレビ朝日『報道ステーション』の古舘伊知郎氏が先日脱原発宣言をして話題になったが、去年の年末12月28日には特別番組で、メルトダウンについて徹底的に追求していたことを田中優氏のフェイスブックで今日初めて知った。1度見始めると、やめられなくなり、1時間48分があっという間にたってしまった。
これを見て思ったことは、やはり、Speediの情報を流していたら、もっと多くの人が被曝せずに助かったこと、そして、政府(文科省、保安委員、原子力安全委員会と官邸は、Speedi情報が国民にいきわたらなかったことについて、お互いに責任をなすりつけているということ。
そういえば、最近、ことあるごとに海外の報道で、日本政府を責める記事があったと思ったら、翌日は国内で総理官邸を責める記事を読んだりする。政府と総理官邸がいまだに責任回避に必死な様子が伝わっている。
そして、東電は、原発事故は津波によって起こり、地震で原発が損傷して起こったことを否定し続けてきたが、この番組では、「原発内部は地震で既に損傷していたのではないか」という検証が徹底的に行われた。政府が福島第一原発で起きた事故を地震よりも津波のせいにするのは、地震で事故が起きたことになれば、地震大国の日本で原発を維持するのは難しくなるからではないか。普段はめったに来ない何十年、何百年に1度の大津波のせいにすれば、原発安全神話で引き続き国民を騙せるとでも思ったのだろう。
又、ベントシステムに欠陥があったこともわかった。
年末の忙しいときに報道されたので、見逃した方はぜひご覧下さい。
メルトダウン5日間の真実
Uploaded by LunaticEclipseMinama on Feb 21, 2012
メルトダウン5日間の真実
http://www.tv-asahi.co.jp/hst/info3/index.html
番組概要
東日本大震災から既に9ヶ月が過ぎました。
直後に発生した福島第一原発事故の収束作業は少しずつ進み、政府は16日、「冷温停止宣言」をして「事故そのものは収束した」との見方を示しました。しかし、原子炉の中が今、どうなっているのかは依然わからず、国民の不安解消とは程遠い状況です。
2011年12月28日。「報道ステーション スペシャル」は、あえて事故直後5日間の動きに絞って、
「そのとき本当に起きていたこと」を検証します。原発の内部で起きていたこと、総理官邸で起きていたこと、そして周辺の住民に起きていたことの真実は何なのか。
取材を通して浮かび上がったのは、政府や東京電力の説明とはかけ離れた、原発の抱える重大な問題点。見えてきたのは、当事者たちの危機対応能力に起きた「メルトダウン」でした。
みどころ
福島第一原発では1号機から3号機が次々とメルトダウン。複数の建屋で水素爆発が起きた。
番組では様々なデータ・証言・実験などから、この「連鎖事故」の新たな姿を浮かび上がらせる。
初めて指摘される、原発の重大「欠陥」・・・それはあの水素爆発と関係があるのか!?
さらに総理、東電幹部、原子力安全・保安院長など当事者の証言から、事故発生後5日間を
多角的に分析。
政権中枢での「情報統制」、放射性物質拡散の予測をめぐる「混乱」、その裏側に迫る。
福島第一原発原子炉:メルトスルー・地下ダム
http://ima-ikiteiruhushigi.cocolog-nifty.com/nature/2011/06/post-2de1.html
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2011.12.18 (Sun)
ドジョウは「冷温停止宣言」よりも「脳内停止宣言」をするべきだった
NHK「冷温停止宣言」野田首相記者会見中継を打ち切られた部分
フリージャーナリスト神保哲生が指名された直後、NHKは中継を打ち切りスタジオでの解説を始めた。その放送されなかった部分を字幕付きで編集しました。
NHKで中継を打ち切られても、総理官邸HP「野田内閣総理大臣記者会見」(平成23年12月16日)には、記載されていたので、神保記者とドジョウの質疑応答の部分を転載しよう。
まず、ドジョウは冒頭発言で、「冷温停止宣言」する理由を次のように述べた。
原発それ自体につきましては、専門家による緻密な検証作業を経まして、安定して冷却水が循環し、原子炉の底の部分と格納容器内の温度が100℃以下に保たれており、万一何らかのトラブルが生じても敷地外の放射線量が十分低く保たれる、といった点が技術的に確認をされました。
これに対して、神保氏が質問した。
(内閣広報官)
それでは、次の方。
それでは神保さん、どうぞ。
(記者)
ビデオニュースの神保です。総理、春に作成したロードマップの定義に則って、このたび冷温停止状態ということを宣言されるということですが、その春の段階では、まだ東京電力も統合本部も原子炉がメルトダウン、およびメルトスルーしているということは認めておりませんでした。つまり、その段階では原子炉の中に、圧力容器の中に核燃料が入っているということを前提としていた定義が、そこで言う冷温停止だったわけですね。
その後、メルトダウンが起き、メルトスルーが起きているということまで認めていて、今現在、圧力容器の中には核燃料がほとんど入っていない、あるいは全く入っていない可能性すら言われている時に、圧力容器の底部の温度が100℃以下になったので冷温停止という定義は、非常に違和感を持つ方も多いと思うのですが、それは総理どう考えているか。
あるいは、外に出た燃料がどのような状態になっているかは実は誰にも分かっていない、ということが分かっている。にもかかわらず、今ここで冷温停止あるいは収束宣言というのをされるのは何故か拙速のような印象を受けるんですが、何故いま、あえてここで収束宣言など、出た燃料がどうなっているのか分からない状態でなぜ収束宣言をされるのか。その辺のお考えをお願いします。
(野田総理)
圧力容器の底部、いわゆる底の部分の温度だけではなくて、格納容器全体の温度もそれぞれいろんな場所を測りながら出している結論で、圧力容器底部も勿論でありますけれども、格納容器全体も冷温の状態になっている。100℃以下になっている。しかもそれが安定的であるということを確認したことが今回のステップ2になっていて、別に圧力容器底部だけの話では、元々ロードマップにも書いてもございませんので、格納容器の全体の話も含めてそういう判断をしたということでございます。
(内閣広報官)
それでは、次の方どうぞ。次の方どうぞ。
では村尾さんどうぞ。
(記者)
燃料棒のこと答えてないですよ。
(内閣広報官)
すいません。円滑な進捗にご協力願えますか。それでは、村尾さんどうぞ。
(記者)
燃料棒答えてないよ。
(内閣広報官)
いいです。
ドジョウの答えになっていない答えのあと、燃料棒のことを言及している「記者」というのは、上杉氏らしい。この後、読売の記者が質問するが、神保記者の質問に対するドジョウの答えが全く答えになっていないにもかかわらず、内閣広報官は、次の質問に移ろうとしていることからしても、この会見は前もってお膳立てされたやらせ会見だということがわかる。大手メディアの記者の質問を見るとどれも事前に打ち合わせしたような当たり障りのない質問ばかり。中には原発事故とは全く関係ないTPPについての質問をして時間を稼ぐ日本テレビの記者までいた。ドジョウは、肝心な質問には答えず、こんなやらせ会見をしていったい何の意味があるのだろうか。
原子炉の圧力容器の溶融デブリとよばれる溶融した燃料は、メルトダウン後、メルトスルーして圧力容器から抜け落ちた。東電や政府は、それでもまだ燃料は格納容器内にとどまっているとしているが、専門家の間では、すでに格納容器の底に穴を開けて、その基盤となっているコンクリートを侵食しているとする意見が多い。
それどころか、溶融デブリがメルトアウトして、鉄筋コンクリートシールドと基礎地盤の泥岩を突き抜けて200m下の砂岩層に到達しているのではないかと推測する意見もある。こうなると、デブリの位置が深すぎて地下ダムも効果が無いらしい。それを知っているから、政府は地下ダムを作ろうとしなかったのではないか。溶融デブリが地下水と接触するとかなり深刻な汚染が拡大する。というかすでにしているかもしれないのだ。
燃料が200メートル下の岩層に到着しているとしたら、格納容器内の温度が下がるのは当前だ。国民はみんんな溶融デブリが格納容器の外にあるということを知っているので、ドジョウの「冷温停止宣言」をまともにとる人はほとんどいなかっただろう。官房機密費をもらっている大手新聞を除く地方紙の社説でも、さんざん言われている。今回、官僚のパペットのドジョウは、「冷温停止宣言」ではなく「脳内停止宣言」をするべきだったのではないかと思う。
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2011.10.29 (Sat)
日本の命運を握る福島第一原発4号機
最近では、日本では福島第一原発事故はすでに過去の出来事で、放射能汚染は収まっているかのような印象を国民に与えようとメディアは必死で福島第一原発の状況を隠している。
しかし、今ではネットを通して、海外からの情報が簡単に手に入るため、事故が収まっているかの状況は、単なる幻想にすぎないということを原発事故のニュースに敏感な国民はわかっている。
日本の将来や日本人の健康を真剣に心配する海外在住の日本人を通してそういった情報は伝わってくることが多い。ニューヨーク在住の元外交官の松村昭雄氏のブログ『失われたリンクを探す』には、松村氏が国連勤務時代に知り合った著名な科学者や物理学者などからの情報をもとに書かれたとても貴重な記事が多いが、それらを翻訳してくださった『カレイドスコープ』の次の二つの記事は、秀逸だった。
カナダの物理学者:「今すぐに4号機プールの補強工事を!
前回の記事で紹介した国連のアドバイザリ・スタッフを務めていた松村昭雄氏ですが、さまざまな著名な学者の4号機建屋と使用済み燃料プールについての分析を、自身のブログで紹介しています。
その最新記事で、「四号機の格納容器の外にある1535本の燃料棒が地面に落ちれば、東京と横浜は閉鎖される」と、多くの科学者が強調して警告していることを報告しています。
その一人、カナダの権威ある学者、ゴードン・エドワーズ博士の記事を紹介しています。
(下の記事。この記事は、極力、意訳せず原文に忠実に翻訳してあります)
4号機の使用済み燃料プールと日本の運命
4号機建屋の倒壊、4号機の使用済み燃料プールが不安定な状態にあることをブログで警告し続けている人がいます。
国連や、国連の関係機関に長年、勤務していた松村昭雄さん。
松村さんのブログ
今現在は、地球の未来」を語り合う「グローバル・フォーラム」開催のため、文字通り世界中を飛び回っている忙しい身。
松村さんは、世界中の著名な学者と共に、4号機建屋の脆弱性を訴えています。
「日本の未来は、4号機建屋によって明暗が分かれる」と。
そのブログから、松村さんの記事をひとつ。
ゴードン・エドワーズ博士については、「プルトニウムが含まれた福島原発3号機爆発で危険なメルトダウンが始まった」という記事でも紹介したが、いちはやくメルトダウンの可能性を指摘していた物理学者だ。
カナダでは、数々の講演をして、原発による環境汚染の危険性を訴えている。原発の燃料となるウランを採掘するときに生じる危険性や、ウランの原料となる発ガン危険性の高いトリウムの運搬で河川などを汚染するべきではないことなどを主張し、原発を熟知する反原発派として知られている。
松村氏の英語で書かれたブログの”The Fourth Reactor and the Destiny of Japan”というエントリーに、かのアーニー・ガンダーセン氏からのコメントを発見し驚いた。
Arnie Gundersen says:
October 1, 2011 at 3:32 pm (UTC -4)
Reply
Hello Akio,
I too am concerned about Unit 4′s long term structural integrity.
This week, TEPCO also confirmed hydrogen is building up in the U1 (maybe 2&3) containments too.
The situation is not stabilized.
Fires or explosions might occur.
If there is any way for me to help, please let me know.
Arnie
アーニー・ガンダーセンからのコメント:
2011年10月1日 3時32分(UTC-4)
こんにちは、昭雄。
私も4号機の構造的な整合性について懸念を抱いています。
状況は安定していません。
火災や爆発が起こる可能性があります。
私にできることがあったら、知らせてください。
アーニー
松村氏について、ほとんど知らなかったが、「力強くしかし消えゆく、世界中の広島・長崎の生存者からのメッセージ:新しい価値観をもたらす被爆者生存者グループへのノーベル平和賞授与」と題された論文には強く共感した。次のページで紹介させていただきたい。
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2011.06.08 (Wed)
メルトスルーで底なしの汚染水被害へ
要約 『小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ』より
・(汚染水の処理が大問題で、溢れてしまう危機的なラインが迫っている。いま浄化の装置を作っていて15日頃に完成するという。期待していいか?)期待したいが、東電の対策はこれまで期待通りにはなっていない。
・(浄化の処理がうまくいけば放射能が現在の1000分の1から1万分の1まで薄まるという。でも元の濃度が高い。薄まったものはどれくらい危険か?)元の濃度が猛烈であり1万分の1になっても放出はできない。福島原発の域内の汚染水の濃度はものすごいものから低いものまである。低いものなら万分の1になれば流していいかもしれないが、問題はものすごい濃度の方だ。
・(何分の1なら流せる?)10万~100万分の1なら流してもいいかも。
・(そのくらい薄くできるシステムはあるか?)ない。元が猛烈な高濃度である場合、放射能を捕まえるほど装置がダメになり性能が出なくなる。今回はゼロライトとかバーミクライトを使うのだと思うが、すぐに性能が劣化して使えなくなるだろう。
・(一度ゼオライトを使うとずっと使えない?)ゼオライトは、あるレベルまでセシウムを捕まえると、そこでいっぱいとなり使用不可となる。どんどん取り替えないといけない。使用済みゼオライトは被曝するため近づけなくなる。難しい。
・(コンクリのブロックを周囲に築く作業は手付かず。汚染水を留めるためにやるべきと思うが?)コンクリの壁を作るべきと言ったのは、炉心がメルトダウンして地下に潜っていれば、もう冷却は出来ないため、汚染水を溢れさせるよりは壁を作った方がいいという意味だ。だが、汚染水が溢れている状況では工事は難しい。
・(溢れる前に浄化装置が間に合うかどうかに注目が集まっているが、すでに見えないところで汚染水は地下や海に流れている?)それは確実。コンクリが割れており、地下に出ていき、海にも出ている。タービン建屋、トレンチ、立坑から汲み出さないといけない。浄化装置が15日に間に合うかという問題ではない。
・(IAEAへの報告文書では、メルトダウンではなくメルトスルー=原子炉貫通していたと言うようだが。どうか?)もともと東電の公表データを信用して炉心の半分は形が残っていると皆さんに伝えてきたが、炉心は全部溶けていたと5月12日に認めた。そうであるならば原子炉圧力容器が溶けることも高い確率でおこる。圧力容器が溶けるなら燃料がその下に落ちる。それがメルトスルーだ。
・(圧力容器の底にあるとされていた燃料が格納容器の中に堆積している可能性があるとしているが、これでいいか?)技術的には判断は難しい。格納容器の中にどれだけ水が残っているかということが、底が抜けているかどうかに関係する。2800度でないと溶けないような燃料部分が下に溶け落ちているのだとすれば、水があっても格納容器には穴があくと思う。おそらく格納容器の底に堆積という状態ではないだろう。
・(政府はそうとは認めていないが、この判断次第で対処は変わる。遅れにつながりかねない?)格納容器内に燃料があるのであれば循環式冷却回路の可能性はある。底が抜けていれば冷却回路は成り立たない。そうなると、後は壁を作って地下水の汚染を防ぐだけ。
・(堆積している燃料の温度は推測できるか?)推測できない。計測器が死んでいて情報が正確に得られず、水がどこまであるのか不明。東電は格納容器の放射線量を根拠にして損傷率70%とか55%と言っていたが、後になり全部が溶けていたといった。信頼できるデータがない状態だ。ただ、原子炉建屋の下に大量の水がたまっているということを考えれば、格納容器の底は抜けていると思う。
全体書き起こし
6月7日MBSラジオ小出裕章氏「浄化装置、メルトスルー等について」
2011.05.16 (Mon)
福島第一原発事故:1号機は3月11日にメルトダウンしていた
福島第一原発1号機(タービン建屋)で見つかった高濃度放射性塩素-38の原因は何か?(リンクは英語原文)
2011年4月20日 付重要更新
4月20日のプレスリリースで東京電力は、3月25日発表の、第一号機原子炉冷却に使用された海水のCl-38放射能濃度測定値 (1.6 MBq/mL) を撤回し、「検出限界未満」とした。この当初の測定値を元に、そのような高濃度は、不慮の過渡臨界の可能性を想起せずには説明できないと私たちは判断していた。東京電力がこの測定結果を撤回し、同プレスリリースに示されるように、分析プロトコル改善に着手したのは、喜ばしいことである。しかし、なぜ、不充分な類別記述のまま(同プレスリリースにおいて、Cl-38 の読みは1.6MBq から「検出限界未満」と変更され、変更理由は「主要ピークによる核種の同定及び放射能濃度の決定」とされる)誤りを撤回したのかについて、説明が願わしいところである。たとえば、Cl-38の主要ガンマ線は1.64 MeV および 2.16 MeV にある。これらがいかなる線と干渉して6桁下げることが必要とされたのだろうか。もしカウント値がCl-38 の為でなかったのなら、いかなる同位元素が 1.6 MBq/mL に匹敵するカウント値を持っていたのか。
4月4日の原子力安全・保安院 による批判以来、東京電力が取ってきた処置は歓迎されるが、私たちは更に厳しい同位元素測定プロトコルと適時の結果報告を促したい。さもなければ、東京電力の重要な測定について一般人の信頼が更に損なわれるのではないか。よって、以下の処置を東京電力が取ることを勧めたい。
1)(単一の数字だけでなく)全スペルトルデータを公表する。
2)試料採取日時を公表する。
3)試料測定の日時を、計数時間とデッドタイムを含めて公表する。
4)測定を同じ日の違う時刻に何度か測定を繰り返す。
5)関心の対象となる他の同位元素(たとえば東京電力が4月20日に撤回した Te-129など)も、検出限界未満であっても測定していただきたい。
6)もし純粋な誤りから撤回が必要になったのなら、どういう誤りであったのか、充分な説明を加えていただきたい。
7)もし第三者の独自の分析が為されているのであれば、東京電力の測定結果判断を検証したその分析者/研究所の名前を明示していただきたい。
東京電力/原子力安全・保安院及び日本政府は前途に多大な仕事を抱えており、測定結果に基づいて重要な諸決断がなされていくことと思われる。それゆえ、分析においても結果の報告においても、厳格なプロトコルに従うことが重要である。
F. ダルノキ=ベレス (Ferenc Dalnoki-Veress)
(翻訳 セルデン恭子)
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(小出裕章さんから4月23日メールで届いたコメント)
ご指摘の点はそのとおりです。
私の推測では、Ge半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリのデータを、測定器メーカーの解析ソフトを使って自動的に解析してしまっているためだと思います。
その結果を本当ならチェックしなおすのですが、それを怠ったためでしょう。
そして、半減期37分のCl-38の場合、測定時点から、試料採取時点までの減衰補正をすると大きな値になってしまいます。
たとえば、370分(約6時間)経っていたとすれば、測定時点の1000倍の値として評価しますし、採取から測定まで740分(約半日)経ってしまっていたとすれば、採取時点に減衰補正すると6桁分大きくなります。
ダルノキ-ベレスさんのコメントどおり、生データが公表されれば、一気に解決します。 2011/4/23 小出 裕章
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図:メルトダウンは3月11日…初動の遅れ裏付け
(2011年5月16日08時58分 読売新聞)
この場に及んで、馬菅は東電の功定評の目標通り収束可能と官僚に言われるままの希望的観測を述べているのにはあきれるばかりだ。つい最近、細野氏が工程どおりにいかないと謝罪したばかりだというのに・・・・。同じ内閣で全く正反対の意見を発表するとは、ますます信用がなくなるのがわからないのか。もう自分は辞めるから嘘八百言っちまえ!ということか。それとも、自分が福島第一原発を視察したために、初動が遅れてメルトダウンを招いたということの責任から逃れるための嘘か。
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「爆弾」と「炉」の密接なつながり |
2011.04.14 (Thu)
福島第一原発は、チクタクと時を刻む時限爆弾
Expert: Despite Japanese Gov’t Claims of Decreasing Radiation, Fukushima a "Ticking Time Bomb"
日本政府は、原発事故評価が最高レベル7に上がった危機にもかかわらず、福島第一原子力発電所のまわりの放射能レベルや食の安全についての恐れを沈めるのにやっきとなっている。ニューヨーク市立大学シティカレッジの加來道雄物理学部教授は、「放射能は原子炉から漏れ続けている。状況は全く安定していない。そればかりか、一つ間違えば、3つの原子炉でメルトダウンが起きて、チェルノブイリを大きく越える可能性もある。」と言う。
エイミー・グッドマン:日本の菅直人首相は火曜日にひどく破損した福島第一原子力発電所の周りの放射能レベルや食の安全への恐怖を沈めようとした。原発事故評価が最高レベル7に上がり、大災害についての不安がさらに高まった後に菅首相はコメントを発表した。
巨大地震と津波が東北地方を襲ってから一ヵ月後に行われた記者会見で、菅首相は、福島原発の周りの地域で生産された野菜は、放射能汚染にもかかわらず、食べても安全だと語った。
菅直人首相:これからは、自粛ムードに過度に陥ることなく、できるだけ普通に生活するべきだ。福島原発事故で被害を受けた地域の作物を買うことが、その地域を支援することになる。その地域の作物を活用し、支援することを楽しむべきだ。どうか、そのようにお願いします。
エイミー・グッドマン:国際原子力機関(IAEA)のデニス・フローリー報道官は、食品サンプルの汚染濃度は、国内基準を下回ったと発表した。彼はまた、日本の原子力危機は、チェルノブイリとは比べられないと言った。
デニス・フローリー:2つの事故の構造は、全く異なります。 チェルノブイリでは、原子炉が作動中に事故は起こりました、そして、原子炉格納容器が爆発しました。 福島では、たとえ現在、格納容器が破損し、放射能が漏れているとしても、そのとき、原子炉と格納容器は停止中でした。 その意味で、2つの事故は全く異なるわけです。
エイミー・グッドマン:日本当局によれば、福島原発の事故評価を「レベル7」に上げたのは、状況が突然の悪化したためではなく、放射能の濃度が、レベル7に達したからだと発表しました。 1986年のチェルノブイリ原発事故は、原発事故を評価するために国際原子力機関によって開発されたスケールで、最も高いレベル7と評価され、福島原発事故以外で唯一の原発事故だった。 しかし、日本当局は、日本の発電所が放出している放射性物質は、今のところ、チェルノブイリの10分の1であると主張しています。
日本の状況を議論するために、日系アメリカ人の物理学者であり、ベストセラーの作家でもあり、ニューヨーク市立大学シティカレッジの理論物理学部教授である加來道雄氏をお招きしました。彼の新書は、『物理学の未来:2100年までに科学はどのように毎日の生活を変えるのか』です。
ようこそ、「Democracy Now!」へ。また、お会いできて光栄です。
加來道雄博士: エイミー、ショーにお招きいただきましてありがとうございます。
エイミー・グッドマン:まず、福島第一原発がチェルノブイリと同じカテゴリーの「レベル7」になったことについてお話しいただけますでしょうか。
加來道雄博士: さて、この原子力事故の大きな衝撃を控え目に扱おうとして、東京電力は最初は「レベル7」になったことを否定していました。 しかしながら、この事故がどんなレベルであるかを決定づける公式、数式があります。 この事故は、すでに5京ベクレルの放射能を放出しました。計算してみて下さい。原子事故評価のレベル7に当たります。まだ、チェルノブイリ以下です。 しかしながら、放射能は、原子炉から漏れ続けています。状況は全く安定していません。 つまり、福島第一原発は、カチカチと音を立てる時限爆弾を抱えているようなものです。 それは安定しているように見えますが、本の小さな引き金(たとえば、二次地震、パイプ破損事故、福島の作業員の避難など)で、3基の原子炉で完全な炉心溶解を起こして、チェルノブイリを超える規模になる可能性もあるのです。
エイミー・グッドマン:物理学者として、実際に日本のこれらの原子力発電所で何が起きているのかみんながわかるように説明して下さいませんか。
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2011.03.24 (Thu)
広瀬隆氏「福島原発で何が起きているのか」
東電や政府からバッシングを受けている広瀬氏が、最新の情報を提供しながら、福島第一原発や日本で何が起きているかをわかりやすく説明してくださっている。
Markさんという読者の方から、広瀬氏への反論をどう思うかと聞かれたので、返事を書いたのだけれども、人の言うことをただ信じるのではなく、自分で調べて自分の意見を持つのが一番いいのだと思う。ただ、日本政府のように、人々をパニックに陥れないために事実よりも楽観的な説明をしているのと、最悪の場合を想定した意見を述べるのと、どちらが国民のためになるかといえば、最悪の場合に備える準備をさせるほうだと思う。
たとえば、『グリム童話』の「3匹の子豚」では、藁の家や木の家を作った楽観的な子豚2匹は狼に家を吹き飛ばされて食べられてしまうが、時間をかけてしっかり準備してレンガの家を作った子豚は家も無事だったし、逆に狼をやっつけてしまったではないか。
緊急報告「福島原発で何が起きているのか」
破局は避けられるか――福島原発事故の真相
ジャーナリスト 広瀬隆
ダイヤモンドオンライン【編集部注:本稿は、3月16日に掲載されたものです】
2011年3月11日、東北地方三陸沖地震が起こって、福島第一原発1号機で格納容器内の圧力が異常に上昇し、そのあと建屋が爆発。続いて3号機も同じく爆発。さらに2号機は、格納容器内にあるサプレッションプール(圧力抑制室)が破損した。破損が進めば絶望的な破局に向かう。これと並行して、日本人の頭の上に大量の放射能放出を始めた。一体、何が起こったのか。
こんなちっぽけなブログでさえも、毎日のように原発推進派から私の顔がメルトダウンしているとか、知識もないのに間違った情報を伝えるなとか攻撃がくる。大きなお世話だよ!そういうバカなコメントを残すヲマエの脳みその方がメルトダウンしているんだろ(笑)!でも、そんなコメントにいちいち反応していたら、今頃ブログなんて書いていないだろう。恐らく、原発推進派が人を雇って、このブログだけではなく、全ての反原発を訴えるブログに書き込みをさせているのだと思う。どんなに辛らつなコメントをもらってもビクともしないこんな私のところに来て、せっせといやがらせのコメントを、違う名前やproxyを使って書いているようだ。念のために言っておくけど、時間の無駄だから止めた方がいいよ(笑)。もっとも、東電とか原子力安全・保安院から雇われてやっているんだから、私が原発についてのエントリーを書くのを止めるまで続けるのだろうけどね(苦笑)。
2011.03.17 (Thu)
次の24時間から48時間で日本の明暗が決まる
それにしても、戦時中ではないのに、日本では、どうして、こんなに食物や水が不足しているのだろうか。報道によれば、支援物資は全国から続々と届けられているということだけど、輸送車両の燃料不足のため、避難所まですぐに届かないということだ。本当だろうか。なぜ、燃料が不足しなくてはならないのか。ガソリンやトラック用の燃料軽油が不足していたら、輸入できないのだろうか。
食品だっていくら個人が買い占めたといっても、限度があるだろう。戦時中の闇市のように、誰かがどこかに食料品を確保し、あとで高値で売りさばこうとしているのだろうか。想像しすぎだといいけど。とにかく、日本政府は国民に説明責任があるのに、何も説明しないので、国民は混乱している。実際に食品がスーパーなどから消えているのに、何の説明もなしに、買占めするなとか、落ち着いてくれとか言われても、国民をますますパニックに陥れるだけだ。
震災で、精神的にも肉体的にも疲労困憊している日本の読者の方々に、より疲労感や心配を増殖させるようなことはなるべく書きたいないのはやまやまだけど、今日も原発について書かねばならない。
福島第一原発の状況がかなり悪化しているようだ。米ABCニュースでは、ホワイトハウスが、「何十年もの間、瀕死の状態となる」可能性のある日本に対して準備があると報道している。
U.S. Concerned Japan Facing Situation That Could Be 'Deadly For Decades': ABC News
The Huffington Post Cara Parks First Posted: 03/16/11 05:16 PM Updated: 03/16/11 05:16 PM
(和訳)
米当局によると、米国では、避難地区をより広げるよう強要するべきであり、次の24時間から48時間がとても重要になると信じられている。
今がどれほど危険な状態か、説明するのが難しいとその匿名の当局者は語った。
巨大な地震が最初に核施設に損害を与えた時から、日本の核危機は強まった。水曜日に、ホワイトハウスは福島核施設から50マイル(80キロ)内にいるアメリカ人に避難するように勧告した。そして、放射線濃度が「急上昇」したため、施設従業員は一時的に避難するように強制された。
避難によって生じた困難は、メルトダウンの可能性を「拡大した」ことだった。
「彼らは従業員を避難させるべきではありません。-そして、原子炉を冷却するために従業員を原子炉に戻す必要があります。なぜなら、この職務は、決死隊として自らの命をかける任務であるという認識を持たなくではならないからです。」と、ABCニュースは、匿名の米政府当局者の発言を伝えている。
米原子力規制委員会(NRC)の委員長が、福島原子力工場の中の原子炉の一基では、使用済み燃料プールに水が一滴もないことを指摘したが、日本当局はこれを否定した。APは、「NRCのグレゴリー・ジャッコウ会長の言うことが正しいならば、これは燃料棒がより熱くなって、最終的にメルトダウンするのを止める手段が何もなくなったことを意味するだろう。」と伝え、ホワイトハウスのジェイ・カーニー報道官は、日本の状況を「さらに悪化しており、動きは急速に進むであろう。」と水曜日に伝えた。
最近、ウィキリークスは、日本政府が数年前に原子炉のデザインについて警告されたにもかかわらず、何もしなかったことを発表した。
3号機が空焚き状態になってから、どのくらいたったのだろうか。昨日のエントリーでも書いたように、原子炉に水がない状態が三日も続けば燃料棒は完全にメルトダウンし、超高温の金属の固まりとなった燃料棒は炉心を突き抜け、炉心外に落下する。その後、この灼熱の炉心が水蒸気と反応すると、臨海反応が起こり、プルトニウムを含む核燃料は中性子爆弾に変わる。
この中性子爆弾は凄まじい量の中性子を放射し、周囲数十キロを被曝させることになる。これを恐れて、米政府は米国人を80キロ圏外に避難させたのだと思われる。
今日、明日の冷却作業がうまくいくかいかないかで、日本の運命が変わるだろう。大惨事から日本を救うことができるよう、機動隊や自衛隊の健闘を祈る。
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2011.03.14 (Mon)
プルトニウムが含まれた福島原発3号機爆発で危険なメルトダウンが始まった
それよりも、問題なのが、現在、福島原子力発電所の三号機のメルトダウンだ。すでに三号機は、一号機と同じように、水素爆発を起こしたそうだが、三号機には、一号機には含まれていなかったプルトニウムも含まれ、一号機の爆発よりもさらに深刻な問題が発生するのではないかとCTVは伝えている。

土曜日の爆発で吹き飛ばされた福島第一原子力発電所第一号機(左)の原子炉建屋上部の壁。同じ様子が、水素爆発を起こすであろう三号機でも見られる可能性は高い。(AP / Kyodo News, Masaru Nishimoto)
Japanese authorities race to control nuclear crisis
CTV.ca News Staff
Date: Sun. Mar. 13 2011 3:58 PM ET
地震と津波が日本の北東部沿岸を揺らした後、炉心溶融の恐れと周辺に住む20万人の人々が避難するという現実に襲われ、日曜日に日本の政府は核による危機をなんとか抑止しようと賢明な努力を続けた。
核設備操作員は、一連の原子炉の中で、少なくとも、過熱する寸前の一機だけでも一定の温度を保つために苦戦していた。
枝野幸男官房長官は日曜日に、福島第一原子力発電所の部分的にメルトダウンを起こしている三号機が、12日に起きた一号機と同じような水素爆発を起こす可能性があると伝えた。
枝野官房長官は、福島第一原子力発電所は、三号機の圧力を減らすように努力しているが、部分的なメルトダウンは避けられない状態だと述べた。
枝野官房長官によれば、「原子炉内を直接見ることができないので、はっきりしたことは言えないが、部分的なメルトダウンが起こっている可能性が予測される。」とレポーターに語った。
予測されたように、三号機は爆発した。しかし、一号機が水素爆発だけだったので白っぽい煙が上がっていただけであったのに対し、三号機には、核兵器などに使われるプルトニウムが燃料として含まれていたためかどうかはわからないが、上部の煙は黒く、まるで、長崎の原爆のようにきのこ状になっているのが下の動画からわかる。原発の専門家の間では、3号機の爆発は、水素爆発ではなく、核爆発だったと言われている。
核爆発だった!福島第一原発3号機
CTVニュースの動画で見たCNNR(Canadian Coalition for Nuclear Responsibility)のGordon Edwards (ゴードン・エドワーズ)代表取締役社長によると、原子炉を止めたからといって、温度が下がるわけではなく、原子炉は核反応をおこしながら、どんどん気温を上昇させていくという。気温の上昇と共に、冷却水は蒸発し、冷却水から突出した燃料棒頭部から溶解を初める。完全に冷却水がなくなると、燃料棒自体が完全になくなるまで溶解し続けるそうだ。
このメルトダウンを食い止めるには、チェルノブイリ原子力発電所事故のときのように、石棺(せっかん)とよばれるコンクリート製の構造物で、原子炉を封じ込めるしかないという。チェルノブイリでは、原子炉をこのコンクリートの核納容器に封じ込める作業中、何百人という人が被爆し、亡くなったと言われている。そして、 ゴードン・エドワーズ氏によると、プルトニウムの毒素は、このコンクリートの箱の中で二万四千年たっても半分に減少するだけだそうだ。
現在の風向きは陸地から海に向かって拭いている。カナダでは、このメルトダウンで生じる放射性物質が風に乗って海を越え、サラ・ペイリンの住むアラスカやカナダ西部まで到達する可能性があるということまで予測されている。今、日本の原発のメルトダウンは世界中に影響を与えようとしているため、真実の情報の公開が求められている。
CTV News Channel: Gordon Edwards, CCNR
The president for Canadian Coalition for Nuclear Responsibility discusses the safety of Japan's nuclear reactors. He says patrolling nuclear reactors are an ongoing process to make sure there isn't a meltdown.
枝野幸男官房長官は14日午後の記者会見で、福島第1原発3号機の爆発後のモニタリング調査結果について「大量の放射線量を示すものはない」と述べたそうだけど、幸い、停電で政府も今日は仕事も学校も休むようにと通達していることだし、関東地方に住む方は、念のため、しばらくは家の中で過ごされたほうがいいと思われる。
2011.03.12 (Sat)
福島第一原子力発電所のメルトダウンが起こらないことをただひたすら祈る
首相官邸
十分時間はありますので、落ち着いて行動してください。
福島第一原発半径10km圏の住民の方は避難してください。
福島第二原発半径3km圏の住民の方は避難してください。
福島第二原発半径3km~10km圏の住民の方は屋内に待機してください。
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沿岸部は津波の危険があるので近づかないでください。
車で移動している方はカーラジオを聞いてください。
官邸や東電では今何が起こっているのか、詳しく真実を説明するべきだ。すでに、3000人の人々が、理由もわからずに避難していると聞いている。CNNでも、日本政府から、放射性物質が漏れているのかいないのか全く説明がないことに首をかしげている。説明不足は、住民を必要以上に恐怖にさらす心配がある。人々は、海外のニュースからより詳しい説明を知ることになる。なんのために日本の報道機関があるのだろうか。こんなことをしていたら、政府に都合の悪いことを隠すためだけに存在すると言われても何もいえないだろう。
今回の大地震で、官邸の危機管理が全くできていないことが判明した。そして、世界からも批判されている。たいだい、東京は福島からほんの240キロメートルしか離れていないのであり、福島原発の原子炉がメルトダウンしたら、東京に住む人々にとっても決して他人事ではないのだ。
NHKニュースによると、地震で停止した福島第一原子力発電所1号機では、すでに核燃料棒を束ねた「燃料集合体」が水面の上、最大で90センチほど露出しており、そのままの状態が続くと燃料棒が壊れて放射性物質が漏れ出すおそれがある危険な状態になったそうだ。通常では、水位は、核燃料の上約5.3メートルもあるという。そして、一号機だけではなく、2号機もおなじような状態になるのは目に見えている。
現在、燃料棒を冷やす冷却剤の温度は100度となっており、(その後、温度が上がり続けているのか、下がっているのか全く不明)格納容器内の圧力がかなりあがってしまったため、その冷却剤の温度を下げるために、1号機と2号機の格納容器内の圧力を外部に逃がしている。柏崎刈羽原子力発電所を検査したことのある物理学者、ジェイムス・アクトン氏によると、このとき、少量の放射性物質が外に出るが、それはあまり心配する必要がないと言う。それよりも心配しなくてはならないのは、そのまま温度が上がり続け、格納容器内の温度が540度に達したとき、格納容器内の燃料棒がメルトダウンすることだと述べている。
「問題は、格納容器内の温度を下げられない場合、燃料棒が溶け出し、大量の放射能で環境が汚染される可能性があるということだ。そうすれば、長期間に及ぶ癌で人々は苦しむだろう。」とアクトン氏は語った。
ヒラリー・クリントン氏は、米時間金曜日(日本時間土曜日)に米空軍機で冷却剤を日本へ向けて送ったと発表したと米国のニュースは伝えている。一方で、空軍機で冷却剤が送られたという記録はない(記録を残さないように秘密裏に送られた可能性もある)というニュースもあり、この辺は定かではない。もし、冷却剤が米国から送られたなら、格納容器内の温度が540度になる前に、届くといいが、それでも、現在は、格納容器のすぐ近くにある弁を開く現場の放射線が強いことから作業を中止しているという。
日本の原発は、一応、耐震装備はされているけれども、大震災の危機に見舞われたとき、全く予想しないことが起きたときの危機管理はされていなかった。今回の地震で、人々は改めて、原発の恐ろしさを味わったことだろう。地震王国の日本が全国に55機の原発を抱える危険さを。
福島第一原発 燃料溶け出たか
3月12日 14時21分
経済産業省の原子力安全・保安院によりますと、福島第一原子力発電所の敷地内の1号機の周辺で、核分裂によって発生する「セシウム」という放射性物質が検出されたことから、1号機で炉心にある核燃料の一部が溶け出たとみていると発表しました。
福島第一 燃料一部露出のおそれ
3月12日 12時3分
原子力安全・保安院などによりますと、福島第一原子力発電所1号機では、原子炉を冷やす水の高さが下がり、午前11時20分現在で、核燃料棒を束ねた「燃料集合体」が水面の上、最大で90センチほど露出し、そのままの状態が続くと燃料棒が壊れて放射性物質が漏れ出すおそれがある危険な状態になったということです。このため、消火用にためていた水など、およそ27000リットルを仮設のポンプを使うなどして原子炉の中に流し込み、水の高さを上げるための作業を行っているということです。
福島第一原発 冷却水位が低い状態
3月12日 0時12分
東京電力の福島第一原子力発電所の2号機では、地震で自動停止したあと、非常用のディーゼル発電機が動かなくなるなどして原子炉を冷やせない状態で、核燃料を冷やす水の水位が低い状況が続いています。しかし、直ちに放射性物質が外に漏れたりする状況ではないということで、東京電力が復旧を急いでいます。
経済産業省の原子力安全・保安院が、11日午後11時すぎに記者会見したところによりますと、東京電力の福島第一発電所2号機は、地震で自動停止したあと、周辺の停電により、外部から電気を送ることができない状態になったうえ、2つある非常用のディーゼル発電機も動きませんでした。このため、原子炉を冷やせない状態になり、さらに、電気を使わない別の装置での冷却もできなくなり、原子炉を冷やす水が蒸発しました。その結果、核燃料を冷やす水の水位は、通常は核燃料の上およそ5.3メートルまでありますが、11日午後10時現在、およそ3.4メートルで、通常より2メートル近く低い状況が続いています。しかし、直ちに原子炉内の燃料が水の外に露出したり、放射性物質が外に漏れたりする状況ではないということです。東京電力は、福島第一原発に到着した電源車を原発に接続するなどの復旧作業を急いでいます。
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