2008.06.28 (Sat)
植草一秀氏の痴漢冤罪事件
でも、ウィキペディアの情報はどうだろうか。2ちゃんねるに比べると少しは信用がおかれているような気がしないでもないが、実際は、信用できる情報とできない情報の差がかなり激しい。だから、天下のネット百科事典に書いてあることだから信用できるだろうと思ったら大間違いで、ウィキペディアを読むときこそリテラシー(読解力)が必要となってくる。
関連過去ログ:政府のウィキペディア情報操作にもっと批判の目を向けよう
1ヶ月ほど前に『情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士』のヤメ蚊さんが「カナダのメディアリテラシーに学びたい~ここまでやるか…」で、カナダのメディア・リテラシー教育についての本を紹介してくれていた。世界でもメディアリテラシー教育が初めて行われたのはカナダの小学校だった。
いわば、カナダの教育は、政府はあなたたちをだますかもしれませんよ、という教育、日本の教育は、政府は信用できますよ、という教育。どちらが、本当に市民にとって有利な政府にする意欲があるかは明白だろう。
騙されるかもしれないという認識をもって、政治に接することで、政治に対する評価は厳しくなる。そのような厳しい評価に耐えた党が政権を取る…すばらしい。
まさにその通りで、まず、カナダでは市民がメディア情報の真偽を判断できるため、政府が莫大な税金をつぎ込んでネット規制する必要もない。というかそんなことを政府がしようとしたら、反乱が起こるだろう。メディア・リテラシー教育のおかげか、カナダの政治家はカナダ市民の奉仕者、英語ではCivil Servantと呼ばれている通り、国民が住みやすい世の中にするために国家に働きかけてくれている。ところが、日本の政治家はどうだろうか。自分が市民の奉仕者であるという意識はあまり感じられず、政治家としての利権ばかりを追い求めている。この原因は日本国民にもあって、官僚や政治家による汚職が暴露されてもあまり関係ないという感じで政治に無関心だから、この国はどんどん悪くなっていくのだ。
又、日本人は国家権力というものに弱く、警察が絶対的なものと信じて疑わない人が多い。例えば、植草氏の痴漢冤罪においても、ネットでは警察からの一方的な情報が氾濫しており、証拠もないのに、まるで植草氏が本当に痴漢をしたかのように書き立てる人もいる。もし、私が植草氏を疑うときは、実際にこの目で植草氏が痴漢をしているのを見たときだけだ。本人が否定しており、決定的な証拠がない限り、無実を信じる。植草氏を犯人と決め付けて誹謗中傷するなど名誉毀損や人権侵害にもあたり、もっての他だ。私は又、日本の警察も信用していないので、警察が被告に不利な証言をしたり、被告に有利な証拠を見せなかったりすることは十分ありえると確信している。警察に都合のいいものは、なんでも「捜査において収集した証拠」として公開してしまうのも問題だ。
『らくちんランプ』のスパイラルドラゴンさんが「警官メモの証拠開示、対象を捜査全般に拡大…最高裁決定(2008年6月27日23時16分 読売新聞)」というニュースを紹介していたが、警察の証拠開示拒否などの怠慢によって判決結果に大きな違いが生じることは否定できない事実であろう。
ネットで「3回も逮捕されたのだから、絶対にクロだ」という書き込みを見るが、3回でも4回でも5回でも、その裏に大きな圧力が働いていたら、何回逮捕されたからクロだという証拠にはならないだろう。植草一秀氏のウィキペディアにもかなり怪しい書き込みがされている。何も知らない人、メディア・リテラシーの低い人は、こういった文章をも疑うことをせずに信用してしまうだろう。
植草氏には、はっきりとここに書かれていることを否定し、これまでメディアに騙されてしまった人たちを納得させていただきたい。
又、植草氏に少しでも疑念を持っている方は、まずは、下記のビデオを見ることから始めて欲しい。2004年に無実の罪で逮捕され、2005年4月に控訴を断念した理由などを本人の口から語っている。
マル激トーク・オン・ディマンド プレビュー 第210回(2005年04月09日)
命をかけて無実を訴えていきます
ゲスト:植草一秀氏(エコノミスト)
ちょうど1年前の4月8日、東京JRの品川駅で女子高生のスカートの中を手鏡でのぞき見しようとしたとして東京都迷惑防止条例違反で逮捕、起訴され、さる3月23日、「罰金50万円・手鏡一枚没収」の有罪判決を受けたエコノミストの植草一秀氏は、無実を訴え続けているにもかかわらず、控訴期限だった4月6日控訴を断念した。
植草氏は「罪を認めたわけではない。しかし、このまま裁判を続けても公正な裁判が期待できない」と控訴断念の理由を説明し、今後裁判とは別の形で無実を訴え続けていく意向を明らかにしている。冤罪を訴える植草氏が、「サッカーにたとえると、アウェーゲームだった」と主張する裁判とは、どのような裁判だったのか。一度は罪を認めたと報じられた植草氏が一転全面否認に転じた背後に、どのような経緯があったのか。果たして裁判は公正だったのか。ほとんど報じられていない植草氏の言い分を聞いた。
この人が本当に痴漢をしたように見えるだろうか。男運の悪い私が言ってもあまり説得力がないかもしれないが、3回も植草氏が痴漢をするようにはどうしても見えない。それに、もし私が犯人だったら、わざわざ自分の無罪を主張するためにネットを始めることもないだろう。自分が犯人だったら、無罪を主張するという人を騙す行為を行うことによって良心が痛むし、万一嘘がばれたときのことを考えるととてもネットで無実を主張することなどできない。嘘がばれたとき、これまで以上に信用を失くすだろう。そんな危険を冒してまで、わざわざネットをしようとは思わない。でも、自分が無実だったら、法廷の外で無罪を訴えることとして、ネットで自分の潔白を訴えるために植草氏が今行っているような行動をとると思う。
最後に植草氏にわけもなく侮辱的な言葉を浴びせる人に言いたい。不正逮捕によって、長い間拘留された人の気持ちを考えたことがあるのだろうか。自分がやったこともない無実の罪で3ヶ月間拘留され、家族とも離され、マスコミに虚偽の報道で名誉を毀損された人の気持ちを。痴漢冤罪は、満員電車に乗る人なら誰もが経験する可能性のある出来事だということを忘れてはならない。満員電車の中で隣りに立っていた高校生が憂さ晴らしのためにあなたを痴漢呼ばわりする日が来ない保障はない。そうすれば、いくらあなたが何もやっていないと主張したって、まわりは信じないかもしれない。
確実な証拠もないのに、ほんの一握りの疑念だけで植草氏を罵倒するようなまねだけはしないで欲しい。それがいくら匿名とはいえ、ネットでの大人の常識というものではないのか。植草氏を批判することがタブーとなっているのではなく、証拠がない限り批判するべきではないのだ。
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