2009.08.15 (Sat)
民主党政権に期待すること

Stoney Ridge Wineryの庭より
8月30日に投開票が行われる衆院選について、ほとんどの報道機関が民主党の圧勝、自民党の惨敗を予測している。自民党の圧勝を伝える報道機関はゼロだ。このような状況は、2007年の参院選でも見られた。そのときは、にわかに信じがたかったが、ほとんどのマスコミが民主党の勝利を予想し、実際にその通りになった。だから、きっと今回もその通りになるに違いないが、楽観は禁物である。最後の2週間で、北朝鮮からミサイルが飛んできたり、大規模な大震災などが起こって自民党が大活躍する可能性もあるかもしれないし・・・・。
天木氏がメルマガに移ってから以前のように頻繁にブログを読みに行っていなかったんだけど、今日久しぶりに行ってみたら、とても貴重なご意見を述べられていたので、その中で、いくつかのブログを紹介したい。
天木氏の8月12日のブログでは、週刊現代の選挙情報を伝えていた。
総選挙までの残されたわずかな間の政局を我々はどう考えるか
今日発売の週刊現代最新号(8月22・29合併号)は、民主党390議席、自民44議席という民主党完全勝利を報じた。
何事につけ民主党有利の選挙情報を流し続けた週刊現代であるからそのつもりで読まなければならないとは思う。
しかしそれを割り引いても、この週刊現代の記事は衝撃的だ。
いよいよ、8月3日の私のブログで書いた1993年のカナダ総選挙のような革命的なこと(単独過半数の151議席を占めていた与党がたった2議席しかとれずに野党に転落)が、日本でも現実に起こりうるかもしれない。
そこへきて麻生首相の、「まけっぷりよくせにゃならん」発言が飛び出した。11日に千葉県で行った街頭演説で口に出したという。いつもの軽率な失言だろうが、意外に本音があらわれたのかもしれない。
そしてとうとう橋下、中田「首長連合」が民主党支持を打ち出した。
彼らを自民党別働隊と呼ぶものもいるが私はそうは思わない。政権を視野に入れた民主党と協力し、あるいは自らが主役となって、これからの政治の主導権を手にしようとする動きである。
つまり彼らはもはや自民党を見限ったのだ。
天木さんが書かれている1993年のカナダの総選挙はカナダ史上でも最も記憶に残る劇的な「進歩保守党」から「カナダ自由党」への政権交代の選挙だった。
1984年9月に当時45歳だったブライアン・マルルーニ率いる新しい政党、「進歩保守党」が誕生した。カナダ全州と2準州をくまなく制覇し、カナダ史上最多議席の151議席を獲得した。
マルルーニ首相が1988年に再選されたときに強調していたのが米国とのFTA(自由貿易協定)だった。しかし、その後5年間でマルルーニの人気は地に落ち、「進歩保守党」は崩壊した。
1980年代後半のリセッションはカナダの経済を悪化させ、失業率を急増させた。それに伴い、国家の赤字も増加した。1984年に「進歩保守党」が政権を握ったときに340.5億カナダドルだった赤字が、1993年までに400億カナダドルまでに膨らんでいた。連邦政府による赤字は5000億カナダドルにのぼり、会計年度内のバランスをとるために7%のGSTと呼ばれる消費税を新設した。このGST新設のおかげで、マルルーニは「カナダ史上最悪の首相」の名を欲しいままにしている。
その後、マルルーニから瀕死の状態で「進歩保守党」の首相を引き継いだカナダ初の女性首相、キム・キャンベルが解散、総選挙を行うと、1984年には151議席を獲得していた「進歩保守党」は、2議席しか獲得できず、キム・キャンベル自身も落選し、カナダの首相の中で最短(在任:1993年6月25日 - 1993年11月4日)のたった4ヶ月の就任日数を記録した。その後、「進歩保守党」は、同じ保守勢力の「カナダ保守党」に飲み込まれてしまい、今は姿形も無くなってしまった。
こうしてみると、小泉政権が発足したときは、異常な人気を集めていたが、小泉改革と呼ばれる単なる米国追従の悪政を行ったことで、日本の経済を悪化させ、国民の給与を下げ、失業率や自殺率を高めた後に日本史上最低の総理と呼ばれる小泉は、カナダのマルルーニの状況とそっくりだ。日本の国民は我慢強いせいか、小泉の後に3人も首相が入れ替わり立ち代りしたが、さすがに今回ばかりは、堪忍袋の尾が切れた状態だろう。恐らく、今回の衆院選で、自民党も議席を劇的に減らし、崩壊してしまうのではないか。
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