2011.05.06 (Fri)
福島原発3号機の爆発は水素爆発ではなく核暴走だった!
さて、福島原発事故の方はいまだに何の改善も進歩も見られず、それでも、国民の間から特に何の文句もでない。日本人の忍耐強さにはただただ感心するばかりだ。
「プルトニウムが含まれた福島原発3号機爆発で危険なメルトダウンが始まった」というエントリーで、3月14日に3号機が爆発したとき、長崎の原爆のきのこ雲のような煙がたちのぼったことを書いたが、やはり、あれは、水素爆発ではなく、核爆発だった可能性が高いことがわかってきた。
米国のスリーマイル原発事故の際、事故調査団のメンバーだった、米国のフェアウィンズ・アソシエーツ社チーフエンジニア アーニー・ガンダーソン氏は、あの爆発は、使用済み燃料プールの燃料が、再臨界を起こして核爆発を起こしたものではないかと語った。
ガンダーソン氏も、情報がないので、あくまで仮説であると断った上で、核爆発が起こった過程を次のように説明をしている。
1.水素・酸素の化学反応で水素爆発が起こった
2.燃料棒が激しく動いて変形するような衝撃波が生じた
3.即発臨界による核反応を引き起こした。
4.核反応により、プールから燃料棒・燃料棒集合体などを吹き飛ばし噴煙を噴き上げる爆発のエネルギーとなった。
この仮説を確かめるためには、噴煙に含まれる核種の同位体を調べる必要があり、米軍機がサンプルを採集したので、米政府が情報を握っているのではないかと述べている。日本政府は、米国に情報を公開される前に国民に真の情報を伝えることが大切だ。
福島第一原発3号機の爆発についての解説 4月26日
また、京都大学原子炉実験所の小出教授も3号機の爆発について、最初は水素爆発だとばかり思っていたそうだが、データを調べていくうちに、水素爆発を引き金にして起こった核暴走ではないかと疑うようになってきたと述べられている。核実験を禁止する法律にのっとって、大気中の微量な放射性物質を監視する研究機関が高崎にあって、そこで3月14日にヨウ素135が膨大な量検出されたことから、核暴走を疑うようになったそうだ。
核暴走
読み方:かくぼうそう
原子炉内の出力が異常に上昇し、臨界制御が不能な状態に陥ること。
核分裂が持続的に行われる「臨界」状態に至るには、使用される中性子の性質によって「即発臨界」と「遅発臨界」に分類される。遅発臨界は核分裂反応後やや遅れて放出される中性子(遅発中性子)を必要とするため、遅発中性子を吸収することで臨界・超臨界を制御することができる。しかし、核分裂反応の直後に放出される「即発中性子」のみで臨界に達する「即発臨界」の場合、極めて高速に超臨界が引き起こされ、外部から核分裂反応を制御することができない。
核暴走は膨大なエネルギーを瞬時に生成し、核爆発に至る可能性もある。原発事故における再臨界は核暴走の一種であり非常に危険視されている。
(2011年03月17日更新)
3号機の爆発が、使用済み燃料プールの核燃料による核爆発や核暴走だとしたら、周辺地域への被害はかなり大きなものになっているはずだ。そして、今、3号機の温度が上昇し続けている。再臨界は繰り返されるそうなので、このまま温度が上昇し続ければ、3号機は再爆発する可能性は高い。そうすると、かなり濃度の高い放射線を発生させるため、現在行われている注水作業も難しくなり、1号機から5号機までが空焚きとなり、連鎖反応で次々に爆発する可能性も出てくる。そうすると、広島や長崎に落とされた原爆の何十倍、何百倍の放射性物質を放出することになり、原爆どころの騒ぎではなくなってくる。
被曝しても、ただちに症状が出るわけではないが、内部被曝の場合は、10年、20年、30年かけて人体に影響を及ぼすと言われている。このような危険な事故を起こす原発は、ただちに全廃しなければならない。
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小出裕章 |
フェアウィンズ・アソシエーツ社チーフエンジニア |
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