2011.08.19 (Fri)
徳升綾乃さんの遺体発見、身元が確認される(追記あり)

写真:徳升さんのフェイスブックより
"thestar.com"によると、徳升綾乃さんの遺体が木曜日の午前10時にアメリカ側の滝付近で発見されたという。アメリカ側の滝は、ちょうどカナダ側の滝と滝つぼの間にあり、滝つぼまで流されなかったことが、早期発見に繋がったといえよう。
ナイアガラの滝、ニューヨーク州立公園アトラクションの一つである『風の洞窟』の職員が、女性の遺体がナイアガラ川下流に浮かんでいるのを発見した。最初はそれが、日曜日に滝に転落した徳升さんの遺体とはわからなかったそうだ。
月曜日からカナダとアメリカの捜索隊が徳升さんを探していたが、木曜日の朝、『風の洞窟』職員の連絡を受けてNY州立公園警察が現地に向かい、ナイアガラ渓谷とブライダルヴェールの滝の近くにあるツーリスト・アトラクションの『風の洞窟』の30メートル下で女性の遺体を確認した。消防隊の協力を得て、遺体をナイアガラ川から引き上げた。
トロントの日本領事館の大塚書記官によると、徳升さんのご家族に連絡をとったが、コメントを公にすることは、領事館を通してでも控えたいということだ。徳増さんのご家族は今回の悲劇でかなりのショックを受けており、言葉を失うのも当然だろう。外務省からも連絡をとったという。
徳升さんが通っていたヘンサ語学センターでは、その積極的な態度や人懐こい笑顔、その上、知的な女性として知られた徳升さんはクラスでも人気者だった。昨日の記事でも紹介した徳升さんのフェイスブックによると、徳升さんは愛知県の豊橋市出身(コメントには豊川市出身との指摘もいただいている)だという。
エリー地区の監察医が今日、遺体の検死を行ったが、夜現在、遺体の身元はいまだに確認されていないという。そんなわけで、まだ完全にその遺体が徳升さんのものであるかどうかはわからないが、遺体が見つかった場所とタイミングからして、徳升さんにほぼ間違いないだろう。
追記(8月19日):その後、昨日引き上げられた女性の遺体は、徳升さんであることが確認された。ナイアガラ・パーク警察のダグ・ケーン巡査部長が、NY州立公園警察から聞いた情報によると、昨日発見された遺体は、先週ナイアガラ川に転落した行方不明の女性のものと確認されたそうだ。
短い人生だったけど、徳升さんは自分のやりたいことをやって、楽しい、充実した時を過ごしたに違いない。自分の人生を振り返ってみると、若い頃はスリルや刺激を求めやってはいけないことをやってしまった。もし、自分が20歳で、ナイアガラの滝に来て、写真を撮るとしたら、やはりみんながあっというような写真を撮りたいと思っただろう。フェイスブックに載せるので少し無理して危険がいっぱいの写真を撮りたい。若い頃は誰でもそんなものではないか。
しかし、まさかそれが死につながるとは誰も思わなかっただろう。たまたまそのときに強い風が吹いて、バランスをくずし、足元がすべってしまった。運が悪かった。禁じられていることをするときは、いつも死の危険が伴うことを忘れてはならない。ナイスショットと自分の命、どちらが大切かをよく考えるべきだった。死にたくなければ、やらないことだ。
徳升さんの死を無駄にしないように、ナイアガラの滝に来たら絶対に柵を越えないようにしよう。
心よりご冥福をお祈りします。

Niagara Falls - Cave of the Winds (風の洞窟)の動画
追記(8月20日):徳升さんと一緒に働いたことがあるという方から、ご指摘を受け、漢字の訂正をさせていただいた。その方によると徳升さんはとても明るくて賢い女性だったそうだ。やはり語学学校での評判は本当だったようだ。
初めまして 身元が確認されたとの事で安心いたしました。
また、とても慈愛に満ちた文章で感動いたしました。
彼女はほんの少しの間でしたが、一緒に働いていたことがあります。とても賢く、また明るい性格で今回の事故が信じられませんでした。
お名前は、徳升 が正しい表記になります。
大変ありがとうございました。合掌
2011.08.18 (Thu)
ナイアガラの滝に転落した徳升綾乃(とくますあやの)さん最後の瞬間
"Huffington Post"が、ナイアガラの滝に転落した女子学生の名前と写真を公表した。とくますあやの(徳升綾乃)さん20歳。最初の報道では、19歳と伝えられていたが、実際は20歳だったそうだ。トロントのHANSA(ヘンサ)語学学校で英語を学んでいた。語学学校のクラスメイトによると、徳升さんは、いつも笑顔で明るい女性だったという。
彼女のフェイスブックの写真を見ると、とても可愛らしい女性で、ラクダの背中に乗ってポーズをとったり、夕日の沈む海辺でショーを見たりと、とても活動的な冒険家だったようだ。

オンタリオ州のウィンザー在住のカップル、アンドレア・スミスさんと、ジェイソン・ワトソンさんが、カメラに映った徳増さんの最後の姿を公開した。この写真は、カップルの息子、ジェアード・ワトソン君がその日の夜8時を少し過ぎたときに撮ったもの。
アンドレアさんたちは、写真を撮ってその場を去った。翌日、ニュースで、女性がナイアガラの滝に転落したと聞き、仰天した。徳升さんが落ちたのは、まさにこの写真を撮った場所で、アンドレアさん一家が去った2、30分後だった。この写真を見ると確かに徳升さんは、柵の向こう側に立っているのがわかる。ただ、他の目撃者は、徳升さんは、赤いフードつきのセーターを着ていたと証言しているそうだが、この写真で徳升さんと見られる女性が着ているのは、フードなしの赤いセーターであり、その点に矛盾がある。又、徳升さんは傘を持っていたはずだが、この写真では傘は見えない。ちょうど隠れた部分の右手に持っているのだろうか。
アンドレアさんによると、確かにこの女性が徳升さんで、徳升さんは、女友達と話しながら、この柵の上にまたがったり、石の上に座ったりしていたそうだ。そして、これが、最後に立ち上がった瞬間だったのかもしれない。

アンドレアさんは、なぜ、あのときに注意してあげられなかったのかと今さら後悔しても遅すぎるけれども、とてもつらい気分になるという。ジェイソンさんも、一言注意していれば、彼女の人生を変えられたかもしれないと思うと、残念でならないと語る。そのときには、徳升さんの柵を越えるという行動がそれほど気にならなかったが、この写真を見る度に後悔の念にかられるそうだ。
昔なら、注意すれば聞き入れられたかもしれないだろうけど、今だと見ず知らずの人に注意しても、無視されるか、逆切れされて、「あんたには関係ないだろう。」と言われるのがオチだからね。最悪の場合は、せっかく注意してあげたのに、逆切れされた相手にナイフで刺されたり、滝に落とされてしまう可能性だってないわけではない。「触らぬ神に祟りなし」というのが、現代の人々が平穏に暮らしていく上での生活の知恵だろう。
しかし、2人が言うように、もしこのとき、誰かが注意していたら、徳升さんはナイアガラの滝に落ちることもなかったかもしれないと思うと、いたたまれない気持ちになる。
ナイアガラ川がすぐ下に流れるこの場所から落ちたら、まず助かる見込みはないだろう。2度とこのような悲劇を繰り返さないよう、徳升さんが転落したこの場所に1人の女性が柵を越えて命を落としたという事実を伝えるための看板を立て、滝に直接落ちる場所だけ、柵に沿って45度の角度でセイフティネットをつけたらいいのではないか。そのくらいしか、転落事故を防止する方法はないように思われる。
彼女のフェイスブックの写真を見ると、とても可愛らしい女性で、ラクダの背中に乗ってポーズをとったり、夕日の沈む海辺でショーを見たりと、とても活動的な冒険家だったようだ。

オンタリオ州のウィンザー在住のカップル、アンドレア・スミスさんと、ジェイソン・ワトソンさんが、カメラに映った徳増さんの最後の姿を公開した。この写真は、カップルの息子、ジェアード・ワトソン君がその日の夜8時を少し過ぎたときに撮ったもの。
アンドレアさんたちは、写真を撮ってその場を去った。翌日、ニュースで、女性がナイアガラの滝に転落したと聞き、仰天した。徳升さんが落ちたのは、まさにこの写真を撮った場所で、アンドレアさん一家が去った2、30分後だった。この写真を見ると確かに徳升さんは、柵の向こう側に立っているのがわかる。ただ、他の目撃者は、徳升さんは、赤いフードつきのセーターを着ていたと証言しているそうだが、この写真で徳升さんと見られる女性が着ているのは、フードなしの赤いセーターであり、その点に矛盾がある。又、徳升さんは傘を持っていたはずだが、この写真では傘は見えない。ちょうど隠れた部分の右手に持っているのだろうか。
アンドレアさんによると、確かにこの女性が徳升さんで、徳升さんは、女友達と話しながら、この柵の上にまたがったり、石の上に座ったりしていたそうだ。そして、これが、最後に立ち上がった瞬間だったのかもしれない。

アンドレアさんは、なぜ、あのときに注意してあげられなかったのかと今さら後悔しても遅すぎるけれども、とてもつらい気分になるという。ジェイソンさんも、一言注意していれば、彼女の人生を変えられたかもしれないと思うと、残念でならないと語る。そのときには、徳升さんの柵を越えるという行動がそれほど気にならなかったが、この写真を見る度に後悔の念にかられるそうだ。
昔なら、注意すれば聞き入れられたかもしれないだろうけど、今だと見ず知らずの人に注意しても、無視されるか、逆切れされて、「あんたには関係ないだろう。」と言われるのがオチだからね。最悪の場合は、せっかく注意してあげたのに、逆切れされた相手にナイフで刺されたり、滝に落とされてしまう可能性だってないわけではない。「触らぬ神に祟りなし」というのが、現代の人々が平穏に暮らしていく上での生活の知恵だろう。
しかし、2人が言うように、もしこのとき、誰かが注意していたら、徳升さんはナイアガラの滝に落ちることもなかったかもしれないと思うと、いたたまれない気持ちになる。
ナイアガラ川がすぐ下に流れるこの場所から落ちたら、まず助かる見込みはないだろう。2度とこのような悲劇を繰り返さないよう、徳升さんが転落したこの場所に1人の女性が柵を越えて命を落としたという事実を伝えるための看板を立て、滝に直接落ちる場所だけ、柵に沿って45度の角度でセイフティネットをつけたらいいのではないか。そのくらいしか、転落事故を防止する方法はないように思われる。
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