2008.11.05 (Wed)
オバマの勝利宣言とマケインの敗北宣言(YouTube動画あり)
オバマは勝利宣言のスピーチで、アメリカは、単なる個人や州の寄せ集めではなくて、一人一人の個人や一つ一つの州が一つに合体し、繋がった国と、みんな一つであることを強調した。アメリカほどの人種のるつぼ大国で、それぞれが人種ごと、又は政治思想ごとに分裂、敵対していたら、とても一つの国として成り立たない。このアメリカが成し遂げようとしている、違う人種や思想の人々が一つになるということは、近隣諸国の人々を軽蔑したり、歴史の認識が違ったり、政治的理念が違うだけで分裂したり、敵対したりしがちな日本人に、ぜひよく考えてもらいたい問題だ。
それでは、オバマの勝利宣言:
Obama Acceptance Speech HQ (Part 1) 11/04
- Barack Obama Victory Speech November 4th 2008
Obama Acceptance Speech HQ (Part 2) 11/04 - Barack Obama Victory Speech November 4th 2008
CNNがオバマのスピーチの要旨をうまくまとめていたのでご参考まで。
「米国に変化が訪れた」 オバマ氏が地元シカゴで勝利演説
マケインの敗北宣言は、これまでの彼のスピーチの中で唯一感動できるものだった。オバマの勝利を祝したことを言ったとたんにブーイングが起こったが、それを静止し、これからは、米国史上初のアフリカ系米国人大統領であるオバマがリーダーシップを発揮できるようサポートしていこうではないかと聴衆に呼びかけ、民主党オバマ政権を支援する意向を示した。今回の敗北の責任は自分にあるが、人生の中で最も充実した経験をしたと語った。これ以上何ができたかわからないと言っているが、マケインの敗北の原因は、副大統領候補の指名をまちがえたのと、効果的な経済政策が打ち出せなかったという2点につきるだろう。
マケインの敗北宣言:
McCain Concedes 11/04 (Part 1) John McCain's Concession Speech HQ Barack Obama Wins November 4th
これで、米大統領選レースは終結したが、オバマが来年1月20日に大統領に就任後、米国発の国際金融危機の克服、公約したイラク駐留米軍の早期撤退、ブッシュ政権がもたらした米国の国際的な威信低下の回復などの数々の難題に直面する。
民主党オバマ氏が勝利、金融危機など待ち受ける難問が山積(CNN.co.jp 11月5日)
就任後はその公約の実行が早くも問われることになる。指導力が疑問視されれば、内外の大きな期待感が失望に変わり、困難な政権運営を迫られる可能性もある。特に、外交問題は不得意とされ、イラクのほか、イランや北朝鮮の核問題への対応が注目される。
確かに、オバマは外交問題に関しては経験不足かもしれないが、そのために外交問題のエキスパートであるジョー・バイデンを副大統領にしたのだ。お互いに足りないところを補いながら、軍事国家であった米国を平和国家に変え、地球から核や戦争を排除して欲しい。これまでイラク戦争に費やしていた軍事費を社会保障費や医療費に戻すだけでも大きな違いを生み出すだろう。
人は皆、異なる思想や考えを持っている。しかし、小さな違いにこだわって、それを主張し続けても、何も得する事は無い。恐ろしい事に、違いを強調しすぎることが、偏見や人種差別などにも繋がってゆくのである。違いを残しながらも、「政権交代」という同じ目標を持っている人々と一つになるべきことが、何よりも今、求められており、小異を残し、大同につくことこそが大切なのだと思ったら、今日もランキングの応援、宜しくお願いします。

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【政権交代】を目指すブログリスト
2008.09.28 (Sun)
オバマ対マケイン討論会1は、引き分けか

No Clear Winner in US Presidential Debate
カナダ時間の昨夜、オバマvsマケインの第一回討論会がミシシッピであった。テーマは、「外交と安全保障」だったが、今世界中を襲っている米国発の「金融危機」。冷泉彰彦氏によれば、通常、大統領選の討論では、現在進行形の課題を争点にすることはできるだけ避けるというルールがあるそうだけど、今回は「金融危機」という無視できない問題が投票日にまであと1ヶ月ちょっとというタイミングで起こってしまった為、討論会でも、金融危機に40分ほど時間を割いかざるを得なかったということだ。
1 of 11 - Obama / McCain Presidential Debate from Mississippi - 9/26/08
結果は、明確にどちらが勝ったということはなく、普段からオバマとマケインが語っている政策の内容に終始したというのが大方の評価だが、CNNのようにオバマが勝利したと伝えているメディアもある。しかし、よく読んでみると、調査対象者は、民主党支持者の方が多かったということなので、当然の結果と言えよう。
オバマ氏「勝利」が51%、米大統領候補の初のテレビ討論会
ミシシッピ州オックスフォード(CNN) 米大統領選候補の共和党マケイン、民主党オバマ両上院議員が26日に初めて実施したテレビ討論会で、番組を視聴した米国民の51%がオバマ氏が「勝利」したとみなし、マケイン氏に軍配を上げたのは38%だったことが討論会後の全米世論調査で判明した。
討論の内容だが、冷泉彰彦氏が、毎週土曜日に配信される『JMM』メルマガで速報として雑感をうまくまとめて書かれていらっしゃったので、その部分を転載させていただきたい。
(1)金融危機に関してマケインは「共和党が合意を阻害したこと」「自分も含めた規制緩和路線が問題になっていること」などマイナス要因には一切言及せず、ボクシングで言えば「クリンチ」に終始。一方のオバマは民主党の既定路線、つまり「公的資金注入が万人を救済するが、危機の再発を防ぐため必要な規制を導入」という方針からブレずに堂々たる姿勢を維持した。また、具体的になりすぎる発言はオバマは巧妙に避け、冒頭記したような「政策のフリーハンド」を守り通したとも言える。
(2)オバマとしては、この金融危機問題に関してマケインを追い詰めることをしなかった。準備不足だったのか、最終合意に達していない現状では慎重にならざるをえなかったのか、性格的に攻めきれなかったのかは分からない。だが、一気に攻めきるチャンスを逃したのは事実。マケインが「公的資金注入」に賛成なのか反対なのかを追及することもしなかった。
(3)金融危機問題に関しての議論が、財政の話にすり替わり、減税問題、福祉などの「平時の議論」にすり替わっていた。その結果、危機に対する大統領候補の姿勢として「大所高所からの世界観」は分からずじまい。その平時の議論は、全くこれまでの両陣営の主張と寸分変わらず。
(4)オバマの冷静な姿勢、攻撃のかわし方、論点の絞り方などはかなり好感を持って受け止められたのではないか。一方のマケインも、ボイコット騒ぎのドタバタの直後にしては「いつものマケイン」だった。ディベートの全体としては、多少の非難の応酬はあったものの紳士的で、内容的にも情報量があり、両者の相違も良く分かり、過去二回の「ブッシュ=ゴア」や「ブッシュ=ケリー」の討論と比較すると、質は良かった。
(5)ほぼ失言がゼロだったオバマと比較して、マケインは何点か「不規則発言」があった。「危機に際して歳出の凍結をやる」とか「私は米軍による拷問は一切許さない」あるいは「軍事費の使途が不透明、徹底的にメスを入れる」というような発言は、やはり唐突な印象を与える。「マーベリック(一匹狼)」的なキャラクターを売り込もうとしているのかもしれないが、ブッシュ=チェイニーとの根深い確執も感じさせ、それが今回の「700ビリオン注入」におけるブッシュと共和党議員団の分裂という文脈の中で、マケインの共和党内での位置付けが見えないという印象も与えた。
(6)マケインは「オバマの理解は間違っている」と何度も強調し、オバマは「それは違う」とすぐに応酬。その一方で、オバマは「その点ではマケインの見解に同意」するという発言が何回かあった。この応酬は、得点、失点という以前に相互の「キャラ」を印象づける効果の方が大きかったのではないか。
(7)対ロシア政策は二人とも差はない。オバマはイラク戦争は失政で、その代わりにアフガンに増派すべきという見解を変えていない。マケインは名誉あるイラクでの勝利をということで、これも従来通り。イラン、北朝鮮も特に新しい議論はなし。ただ、軍事外交をメインテーマにした部分で「引き分け」という結果は、マケインには苦しいのではないか。
次回の討論は、「ペイリン対バイデン」の1回だけの副大統領候補討論が、来週の10月2日にセットされています。金融危機の中、大統領選という来年以降の政局と、現在進行形のホワイトハウスと議会の綱引きがダブルで走る歴史的な日々が続きます。
下記のCNNニュース(英語)では、アフガニスタン、イラク、イラン、ロシア、中国、貿易、外交について、二人の政策の違いが簡単にわかるように箇条書きで書かれている。
Obama vs. McCain on Foreign Policy: Get the Facts
朝日にも二人の違いがわかりやすい表があったので、それを転載する。

決定打なしの討論会 マケイン氏痛手か 米大統領選(朝日新聞9月28日)
この討論も金融危機の影響でキャンセルされる可能性もあったそうだが、それは何とか回避できたようだ。それにしても、オバマはもう少しマケインを追いつめてもよかったのではないかと思う。ヒラリーだったら、もっとうまく立ち回っていただろう。
あと、今日のメディアで話題になっていたのが、今回の討論でのマケインのオバマを見下した態度だった。例えば、一番上の写真を見てもわかるように、マケインは討論で、終始オバマと目を合わせようとはしなかった。そして、マケインの話し方も、オバマは何も知らないと心の底で思っているのが誰にでもわかるような横柄な口調だった。いくらマケインが「外交と安全保障」について経験と知識を持っているからといって、あそこまでアグレッシブにオバマに対応しなくてもいいのではないかと誰もが思っただろう。それに対して、オバマはとても冷静に対処していた。
大統領選挙前の「オバマ対マケイン」の討論会はあと3回あるが、その前に、10月2日に予定されている「ペイリン対バイデン」の副大統領候補討論が、今からとても楽しみだ。巷では、ペイリンは外交についてあまりにも無知なので、インタビューでもほとんどメディアによる質疑応答はさせないそう。どんな結果になることか。
以前から病状が危ぶまれていたポール・ニューマンが9月26日、癌で亡くなった。83歳だった。
Paul Newman Dies
ポール・ニューマンの映画の中で一番好きな映画、『ザ・スティング』。
THE STING trailer
とても痛快な映画で、何度も見てしまった記憶がある。
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2008.02.23 (Sat)
米国大統領選: オバマ 対ヒラリー ネットの結果がリアルの結果に
ヒラリー vs オバマ,ネット戦では決着しているのだが
ネットのサポーターの数によれば、スーパーチューズデーの時点で、すでにオバマ氏が圧倒的にヒラリーをリードしていたという。
その後、オバマ氏はワシントンDCやウィスコンシン州、在外投票などで連勝し、獲得代議員数でもヒラリーに差をつけている。
そして今日、テキサス州予備選を3月4日に控え、オバマ対ヒラリーの討論会がテキサスで行われた。この時の様子をCNNでは次のように伝えている。
イラク、不法移民、経済などの主要な問題で両氏の立場に大きな隔たりはなく、この日の討論会は全体として穏やかな雰囲気の中で進行したが、クリントン氏がオバマ氏への攻撃を試みる場面も何度かみられた。
クリントン氏はまず、テレビ局のインタビューに答えたオバマ氏の支持者が、同氏の業績をひとつも挙げられなかったことを指摘。「言葉は重要だが、行動の方がもっと重要だ」と述べた。これに対しオバマ氏は、「あなたは有権者に『現実的になろう』と呼び掛けているようだが、私を支持してくれる人々が妄想に取りつかれていると言いたいのか」と切り返した。
これだけ読むと、オバマ氏がかなり怒っているような印象を受けるが、下の動画にあるように実際は
How we bring about the change we seek
確かにオバマの演説を聞いていると、あまりの出来過ぎた内容にどこまで信用していいのかわからなくなる時がある。それでも彼は、高所得者層が払う税金をアップすることによって可能だと言う。確かに米国の高所得者層から税金を巻き上げれば、どんなことでも可能かもしれない。それによって格差をなくそうとする彼の政策は妥当と言えよう。
CNNの続き:
クリントン氏はまた、オバマ氏の演説の一部が、パトリック・マサチューセッツ州知事の過去の演説に酷似しているとされた問題にも言及。「コピーされた言葉で『変化』を唱えられても信用できない」などと語ったが、これには会場の一部からブーイングが起きた。一方、オバマ氏は「互いの中傷に時間を費やしている場合ではない。米国を良くするために時間を使おう」と呼び掛けて拍手を浴びた。
しかし、クリントン氏は討論会の最後に、「この争いがどう展開しようと、私はオバマ氏と並んでここにいることを光栄に思っている」と述べ、これには会場から喝采がわいた。
演説のコピー疑惑に対して、オバマ氏はパトリック・マサチューセッツ州知事は民主党を支持する身内であり、仲間の言葉を借りる事を普通はコピーとは言わないと反論している。確かにそれを言ったら、オバマ氏の"Change"をヒラリーも使っているのだから、人のことは言えないと思う。同じ民主党候補者で共有することは許されると暗黙の了解があってのことではないか。
とにかく、ここまで負けてしまうと、ヒラリーは自分でも大統領になるのは無理だと思っているようだし、次のオハイオ州討論会後には、大統領レースから降りる事を発表するのではないかと思われる。
一方、ここにきて、共和党のマケイン氏に不利な報道が急浮上してきた。彼が2000年の大統領選に出馬した際に美人ロビーイストと恋愛関係にあり、その女性が努めていた企業に何らかの利益を与えていたという疑惑が大きな話題になっている。本人は否定しているようだが、あんなに美人で若い妻がいながら、他の女性と浮気とはマケイン氏の信用を失いかねない疑惑である。

マケイン氏と恋愛関係にあったとされるVicki Iseman(40)
写真:Will "bombshell" hurt McCain, or the New York Times?
関連記事:The New York Times (February 21, 2008)
THE LONG RUN
For McCain, Self-Confidence on Ethics Poses Its Own Risk(英語)
どうやら、ネット人気が予測したように、オバマ氏が米国の次期大統領になるような状況になってきた。日米のネットの影響の差を改めて思い知る。それには、Facebookなど海外のSNSに比べて日本のSNSの質の低さ、そして、日本人、特に若者の政治への興味の低さが原因しているのだろうと思う。
Facebookの日本語版はいつ頃できるのだろうか。
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