2007.11.09 (Fri)
カナダ・ワイナリー・ツアーその1:ボジョレー・ヌーヴォの異常人気は日本だけ
今年は11月15日が11月の第3木曜日で、ボジョレー・ヌーヴォの解禁日になる。フランスのボジョレー・ヌーヴォは10月に収穫されたガメイ種の葡萄を特別な製法を用いて早く発酵させて作られるそうだ。ボジョレー・ヌーヴォは、ほとんどが赤なんだけど、中にはシャルドネ種から作られる白ワインもあるらしい。

フランスのブルゴーニュ地方・ボージョレー地区でその年に採れたぶどうで造った新酒ワインだけが「ボジョレー・ヌーヴォ」と呼ばれるため、カナダ産の同じガメイ種の葡萄からできたワインは「ガメイ」とか「ガメイ・ノアール」と呼ばれている。英語ではGamayでギャメイと発音される。
日本人はボジョレー・ヌーヴォが好きだと評判があったのか、私が働いていたワイナリーでは日本人観光客にはこのガメイ・ノアールを赤ワインとしてサービスしていた。
でも、はっきり言って、飲みごたえのあるフル・ボディなワインが好きな私の好みではない。あまりにも軽すぎて、コクもなくて、フルーティなだけがとりえのワインだからだ。水のようにがぶ飲みできてしまうし(笑)。日本人がなぜここまでボジョレー・ヌーヴォにこだわるのかとというと、日本人は季節感を大切にし、「初物」を珍重する人種だからだろう。その上、ヨーロッパからの舶来品という感覚がいまだにあるからに違いない。日本人にとっては車もそうだが、品質は関係なく、国産よりも外国産の方が価値が高いと見る傾向があるようだ。
ボジョレー・ヌーヴォのブームが始まったのはバブルで日本経済が潤っていたときだった。それまで殆ど注目されていなかったブルゴーニュの田舎の安ワインがフランスの醸造家と売国奴広告会社「電通」のマジックによって、日本人はボージョレーがお洒落で高級な飲み物であるかのように洗脳されてしまったのだ。その頃はたった5~600円しかしなかったワインが日本では1万円近くもの値段で売られていたのである。
それでもバブル崩壊後は「ボジョレー・ヌーヴォ・ブーム」は下火になったようで、ボジョレーも高級なワインから庶民のワインへと様変わりしただろうか。しかしながら、経済がここまで悪化している今でもボージョレー解禁の時期には他のものが空輸しにくくなるほど多量のボジョレー・ヌーヴォを輸入する日本って?他にももっと美味しいワインはたくさんあるのにさ。
前置きが長くなってしまったが、今日はボジョレー・ヌーヴォ以外にもこんなにいろいろなワインがあるよという宣伝も兼ねて、とてもローカルな話題でも。二日ほど前に書こうと思った"Taste the Season"というナイアガラ・オン・ザ・レイクのワイナリーでのイベントについて紹介したい。

日本語に訳せば、「季節を味わおう」ということになるんだろうが、ナイアガラ・オン・ザ・レイクのワイナリーが11月の週末に企画したチャリティーのワイナリーツアーのパスを$40で買うと、17ヶ所のワイナリーでワインとフード・ペアリング(ワインとそれに合ったおつまみのようなもの)が楽しめるというもの。この収益は恵まれない人に寄付される。期間は11月の週末ということになっており、4週ある土・日のうちの1週の土・日しか選べない。時間は午前11時から午後5時まで。
私は第一週目を選んで友達と一緒に2日間で17ヶ所のワイナリーでフード・ペアリングを楽しんできた。
まず、第一日目の土曜日にまわった8ヶ所のワイナリーでのフード・ペアリングは次の通り。
1.ジャクソン・トリグズ
Jackson-Triggs 2005 Jackson-Triggs Proprietors' Reserve Meritage – Braised Beef Short Rib Stew

ショート・リブのビーフシチューっていうからカップでビーフシチューをいただけるのかと思っていたら、舟のような形のとんでもなく小さなものだったのでがっかり(汗)。でも、とても美味しかった。

一般の訪問者とは別の部屋へ案内され、VIP感覚を味わった。

テラスからは、一面に広がる紅葉した葡萄の木が望めた。

会議室のような部屋。

一階の入り口にある大きな暖炉。
2.ジョゼフズ・エステイト・ワインズ
Joseph’s 2002 Cabernet Merlot – Peanut Butter Toblerone Cheesecake
写真を撮るのを忘れちゃった。あまり印象のワイナリーだったけど、ピーナツバターチーズケーキが最高においしかった。でもあまりに甘すぎたせいか、ワインがとても酸っぱく感じた。
3.ピリッテリ
Pillitteri Pillitteri Estates Unoaked Chardonnay – Tartlet of Brie de Meaux with Quince preserve

やはり、2階の席に案内されて特別な気分を味わったのはいいけど、建物がなんとなく安っぽかったので、ジャクソン・トリグズでのようなVIP感はあまり感じなかった。でも、クインスのタルトはボリュームもあり、その点ではまあまあだったかな。

窓から下をみたら、夏にブドウ畑などをツアーするときに乗るのであろう面白いトレイラーがとまっていた。
4.サニーブルック・ファーム
Sunnybrook Spiced Apple Wine – Apple Cheese Tartlet
このワイナリーはチェリー、アップル、アプリコットなどのフルーツワインが豊富に揃っていて、普通のワイナリーとはちょっと違った雰囲気がある。でも、この日のスパイスの効いたアップルワインは写真を撮るのを忘れるほど、まずかった。で、タンクも普通はステンレススティールや木を使うんだけど、プラスチック製だったのが印象を悪くしちゃったかも。アップルチーズタルトが甘すぎたのもワインがまずく感じられた一因だろう。
5.ストゥルーン
Strewn Strewn Gewurztraminer "Terroir" – Carmelized Onion Tart

グヴルツトラミーナはいまひとつ風味に欠け、キャラメル化された玉ねぎのタルトも温かかったらもっとおいしかったかもしれなかった。全体の配色といい、カーペットが敷かれたワインバーのデザインはちょっと時代遅れな雰囲気だった。今はほとんどが木かタイルか石造りの床でモダンになっているのに。
6.コンツェルマン
Konzelmann 2006 Zweigelt Reserve –Roasted tortilla goat cheese wraps with cracked black pepper & tarragon

ズワイゲルトがカナダで作られているとは。スパイスが効いていてなかなか美味しかった。あら挽き黒胡椒とタラゴンのソースがかかったヤギのチーズラップのローストは名前負けしているという感が強かった(笑)。

入り口はとても仰々しかった。私はこういったつくりが好きなんだけど。

ドイツ系のワイナリーであり、外装は昔のお城風?

最近リノベーションしたばかりのコンツェルマンの内装は、ストゥルーンと対照的で、これまで行った中でも最も近代的なワイナリーの一つだった。

ズワイゲルトが美味しかったので、これはいけると思い、他にもいくつか種類のワインを飲んで見た。2004年ピノ・ノアールと2006年カベルネ・フランクと2006年シラーズととても珍しいシラーズから作られた赤アイスワイン。テーブルワインはどれも値段も安いし、美味しかった。アイスワインはちょっと味が薄かった。
7.パラタイン・ヒルズ
Palatine Hills 2006 Riesling Traminer – Mango Sorbet in a Pastry Cup
コンツェルマンで飲みすぎて、酔いがまわってきたため、ワインとマンゴシャーベットの写真を撮り忘れた。このエントリーの一番上の樽が並んだ写真はここでとったもの。リースリングとグヴぇルツトラミーナをブレンドしたワインはあまり特徴がなかった。マンゴシャーベットは美味しかったけど。
8.ストーンチャーチ・ヴィンヤーズ
Stonechurch Vineyards 2004 Vidal Icewine – Icewine drizzled Berries & Cream.
アイスワインの写真を撮るのを又忘れた。だいぶ酔いがまわってきちゃったのかな?(笑)

かなり古い造りのワイナリーだったけど、ワインやワイングラスの値段がとても安かった。普通は一つ45ドルくらいするReadelのピノノアールのクリスタルグラスが29ドルだった。ワインも面白いデザインのグラスの2006年のリースリングがとても美味しくて15ドル以下だったので、1ケース買いたいくらいだった。
長くなったので今日はこの辺で。2日目のツアーは又後ほど。
いつも応援してくださる皆様へ、
このところFC2ブログランキングの順位が上がってきました。ランキングの応援ありがとうございます♪多分、仕事がなくなって以前よりブログに時間が費やせることができるようになったせいもあると思います。
又、にほんブログ村のカナダ情報でも引き続き一位をキープできています。これからも引き続き応援宜しくお願いいたします。


フランスのブルゴーニュ地方・ボージョレー地区でその年に採れたぶどうで造った新酒ワインだけが「ボジョレー・ヌーヴォ」と呼ばれるため、カナダ産の同じガメイ種の葡萄からできたワインは「ガメイ」とか「ガメイ・ノアール」と呼ばれている。英語ではGamayでギャメイと発音される。
日本人はボジョレー・ヌーヴォが好きだと評判があったのか、私が働いていたワイナリーでは日本人観光客にはこのガメイ・ノアールを赤ワインとしてサービスしていた。
でも、はっきり言って、飲みごたえのあるフル・ボディなワインが好きな私の好みではない。あまりにも軽すぎて、コクもなくて、フルーティなだけがとりえのワインだからだ。水のようにがぶ飲みできてしまうし(笑)。日本人がなぜここまでボジョレー・ヌーヴォにこだわるのかとというと、日本人は季節感を大切にし、「初物」を珍重する人種だからだろう。その上、ヨーロッパからの舶来品という感覚がいまだにあるからに違いない。日本人にとっては車もそうだが、品質は関係なく、国産よりも外国産の方が価値が高いと見る傾向があるようだ。
ボジョレー・ヌーヴォのブームが始まったのはバブルで日本経済が潤っていたときだった。それまで殆ど注目されていなかったブルゴーニュの田舎の安ワインがフランスの醸造家と売国奴広告会社「電通」のマジックによって、日本人はボージョレーがお洒落で高級な飲み物であるかのように洗脳されてしまったのだ。その頃はたった5~600円しかしなかったワインが日本では1万円近くもの値段で売られていたのである。
それでもバブル崩壊後は「ボジョレー・ヌーヴォ・ブーム」は下火になったようで、ボジョレーも高級なワインから庶民のワインへと様変わりしただろうか。しかしながら、経済がここまで悪化している今でもボージョレー解禁の時期には他のものが空輸しにくくなるほど多量のボジョレー・ヌーヴォを輸入する日本って?他にももっと美味しいワインはたくさんあるのにさ。
前置きが長くなってしまったが、今日はボジョレー・ヌーヴォ以外にもこんなにいろいろなワインがあるよという宣伝も兼ねて、とてもローカルな話題でも。二日ほど前に書こうと思った"Taste the Season"というナイアガラ・オン・ザ・レイクのワイナリーでのイベントについて紹介したい。

日本語に訳せば、「季節を味わおう」ということになるんだろうが、ナイアガラ・オン・ザ・レイクのワイナリーが11月の週末に企画したチャリティーのワイナリーツアーのパスを$40で買うと、17ヶ所のワイナリーでワインとフード・ペアリング(ワインとそれに合ったおつまみのようなもの)が楽しめるというもの。この収益は恵まれない人に寄付される。期間は11月の週末ということになっており、4週ある土・日のうちの1週の土・日しか選べない。時間は午前11時から午後5時まで。
私は第一週目を選んで友達と一緒に2日間で17ヶ所のワイナリーでフード・ペアリングを楽しんできた。
まず、第一日目の土曜日にまわった8ヶ所のワイナリーでのフード・ペアリングは次の通り。
1.ジャクソン・トリグズ
Jackson-Triggs 2005 Jackson-Triggs Proprietors' Reserve Meritage – Braised Beef Short Rib Stew

ショート・リブのビーフシチューっていうからカップでビーフシチューをいただけるのかと思っていたら、舟のような形のとんでもなく小さなものだったのでがっかり(汗)。でも、とても美味しかった。

一般の訪問者とは別の部屋へ案内され、VIP感覚を味わった。

テラスからは、一面に広がる紅葉した葡萄の木が望めた。

会議室のような部屋。

一階の入り口にある大きな暖炉。
2.ジョゼフズ・エステイト・ワインズ
Joseph’s 2002 Cabernet Merlot – Peanut Butter Toblerone Cheesecake
写真を撮るのを忘れちゃった。あまり印象のワイナリーだったけど、ピーナツバターチーズケーキが最高においしかった。でもあまりに甘すぎたせいか、ワインがとても酸っぱく感じた。
3.ピリッテリ
Pillitteri Pillitteri Estates Unoaked Chardonnay – Tartlet of Brie de Meaux with Quince preserve

やはり、2階の席に案内されて特別な気分を味わったのはいいけど、建物がなんとなく安っぽかったので、ジャクソン・トリグズでのようなVIP感はあまり感じなかった。でも、クインスのタルトはボリュームもあり、その点ではまあまあだったかな。

窓から下をみたら、夏にブドウ畑などをツアーするときに乗るのであろう面白いトレイラーがとまっていた。
4.サニーブルック・ファーム
Sunnybrook Spiced Apple Wine – Apple Cheese Tartlet
このワイナリーはチェリー、アップル、アプリコットなどのフルーツワインが豊富に揃っていて、普通のワイナリーとはちょっと違った雰囲気がある。でも、この日のスパイスの効いたアップルワインは写真を撮るのを忘れるほど、まずかった。で、タンクも普通はステンレススティールや木を使うんだけど、プラスチック製だったのが印象を悪くしちゃったかも。アップルチーズタルトが甘すぎたのもワインがまずく感じられた一因だろう。
5.ストゥルーン
Strewn Strewn Gewurztraminer "Terroir" – Carmelized Onion Tart

グヴルツトラミーナはいまひとつ風味に欠け、キャラメル化された玉ねぎのタルトも温かかったらもっとおいしかったかもしれなかった。全体の配色といい、カーペットが敷かれたワインバーのデザインはちょっと時代遅れな雰囲気だった。今はほとんどが木かタイルか石造りの床でモダンになっているのに。
6.コンツェルマン
Konzelmann 2006 Zweigelt Reserve –Roasted tortilla goat cheese wraps with cracked black pepper & tarragon

ズワイゲルトがカナダで作られているとは。スパイスが効いていてなかなか美味しかった。あら挽き黒胡椒とタラゴンのソースがかかったヤギのチーズラップのローストは名前負けしているという感が強かった(笑)。

入り口はとても仰々しかった。私はこういったつくりが好きなんだけど。

ドイツ系のワイナリーであり、外装は昔のお城風?

最近リノベーションしたばかりのコンツェルマンの内装は、ストゥルーンと対照的で、これまで行った中でも最も近代的なワイナリーの一つだった。

ズワイゲルトが美味しかったので、これはいけると思い、他にもいくつか種類のワインを飲んで見た。2004年ピノ・ノアールと2006年カベルネ・フランクと2006年シラーズととても珍しいシラーズから作られた赤アイスワイン。テーブルワインはどれも値段も安いし、美味しかった。アイスワインはちょっと味が薄かった。
7.パラタイン・ヒルズ
Palatine Hills 2006 Riesling Traminer – Mango Sorbet in a Pastry Cup
コンツェルマンで飲みすぎて、酔いがまわってきたため、ワインとマンゴシャーベットの写真を撮り忘れた。このエントリーの一番上の樽が並んだ写真はここでとったもの。リースリングとグヴぇルツトラミーナをブレンドしたワインはあまり特徴がなかった。マンゴシャーベットは美味しかったけど。
8.ストーンチャーチ・ヴィンヤーズ
Stonechurch Vineyards 2004 Vidal Icewine – Icewine drizzled Berries & Cream.
アイスワインの写真を撮るのを又忘れた。だいぶ酔いがまわってきちゃったのかな?(笑)

かなり古い造りのワイナリーだったけど、ワインやワイングラスの値段がとても安かった。普通は一つ45ドルくらいするReadelのピノノアールのクリスタルグラスが29ドルだった。ワインも面白いデザインのグラスの2006年のリースリングがとても美味しくて15ドル以下だったので、1ケース買いたいくらいだった。
長くなったので今日はこの辺で。2日目のツアーは又後ほど。
いつも応援してくださる皆様へ、
このところFC2ブログランキングの順位が上がってきました。ランキングの応援ありがとうございます♪多分、仕事がなくなって以前よりブログに時間が費やせることができるようになったせいもあると思います。
又、にほんブログ村のカナダ情報でも引き続き一位をキープできています。これからも引き続き応援宜しくお願いいたします。

| HOME |