2012.03.18 (Sun)
メルトダウン5日間の真実
テレビ朝日『報道ステーション』の古舘伊知郎氏が先日脱原発宣言をして話題になったが、去年の年末12月28日には特別番組で、メルトダウンについて徹底的に追求していたことを田中優氏のフェイスブックで今日初めて知った。1度見始めると、やめられなくなり、1時間48分があっという間にたってしまった。
これを見て思ったことは、やはり、Speediの情報を流していたら、もっと多くの人が被曝せずに助かったこと、そして、政府(文科省、保安委員、原子力安全委員会と官邸は、Speedi情報が国民にいきわたらなかったことについて、お互いに責任をなすりつけているということ。
そういえば、最近、ことあるごとに海外の報道で、日本政府を責める記事があったと思ったら、翌日は国内で総理官邸を責める記事を読んだりする。政府と総理官邸がいまだに責任回避に必死な様子が伝わっている。
そして、東電は、原発事故は津波によって起こり、地震で原発が損傷して起こったことを否定し続けてきたが、この番組では、「原発内部は地震で既に損傷していたのではないか」という検証が徹底的に行われた。政府が福島第一原発で起きた事故を地震よりも津波のせいにするのは、地震で事故が起きたことになれば、地震大国の日本で原発を維持するのは難しくなるからではないか。普段はめったに来ない何十年、何百年に1度の大津波のせいにすれば、原発安全神話で引き続き国民を騙せるとでも思ったのだろう。
又、ベントシステムに欠陥があったこともわかった。
年末の忙しいときに報道されたので、見逃した方はぜひご覧下さい。
メルトダウン5日間の真実
Uploaded by LunaticEclipseMinama on Feb 21, 2012
メルトダウン5日間の真実
http://www.tv-asahi.co.jp/hst/info3/index.html
番組概要
東日本大震災から既に9ヶ月が過ぎました。
直後に発生した福島第一原発事故の収束作業は少しずつ進み、政府は16日、「冷温停止宣言」をして「事故そのものは収束した」との見方を示しました。しかし、原子炉の中が今、どうなっているのかは依然わからず、国民の不安解消とは程遠い状況です。
2011年12月28日。「報道ステーション スペシャル」は、あえて事故直後5日間の動きに絞って、
「そのとき本当に起きていたこと」を検証します。原発の内部で起きていたこと、総理官邸で起きていたこと、そして周辺の住民に起きていたことの真実は何なのか。
取材を通して浮かび上がったのは、政府や東京電力の説明とはかけ離れた、原発の抱える重大な問題点。見えてきたのは、当事者たちの危機対応能力に起きた「メルトダウン」でした。
みどころ
福島第一原発では1号機から3号機が次々とメルトダウン。複数の建屋で水素爆発が起きた。
番組では様々なデータ・証言・実験などから、この「連鎖事故」の新たな姿を浮かび上がらせる。
初めて指摘される、原発の重大「欠陥」・・・それはあの水素爆発と関係があるのか!?
さらに総理、東電幹部、原子力安全・保安院長など当事者の証言から、事故発生後5日間を
多角的に分析。
政権中枢での「情報統制」、放射性物質拡散の予測をめぐる「混乱」、その裏側に迫る。
福島第一原発原子炉:メルトスルー・地下ダム
http://ima-ikiteiruhushigi.cocolog-nifty.com/nature/2011/06/post-2de1.html
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2011.12.18 (Sun)
ドジョウは「冷温停止宣言」よりも「脳内停止宣言」をするべきだった
NHK「冷温停止宣言」野田首相記者会見中継を打ち切られた部分
フリージャーナリスト神保哲生が指名された直後、NHKは中継を打ち切りスタジオでの解説を始めた。その放送されなかった部分を字幕付きで編集しました。
NHKで中継を打ち切られても、総理官邸HP「野田内閣総理大臣記者会見」(平成23年12月16日)には、記載されていたので、神保記者とドジョウの質疑応答の部分を転載しよう。
まず、ドジョウは冒頭発言で、「冷温停止宣言」する理由を次のように述べた。
原発それ自体につきましては、専門家による緻密な検証作業を経まして、安定して冷却水が循環し、原子炉の底の部分と格納容器内の温度が100℃以下に保たれており、万一何らかのトラブルが生じても敷地外の放射線量が十分低く保たれる、といった点が技術的に確認をされました。
これに対して、神保氏が質問した。
(内閣広報官)
それでは、次の方。
それでは神保さん、どうぞ。
(記者)
ビデオニュースの神保です。総理、春に作成したロードマップの定義に則って、このたび冷温停止状態ということを宣言されるということですが、その春の段階では、まだ東京電力も統合本部も原子炉がメルトダウン、およびメルトスルーしているということは認めておりませんでした。つまり、その段階では原子炉の中に、圧力容器の中に核燃料が入っているということを前提としていた定義が、そこで言う冷温停止だったわけですね。
その後、メルトダウンが起き、メルトスルーが起きているということまで認めていて、今現在、圧力容器の中には核燃料がほとんど入っていない、あるいは全く入っていない可能性すら言われている時に、圧力容器の底部の温度が100℃以下になったので冷温停止という定義は、非常に違和感を持つ方も多いと思うのですが、それは総理どう考えているか。
あるいは、外に出た燃料がどのような状態になっているかは実は誰にも分かっていない、ということが分かっている。にもかかわらず、今ここで冷温停止あるいは収束宣言というのをされるのは何故か拙速のような印象を受けるんですが、何故いま、あえてここで収束宣言など、出た燃料がどうなっているのか分からない状態でなぜ収束宣言をされるのか。その辺のお考えをお願いします。
(野田総理)
圧力容器の底部、いわゆる底の部分の温度だけではなくて、格納容器全体の温度もそれぞれいろんな場所を測りながら出している結論で、圧力容器底部も勿論でありますけれども、格納容器全体も冷温の状態になっている。100℃以下になっている。しかもそれが安定的であるということを確認したことが今回のステップ2になっていて、別に圧力容器底部だけの話では、元々ロードマップにも書いてもございませんので、格納容器の全体の話も含めてそういう判断をしたということでございます。
(内閣広報官)
それでは、次の方どうぞ。次の方どうぞ。
では村尾さんどうぞ。
(記者)
燃料棒のこと答えてないですよ。
(内閣広報官)
すいません。円滑な進捗にご協力願えますか。それでは、村尾さんどうぞ。
(記者)
燃料棒答えてないよ。
(内閣広報官)
いいです。
ドジョウの答えになっていない答えのあと、燃料棒のことを言及している「記者」というのは、上杉氏らしい。この後、読売の記者が質問するが、神保記者の質問に対するドジョウの答えが全く答えになっていないにもかかわらず、内閣広報官は、次の質問に移ろうとしていることからしても、この会見は前もってお膳立てされたやらせ会見だということがわかる。大手メディアの記者の質問を見るとどれも事前に打ち合わせしたような当たり障りのない質問ばかり。中には原発事故とは全く関係ないTPPについての質問をして時間を稼ぐ日本テレビの記者までいた。ドジョウは、肝心な質問には答えず、こんなやらせ会見をしていったい何の意味があるのだろうか。
原子炉の圧力容器の溶融デブリとよばれる溶融した燃料は、メルトダウン後、メルトスルーして圧力容器から抜け落ちた。東電や政府は、それでもまだ燃料は格納容器内にとどまっているとしているが、専門家の間では、すでに格納容器の底に穴を開けて、その基盤となっているコンクリートを侵食しているとする意見が多い。
それどころか、溶融デブリがメルトアウトして、鉄筋コンクリートシールドと基礎地盤の泥岩を突き抜けて200m下の砂岩層に到達しているのではないかと推測する意見もある。こうなると、デブリの位置が深すぎて地下ダムも効果が無いらしい。それを知っているから、政府は地下ダムを作ろうとしなかったのではないか。溶融デブリが地下水と接触するとかなり深刻な汚染が拡大する。というかすでにしているかもしれないのだ。
燃料が200メートル下の岩層に到着しているとしたら、格納容器内の温度が下がるのは当前だ。国民はみんんな溶融デブリが格納容器の外にあるということを知っているので、ドジョウの「冷温停止宣言」をまともにとる人はほとんどいなかっただろう。官房機密費をもらっている大手新聞を除く地方紙の社説でも、さんざん言われている。今回、官僚のパペットのドジョウは、「冷温停止宣言」ではなく「脳内停止宣言」をするべきだったのではないかと思う。
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2011.07.22 (Fri)
今年の猛暑は、福島第一原発のメルトスルーが地表に熱を放出しているのが原因?

今日のカナダ東部は、38℃と記録的な暑さに見舞われた。カナダの夏は、どんなに日中の気温が暑くても朝、晩はとても涼しいのが普通なのだけれども、今日は違った。朝、家の玄関の扉を開けたとたん、サウナのような熱風に襲われ、いつもの涼しい朝とは違った。そして、その暑さは、夜中になっても下がることはなかった。気温は38℃、体感気温はなんと49℃。7月21日の気温としては、観測史上で最も高い気温を記録した。全体としては、観測史上2番目に暑い日となった。トロントなどの都心では、最高気温が40℃に達した。
家の外のパティオにあるテーブルの上に水を入れたお鍋を置いておいたら、あっという間にものすごく熱くなってしまった。こんな感じで太陽エネルギーを使って、電気代を節約できるのはありがたいけど、その分、クーラーに電気代がかかるので、ほとんど節約にならないだろう。
日本でも今年の夏は異常に暑い日が続いているという。特に地表の温度が高いとか。これはあくまでも私の推測だけど、もしかしたら、福島第一原発でメルトスルーして地中に溶けている燃料が熱を放出し、地表の温度を上げているのではないだろうか。溶けた燃料はかなりの熱を帯びているはずだ。温まった福島の地表の熱が全国に広がる可能性が全くないとは思えない。
停止中の原発があるので、政府は節電を呼びかけているが、電気は足りているので、暑い日はどんどんエアコンを使うべきだ。節電のためにエアコンを使わずに熱中症にかかって亡くなってしまっては、元も子もない。日本人は我慢強いので特に心配だ。この時期、熱中症の予防と応急処置の知識を備えておけば、人の命を救えるかもしれない。
知っておこう!熱中症の予防と応急処置より


熱中症に関するもう少し詳しい情報はこちら↓
熱中症環境保健マニュアル (2011年5月改訂版)
2011.06.08 (Wed)
メルトスルーで底なしの汚染水被害へ
要約 『小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ』より
・(汚染水の処理が大問題で、溢れてしまう危機的なラインが迫っている。いま浄化の装置を作っていて15日頃に完成するという。期待していいか?)期待したいが、東電の対策はこれまで期待通りにはなっていない。
・(浄化の処理がうまくいけば放射能が現在の1000分の1から1万分の1まで薄まるという。でも元の濃度が高い。薄まったものはどれくらい危険か?)元の濃度が猛烈であり1万分の1になっても放出はできない。福島原発の域内の汚染水の濃度はものすごいものから低いものまである。低いものなら万分の1になれば流していいかもしれないが、問題はものすごい濃度の方だ。
・(何分の1なら流せる?)10万~100万分の1なら流してもいいかも。
・(そのくらい薄くできるシステムはあるか?)ない。元が猛烈な高濃度である場合、放射能を捕まえるほど装置がダメになり性能が出なくなる。今回はゼロライトとかバーミクライトを使うのだと思うが、すぐに性能が劣化して使えなくなるだろう。
・(一度ゼオライトを使うとずっと使えない?)ゼオライトは、あるレベルまでセシウムを捕まえると、そこでいっぱいとなり使用不可となる。どんどん取り替えないといけない。使用済みゼオライトは被曝するため近づけなくなる。難しい。
・(コンクリのブロックを周囲に築く作業は手付かず。汚染水を留めるためにやるべきと思うが?)コンクリの壁を作るべきと言ったのは、炉心がメルトダウンして地下に潜っていれば、もう冷却は出来ないため、汚染水を溢れさせるよりは壁を作った方がいいという意味だ。だが、汚染水が溢れている状況では工事は難しい。
・(溢れる前に浄化装置が間に合うかどうかに注目が集まっているが、すでに見えないところで汚染水は地下や海に流れている?)それは確実。コンクリが割れており、地下に出ていき、海にも出ている。タービン建屋、トレンチ、立坑から汲み出さないといけない。浄化装置が15日に間に合うかという問題ではない。
・(IAEAへの報告文書では、メルトダウンではなくメルトスルー=原子炉貫通していたと言うようだが。どうか?)もともと東電の公表データを信用して炉心の半分は形が残っていると皆さんに伝えてきたが、炉心は全部溶けていたと5月12日に認めた。そうであるならば原子炉圧力容器が溶けることも高い確率でおこる。圧力容器が溶けるなら燃料がその下に落ちる。それがメルトスルーだ。
・(圧力容器の底にあるとされていた燃料が格納容器の中に堆積している可能性があるとしているが、これでいいか?)技術的には判断は難しい。格納容器の中にどれだけ水が残っているかということが、底が抜けているかどうかに関係する。2800度でないと溶けないような燃料部分が下に溶け落ちているのだとすれば、水があっても格納容器には穴があくと思う。おそらく格納容器の底に堆積という状態ではないだろう。
・(政府はそうとは認めていないが、この判断次第で対処は変わる。遅れにつながりかねない?)格納容器内に燃料があるのであれば循環式冷却回路の可能性はある。底が抜けていれば冷却回路は成り立たない。そうなると、後は壁を作って地下水の汚染を防ぐだけ。
・(堆積している燃料の温度は推測できるか?)推測できない。計測器が死んでいて情報が正確に得られず、水がどこまであるのか不明。東電は格納容器の放射線量を根拠にして損傷率70%とか55%と言っていたが、後になり全部が溶けていたといった。信頼できるデータがない状態だ。ただ、原子炉建屋の下に大量の水がたまっているということを考えれば、格納容器の底は抜けていると思う。
全体書き起こし
6月7日MBSラジオ小出裕章氏「浄化装置、メルトスルー等について」