2006.08.08 (Tue)
TBS問題:サブリミナル効果って本当?
これを見る限り、安倍の写真が映ったのは、ほんの一瞬であり、たんぽぽさんが「TBSの731部隊特集(2)」で述べられているようにサブリミナル効果をもたらしたとは決して言えないだろう。放送評論家の志賀信夫氏もサブリミナルっぽいと言っただけだが、たんぽぽさんが書かれていたサブリミナル効果の発端からすれば、サブリミナル効果とはほど遠いものだと思う。
『ほしあかりをさがせ』のデルタさんと∀zumaさんがサブリミナル効果についてコメントして下さったので、そのやりとりを紹介しよう。
デルタさん:
だいいち「サブリミナル効果」の定義から外れています。
はじめまして。
この件で煙を立てて煽っている人たちには、もうちょっと言葉の意味を調べてからいって欲しいものです。
5秒も映ったら、サブリミナル効果の定義から外れます(暗喩、のカテゴリーになるかな、と)サブリミナル効果とされるものは、目には映っているはずだけど、意識下に乗らないほどのスピード(1~2/24秒)で、関係のないコマを差し込むようなものをいいます。
∀zumaさん:
デルタさん、プライミング効果をご存知ですよね
どっちにしろ同じです。やってることの悪どさは
デルタさん:
∀zumaさん。
プライミング効果を、サブリミナル効果や、光過敏性てんかんと一緒に論じるのには、無理がありますよ。
プライミングは、本人の「行動が経験の蓄積に影響される」という、一種学習効果なのであって、心理操作とまではいいきれないので。というか、日常的に起きている現象なので問題にするのもナンセンスです。
それにたいして後二者は、放送界の規定で自主規制されているくらい問題視されているのです。
∀zumaが言う「プライミング効果」という言葉を使っているが、私も初耳だったし、知らない方も多いと思うので、ネットで「プライミング」の定義を拾ってみた。
ウィキペディアより:
先行する事柄が後続する事柄に、影響を与える状況を指して「プライミングの効果(または”プライミング効果”)があった」と称される。そのような状況における「先行する事柄」をプライムと称す。先行する事柄には、単語、絵、音などがありうる。例えば、「医者」という言葉を聞くと、その後「看護婦」や「悪徳」、「あかひげ」などという言葉の読みが、「富士山」や「帰郷」という言葉の読みよりも早くなるのはプライミング効果があったこととなる。
多くの場合、その効果が無意識的である点、およびかなりの長期間(例えば1年間)にわたり効果が持続する点、記憶に障害を受けた者にも無意識的なプライミング効果は損なわれずにある(機能し続けている)点に、この現象の面白さがある。
心理カウンセリング用語辞典より:
単語の記憶や連想の実験などで、先に与えられた情報(先行刺激)が、後に続く情報(後続刺激)の処理に無意識に影響を及ぼすことをプライミング効果といいます。
ZAKZAK(2006/07/27)より:
「プライミング効果」とは心理学の専門用語で、一度受けた刺激が後に受ける刺激に影響を与えるというもの。「ピザを10回言って」と相手に言わせ、ひじを指さして「ここは?」と質問すると「ひざ」と答えてしまう、昔流行した「10回クイズ」もプライミング効果の影響と言われている。
国際医療福祉大教授で精神科医の和田秀樹氏は「日本が中国に悪いことをしたという先行刺激の中で安倍さんをみせ、関連が高いという効果をもたらす。プライミング効果は起こりうる」と指摘する。
最後のZAKZAKの記事の中でこの教授が「先行刺激の中で安倍さんをみせ、関連が高いという効果をもたらす。」とまるで、本来何の関係もなかったかのように聞こえるが、「・・・そして岸信介がA級戦犯不起訴になった本当の理由。」でも書いたとおり、実際に731部隊と当時満州を統括していた岸信介は深い関係があったのであり、岸信介は安倍晋三の祖父であることから、関連性が高いと言うことができるだろう。ただ、このYou Tubeの動画を見る限り、ほんの一瞬のことで視聴者の中にあの写真が安倍だと気づいた人が何人いただろうか?
条件反射的な作用と思われるプライミング効果だが、世間では731部隊と安倍のつながりは全く認識されていなかったのであり、この二つが関係あるのではと知ったのは安倍がいきなり憤慨して「政治生命を脅かす行為」などとTBSに対して抗議の声明をニュースに流したからではなかったか?これをプライミング効果と呼ぶほうがおかしいような気がする。このZAKZAKの記事は、安倍のお抱え新聞社『産経』の傘下にあるZAKZAKの記事で、お抱え教授に書かれたのかはわからないが、安倍に都合のいい記事になっているだろうことは誰の目にも明らかだ。
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