2009.05.06 (Wed)
インフルエンザA型(H1N1):発熱などの症状がある患者が診察拒否される

examiner.com
昨日は久しぶりにコレステロールの検査のために、血液検査と尿検査をしにクリニックに行って、私にしてみれば、大量の血液を採られたら、とても疲れて早くに寝てしまった。ずっと前にも書いたけど、私は、とにかく血液を採られるのが大嫌いで、恐怖を感じるので、普通の人からみたら、献血なんかに比べてほんの少量の血液なんだろうけれども、採血されるというその行為だけで、やたらと疲れてしまうようだ。
カナダでは、インフルエンザA型(H1N1)に感染した人が140人見つかっており、やはり私の行ったクリニックでも、受付の女性(正式には、メディカル・セクレタリーと呼ばれる)は、万一に備えてだろうが、マスクをしていた。しかし、街中でマスクをした人に出会うことはない。
WHO(英語)によると、メキシコの感染者は590人を占め、うち25人が死亡している。米国では286人の感染が確認され、1人が死亡。メキシコと米国以外では、新型インフルエンザによる死者は確認されていない。これら2カ国以外の感染者が確認された国・地域は次の通り(カッコ内は人数)。
オーストリア(1)、カナダ(140)、香港(1)、コスタリカ(1)、コロンビア(1)、デンマーク(1)、エルサルバドル(2)、フランス(4)、ドイツ(8)、アイルランド(1)、イスラエル(4)、イタリア(2)、オランダ(1)、ニュージーランド(6)、ポルトガル(1)、韓国(1)、スペイン(54)、スイス(1)、英国(18)。
「インフルエンザA型(H1N1)」世界事情というエントリーにも書いたけど、WHOは、海外旅行後に感染が認められた人は、政府の指導により医師の指示を仰ぐように勧めているのだけれども、日本では、そんな国民の基本的な権利さえも拒否されてしまっているようだ。
毎日新聞によると、インフルエンザA型(H1N1)への警戒が強まる中、東京都内の病院で、発熱などの症状がある患者が診察を拒否される例が相次いでいるそうではないか。少し前には、妊婦が病院をたらい回しになるというひどい医療事情が問題となったが、今度は、感染者が出た国への渡航歴などがない患者まで拒否されているということで、医師法違反の可能性もあるのではないかとその毎日新聞の記事は論じている。
国立感染症研究所の報告によると、感染後、生死を分けるのは、医療機関にかかるまでの日数の違いにもあるようだ。症例として、死亡例では医療機関にかかるまでの日数が平均7日間であったのに対して、回復した例では、平均3日間であったことを挙げている。
つまり、日本では、メディアがやたらとインフルエンザA型(H1N1)は恐ろしい病気であることを報道し、国民を恐怖に駆り立てておきながら、医療機関にかかる日数が生死を隔てることが報告されているにもかかわらず、病院にいけば、インフルエンザA型(H1N1)の疑いが少しでもあるだけで診察を拒否されるという国民をないがしろにした恐ろしい医療システムが蔓延っているということだ。
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2009.05.04 (Mon)
「インフルエンザA型(H1N1)」世界事情
『WHO』の日本語のサイトは、英語のサイトの情報を素早く反映していないので、2,3日遅れの情報が記載されている。このサイトの運営は、厚生労働省でやっていると思うんだけど、要らぬ偽情報ばかり流してないで、こういったサイトをいち早く更新することこそ、厚生労働省の役目だろうが。
英語の『WHO』のサイトより、海外の最新ニュースを和訳してお届けしよう。
2009年5月3日 -- 5月3日午前6時(GMT)までに、17カ国で公式にインフルエンザA型(H1N1)の787件の感染が報告された。
メキシコでは、19人死亡、506件の感染が確認された。過去48時間で感染件数が増えたのは、過去に採取されたウィルスのテストが行われているため。米国では、1人が死亡、160件の研究所が人に感染したことを確認したと政府が伝えている。
下記の国で死者は出ていないが、研究所が感染を確認した。( )内は感染者数。
オーストリア(1)、カナダ(85)、香港(1)、コスタリカ(1)、デンマーク(1)、フランス(2)、ドイツ(8)、アイルランド(1)、イスラエル(3)、イタリア(1)、オランダ(1)、ニュージーランド(4)、韓国(1)、スペイン(40)、スイス(1)、英国(15)
WHOは、一般客の旅行を制限したり、国境を閉鎖しないよう助言する。病人は、海外旅行を延期し、海外旅行後に感染が認められた人は、政府の指導により医師の指示を仰ぐことが求められる。
カナダの保健当局は2日、アルバータ州の養豚場で、豚がインフルエンザA型(H1N1)に感染したことを確認した。感染源は、メキシコから最近カナダに帰国し、インフルエンザに感染したような症状を見せていた農業労働者とみられる。その労働者は、メキシコで豚と接触があった。豚はすでに全頭が回復しており、人から豚に感染したウィルスが豚の体内で受け継がれる可能性はない。
また、よく調理された豚肉や豚肉製品からインフルエンザA型(H1N1)のウィルスが感染する危険性は全くない。
手を洗う際は、石鹸で丹念に洗い、もし、インフルエンザのような症状にかかったら、必ず医師の診察を受けること。

画像:「仲良しネコとミニブタ」より
一方、豚を食べないイスラム教徒が多く住むエジプトでは、政府がインフルエンザA型(H1N1)を理由に豚を一匹残らず処分しようとして、これに反発した養豚業者が治安部隊と衝突して負傷するという事件も起きている。
豚全頭処分のエジプト…業者が治安部隊と衝突、投石で抵抗
(読売新聞 - 05月04日 00:56)
【カイロ=福島利之】新型インフルエンザの感染予防策として、政府が飼育されている豚の全頭処分を決めたエジプトで3日、処分に反発する養豚業者と治安部隊が衝突し、国営テレビによると、12人が負傷した。
養豚業者が密集する首都カイロ西部マンシーヤ・ナセル地区では、政府の役人が豚を無理やり処分場に運ぼうとしたところ、業者が石を投げて抵抗。治安部隊がゴム弾を発砲した。
同国は豚肉を食べないイスラム教徒がほとんどだが、同地区は豚を飼育しているキリスト教一派のコプト教徒が住むスラム。ナハル・サミールさん(30)は「豚なしでどうやって生計を立てればいいのか。徹底的に戦う」とまくし立てた。
ここまでくると、インフルエンザA型(H1N1)が、エジプト政府によって、インフルエンザの感染を防ぐためというよりも、もともと豚嫌いなイスラム教徒が豚を飼育して生計を立てていたキリスト教徒を貶めるために利用されたって感が強いね。この争いが大きく発展しないことを願う。
カナダではこのところほとんどインフルエンザA型(H1N1)についてニュースで伝えることもないけれども、メキシコの隣国であるアメリカでさえ日本のようにむやみやたらに騒いでいない。冷泉彰彦氏がJMMのメルマガで「オバマと新インフルエンザ」と題し、米国での新インフルエンザの状況を詳しく伝えてくださっており、日本の対応については違和感を述べている。
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