2008.08.31 (Sun)
伊藤和也さんに国民栄誉賞をあげたい

アフガニスタンで、反政府武装勢力タリバンと協力関係にある「ヒズブ・イスラミ」のメンバーによって拉致された後、殺害されたNGO「ペシャワール会」スタッフの伊藤和也さん(31)の遺体が、30日の夕方、中部国際空港(愛知県)に到着した。このところ、日本中、特に愛知が大雨に襲われていたが、きっとあれは、伊藤和也さんの死を悲しむ人々の涙だったのではないか。
伊藤和也さんの変わり果てた姿を迎えたご遺族の方や同会関係者らはさぞつらかっただろうと思う。遺体は静岡県警によって司法解剖がされたそうだが、その結果、死因は、銃撃で左太もも動脈が切断されたことによる失血死だとされている。
「外国人追い出すため」と実行犯 伊藤さん拉致 (共同通信)
【ジャララバード(アフガニスタン東部)28日共同】アフガニスタン東部で日本の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」の伊藤和也さん(31)=静岡県掛川市出身=が武装グループに拉致され死亡した事件で、身柄を拘束された実行犯2人が捜査当局の調べに「アフガンの治安悪化を印象付けて、外国人を追い出したかった」と供述していることが28日、分かった。地元高官が明らかにした。
[ 2008年8月28日9時50分 ]
アフガンでの検視の結果では、左右の足に複数の銃撃痕があったほか、腹部に1~2発の貫通銃創、後頭部の挫滅や顔面の打撲痕が認められた。胸部にも目立った損傷があったそうだ。伊藤さんは発見時、両手をしばられた状態で、頭と鼻から出血があったらしい。上の共同や海外のニュースを読むと、今回の殺害は、特に日本人を狙ったものではなく、外国人だったら誰でもよかったとされている。現に今年だけでも25名のエイド・ワーカーがアフガンで殺害されている。外国人を追い出すためなら、アフガンのために必死で活動を行っていた伊藤さんでさえも残虐に殺す事を厭わないタリバンの野蛮なやり方には、憤りを感じる。
自分の愛する息子の体に多くの銃創や損傷を見たご両親の悲しみは、計り知れないものがあっただろう。それにもかかわらず、お父様の正之さん(60)が「和也は幸せだった。事業がストップすると、和也の志が頓挫する」と述べられたとニュースで読み、目頭が熱くなった。やはり、立派な子供は、立派な親から生まれるようだ。
伊藤さんのおかげで、日本は、アフガン自衛隊派遣を断念(中央日報 8月30日)したらしい。その代わり、インド洋での自衛隊の給油活動は継続させると主張している。
「ペシャワール会」の中村代表は、「両親には掛ける言葉がない。伊藤君の遺志を継ぎ、彼の死が無駄でないことを伝えたい」と述べられたが、私も中村代表には、これからもアフガンの復興をめざし、日本人の派遣が難しいなら、現地人を雇って、現地の水路・井戸設置作業を続けていって欲しいと願う。
そして、結局、ケチな福田総理は、北島選手を初めとする北京オリンピックで活躍した選手たちに国民栄誉賞はあげなかったのだから、日本の誇りである伊藤和也さんに、ぜひとも国民栄誉賞をあげたい。
参考記事:
『北海道新聞』伊藤さんの遺体に銃創10カ所 現地代表が遺体と対面(08/29 07:25)
関連記事:
『晴天とら日和』 伊藤和也さん、アフガンより帰国、・・・・・
関連記事ログ:
アフガン拉致:アフガニスタンの治安悪化は急速に進んでいた(8月28日)
「ペシャワール会」の伊藤和也さんがアフガニスタンで拉致(8月27日)
追記:JUNさんがメッセージで指摘されたように、確かに国民栄誉賞は、「支持率低迷に悩む、時の内閣の人気取りの道具」と批判されていますが、内閣の人気取りとは知っていても、それでも伊藤和也さんの功績を後世に残す為にも国民栄誉賞を贈りたいというのが、私個人の意見です。そして、CONRAD HILTONさんがコメント欄でおっしゃられたように、治安の急速な悪化が進んでいたのにもかかわらず、それほどの危機感を抱かずに一部のスタッフを撤退させただけで残りのスタッフは活動を続けていたことや、現地での警備体制の不備は「ペシャワール会」に猛省して欲しいと思います。今回の事件は、9・11の陰謀論の横行でテロにそれほど恐怖を抱いていなかった平和ボケした日本人に現実を振り返るいいチャンスを与えてくれたのではないかと思います。しかし、そうかと言って、この事件を利用してテロ対策を強化するために米軍への補給の続行を訴える日本政府のやり方には、疑問を呈します。
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「政治界に一線に駆け抜けた風ポコ2世」だって。こいつ、笑える(爆)。不正にアクセス数を稼いだだけだっていうのに。

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2008.08.28 (Thu)
アフガン拉致:アフガニスタンの治安悪化は急速に進んでいた
この背景には、このところ、タリバン勢力がアヘン生産者による資金援助によって凶暴になり、治安の悪化が急速に進んできたという現実は見落とせないだろう。
アフガニスタンのアヘン生産者、社会混乱維持のためタリバンに多額の資金
(AFP 2008年08月27日 21:20)
【8月27日 AFP】国連薬物犯罪事務所(United Nations Office on Drugs and Crime、UNODC)のアントニオ・マリア・コスタ(Antonio Maria Costa)事務局長は27日に掲載されるインタビューで、アフガニスタンのアヘン生産者が、栽培地域を不安定な状態にとどめ、自由にケシの栽培を行うことができる状況を維持するため、タリバンに毎年およそ3億ドル(約330億円)の資金提供をしていると述べた。
アフガニスタンでアヘンやヘロインを生産するために、この地域を危険な状態に保つ為に、タリバンに多額の資金を渡して、拉致や誘拐などを次から次へと発生させているそうだ。
昨日の記事で引用したAFPニュースにも、このところアフガニスタンの治安はとても悪くなっており、最近では25名のNGOなどの支援活動家が殺されていることが伝えられている。
2001年にタリバン政権がアフガニスタンから追い出された7年後に、25人の支援活動家が殺され、アフガニスタンに警笛が鳴らされた。
アフガニスタンの治安の悪化で誘拐の数が増加した。そのうち、1996年から2001年まで政権を握っていたタリバンによるものもあれば、カネ目当ての犯罪グループによるものもあった。
アフガンの上院議員が7月中旬にカブールでタリバンによって誘拐されたと思ったら、1週間もたたないうちに6人の現地炭坑夫が拉致された。
近年でも最も激しい襲撃では、8月13日にタリバンの銃兵が国際救援委員というロゴが書かれたカブールに向かう車に乗った3名の西洋人女性とその運転手を銃殺した事件がある。
先週もフランスの援護グループ、技術会社協会開発(ACTED)のアフガニスタン人社員が北部で殺害されて発見された。拉致されてから2日後だったとその機関は伝えている。
日本はタリバンが追放されて以来、積極的にアフガニスタンに貢献してきた。これまでに暴力によりアフガンで2名が亡くなっている。
2005年にもテロリストの巣窟であるカンダハール地区に休暇で行った2人の男女の教師が銃殺された。
治安の悪化が予想以上に深刻であったことは、中村哲医師も認めているそうだが、治安の悪化が加速してきたことを知っていたなら、もう少し早くに撤退するべきだった。しかし、だからといって、アフガニスタンの貧しい人々のために「ペシャワール会」が実践してきた理念と行動に誤りがあるわけではない。
中村哲医師の元で、誰も行きたがらない場所に行って、やりたがらないことをやってきた伊藤和也さんは、本当に立派だったと思う。ご遺族は、伊藤和也さんを誇りに、これからも力強く生きて行っていただきたい。伊藤和也さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
今回のアフガンでの拉致事件では、なによりも、日本の外務省がアフガニスタンの急速な治安悪化を察知していたにもかかわらず、アフガニスタンからNGOを撤退させなかったことが悔やまれる。

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2008.08.27 (Wed)
「ペシャワール会」の伊藤和也さんがアフガニスタンで拉致

一時は解放されたという誤報も舞い込んだが、現地スタッフによると、伊藤さんを拉致した4人の武装グループは、地元警察に山に追い詰められた際に、伊藤さんと一緒に拉致されていたアフガン人運転手は逃げ出し、武装グループ4人のうち2人も拘束されたという。
しかし依然として、残る武装グループ2人と伊藤さんの行方はわからず、伊藤さんは山に置き去りにされたとの情報や、武装グループに連れ去られたとの情報もあるなど、情報が入り乱れている。
伊藤さんの写真:Afghan police hunt for kidnapped Japanese aid worker(AFP)
伊藤さんがスタッフとして働いていたNGO「ペシャワール会」とは?
「誰もが行きたがらない所に行き、誰もがやりたがらないことをする」
ペシャワール会は中村哲医師のパキスタンでの医療活動を支援する目的で結成され1984年より現地活動を開始しました
現在パキスタン北西辺境州・アフガニスタンに1病院と2診療所を運営して
年間約87000人(2006年度)の患者診療を行っています
加えて2000年夏より戦乱についで今世紀最悪の干ばつに見舞われたアフガニスタンの村々で約1600カ所以上の水源(井戸、カレーズ)確保作業を継続しています
2001年10月からアフガニスタン空爆の中、緊急食糧援助を行ないました
この時に寄せられた「アフガンいのちの基金」をもとに医療事業、水源確保事業、農業計画から成る「緑の大地計画」をスタートし
2003年3月より灌漑用水路建設に着工
2007年4月に第一期13キロが完成、現在第二期工事を進めています
この用水路によって6000ヘクタールの農地への灌漑が可能になりました
これを日本では約12500人のペシャワール会会員が支えています
インド洋で米軍に石油を無料で提供するよりも、こういったアフガン復興作業こそ、政府が協力するべきではないのだろうか。
ペシャワール会の創始者、中村医師とは? (ウィキペディア『中村哲(医師)』より)
中村 哲(なかむら・てつ、1946年9月15日 - )は、福岡県福岡市出身の日本の医師。 ペシャワール会医療サービス(PMS)総院長。福岡県立福岡高等学校、九州大学医学部卒業。
経歴
国内病院勤務ののち、1984年、パキスタン北西辺境州の州都ペシャワールに赴任。以来、20年以上にわたってハンセン病を中心とする医療活動に従事。登山と昆虫採集が趣味。
その長いパキスタン・アフガニスタン地域での活動には定評があるが、一方でアフガニスタンの旧支配勢力ターリバーンに対して強いシンパシーを見せることでも有名。しかし、パキスタン国内では政府の圧力で活動の継続が困難になったとして、今後はアフガニスタンに現地拠点を移して活動を続ける意思を示している。
母方の叔父が火野葦平、祖父が若松の親分だった玉井金五郎である。
著書・共著
(井筒和幸・井上ひさし・香山リカ・姜尚中・木村裕一・黒柳徹子・猿谷要・品川正治・辛酸なめ子・田島征三・中村哲・半藤一利・ピーコ・松本侑子・美輪明宏・渡辺えり子・森永卓郎・吉永小百合・渡辺えり子)『憲法を変えて戦争に行こう―という世の中にしないための18人の発言』(岩波書店[岩波ブックレット],2005年,ISBN 4000093576)
タリバンとアルカイダと米国の関係はどうなっているの?ウィキペディア『ターリバーン』より
ターリバーンとアメリカの蜜月は、ターリバーンがアルカーイダを客人として自国内への滞在を許したことで終わった。 アルカーイダは、それまで引き起こされていた数々のイスラーム過激派テロの黒幕と推定されており、アメリカはターリバーン政権にアルカーイダを引き渡すように経済制裁などの圧力をかけた。
経済的に窮地に追い込まれたターリバーン政権は、欧米諸国を非難し、イスラム諸国へのアピールを目的として国際社会の注目を集めるために、偶像破壊を名目にバーミヤンの大仏を破壊した。しかし、この行為は暴挙として仏教諸国をはじめ非イスラム教諸国のみならず、イスラム教諸国に至るまで非難の的となり、むしろ逆効果であった。
ターリバーンはこの後、国際的に孤立を深めていき、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件以降は、このテロの首謀者とアメリカが断定するアルカーイダをかくまったため、アルカーイダ同様にアメリカに敵対する勢力とされ、アメリカによるアフガニスタン侵攻をうけることとなった。
しかしながら、ムハンマド・オマルをはじめとする指導部の多くを失うことなく地に潜ったターリバーンはアフガニスタン南部及びパキスタンのトライバルエリアを根拠地に勢力を回復し、2006年中には南部四州で都市部以外の支配権を獲得するに至ったと言われる。
これにはパキスタンの原理主義勢力、及びその背後のISIが深く関与していると見る向きが強く、同年末にはハミド・カルザイがパキスタンを名指しで非難する事態に至った。
国際部隊の治安活動もあり主要都市の陥落などの危機的状況には陥っていないが、国際部隊の展開地域等でケシ栽培を禁じられた農民の間には、治安の混乱と経済的苦境からターリバーン復活待望論が広まっている。
また、再起したターリバーンは自爆テロや市街地での無差別テロなどイラク式の戦術を多用する傾向が顕著になり、アルカーイダとの一体化の進行が指摘されている。
伊藤さんのご無事を多くの方が心から祈っていることを伝える為にもランキングの応援宜しくお願いします。

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