2010.02.13 (Sat)
バンクーバーオリンピック開会式
今日はバンクーバーオリンピックの開会式が行われたので、仕事から帰ってから珍しくテレビを見た。今冬季オリンピック大会には史上最多となる82ヶ国から約2500人の選手が参加するという。各国の選手が入場する場面でも、これまでに聞いたこともないような国がたくさん参加していたのには驚いた。今までは大きな国じゃないと参加できなかったオリンピック。今年はどんなに小さな国でも参加できるようにしたのかもしれない。明日から17日間に渡って各種の競技が行われる。
それにしても、今晩のオープニング・セレモニーは、冬季オリンピックとしては、かなり盛り上がっていたようだ。カナダの先住民が種族別にそれぞれカラフルな衣装を着て、カナダの土地と先住民の人々の歴史を織り込みながら、音楽に合わせて踊ったり、太鼓を叩いているところに、各国のカラフルなユニフォームを着た選手たちが入場する。選手たちは誰もが皆、オリンピックに参加できることに対して、誇りに満ちた表情と笑顔を見せていた。
残念だったのが、オープニングセレモニーの直前に、リュージュ(頭を後ろにして仰向けになってそりに乗り、時速100キロを超えるスピードでタイムを競うそり競技の一つ)の公式練習でグルジア代表のノダル・クマリタシビリ選手(Nodar Kumaritashvili)が死亡してしまったことだ。 滑走中にコース外へ飛び出し、コース沿いに設置された鉄柱に激突して死亡してしまったのだ。オリンピックに向けて必死に練習してきて、やっと晴れ舞台に出場できると思ったら、その直前に事故で亡くなってしまったなんて、なんと悲しい話だろう。それも、21歳というまだまだこれからというときに。グルジアの選手団がオープニング・セレモニーの会場に入場してきたときは、黒いユニフォームに身を固め、とても悲しそうな表情をしていたが、とびきり大きな拍手で迎えられた。
かなりショッキングな事故当時の写真:"The Huffington Post"より
Nodar Kumaritashvili Crash VIDEO: Winter Olympics Luge Slider DEAD (GRAPHIC PHOTOS)
今回、このオープニング・セレモニーでカナダの国歌「オー・カナダ」を独唱した16歳のミッキー・ヤノスキーさんは将来が期待されるすばらしい歌手だ。オープニング・セレモニーの動画がアップされたら、きっと彼女の歌も見つけることができると思うけど、まだいまのところアップされていないので、彼女の公式オリンピックソングを紹介させていただきたい。
IOCのジャック・ロゲ会長があいさつし、カナダ総督のミカエル・ジャン氏が開会を宣言した後、BCプレース内中央に聖火台が登場。元有名ホッケー選手のウエイン・グレツキーら4人の走者が4カ所から聖火に点火した。このもっとも肝心なときにスピード・スケーターのカトリオナ・ルメイ・ドーン(Catriona LeMay Doan)選手の点火した聖火が一つだけともらなかったのはちょっぴり残念だったけれども、他の3つはうまく点火したので、それほど目立たなかった。

本来はこうなるべきだった。

個人的には、一昨年の北京オリンピックに匹敵する壮大なセレモニーだったと思うし、全ての民族や国家が分け隔てなくオリンピックに参加するチャンスを与えられたという点でも、温かみのあるものであった。カナダ人であったら、ほとんどの人がカナダ人としての誇りをもてるような開会式だった。明日から始まる今冬季オリンピックから目が話せそうもない。
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2008.08.14 (Thu)
グルジア紛争:これまでの経過とその背景(YouTube 動画あり)
USA is behind the Georgia - Russian War
(ロシア戦争:米国が*グルジアの背後に)
*グルジアは英語ではジョージアと発音される。

グルジアの地図:毎日新聞より
その後、欧州連合(EU)議長国フランスのサルコジ大統領の働きかけで、グルジアのサーカシビリ大統領は12日夜、ロシアとの紛争解決に向けた和平案に合意。これに先立ち、モスクワでサルコジ大統領と会談したロシアのメドベージェフ大統領も和平案に合意し、8日に始まった武力衝突は双方が勝利ということで停戦に入った。
ところが、和平案に合意後も、ロシアによる軍事作戦が継続されているという理由で、一転してブッシュ米大統領は13日、「ロシアへの対応を協議するため、ライス国務長官をフランス、グルジアに派遣し、グルジアに対する米軍主導の人道支援活動を開始する」とホワイトハウスで声明を発表。これに対して、ロシアのラブロフ外相は、米国がグルジア寄りの姿勢を鮮明にしたことに強く反発した。
日本のニュースでは米国が平和維持のためにグルジア紛争に参加したかのように報道されているが、もともと米国はカスピ海周辺の石油パイプラインを持つグルジアの背後にひそんでおり、グルジアとロシアの軍事衝突をいまかいまかと待ち望んでいたのだ。このグルジア紛争の背景についてわかりやすく書かれたものを江田五月氏の掲示板で見かけたのでここに転載させていただきたい。
江田五月 新たな出発掲示板より
グルジア 菅原 2008年8月12日(火)09時40分
どうやらロシア軍がグルジア軍を圧倒して、ロシア軍がグルジアの各地を制圧しつつあるようです。グルジアにはカスピ海周辺の石油パイプラインがあり、ヨーロッパ向けオイルタンカーの港湾設備や長距離石油運搬用の鉄道網などがあり、NATO諸国の安全にとって極めて重要な地域性を持っているといわれます。ソ連崩壊後、カスピ海沿岸諸国から多量の石油が採掘されるようになると、同地域がかつてソ連圏だったこともあって、ロシアは沿岸諸国と改めて同盟を強化し始めます。そしてこの地域の石油権益はロシアが一手に収めたのです。EU諸国は石油欲しさに一斉にロシアと提携するようになり、NATOのボスであるアメリカの神経を逆撫でしました。
アメリカはそこで、ひそかにロシア嫌いのグルジア政府を説得し、グルジアがロシアと軍事衝突することがあれば、NATOがグルジアの軍事的安全を保証するという証文を入れたのです。グルジアは歴史上いつも東と西の強大な勢力に蹂躙され続けていました。当時の宗教としては最も進歩的だったキリスト教を国教とした、最初の国だったということからも、進んだ文明文化を持つ国だったことが想像されます。グルジアはアメリカへの忠誠を示すために、少数ではありましたが、イラク戦争に参加しています。
アメリカがグルジアを自勢力に引き込んだことで、今度はロシアの神経が逆撫でされることになります。ロシアはそこでソ連時代から得意な政治的方法を用い、グルジア内にロシア派を育て上げます。やがてロシアの傀儡となったオセチア自治区は、グルジアからの独立を要求し始めます。グルジア政府がその動きを早いうちに叩き潰そうとしたのが今回の軍事騒動というわけです。
アメリカはロシアと国境を接する東ヨーロッパや西アジア諸国にミサイル基地を設置しようとしつつありますが、当然ミサイルの照準はロシアの軍事基地に合わされることになるので、ロシアは大反対しているのですが、アメリカの目的がどこにあるのかというと、カスピ海沿岸地域の石油確保にあることは疑いがありません。ロシアがNATO諸国への石油供給をストップするようなことになれば、ヨーロッパ全体の均衡がたちまち崩れてしまう危険があります。下手をすればヨーロッパがロシアの言うなりになる可能性だって否定できないのです。今回始まったグルジアとロシアの軍事衝突は序幕が始まったばかりといって良いのではないでしょうか。どうも簡単には解決しないだろうというのが私の見解です。
そういうことなどを考えてみると、ブッシュが北京オリンピックで中国政府に大幅に協力したのもうなづけます。中国までがロシアと手を組まれては困るからです。アメリカの時事ニュースやオリンピックのニュースを眺めていると、どのメディアも中国を誉めそやし続けていることに気がつくはずです。アメリカのメディアは極めて政治的ですから、外交のことになると、政府に協力を惜しまないのはアメリカの伝統というべきでしょうか。
複雑な背景を非常にわかりやすく説明して下さっているので、今回のグルジア紛争のバックグラウンドが私にさえも理解できた。今後、アメリカを巻き込んだグルジアとロシアの軍事衝突がどのように展開していくのか、しばらく目が離せない。
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