2006.12.23 (Sat)
日本がMD費に巨額をつぎ込む理由って?

↑from Bruce Gagnon's"Oganizing Notes"
それでも、今日もJSFさんからJSFさんのコメント欄からコピペをしたと思われるコメントが入っていたので、紹介しよう。
そういえばミニーさんは「核の冬」理論を上回る被害が出るという根拠を述べてないですね。
仮に条件をこう設定します。
*地球上の核兵器を全て一斉に使用する。
1.全て地表(都市部)への攻撃に使用
2.全て宇宙空間で核爆発させEMP効果を狙う
1はカール・セーガン教授の理論「核の冬」が訪れて地球が寒冷化、人類は存亡の危機に立たされる恐れがあります。寒冷化の要因は地表が焼かれた(特に都市の火災)事により発生した粉塵が地球を覆い太陽光線が届かなくなる為です。粉塵は何年も地球を覆い続け生態系は激変するでしょう。
2は電磁パルスにより電子機器が破壊される恐れがあります。市民社会が大混乱になる可能性がありますが、電磁パルスは一時的なものです。また原始的な生活を送っているところでは関係がありません。
・・・え~っと、どう見ても2より1のほうが深刻なんですが。
ところでミニーさんは「Operation Argus」をご存じですか?
カール・セーガン(November 9, 1934 – December 20, 1996)は日本でもその著書『Cosmos』が映像化されて、かなり有名になった天文学者で、とてもわかりやすく宇宙について説明してくれたので、一般人の宇宙への興味を駆り立ててくれた人だった。しかし、同じ学者の間ではあまりにも理論を単純化しすぎているという批判をあびていたそうだ。例えば、学者には学者の世界の専門用語や知識があるのだが、それを一般の人にわかりやすく説明するには、かなり単純化しなくてはならなくなるので、そういった批判をあびてもしょうがないだろう。ただ、研究よりも金儲けを重視した学者もよくそういった批判をあびることがある。
カール・セーガンは地球以外にも宇宙に生物がいるという持論を持っていたが、それに異論を唱える天文学者は多い。そいえば、UFOや宇宙人が話題になったのも、ちょうどカール・セーガンが全盛をきわめていた頃だったと思うが、今ではあまり話題に上らなくなった。最近では、米国が月に着陸したのもやらせや嘘ではないかという議論も起こっているほどで、いよいよやらせ王国のメッキがはがれてきたようだ。
で、JSFさんが指摘された『核の冬』(ウィキより)はまだ読んでいないが、以下、概要から。
概要
この現象は、核兵器が使用される事で、爆発そのものや広範囲の延焼(火災)によって巻き上げられた灰や煙などの浮遊する微粒子(数時間から数年に渡って大気中を浮遊する)により、日光が遮られた結果発生するとされる。
太陽光が極端に遮断される事から、海洋植物プランクトンを含む植物が光合成を行えずに枯れ、それを食糧とする動物が飢えて死に、また気温も急激に下がる事が予想されるなど、地球環境が人間が生存できない程に悪化するとされている。
ちなみに、放射能を帯びた死の灰が降り注ぐ事による催畸性の問題もあり、一度核戦争が勃発すれば、国家間の報復合戦から地域限定戦争によっても世界規模の被害が懸念され、核兵器の危険性を説明する上で、本項で述べる現象は度々引用される概念である。
その出典元の最後に
同理論は世論からすれば、都市火災における煤煙の量を悲観的に見積もるなど核による被害の過大評価だとはされながらも、核兵器による大規模破壊や大量虐殺は避け得ない物と考えられた事もあり、後に度々引用される事となった。
と書いてあるが、私も核爆発による浮遊微粒子が火事の煤煙によって発生する上昇気流に乗って成層圏にまで到達し、ジェット気流によって世界規模に拡散するといった現象が起こるとは信じがたい。浮遊粒子の重さにもよるが、これが上昇するよりも、地上に舞い落ちる確率の方が高いと思うからだ。それよりも、宇宙空間で核戦争がおこなわれた際に生じるデブリ(宇宙のごみ)が地球を覆って日光を遮ると考えた方が、現実味があるのではないだろうか。それも、浮遊微粒子が数時間から数年に渡ってしか大気中を浮遊しないのに比べて、デブリは減少することなく、永遠にどんどん増え続けるだろう。きっと今カール・セーガンが生きていたら、そう訂正するだろうと思う。前に紹介した藤岡惇教授の論文によると、すでに1.3センチ以上のデブリ(宇宙のごみ)が11万個以上、地球の周りを浮遊しており、宇宙空間で戦争がおこなわれると大量のデブリが生まれるのではないかと推測している。
地球最後の日は、上空の核爆発がもたらす。まずは、電磁パルスで電子機器が破壊され、その後、大量のデブリで覆われた地球は、日光が遮ぎられて、再び氷河期が訪れる。こうして、人類は存亡の危機に立たされるのではないかと私は思う。そして、確かにミサイル防衛の話をしているのだが、宇宙戦争では、それ以外のもっと強力な兵器も使われるので、核爆発が起こらないという可能性は限りなく低くなるだろう。
Operation Argusは、初めて聞いたので、私立PDD図書館で調べてみたら、「冷戦時代、アメリカが構想した核攻撃からの防空作戦。 高度500キロメートルの上空で核爆発を起こさせ、発生した放射能の帯(radiation belt)を核ミサイルの楯(タテ)とするもの。この帯の中を核ミサイルが飛行すると中のプルトニウムが変質し不発弾になるという。実験の結果、放射能の帯の残留時間が予定より短く、年間1千発以上が必要と分かり、計画は破棄された。」
最後に一つだけJSFさんに質問したい。
JSFさんもブログに書いていたし、米標的ミサイル迎撃は技術的に困難 防衛次官 (11/17産経Web)という記事にもあるとおり、SM-3で、米標的ミサイル迎撃は技術的に困難だったら、どうして日本は高額な金額を出してまで購入するの?これと少し関連した記事、またまたJSFさんのコメント欄で見つけた「日本に「死の灰」を降らせるミサイル防衛」はなかなか説得力があって面白かったよ。それにしてもJSFさんのコメント欄は2ちゃんからきたお馬鹿も多いけど、専門的な意見も多少あって参考になるわん。
で、結論として、やはり無駄なMDはやめましょうということ。かなり前にこのブログで紹介した藤岡教授の『なぜカナダ国民はミサイル防衛への参加を拒否したのか』は、日本のミサイル防衛に多額の税金を投入するのを阻止するためには、必読をお薦めする。日本国民もミサイル防衛を是非拒否するべきだと思うから。
追記:さっそくJSFさんから回答をいただいたので、ここに追記する。
日本が購入するSM-3は、日本を標的にした敵弾道ミサイルの迎撃を行う為のものだからです。
以上、回答終わり。
ええとね、北朝鮮が先頃実験したテポドンは、米国を標的とした長距離ミサイルなんだが・・・(汗)。これは、決して日本を標的にしたものではないのにもかかわらず、テポドンが発射されようとしたときに、安倍がNHKで臨時ニュースを流したのは、単に国民を脅かせ、日本には強力な防衛が必要だからと洗脳しようとした結果だということになろう。
それでは、JSFさんは、どこがどんな理由で敵弾道ミサイルで日本を攻めてくるとお考えですか?
追加参考記事:
『今日の喜怒哀楽』「ミサイル防衛の要、海上レーダー基地が運用不能。」
北朝鮮の「ノドン」迎撃可能?

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