2011.12.09 (Fri)
早川由紀夫教授への訓告と研究室での記者会見を禁じた群馬大学
この「Speedi」の情報が早く公開されていれば、被曝を避けられた人は、かなりの数にのぼるだろう。
日本政府や東電が放射能分布図を隠匿し続けたため、当時の国民は放射能がどのように分散しているのか全く検討がつかず、恐怖と不安の日々を過ごした。そこで、群馬大学で火山の地質学を専門とする早川由紀夫教授は、火山灰に関する専門知識を応用して福島第一原発から放出された放射能の分布図を作り、独自に公開してきた。武田邦彦氏らによって紹介され、早川教授の放射能分布図は、広く世間に浸透していった。それと同時に早川教授が勤務する群馬大学の知名度も上がっていった。つまり、群馬大学は、早川教授によってはかりしれない恩恵を受けているわけだ。
それなのに、Twitterに個人的な意見を書き込んだという理由で、群馬大学は、早川教授を訓告処分とした。問題となったのは、「セシウムまみれの干し草で毒牛を作る行為もセシウムまみれの水田で毒米を作る行為もサリンを作ったオウム信者と同じ」という書き込みと思われる。
多少、過激な表現はあるが、真実であり、大学教授だからといって、Twitterに個人的な意見を書き込んではいけないという原則はないし、私生活での行動まで大学に制約される筋合いはないのである。
その上、早川教授が午後2時から4時まで年休をとって大学の研究室で記者会見を開こうとすると、学部長と事務長が飛んできて、早川教授が年休を取っていることを理由に研究室を使うことを禁じた。これもまた、年休をとっているからといって、研究室の使用まで禁じられたらたまったものではない。学部長は、最終的に部屋の暖房と電気を消すという条件で、部屋を使う許可を出した。なんとせこいのだろう。というか、2時間の記者会見にかかる研究室の照明代と暖房費なんて十円にも満たないだろう。ただのいやがらせとしか思えない。
早川由紀夫訓告記者会見中止命令(上)
早川由紀夫訓告記者会見中止命令(下)
あらすじ】2011年12月8日、群馬大学当局から訓告を受けた早川教授の記者会見は、教室の使用を取り消され、2時間の年休を取って研究室で行おうとするも、学部長の妨害工作が続いた。小池啓一学部長と背後に戸澤事務長の布陣です。
そして、その後、無事に記者会見は開かれた。
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2011.12.08 (Thu)
福島の除染は「白い象」byニューヨーク・タイムズ
福島第一原発事故後の除染を「白い象」に喩えているのが、「Japan Split on Hope for Vast Radiation Cleanup(広域にわたる放射能除染に対して日本が賛成派と反対派に分裂)」と題された12月6日付けのオンライン『New York Times』だ。マーティン・ファクラー氏は、記事の中では、福島第一原発事故後の除染作業をめぐる日本での議論を紹介しながら、除染は、「日本再生」を暗示するには違いないが、一方で、除染には莫大な費用がかかるため、これからの20年間、日本は、除染による浪費によって経済成長を停滞させ、津波・大地震の災難後、もうひとつの経済的大災難を迎えるだろうと予測している。
この記事の冒頭では、現代のゴースト・タウン化した双葉町を描写しているがそれが実に生々しい。
「災害に向けて螺旋状に始まった双葉町の境にある原子炉から逃げた住民によって3月に放置されてから、伝統的な木の家がたるみ、崩れ始めた。地震によってダメージを受けた屋根には雨が入り込み、内部から家を浸食し腐り始めている。
空虚な町への入り口への道路のアーチ型の看板が愚弄して見える。そこには、
「原発エネルギー:正しい理解が生活を繁栄させる。」と書かれていた。」
以下、記事前半を和訳。
双葉町から避難した住民は、福島第一原子力発電所が、セシウムやヨウ素を放出したとき、原発から20キロ以内、そして汚染された北西の地域に住んでいた9万人の人々の一部だ。
今、日本は、避難者を家に戻すために、莫大で前例のない除染を計画している。もし、試験的な除染が効果的であった場合は、将来の日本を勝ち取るために、その地域に人々を戻すかどうかの議論が活発に交わされている。除染支持者たちは、その地域を復興させることは、日本の恐るべき決意と優れた技術を世界にしらしめるいい機会であり、又、同時に、日本はいまだに巨大な力をもっていることの証となると見ている。
除染支持者にとって、除染は、「日本再生」の暗示なのだ。
これに対し、除染反対派は、福島県除染の努力は、恐らく日本史上最大の浪費公共事業プロジェクトに終わる可能性があり、これからの20年間、日本は、除染による浪費によって経済成長を停滞させ、津波・大地震の災難後、もうひとつの経済的大災難の例となるであろうと批判している。
原発事故以来、今のところ、日本政府は、時期尚早に危険を見逃し、大惨事の影響を過小評価している。すでに試験的除染は始まっている。政府は地域の住民が汚染された庭や野原から何トンという土壌を保管するのをいやがることを予想できなかった。
町の近郊地域の除染の結果を検査した放射線専門技師は、長期の居住では、国際安全基準を超えて被曝することを明らかにした。
地域復興の能弁な支持者でさえ、政府が住民の苦境をどこまで理解しているかわからないと言う。
「(除染によって)福島を救うのは可能だと思う。しかし、避難住民は、それが生きているうちに叶うと思ってはいけない。」と東京大学のアイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授は語った。
専門家は、莫大なスケールの除染からすると、数千の建物から放射性物質が洗浄され、米国のコネティカット州並みの広さの地域で多くの表土を交換された後、住民は初めて自分の家に戻ることができるとみていると説明した。
山々の森林も樹木を切断するなどして、除染する必要がある。
旧ソビエト連邦では、福島よりも大きい唯一の災害であった1986年のチェルノブイリ原発事故の後、そこまで大規模な除染はされなかった。その代わり、旧ソビエトは、30万人の人々を移動させ、広大な農地を放棄させた。
多くの日本政府関係者は、そんな贅沢はできないと信じている。放射能汚染地域は、人口密度の高い日本国土の3%を占めている。
「私たちはチェルノブイリとは違う。私たちは、家に帰ることを決定された。日本には住民を帰らせる意志と技術がある。」と大熊町の渡辺利綱町長(64歳)は語った。
家族が19世代も大熊町に住んでいるという渡辺氏のように、地方に住む日本人は家に深い執着があるという点も、(住民を帰宅させるという)解決法に反映されている。彼らの心からの家に帰りたいという切望は、日本中から多くの同情を集めており、彼らの(家に戻りたいという)願いに反対するのは難しい。

写真:Ko Sasaki for The New York Times
池田みつえさんは、福島の家には絶対に帰りたくないと言った。特に、医療検査で、彼女の8歳になる息子、ゆうま君がセシウムで内部被曝してしまったことがわかった後は。
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2011.10.25 (Tue)
クリス・バズビー博士の警告
髪からプルトニウム検出可能!髪を冷蔵保管して下さい!バズビー(字幕)
「新しい時代を作るのは老人ではない。」 -原発・放射線関連動画日本語訳
髪からプルトニウム検出可能! 髪を冷蔵保管して下さい! バズビー博士9/30(日本語訳)
*概要*
・バズビー博士は、今後、日本政府や東電に対して、放射線による発病を被害者が原告として提訴する際に、その証拠として【ジップロック方式で自分や家族の髪の毛を保存し、髪が伸びた期間の居住場所、日時を記載し、冷蔵保管する】事を提唱。
・ホールボディ・カウンターでは、セシウムしか計測出来ず、政府は健康被害は無いと主張するでしょう。なぜなら、プルトニウム、ウラン、コバルトなどは、計測不能だからです。
・しかし、髪の毛を保存しておけば、そこからプルトニウム、ウラン等他の放射性物質各種が検出できるので、証拠保存すべきです!
次の動画は、ちょっと雑音がうるさい。気になる方は、音声を消して、字幕だけお読みいただければと思う。
カルシウム,マグネシウムで放射性物質の体内侵入防止! バズビー(字幕)
「新しい時代を作るのは老人ではない。」 -原発・放射線関連動画日本語訳-より
カルシウム,マグネシウム・サプリメントで放射性物質の体内侵入防止! Dr.バズビー 10/16
<概要:日本語訳>
クリストファー・バズビー博士が、ストロンチウム90、ウラン、プルトニウムが広がった東北日本の汚染によるダメージのリスクを、どの様に減らすかを語ります。
先ず総ては、子供と自身がそこから疎開することです。
土壌と食物の汚染は、深刻な健康への危険なのです。
車の空気フィルターの解析でわかったのは、土壌の汚染物質が、風に舞い始め、呼吸で吸入してしまうのです。
もし、あなたが出来るのなら、そこから退避して下さい! しかし、疎開出来ないとき、それでも、この放射性物質のDNAへの影響を減らすことが出来るのです。
これは、基本的な物理化学です。カルシウムの集中摂取を増やし、(カルシウムは、DNAリン酸骨格を安定化させます。)ストロンチウム、ウラン、プルトニウムや他の高DNAPの親和力要素と複合イオンのような放射性核種の平衡結合を抑制します。
ヨウ素の甲状腺への侵入を防止する方法は、同じ熱力学の化学平衡の考え方に基づいています。
多くのウェブサイトで、彼のアイデアに基づいた薬を販売しており、更に多くのサイトが準備されていますが、しかし、それは簡易な錠剤です。
バズビー博士は、健康食品店で購入するカルシウム、マグネシウム錠剤は、より安価ですと語っています。
大人の1回分は、約800mgのカルシウムと350mgのマグネシウム摂取です。
子供は、体格と体重に合わせて、1回分を減らします。10歳では、約400mgのカルシウムと175mgのマグネシウム摂取です。
このことは、重大な問題です。それは命を救うでしょうし、とても簡単で絶対に無害です。
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2011.10.12 (Wed)
奥多摩でセシウム、横浜でストロンチウムが検出される

東京都内の地表面へのセシウム134、137の沈着量の合計を示す汚染マップ

東京都の高さ1メートルの空間線量率を示す汚染マップ
小出裕章教授がこの状況について、詳しく述べられている。
10月11日 東京奥多摩セシウム10万Bq汚染、除染必要地域は日本の3%など 小出裕章(MBS)
2011年10月12日
番組内容文字おこし『ざまあみやがれ』より一部抜粋
水野「まずですね。セシウムの汚染について伺いますが」
小出「はい」
水野「文部科学省が、放射性セシウムが土壌にどれだけ蓄積されているかと、いうことをずうっと調べておりますね」
小出「はい」
水野「東日本について各県ごとに次々に発表してきて、先日東京都の値も公表されました」
小出「はい」
水野「そのマップをみて、わたくしもびっくりしたんですがねえ」
小出「はい」
水野「奥多摩町の山間部、一部ですけれども。6万ベクレルから10万ベクレル検出されたという話なんですね」
小出「はい」
水野「ただ、奥多摩町って250キロも福島第一原発から離れているそうで」
小出「はい」
水野「こんな遠い東京都で最大10万ベクレルという数値についてどうお感じになりますか」
小出「まあ、ようするに、風向きがどうであったかということ、だけに寄っている、のですね。で……、奥多摩を襲った放射物質というのは、始め北西に流れて、飯舘村などを猛烈な汚染地帯にしたその風邪だったと思います。それが福島県の中通りを通って、逆になんかをしてきまして、まあ山、山に挟まれた谷あいですね、そこをずうっと汚染をしながら栃木県群馬県まで汚染を広げて、その一部が、東京都を回りこむような形で奥多摩まで届いたという、道もそのように見えます」
水野「はあー……。葛飾区や江戸川区の一部ではですね、1万ベクレルから3万ベクレルという数値も出てきています」
小出「はい」
水野「これたしか、チェルノブイリでは汚染地域に指定されるのが……どれからでしたっけ?」
小出「えー……、強制避難させられたのは55万ベクレル、です。それで本来法律的に無人にしなかればいけないのは、当時ですと、1平方メートルあたり3万7000、現在はそれを丸めて4万という数字です」
水野「4万。3万7000から4万という数字」
小出「はい」
水野「今、申し上げた葛飾区や江戸川区の一部で、ま、最大3万ベクレルという数値もでてきておりますが。東京都は健康に影響があるレベルではない、というふうに言ってます」
小出「はい」
水野「これはどう受け取ったらよろしいですか?」
小出「えー……、呆れた話だと思います。」
さらに、横浜では、基準値を大幅に上回るストロンチウムが検出された。これまでもストロンチウムは福島原発事故以降、飛散していたのだろうが、政府が首都圏での放射線の数字を隠してきたため、知られていなかっただけだと思う。日本の御用学者によると、プルトニウムやストロンチウムは重いので首都圏までは飛散しないだろうと言われていたが、クリス・バズビー博士らによって、すでに、千葉でストロンチウムは車のフィルターから検出されていた。もし、それが福島から飛散してないとしたら、千葉や横浜でのがれき処理の際に生じたものであろう。
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2011.07.21 (Thu)
風評被害を乗り越えた香港と拡散する菅政権

放射能汚染によって、日本の食文化は国内外問わず、存続の危機に晒されている。海外では風評被害で閉店してしまった日本食レストランも少なくないという。私もこんなときだからこそ、ワイナリーを辞めて、ナイアガラの日本食レストランの新しい企画を手伝うことにした。日本人として、風評被害などで日本の食文化を失いたくないし、日本の食文化はこれからも多くの人々に広めていく必要があると思ったからだ。
中国からの旅行客急増で景気が絶好調な香港でも、日本食は大人気で日本食レストランは急速に増えていたが、福島原発事故以来、それまで大人気だった日本産食材への信頼が瓦解し、汚染のリスクを懸念した香港人グルメも蜘蛛の子を散らしたように日本食レストランから逃げてしまったそうだ。
事故直後の3月、4月は売上高が前年比で50%減、ひどい場合は80%減という状況が続き、高い家賃負担に耐えられず、倒産してしまった日本食レストランも少なくなかったが、7月になると、意外にも風評被害を乗り越え、いまでは震災前よりも売り上げが増えてしまったという店もでてくるくらい、日本食レストランは活況を呈しているという。
そのきっかけとなったのが香港政府も巻き込んだ「愛 日本料理!50%優恵 100%安心」キャンペーンで、香港の有名な日本食レストランの経営者が中心になって、香港政府からキャンペーンへの資金援助まで引き出したとか。
そのキャンペーンの内容は、例えば、毎週水曜日、キャンペーンに加盟した日本食レストランでは、「刺身」や「アルコール」や「定食」など、メニューの中から何かを50%オフセールする。しかもそこで使用される日本産食材は、通関時の検疫できちんと放射能チェック済みのものばかりだから100%安心ですよという趣旨を、テレビや新聞などのマスメディアを通じて大量に流したのだ。また「愛 日本料理!」キャンペーンの公式ホームページを作り、参加した270店のどこにいけば、どんなメニューが50%オフなのかが、WEB上ですぐ分かるサービスも用意したという。
好きなものが安心できる品質で、安い値段で食べられたら、風評被害などものともしないだろう。これももちろん、政府を信頼できて初めてなせる業だとは思うが・・・・。香港の実業家によるこの画期的なアイディアと実行力に拍手を贈りたい。
一方の日本ではどうだろうか。最近では、セシウム汚染した稲わらを食べて放射能汚染した疑いのある和牛の肉が東北で大量に見つかり、全国に流通してしまったというニュースを聞いて、暗澹たる気持ちになった。原発事故直後には、放射能汚染した牛乳が話題になっていた。その時点で、牛肉も汚染されていたのはわかりきっていただろう。それなのに、なぜ、全国に流通して人々が汚染牛を口にした後にこのようなニュースが騒がれるのか。
政府は汚染牛乳が見つかったときに、直ちに厳重な牛肉の検査をするべきだった。それをせずに牛肉を全国に流通させたのは、政府の対応が遅れたからだ。これだけ対応が遅れた裏には、故意に流通させた疑いもある。東北の農家への保証金を倹約するためだ。
又、今は牛肉だけがクローズアップされているが、稲わらだけでなく、家畜用の飼料にも放射能汚染は広がっているはずだ。そのうち、汚染された鳥や豚が見つかるだろう。
日本国内の場合は、どの食品が汚染されていてどの食品が汚染されていないのかを見極めるのが難しい。スーパーなどでは、福島産の野菜などは明記されて値下げされているそうだが、放射能汚染されているのは、福島だけだはなく、東北一帯から静岡などの関東や関西地方にまで広がっている。
香港の実業家が一致団結して風評被害を乗り越えたのに対して、日本政府や菅政権は、情報を隠匿して国民の信頼をなくし、汚染食品だけではなく、風評被害を広めている。この風評被害によって、東北を初め関東一円の農家は大損害を被った。汚染牛乳が見つかった時点で厳重な検査をしておけば、牛肉の放射能汚染を見落とすことはなかっただろうし、農家に迅速に保証金を支払えば、農家がこのような被害を被ることもなかったであろう。又、日本中に放射能汚染の牛肉を流通させることもなかったのだ。
汚染された食品が市場に見境なく出回っている今、消費者ができることは、放射能から体を守る食べ物をなるべく多くとることだ。下のサイトは、放射能を取り込む前に食べておくべきミネラル類や、取り込んでも排出しやすい体を作るという食べ物について調べてまとめてあり、とても参考になる。このサイトをご紹介いただいたAkikoさん、ありがとう。
放射能汚染された食品はなるべくなら食べないのが一番だが、知らずに食べてしまったり、情報がなく汚染されている食品と汚染されていない食品の区別がつきにくいことが多い。そんなときに読んでおけば少しは安心できる。政府の言うことが全く信用できない今、自分で自分の健康を守るしかない。
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2011.03.21 (Mon)
放射線物質の食物への影響
野菜から放射線物質が検出されたからといって、何も恐れることはない。英語の文献を読む限り、野菜に関しては、原発事故の前に植えられたものなら、よく洗えば放射性物質を洗い流すことができ、食べても健康に害を及ぼす心配はないという。
ただ、原発事故後に放射性物質が含まれた土壌に植えられて育った野菜は、ヨウ素を初め、半減期が長く人体への影響が大きいセシウム、ストロンチウムなどの放射線物質を含むため、洗っても、効果がない。また、同様に、私たちが、放射線で汚染された牧草や飼料を食べた牛のミルクを飲んだりすると、放射性物質を体内に入れることになり、免疫システムが破壊され、健康を維持する上で大きなリスクとなる。
つまり、原発事故直後に放射性物質で汚染された野菜は、健康に害を及ぼすことはないが、今後、放射性粒子に汚染された土壌で育つ野菜は、放射性物質を含み、健康に害を及ぼすことになる。特に乳幼児や子供たちにとって、放射性物質は甲状腺に「チロキシン」という「成長ホルモン」として蓄積され、「体内被曝」をもたらすため、非常に有害だ。
現在、原子炉を冷却するために使用された大量の海水は、原子炉を巡回したときに放射性物質に汚染されている恐れがあるので、それがそのまま海に垂れ流されるとしたら、福島原発近海の深刻な海水汚染が予測される。大量の放射性物質を含んだ海水で育つ魚介類を食べることによる健康障害は、計り知れないものがあるだろう。
放射線物質の中で、ヨウ素は甲状腺に集積しやすく、甲状腺がんを発生させる可能性が高い。ストロンチウムは血液を作る骨髄に集まるため、白血病などになるリスクがある。セシウムは全身に行き渡る性質があり、さまざまながんを誘引する一因となる。被ばくしてがん細胞が作られても、発症するのは約20~30年後になると言われている。
ヨウ素、ストロンチウム、セシウム、プルトニウムの半減期(「原子」の数が半分になるまでの時間)は下記の通り。
(主な放射性物質の半減期より)
放射性物質の名称: 半減期
ヨウ素-131: 8日
ストロンチウム-90: 29年
セシウム-137: 30年
プルトニウム-239: 2万4千年
例えば、チェルノブイリ原発事故の後、多くの甲状腺がんの症例がベラルーシやウクライナに住む子供や大人に見られたのは、事故後4年が過ぎてからだった。事故のときに15歳以下だった子供から見つかった甲状腺がんの件数は、2002年7月までに、1800件にのぼり、この発生率は通常の生活での甲状腺がんの発生率に比べて明らかに高いと言われている。
また、米国ユタ州の南に位置するネヴァダでも、核実験が行われ、その後、ごく少量の放射性粒子に汚染された土壌で育った草を牛が食べ、その牛乳を母親が飲んで、母親の母乳を幼児が飲むことによって、甲状腺がんや子供の精神遅滞が高い確率で起こったという報告もある。科学者による研究によると、これまでに、核実験に起因するがんは、11,000件が全米で見つかったという。
万一被曝した場合、原発事故後、1ヶ月間、安定ヨウ素剤を服用することで、放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれるのを防ぐ効果があるといわれている。米国ユタ州では、核実験が行われたのを知らなかったため、ヨウ素を服用していなかったという。
白血病やその他のがんに対する予防や治療は定かではない。
それにしても、世の中にはさまざまな人がいるようだ。これだけ人体への悪影響が懸念されている放射線について、米国の元コメディアンで、今は保守派作家のアン・クールターが、福島の原発事故を受けて『放射線についての煌くレポート』(A Glowing Report On Radiation)という著書を執筆。その中で、適度の放射線は体にいいなどとねぼけたことを書いている。
下の動画では、狂った馬鹿女、アン・クールターが、ピーター・シフ(Peter Schiff)の番組に出演して、放射線が体にいいことを主張している。
Ann Coulter Says 'Radiation Is Good For You' and Suggests Radiation-Bathing In Fukushima
番組で、狂ったクールターが、放射線で癌が治ったり、放射腺で汚染された鉄筋が使われた台湾のアパートに住んでいた住民は、ほとんど被害がなかったとか、避暑地のSPAでは、お金を払ってまで放射線を浴びる人がいるなどと述べた。そりゃ、放射線は放射線でも、違う種類の放射線だろと思わず誰もが突っ込みたくなるような話や、科学的根拠のない事象を述べているだけだった。福島原発事故で放出されている放射線とは全く別な話であるにもかかわらず、それをまるで原発の放射線が体にいいようなことを言っているので、あいた口が塞がらなかった。
それなら、ヲマエが福島原発に行って、その放射線の効果とやらを証明してくれとピーター・シフにつっこまれ、あたふたしていたアン・クールターは、雨が降ったからといって、自分が被曝するのを恐れて福島第一原発事故で被害を受けた人々への訪問を中止したバ菅と同じ種類の利己主義で情けない人間に違いないと思ったのだった。
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2011.03.12 (Sat)
福島第一原子力発電所のメルトダウンが起こらないことをただひたすら祈る
首相官邸
十分時間はありますので、落ち着いて行動してください。
福島第一原発半径10km圏の住民の方は避難してください。
福島第二原発半径3km圏の住民の方は避難してください。
福島第二原発半径3km~10km圏の住民の方は屋内に待機してください。
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沿岸部は津波の危険があるので近づかないでください。
車で移動している方はカーラジオを聞いてください。
官邸や東電では今何が起こっているのか、詳しく真実を説明するべきだ。すでに、3000人の人々が、理由もわからずに避難していると聞いている。CNNでも、日本政府から、放射性物質が漏れているのかいないのか全く説明がないことに首をかしげている。説明不足は、住民を必要以上に恐怖にさらす心配がある。人々は、海外のニュースからより詳しい説明を知ることになる。なんのために日本の報道機関があるのだろうか。こんなことをしていたら、政府に都合の悪いことを隠すためだけに存在すると言われても何もいえないだろう。
今回の大地震で、官邸の危機管理が全くできていないことが判明した。そして、世界からも批判されている。たいだい、東京は福島からほんの240キロメートルしか離れていないのであり、福島原発の原子炉がメルトダウンしたら、東京に住む人々にとっても決して他人事ではないのだ。
NHKニュースによると、地震で停止した福島第一原子力発電所1号機では、すでに核燃料棒を束ねた「燃料集合体」が水面の上、最大で90センチほど露出しており、そのままの状態が続くと燃料棒が壊れて放射性物質が漏れ出すおそれがある危険な状態になったそうだ。通常では、水位は、核燃料の上約5.3メートルもあるという。そして、一号機だけではなく、2号機もおなじような状態になるのは目に見えている。
現在、燃料棒を冷やす冷却剤の温度は100度となっており、(その後、温度が上がり続けているのか、下がっているのか全く不明)格納容器内の圧力がかなりあがってしまったため、その冷却剤の温度を下げるために、1号機と2号機の格納容器内の圧力を外部に逃がしている。柏崎刈羽原子力発電所を検査したことのある物理学者、ジェイムス・アクトン氏によると、このとき、少量の放射性物質が外に出るが、それはあまり心配する必要がないと言う。それよりも心配しなくてはならないのは、そのまま温度が上がり続け、格納容器内の温度が540度に達したとき、格納容器内の燃料棒がメルトダウンすることだと述べている。
「問題は、格納容器内の温度を下げられない場合、燃料棒が溶け出し、大量の放射能で環境が汚染される可能性があるということだ。そうすれば、長期間に及ぶ癌で人々は苦しむだろう。」とアクトン氏は語った。
ヒラリー・クリントン氏は、米時間金曜日(日本時間土曜日)に米空軍機で冷却剤を日本へ向けて送ったと発表したと米国のニュースは伝えている。一方で、空軍機で冷却剤が送られたという記録はない(記録を残さないように秘密裏に送られた可能性もある)というニュースもあり、この辺は定かではない。もし、冷却剤が米国から送られたなら、格納容器内の温度が540度になる前に、届くといいが、それでも、現在は、格納容器のすぐ近くにある弁を開く現場の放射線が強いことから作業を中止しているという。
日本の原発は、一応、耐震装備はされているけれども、大震災の危機に見舞われたとき、全く予想しないことが起きたときの危機管理はされていなかった。今回の地震で、人々は改めて、原発の恐ろしさを味わったことだろう。地震王国の日本が全国に55機の原発を抱える危険さを。
福島第一原発 燃料溶け出たか
3月12日 14時21分
経済産業省の原子力安全・保安院によりますと、福島第一原子力発電所の敷地内の1号機の周辺で、核分裂によって発生する「セシウム」という放射性物質が検出されたことから、1号機で炉心にある核燃料の一部が溶け出たとみていると発表しました。
福島第一 燃料一部露出のおそれ
3月12日 12時3分
原子力安全・保安院などによりますと、福島第一原子力発電所1号機では、原子炉を冷やす水の高さが下がり、午前11時20分現在で、核燃料棒を束ねた「燃料集合体」が水面の上、最大で90センチほど露出し、そのままの状態が続くと燃料棒が壊れて放射性物質が漏れ出すおそれがある危険な状態になったということです。このため、消火用にためていた水など、およそ27000リットルを仮設のポンプを使うなどして原子炉の中に流し込み、水の高さを上げるための作業を行っているということです。
福島第一原発 冷却水位が低い状態
3月12日 0時12分
東京電力の福島第一原子力発電所の2号機では、地震で自動停止したあと、非常用のディーゼル発電機が動かなくなるなどして原子炉を冷やせない状態で、核燃料を冷やす水の水位が低い状況が続いています。しかし、直ちに放射性物質が外に漏れたりする状況ではないということで、東京電力が復旧を急いでいます。
経済産業省の原子力安全・保安院が、11日午後11時すぎに記者会見したところによりますと、東京電力の福島第一発電所2号機は、地震で自動停止したあと、周辺の停電により、外部から電気を送ることができない状態になったうえ、2つある非常用のディーゼル発電機も動きませんでした。このため、原子炉を冷やせない状態になり、さらに、電気を使わない別の装置での冷却もできなくなり、原子炉を冷やす水が蒸発しました。その結果、核燃料を冷やす水の水位は、通常は核燃料の上およそ5.3メートルまでありますが、11日午後10時現在、およそ3.4メートルで、通常より2メートル近く低い状況が続いています。しかし、直ちに原子炉内の燃料が水の外に露出したり、放射性物質が外に漏れたりする状況ではないということです。東京電力は、福島第一原発に到着した電源車を原発に接続するなどの復旧作業を急いでいます。
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