2007.04.27 (Fri)
動画を使った日本語の授業や、ミツバチが消えた原因など
まずは、『中央日報』の記事についてのコメントから。ホーミンさんという読者の方から、私の記事の文中に使われた「母国語」という言葉は正確には「母語」ではいないのではないかという指摘を受けた。
はじめまして。ホーミンといます。いつも頼もしくは拝読させてもらってます。今日の記事の中「日本語を母国語とする日本人だったら、使わないだろう。」とありますが、ここでの「母国語」は、母語とした方が良いと思います。母国語とは、単に自分の国の言葉ですが、それは必ずしもmother tongueとは限りませんので。日本では、母国語=母語の人の割合が多い為か、良く見られる勘違いです。それでは、ますますの鋭い批判精神の文を期待してます。
確かにその通りだ。「母語」というのは、生まれて初めて親から学ぶ言葉で、「母国語」は自分の国籍がある国で使われている言葉。もし、「ミツバチ」の記事を書いた記者が、韓国で生まれて、今は、日本に移住し、日本国籍を取得していたら、彼の母国語(国籍を持つ国の言語)は日本語になり、国籍も日本人になるので、記事中の「日本語を母国語として使っている日本人だったら、使わないだろう。」という私の記述はこの状況には当てはまらなくなってしまう。
その記事を書いたときは、このブログの読者にとってより聞きなれた響きの「母国語」という言葉を使わせていただいたが、中には、おかしいと感じる読者もいるということがわかったので、「母国語」を「母語」に訂正させていただいた。また、「母国語」という言葉は政治的な意味も含むと下記のサイトに書いてあり、これからは、もっと気をつけて言葉を選ばなくてはならないと思った。
「母国語」という用語の問題性について
ただ、「母語」の定義としては、生まれて初めて「母から学んだ言葉」という定義が一般的だが、中には、母親の胎内で聞きながら慣れ親しんだ言語という定義もあり、「母語」と言ってもいろいろな解釈の仕方があるということがわかる。
又、母語と母国語を機械的に区別する必要もないのではないかという説もあり、母語と母国語の定義はさまざまだ。
言語学の分野では母語を第一言語(First Language)と呼び、それ以降に学んだ言語を第二言語、第三言語・・・と呼んでいる。第二言語は、英語では"Second Language" と呼ばれることが多いが、英語では、"Second" という言葉が"First"に比べて劣性を表わすため、私の卒論担当教授は"Subsequent Language"(次の、後に続く言語)と呼ぶ方が学術的に聞こえがいいと言っていた。
言語学に興味のある人は、第一言語と第二言語の習得の違いを追究する"Second Language Acquisition"(第二言語習得)という分野を勉強したりするととても面白いと思う。
次に動画を使った日本語の授業について、対照的な二つの意見をいただいたので、比較させていただきたいと思う。
まず、最初にsalsaladyさんからのコメント:
p.s.日本語学校で見せているかどうか知りませんが、ここまで動画を駆使したら先生は要らないかもね?
我々ヴォランティアはきちんと手書きやプリントで指導します。あまりに文明の利器に頼ってもココロは通じないと思うから。。。
まず、私が動画を見せるのは、日本の文化への知識を高めるためで、語学としての日本語を教えるためではないので、そのところ混同しないでいただきたい。日本の文化を教えることと、日本語の文法を教えることは全く異なることで、文法を教えるときは、もちろん、手書きのポスターや写真やチャートなどを使って説明することもある。
生徒が興味ありそうな動画や写真を見つけるのにも時間がかかるもので、生徒に日本語に興味を持って欲しいと心から願うからであり、手書きやプリントだから、心がこもっていて、ネットのサイトの紹介には心がこもっていないというのは、偏見ではないだろうか。全てを文明の利器に頼るということではなく、これからは、時代に合った文明の利器を利用しつつ、生徒の日本語を学ぶ動機を高めるべきではないだろうか。
とにかく、こういった日本語の教授法の効果は、授業の時間数、生徒の年齢層、興味の対象、生徒が日本語を勉強する目的、日本語教師のPCの知識、教室でのPC環境などにもよるので、一概にどちらが正しくて、間違っていると判断するのは、難しいと思う。
次にcyberbloomさんからのコメントから。
[youtubeが見れない] by cyberbloom
はじめまして。いつも興味深く拝読させていただいています。私はフランス語を教えているのですが、日本の大学のPC普及率ときたらひどいものです。特に語学教育に関して、PCを使える部屋が非常に少ない。某国立大学のLLはいまだwindows96で、Youtubeのサイトに到達するにも10分以上かかり、うまく動いたとしてもコマ送り状態で、すぐにフリーズ。去年、私立の1クラスだけまともなネット環境にめぐりあえ、Youtubeを活用していました。主に音楽のビデオクリップや映画のワンシーンですが、学生の目の輝きが違いましたね。日本でそのクラスだけのローカルブームが生まれたり。Youtubeの可能性は計り知れません。即メイドカフェの現場を見れせるって凄いことですよね。フランスの萌え系の盛り上がりも驚きです。
cyberbloomさんのおっしゃるとおり、音楽のビデオクリップや映画のワンシーンなども生徒はとても喜ぶ。「某国立大学のLLはいまだwindows96で、Youtubeのサイトに到達するにも10分以上かかり、うまく動いたとしてもコマ送り状態で、すぐにフリーズ。」というのを読んで、そこまで日本のPC環境がひどいものとは初めて知った。安倍内閣では、必要もない教育基本法を改悪したばかりではなく、教育の質を向上させる具体的な対策が全くなされていないため、こういった劣悪なPC環境しか準備できないような国立大学がいまだに存在するのだろう。いったいこういった国立大学では、政府からの補助金などは、何に使われているのだろうか。
又、コメントで、ichiroさんと言う方から、 YouTubeに不法にアップされている著作権映像をを営利目的で使用するのは、違法だ。というコメントをいただいたのだが、大学でyoutubeを使うときは、教育目的であり、営利目的ではない。営利目的というのは、そのYouTubeの動画をCDにコピーして、販売して利益を得るようなことを指すのであり、教室で使用して利益を得るなんてできわけないだろう。もし、その動画が不法にアップされているものであれば、その著作権を持つ会社が削除を依頼しなくてはならないのであり、それを怠っているのは、その会社の責任で、その動画を見せた方の責任ではない。だから、誰でも見られる動画を見せることが違法だなんてことがあるわけないのだ。

次にミツバチが消えた原因についていろいろな意見をいただいたので、紹介しよう。
井上勇さん:温暖化のせい?
ハチがいなくなったのは、温だん化のせいでしょうか?
都会住人なので、昔は土や、石の下のムシをみて
あそんだ事ありましたが、今ではコンクリートジャングルです。
本来の「土」や「花」がへって、人工的な「緑」につつまれています。
salsaladyさん: 携帯のせい?
日本語の使い方に関して?でしたね。それよりも携帯電話による電磁波がキチガイのように飛び交っている日本の実態に恐怖を感じます。
正にミツバチ以上に邪悪な電波が日本を占拠する時代。どうしてこんなに誰もが持ち歩かなければならないの?と思うくらい朝から晩まで、TVドラマでも携帯電話の出てこないものは無い。日本人は何かに取り付かれている!と言っても過言では無いでしょう。
花美月さん:遺伝子組み換え作物、異常気象のせい?
[遺伝子組み換え作物とか・・・]
まだ確認してませんが、遺伝子組み換えの作物の影響もあるかと思っていました。
携帯電話の中継基地とか携帯の電磁波が影響があるなら、日本のミツバチだって、影響が出ると思うんですよね。
でも記事によると、おそらく遺伝子組み換え作物を作っていないだろうヨーロッパやイギリスでも同じような現象があるようですね。異常気象もあるのかしら・・・
ところで、携帯といえば、数年前は、電磁波が危険なんじゃないかという話も山ほどあったのに、これだけ普及したら、すでに日本の基幹産業だし、いまさらストップかけられないですよねぇ。大本営発表では、携帯と病気との因果関係は認められないって言ってるし。
だから頭が痛くなっても、きっと気のせいでしょう・・・。(T_T)
それにしても、ミツバチは、気になりますね。私もちょっと調べてみようと思ってます。
非戦さん:携帯の電磁波、農薬、遺伝子組み換え植物のせい?
ミツバチがいなくなった理由ですか?
確かに、携帯の電磁波かもしれません。
一人一台ずつ持っているとしたら、それを破棄したときのゴミの山を昨日も想像して、ぞっとしたところでした。
農薬とか考えらないでしょうか。他は、遺伝子組み換え植物の蜜を吸って、体に変調をきたしたとか。

pochiさん:ケムトレイルのせい?
はじめまして
ミツバチが消えたのは、ケムトレイルの
影響があるかもしれませんね。
みーぽんさん:過労のせい?
なんかの雑誌に「アメリカの蜂は働かされすぎ」説が載っていました。受粉に駆り出される上に、蜜も採取される、しかも日本のように、手で丁寧に巣箱から蜜だけ取るのではなく、機械でががっと巣ごと破壊するらしいです。アメリカのように広大な畑のそばに、そんな磁場が存在するんですかねえ?(都市部や日本ならともかく)
それぞれ、温暖化、携帯、遺伝子組み換え作物、ケムトレイル、過労説など、あるようだが、女王蜂や卵や幼虫、そして羽化したばかりの若い働きバチなど外に出ない蜂は、そのまま巣の中に残っているそうなので、やはり、携帯の電磁波によって働き蜂の帰巣本能が狂ってしまったり、遺伝子組み換え作物の花粉が働き蜂に悪い影響を与えたり、過労に襲われたりとか、一つだけの原因だけではなく、いくつかの原因が積み重なった結果かもしれないが、私が一番怪しいと思ったのは、pochiさんの「ケムトレイル」だ(詳しくは、関連記事を読んでね)。アメリカがこんなに恐ろしい人体実験などを行っていたとは夢にも知らなかった。背筋が凍るほど恐怖を覚えた。とにかく、深刻な事態に発展しないように願うばかりである。
関連記事:
ミツバチがいなくなった意外な原因とは?
相対性理論のアインシュタイン博士が次のような言葉を残しているそうだ。「もしミツバチがいなくなったら、人類は4年しか生き続けられないだろう。ミツバチがいなくなり、受粉ができなくなって、植物が消え、動物が消え、人間が消える」これが「予言」とならないことを祈る。
ケムトレイル:核戦争時代のエアロゾルと電磁兵器
アメリカ政府は現在、「国家安全保障」という名の下に、エアロゾルや電磁気を使った危険な軍事行動を実施中であり、北米地域は7年前からその被害を受けている。
軍用機が排出する有毒化学物質が人工的な雲と化し、空が変色してゆくのを、市民達は不安げに見つめている。
私たちは、奇妙な気象現象を頻繁に目撃している。これは強力な電磁気装置によってジェット気流と個々の暴風雨前線が操作され、天気や気候が人工的に造られているからである。これらエアロゾルを用いた作戦に組み込まれた数々の非合法的なプロジェクトは、生物学的試薬や意識工学的なマインドコントロール技術を用いて、特定の集団を病気にしたり混乱させたりするためのものであり、それは証拠書類で立証されている。
ミツバチが消える
米国全土で昨年10月以降、ミツバチが突然巣箱からいなくなる特異な現象が広がっている。それも全米24州に拡大し、農作物の収穫にも深刻な影響が懸念され始めた。何しろハチを介した受粉に依存する農作物(アーモンド、リンゴ、ブルーベリーなど)は140億ドル(1兆6000億円)規模あるといわれている。
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2007.04.25 (Wed)
ミツバチが消えたのは携帯のせい?
私の日本語のクラスは今年はランゲージラボで行われていたため、教室の前に大きなスクリーンがあって、生徒の机の上にもパソコンが1人につき1台ある。インターネットのおかげで日本の文化もすごく教えやすくなった。なぜかと言えば、言葉では説明するのが難しい場合、ネット検索で、すぐに画像や英語の詳しい説明も手に入れることができるし、YouTubeで動画を見せることもできる。
例えば、日本のデパ地下やアキバ、メイド喫茶などを説明する場合、口で説明するよりもどんなものかはYouTubeを見せれば一発でわかるし、とても便利なのだ。
Maid in Akihabara 02 : What's this 'moe'thing all about? 01
日本語を勉強する大学生のほとんどは、日本のアニメが大好きなので、授業の最初の方にYouTubeでアニメを紹介したりすると、生徒はとても喜ぶ。もし、まだ試されていない先生がいらしたら、是非、クラスでYouTubeでアニメをちょこっと見せてみたらいかがだろうか。日本語の文法の話をしているときは、眠そうな目をしている生徒もアニメを見るときの目は輝いているということがわかるだろう(笑)。
ところで、先日、中央日報で面白い日本語の記事を見つけたので紹介しよう。ここで、「面白い」というのは、「変な」という意味で、日本語が変な使われ方をしているのだ。記者が日本人だったらこういったタイトルはつけないだろう。

携帯電話のためにミツバチ消える
携帯電話のためミツバチが消えている、との見方が出ている。携帯電話で発生する電磁波がミツハチの航法システムをこう乱し、ミツハチを巣に帰れなくするとのこと。
英日刊紙・インディペンデントが15日に伝えたところによると、蜂群崩壊症候群(CCD=ミツバチの集団不明現象)と呼ばれる現象が米国でスタートし、欧州大陸と英国に拡散している。米国では昨秋初めて警告が下された後、現在まで米全州の半分でこうした現象が確認されている。西部海岸地域では全体の60%、東部海岸地域では70%ほどのミツバチが消えた。
これについて、ドイツ・ランダウ大の研究チームは、携帯電話がミツバチの近くにある場合、ミツバチが巣に戻れないとの事実を確認した。研究チームは、ミツバチが電線付近で異常な動きを見せるのを発見、それをもとに実験を行なった結果、携帯電話の電磁波がミツバチの帰宅を妨害できる、との点を究明した。米政府と業界の後援のもと携帯電話の危険に対する研究を主導してきたカルロ博士も「ドイツ科学者の主張に信ぴょう性があると確信する」と同調した。
パク・キョンドク記者

まず、この記事のタイトルにある「携帯のために」という使い方が変で、その後の「ミツバチが消えている」というのも変だよね。日本人だったら、「ミツバチが消えてしまったのは携帯の電磁波が原因か?」とか「携帯の電磁波によってミツバチが消えつつある」というタイトルをつけると思う。「携帯のため」という言葉は日本語を母語とする日本人だったら、使わないだろう。どうして、「携帯」の後に「~のため」が使えないのかなどを考えると日本語の面白さや難しさを感じるが、難しい話になりそうなので、今日はそれには触れないでおこう。

このミツバチが消えてしまったというニュースはカナダでは大きくとりあげられていて、カナダのような農業の盛んな国でミツバチがいなくなってしまうと作物の収穫や値段に大きな影響を与え、大変なことになる。「携帯」の他に、女王バチの生殖機能を破壊する寄生虫が原因かとか、何か大きな災害の前触れかなどとも言われており、いまだに原因はわからない。
みなさんは、ミツバチが消えてしまったのはいったい何が原因だと思われますか。
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